初夏から秋にかけて美味しくなるなす、美味しいですよね。
ごはんのお供として添えるのも良し、お酒のおつまみとして食べるのも良し、バーベキューなどで火照ってきたときに食べるも良し。
なすは90%以上が水分で身体を冷やしてくれる効果があります。食欲が落ちる夏にも、なすやきゅうりなら食べられるというのも納得ですね。
では、浅漬けは家でも簡単に作れるのでしょうか。
きゅうりなら朝漬けて夜には食卓に出したり、前日の夜に漬けてバーベキューに持って行ったりと、とにかく簡単で夏の定番メニューですが、なすではどうでしょう。
あく抜きは必要?
コツはあるの?
どのくらい漬け込めばいいの?
今回は、なすの漬け方の正解が分からないという方のこのような疑問にお答えします。
浅漬けの素でなすの浅漬け!あく抜きは必要?
浅漬けの素で浅漬けを作るときにあく抜きの必要があるかないかですが、結論から言いますと『あく抜きをすると綺麗で美味しく仕上がるが、しなくても食べられる』です。
つまり、あく抜きは必ずしも必要ではないです。
あく抜きをするメリット
- 苦み・渋み・えぐみなどが取れる
- 色味が綺麗に仕上がる
- 切ってから調理までに時間がかかるときに変色を防げる
あく抜きをしないメリット
- 時短になる
- 有効な栄養成分(ナスニン・クロロゲン酸・アントシアニン・一部の食物繊維)が損なわれない
ただ、なすの浅漬けは見た目の綺麗さも大事ですよね。なすは調味料の色でごまかすことができないからです。
ですので、『あく抜きをすると綺麗で美味しく仕上がるがしなくても食べられる』と言いましたが、『あく抜きをしなくても食べられるが、すると綺麗で美味しく仕上がるのでおすすめ』という方が正しいですね。
なすのあく抜きは簡単!色んな方法をご紹介
なすは美味しいですが、あく抜きのひと手間が面倒でもありますよね。
でも、その下処理のひと手間で苦み・渋み・えぐみなどが取り除けます。
調理途中であくが出て料理の色を悪くしてしまうのを防ぐことができる大事な工程でもあります。
水に浸けるってどのくらいの時間?
浮いてくるけど良いの?
水に浸ける他に方法ってあるの?
これらの疑問にお答えしていきます。
あく抜きのひと手間と言いましたが、あく抜きの方法はとても簡単ですよ。
【基本のあく抜き】水に薄く切ったなすを浸す
水を張ったボウルに薄く切ったなすを10分ほど浸すだけです。これだけで簡単にあく抜きができますよ。
この時、長時間水に浸すと有効な栄養成分(ナスニン・クロロゲン酸・アントシアニン・一部の食物繊維)まで損なわれてしまうので、10分を心掛けると良いです。
その後は水分を拭いてから浅漬けの素で漬けると良いですね。
浮いてくるけど良いの?
浮いている部分は空気に触れているので、出来るだけまんべんなく水に浸けることをおすすめします。
- 菜箸などでたまにひっくり返したり上から押す。
- ザルなどで上から押す。
- 上からキッチンぺーパーをかける。
- ラップをかけて空気を押し出す。
いろんな方法がありますが、全体がしっかり水に浸かるようにしてあげた方が良いですね。
【その他のあく抜き①】塩水に薄く切ったなすを浸す
塩分濃度0.5%~1%の塩水に薄く切ったなすを3分ほど浸すだけです。
水に浸ける場合は10分ですが、さらに短時間であく抜きができます。
塩水はなすの変色を防いでくれる効果もあるので浅漬けにはおすすめです。
ただし、あまり濃くしてしまうと味に影響してしまうので、塩分濃度は0.5%~1%を心掛けると良いですね。
その後は水分を拭いてから浅漬けの素で漬けると良いですね。
【その他のあく抜き②】なすの切り口に塩を振り水分を拭く
なすの切り口に塩を振り2~3分経ったら出てきた水分を拭くだけです。これだけで簡単にあく抜きができますよ。
水を使わないので有効な栄養成分を損なわず調理できます。
味が濃くなってしまう可能性があるので、こちらは炒め物や揚げ物の際におすすめです。
この後で浅漬けの素で漬けるのであれば、減塩のものを使うと良いですね。
【その他のあく抜き③】酢水に切ったなすを浸け水で流す
濃度約3%の酢水に5~15分浸け、水で洗い流す。
水1カップに酢を小さじ1加えたものになすを浸けます。酢水に浸ける場合は5~15分です。
酢水はなすの変色を防いでくれる効果もあるので、見た目が重要な料理にはおすすめです。
水で洗い流す工程については、酢の味が気になる方のみ行ってください。
