昨日までなんともなかったのに、朝起きると耳がこもる、音が聞こえにくいなど、突然、難聴の症状が表れた時は要注意です。
耳がこもるという症状は難聴の症状の一つ。
突然の難聴はもしかしたら突発性難聴かもしれません。自己判断せずに早めの受診が大切です。
朝起きると耳がこもる?それは突発性難聴の症状かもしれません
特に昨日まで何ともなかったのに、朝起きると耳がこもるという症状は突発性難聴の可能性があります。
突発性難聴とは、ある日突然、前触れもなく耳の聞こえが悪くなる耳の病気です。
難聴と聞くと、耳が聞こえないなどの症状を思い浮かべる人も多いかもしれません。
難聴とは、少しでも聞こえにくい症状、全く聞こえない症状のことをいいます。
そうなんです。
耳がこもる、詰まった感じがすることを耳閉感(じへいかん)と呼びますが、これは難聴の症状です。
耳の中に水が入ってしまったり、飛行機に乗った時の気圧の変化で耳がこもって塞がったような感じになった経験はないですか?
耳抜きをすると治る場合が多いので、この耳閉感は難聴の症状だという認識を持っている人は少ないかもしれませんね。
耳がこもるという耳閉感は、完全に耳が聞こえないという感じではないし、そのうち治るだろうと放置しがちです。
聞こえにくい程度も人それぞれです。時間が経つと症状が治まる場合もありますし、繰り返すこともあります。片耳だけの場合、両耳に現れる場合もあります。
わかります。でも、突発性難聴だった場合は早期の治療が回復のカギです。
難聴の症状は放置せずに早めに病院へ行くことをおすすめします。
朝起きると耳がこもる症状は突発性難聴かも⁉︎それってどんな病気なの?
耳の病気である突発性難聴とは具体的にどんな病気なのでしょうか?
その前に、難聴についての種類を解説しますね。
難聴には原因となる場所と種類がある
難聴は、耳の中のどこかに障害があって起こります。
耳の構造は下記のように外耳、中耳、内耳に分かれています。
この障害が起こるのは外耳なのか、中耳なのか、内耳なのか?場所によって難聴の種類が異なります。
伝音(でんおん)難聴
伝音難聴とは、外耳や中耳になんらかの障害があることで、内耳にうまく音が伝わらず聞こえにくくなる症状の難聴です。
原因となる主な病気
上記以外に外傷など、様々な原因で起こります。
耳閉感があり、大きな音は聞こえるけど小さな音が聞こえづらいなどの症状が特徴です。
伝音難聴はほとんどが機能障害が原因なので、手術や投薬治療などで聴力が回復する可能性があります。
感音(かんおん)難聴
感音難聴とは内耳やもっと奥にある蝸牛神経(かぎゅうしんけい)や、脳に障害があることが原因で起こる難聴です。
症状の特徴としては、高音域の音が聞こえにくく、言葉の聴き取りが難しくなります。
原因となる主な病気
感音難聴は耳の病気によっては治療による回復が難しく、補聴器を使っても聴力を補う事は難しいといわれています。
混合性難聴
混合性難聴は、伝音難聴と感音難聴の両方の症状が起こる難聴です。
混合性難聴のなかでも多いのが老人(加齢)性難聴です。小さい音が聞こえづらくなるのが特徴的な症状です。
伝音難聴と感音難聴のどちらの度合いが強く出るのか?それは人によって個人差があります。
聞こえ方が大きく異なるので、聞こえづらさの程度も軽い人から重い人までさまざまです。
高齢になると耳が遠くなるのはただ、聴力が衰えるという老化現象だと思って深く考えたことが無かったのですが、高齢で聞こえづらくなるのは耳の中で障害が起こっているからだったんですね。
突発性難聴の症状
さて、改めて突発性難聴についてお話していきます。
冒頭でもお伝えしていますが突発性難聴とは何の前触れもなく突然に片方の耳の聞こえが悪くなる病気で、原因が不明瞭なものを言います。
多くは片耳ですが、ごく稀に、両耳に症状が出ることもあります。
耳閉感、耳鳴り、めまいを伴うこともあり、「朝起きたら耳がこもる」症状は、この突発性難聴のよくある症状です。
男女問わず、特に【40-60歳代の人】に多く見られます。
そしてとても大事な事!
注意ポイント 突然の難聴症状があったら、数日中もしくは1週間以内、遅くても2週間以内には耳鼻科を受信しましょう。
また通常は感音難聴は治療による回復が難しいとされていますが、
感音難聴に分類される突発性難聴は治療による回復が可能な難聴なんです。
どうして突発性難聴は早めの治療が重要なの?