その後は水分を拭いてから浅漬けの素で漬けると良いですね。
焼きミョウバンと塩で色素を安定させてあくを抜く
ミョウバンが含まれたなす漬けの素というのも売られています。焼きミョウバンはスーパーでも漬物コーナーに置かれていることが多いです。
これを使うのが正直、一番色味も歯ごたえも良く仕上がります。
売り物レベルのなすの浅漬けを作りたいのであればミョウバン一択です。
ミョウバンとは硫酸カリウムアルミニウムのことで、食品添加物として色んな食べ物に含まれています。
身近なものでお漬物の色付け安定剤以外だと以下のようなものに含まれます。
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- 膨張剤としてベーキングパウダーや焼き菓子に含まれる。
- 芋や栗の煮崩れ防止として使われている。
- 品質安定剤として使われている。
- ウニの型崩れ防止や保存のために使われている。
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使用量を守れば何の問題もないですが、食品添加物は極力摂りたくないという方は家で食べる分には他の方法で十分な気がします。
ミョウバンを使うのは、人に振る舞うときなどで見た目を気にするときだけで良いかもしれませんね。
ミョウバンを使う際は、浅漬けの素にミョウバンを少量溶かして浸けると変色を防ぐことができます。
あとは、ミョウバンを使う際は浅漬けの素は使わずにミョウバンと塩を揉みこんで漬ける方法がほとんどです。
浅漬けの素は使わないレシピになりますが載せておきますね。
ミョウバンを使ってナスの浅漬け~♪
【材料】
- なす 1キロ
- ミョウバン 3g
- 塩 30g
- 水 500cc
【作り方】
- ナスを水洗いします。
- ヘタの部分を切り取ります。
- ミョウバン・塩を計量します。
- ナスに直接ミョウバンと塩を摺り込みます。
- ミョウバン・塩を振り込んだ後、きつめの容器に並べます。少しギュウギュウの方が良いです。
- 1~2時間。常温で放置します。
- 紫色の汁が出てきます。この状態なってから本漬けにします。
- 水を計量する。
- 漬物容器に移し替え、水を加えて冷蔵庫に入れます。
引用 クックパッド
あく抜きをする場合には、有効な栄養成分を損なわないためにも短時間で効率よくしたいですね。
そもそもなすの『あく』って何?食べると有害?
なんとなく『あく』は抜くものと思って料理の工程に入れていますが、そもそも『あく』って何なんだろうって思いますよね。
『あく』とは食材の持つ苦み・渋み・えぐみなどのことを指します。
『あく』が空気に触れると、食材の酸化にもつながり、切り口が茶色く変色してしまったりします。
ただ、『あく』の成分はポリフェノールの一種なので身体に悪いものではないので、浅漬けを作る際にも『あく抜きをすると綺麗で美味しく仕上がるがしなくても食べられる』のです。
あく抜き以外でなすの浅漬けを綺麗に仕上げるコツ
あく抜きをすること以外にもなすの浅漬けを綺麗に仕上げるコツはあります。
プラスのひと手間でとてもきれいな仕上がりに変わります。
コツ①なすはへたを取って半分にカットして浸ける
一般的には食べやすい大きさに切ってから漬けますが、この方法は大きいまま漬けます。
食べる直前に細かく切ることによって断面が空気に触れる時間を短くします。
コツ②浸ける際には密封できるフリーザーバックを使う
よく揉みこんだあと袋の中の空気を抜くのがポイントです。
コツ③袋の上からしっかり揉みこむ
密封できるフリーザーバックで空気を抜いても、なすの中にも空気は含まれています。
袋の上からしっかり揉みこんでなすに含まれている空気を押し出すのもポイントです。
一般的な工程の中の、袋をフリーザーバックに変えて、ただ漬けるだけのところをしっかり揉みこんで空気を抜くようにするだけで仕上がりが見違えます。
あく抜きをすること以外でなすの浅漬けを綺麗に仕上げるコツは色々ありますね。
どれも簡単に出来るので、ぜひ試してみてくださいね。
なすの浅漬けの漬け時間は?漬け方別にご紹介
なすを半分にカットして1cm幅にカットし浅漬けにする場合
漬け時間:冷蔵庫で約30分漬ける
なすを大きめにカットして浅漬けにする場合
漬け時間:冷蔵庫で約30分漬ける
なすの一本漬けにする場合
漬け時間:冷蔵庫で一晩漬ける
一晩おくとか一晩漬けるって何時間なの?
ちゃんと書いてよって思う方もいるかと思いますので、ご説明してしておきますね。
一晩おくの一晩は『8時間』です。
調理の過程において数時間の差が大きな違いにならないときに使われるワードです。
ですので、別に6時間であっても10時間であってもそこまで大きな問題ではないわけです。
なのであまり深く考えずに、朝食べたい方は夜のうちに漬けておいて、夜食べたい方は朝漬けておけば良いですね。
一本漬けを食べたいけど時間があまりないという場合
5mm程度の切り込みを6~8か所入れると浅漬けの素が染み込みやすくなるので、カットして浸ける場合と一緒の30分の漬け時間で漬かりますよ。
水なすでなすの浅漬けを綺麗に仕上げる
あく抜きをすること以外にもなすの浅漬けを綺麗に仕上げるコツがもう一つあります。
それは選ぶなすを「水なす」にしてみることです。
綺麗に仕上げたいけどあく抜きの手間を省きたい方は水なすを買ってくるのをおすすめします。
なすならよく買うけど、水なすってどういうものかわからなくて手を出したことがない
このような方にこそぜひ水なすの特徴を知っていただきたいです。
水なすはあく抜きの必要もなく実はとっても使いやすいですよ。
水なすとはどんなものか見ていきましょう。
水なすってどんなもの?スーパーではあまり見ない?
水なすはなすの品種の一つで、なすより水分量が多くあくが少ないのが特徴です。
絞ると水がしたたるほどたっぷり水分を含んでいます。
水なすの旬は5~8月と短く、傷みやすい品種で栽培も難しいので流通量は少ないです。
見た目はずんぐりとした卵のような綺麗な形をしています。
ほのかな甘みもあり、生で食べられる瑞々しいなすです。
水なすってどんな料理に使うことができる?
水なすはどんな料理にでも使えます。あくが少なく生でも食べられる水なすは、素材の味を活かした食べ方をすることが多いだけで、他の料理に使えないというわけではないのです。
ただ、流通量が少ない希少なものを麻婆ナスみたいに味の濃い料理にしてしまうのはもったいないので、使い分けるのが良いかもしれませんね。
もし希少な水なすが手に入ったら、浅漬けや焼浸しのようにシンプルな、なすの味を活かした料理にするのがおすすめですよ。
余談ですが…なすの味噌汁って黒くなりませんか?
なすの料理法と言われて思い浮かべるものの中になすの味噌汁も入ってくると思います。
ただ、家庭で作るとなんとも言えない汚い色になってしまうことありませんか。
味噌汁の色が濁って黒っぽくなってしまう問題
私は何度もこの問題に悩まされてきました。
ただ、これは工程を見直すか、たったひと手間工程を加えるだけで解消できるのです。
ここではなすの味噌汁が黒くならない方法をご紹介しますね。
工程を見直すだけで黒くならないなすの味噌汁
私と同じで黒いなすの味噌汁を作ってしまった方。
なすを水から入れていませんか?
そこの工程を見直すだけで、すごく簡単に綺麗ななすの味噌汁を作ることができますよ。
方法は簡単です。
だし汁を泡立つほど沸騰させて、その中になすを投入し強火で2分煮る。
以上です。
あとは味噌を溶かせば完成します。
沸騰している状態を保つのがポイントです。
なすが多い場合は一度に入れると温度が下がってしまうので、数回に分けて投入してください。
工程を見直すだけでこんなに簡単に綺麗ななすの味噌汁を作ることができます。
ぜひ試してみてくださいね。
工程を1つ足すだけで黒くならないなすの味噌汁
なすの味噌汁が黒くなる現象は、なすに含まれる水溶性の植物色素のアントシアニンが味噌汁に溶けだしてしまうことにより起こります。
実はこれがたったひと手間で解消できるのです。
カット前のなすをラップでくるんで電子レンジで1分加熱する。
以上です。
あとはそのなすをカットして出汁に入れるだけです。
なすに火が通っているので少し温めて味噌を溶かせば完成します。
水から煮ると煮ている間にどんどん植物色素のアントシアニンが味噌汁に溶けだしてしまいます。
ですが、この方法だと煮る時間が短いので鮮やかな色のなすの入った濁っていない綺麗な味噌汁が作れますよ。
ぜひ試してみてくださいね。
"浅漬けの素でなすの浅漬け!あく抜きは必要?方法や時間もご紹介"まとめ
- あく抜きをすると綺麗で美味しく仕上がるがしなくても食べられる
- あく抜きをすると苦み・渋み・えぐみなどが取り除ける。
- あく抜きをすると調理途中であくが出て料理の色を悪くしてしまうのを防ぐことができる。
- 『あく』の成分はポリフェノールの一種なので身体に悪いものではない
- あく抜きの方法は、水に浸ける・塩水に浸ける・断面に塩を振る・酢水に浸ける・ミョウバンを使う。
- なすを浅漬けの素に漬ける時間は、カットしていたら30分・一本漬けなら一晩。
- なすの浅漬けの変色を防ぎたいなら、水なすを選んでみるのもおすすめ。
なすはよく食卓に並ぶ食材ですよね。
でも、変色してしまったり、レンジ調理で失敗してしまったり、調理が難しい食材でもありますね。
あく抜きの方法を知っていただいて、なすの浅漬けやなす料理を綺麗に仕上げてくださいね。