突発性難聴だった場合、治療が遅れると聴力が戻らなくなる可能性があります。
私たちの耳の中の内耳には音を感知する「有毛細胞」というものがあり、その音を脳へ送る役割をしています。
音は、外耳から中耳まで空気の振動として伝わってきて、内耳の「蝸牛(かぎゅう)」という、かたつむりのような螺旋(らせん)状をした器官へ入ります。
このとき、音を感受するのが蝸牛内部にある「有毛細胞」という細胞です。有毛細胞は、片耳に約15,000個並んでいて、その名の通り「感覚毛」という細い毛のような束をもっています。
蝸牛に音の振動が伝わると、感覚毛が揺れて興奮し、音を電気信号へと変換します。これが聴神経を経て脳に到達すると、音が聞こえるのです。
そのため、有毛細胞が加齢や騒音の影響などで傷つき、壊れてしまうと、音を感じ取りにくくなり、難聴を引き起こします。一旦壊れてしまった有毛細胞は、元には戻りません。
「有毛細胞」から脳へ音が伝わることで私たちは音を「聞く」事ができているんですね。
内耳で障害が起こると、この「有毛細胞」が壊れ、現在の医療では回復しない…
そのため治療が遅れると「有毛細胞」が壊れてしまい、聴力は元のように回復しない可能性があるのです。
突発性難聴にはこれが効くという特効薬はありません。
治療には投薬をしますが、必ずしも治る特効薬ではないんです。
およそ3分の2は完治、及び多少の後遺症が残ったりするが改善します。
そして…残り3分の1は完治しない難病です。
でも、大丈夫です。そんなに怖がる必要はありません。
症状が起こってすぐであれば、「有毛細胞」が壊れる前に治療で回復する可能性があります!
改めて、突発性難聴の場合の病院へ行く目安!
病院を受診する目安は、1週間以内です。それもできるだけ早く。そして遅くとも2週間以内に受診しましょう。遅くなればなるほど回復する確率が下がっていきます。
大したことはないと放置して手遅れになる前に、病院を受診して治療すれば大丈夫です。
突発性難聴の原因って何だろう?
突発性難聴の直接的な原因は「有毛細胞」がなんらかの障害があって傷ついてしまい壊れることですが
何らかの障害となる原因は残念ながらわかっていません。
仮説として有力なのがウイルスの感染、内耳の血流循環が悪くなることではないかと考えられています。
突発性難聴の原因となる可能性①ウイルスの感染
突発性難聴は一度かかると再発することがないので、なんらかのウイルスが内耳に入り障害を引き起こす原因であるという説が有力視されているようです。
突発性難聴の原因となる可能性②内耳の血流循環の障害
なんらかの原因で内耳の血流循環が悪くなることで、音が伝わりづらくなり、耳の器官がうまく機能しなくなると考えられています。
基礎疾患に糖尿病、動脈硬化などがあると血流循環に影響があるようです。
耳がこもる症状はストレスが原因となっている可能性もある
ストレスはいろんな身体にいろんな症状を引き起こします。
特に精神的、身体的ストレスや過労が長期間続くと心身共に疲れてしまい自律神経のバランスが乱れていきます。
自律神経が乱れると内耳を循環する血流が悪くなり、内耳の圧力が変化することで耳閉感が起こる場合があります。
突発性難聴の原因はウイルスの感染と内耳の血液循環が有力だとお伝えしていますが、ストレスによる自律神経の乱れも、関係性があると考えられています。
突発性難聴のはっきりとした原因はいまだ解明されていません。現在は内耳(耳の奥深く)のウィルス感染や血流障害が原因という説が最も有力で、その点に焦点を置いた治療が行われています。
一方で突発性難聴は比較的健康な人が発症することが多いため、近年は疲労やストレスなども原因になると指摘されています。そのメカニズムは、睡眠不足や肉体的疲労、精神的なストレスによって自律神経がバランスを崩し、内耳の血流障害を招くのではないかと考えられています。
引用:ピカラダ 飯塚病院
突発性難聴を引き起こすかどうかは可能性があるだけで、必ずしもストレスで起こる病気ではありませんが、いずれにしてもストレスを抱えすぎない生活を心がけることは大切ですね。
朝起きると耳がこもるのは突発性難聴かも⁉︎早めの治療が大切です!まとめ
朝起きると耳がこもる症状軽をく見て放置してしまうと、聴力が改善しない可能性があるとは…
もし突発性難聴だったらと考えると怖いです。死に至る訳ではありませんが聴力が衰えたり、最悪、聞こえなくなるかもしれないなんて!そんな時はすぐにでも病院へ行こうと思いました。
また、難聴と言えば単純に聞こえが悪くなることという認識でしかなかったのですが、耳がこもる感覚の耳閉感も難聴の症状であることを初めて知りました。
耳の病気は周りから見ると、見た目ではわからない疾患です。
よく聞こえないだけなのに、人から「無視された」などと悪い印象をもたれたり、音で危険を察知できないために事故に遭ってしまったり、生活に支障がでてしまいます。
そうならないよう、耳に異常を感じたら、迷わず早急に病院へ行ってほしいと思います。
みなさんが長く、健康な耳で過ごせますように!