白酒と書いてバイチュウやバイチョウなど、呼び方は決められていませんが、このような名前のお酒があります。
この白酒、まずいことで有名なんです。
白酒ってひな祭りに飲むやつじゃないの?
今回は中国で飲まれているお酒について紹介しますね。
白酒ががまずいというのは、飲んだお酒や、飲み方が悪かったことが原因ではないでしょうか。
それらは自分に合うお酒を選んだり、ゆっくりしたときに飲んだりすれば解消することなんです!
今回は、白酒のまずさの理由、白酒の香りや麹や原料について、それから値段やそれにまつわる面白い話、美味しく飲むコツについて詳しく迫ってみたいと思います。
飲み方は美味しく飲めるものが見つかるはず!
一度試していただけると嬉しいです。
白酒がまずい理由は?
日本にはあまり出回っていない白酒、まずいというのは、主に現地で飲まれた方の感想が多いと思います。
理由を考えると飲んだ酒が悪かったか、飲み方が悪かったの2種類に分類されるのではないかと思いました。1個ずつ見てみましょう。
飲んだお酒が悪かった
これは好みがあるように、飲んだ白酒が単に口に合わなかったりしたのかもしれませんね。飲んだお酒が悪かったというほかありません。
白酒は種類があり、中国全土でその土地の特徴ごとに品種や味が多種多様に違うものです。
一回飲んでみてまずかった、と思ったのは自分に合ってないお酒を飲んだからかもしれません。
ですから自分に合った飲み方や好みを選ぶのがポイントになります。
また香りや味が独特で強いので、人によりますが、まずく感じたかもしれません。
そんな時は別の種類を試してみるといいかもしれませんね。
白酒は初心者向けのお酒もあるので、試してみる価値はあるかもしれません。
飲み方が悪かった
中国のお酒文化で飲むお酒というのは、もっぱら白酒が酒宴には登場します。
よく知られた紹興酒という種類は一部の地域のみの扱いが多いようです。
その白酒は、アルコール度数は50度以上(!)が多いのですが、これを割らずにストレートで飲むのが普通になっているのです!
そして宴会が始まると「乾杯」をするのですが、この乾杯、中国だと文字通りグラスを空にする、つまり飲み干すという意味になります。
現地では白酒自体小さいグラスに注がれるのですが、一気飲みするのが習わしです。
飲んだ後で、相手に向けて杯の底を見せたり、逆さにして、飲み干したことを示す習慣があります。
当然アルコール度数が高いので、並の人は酔ってしまうでしょう!
小さいグラスだと言って、油断して飲み干してしまうと、飲めると思われて乾杯攻撃に当たってしまいます。
仕事で中国に出張して、宴会で乾杯攻撃に合って、飲まされて翌日何もできなかった…
などの思い出のある方はいい印象は持っていないと思います。
しかも中国の宴会は騒がしいので白酒の香りを楽しむ優雅な時間はありません。
このように、残念ながら飲み方が悪かったと言わざるを得ない事情もあります。
実際は香りのよいお酒であるのですが、じっくり味わえないからわかりにくいのもいい印象がない理由でしょうね。
酒宴で無理に飲まされて、しかも香りがわからないようなら、まずかったと思っても仕方ないと思います。
白酒は1人の時にゆっくりじっくり味わってみると良さがわかるかもしれません。
いいお酒だと後に残りにくいのは白酒も同じですので、この機会にじっくり白酒に触れてみてはいかがでしょうか。
白酒がまずいって本当?!白酒の概要をチェック!
独特な風味と香りが口に合わなくて、まずいと言われるけど、どんなもの?と気になったのではないでしょうか
上でまずい理由を知った後は白酒の概要です。
呼び方はバイチョウやバイチュウなどと呼ばれていますが、本記事ではバイチュウで統一させていただきます。
・白酒(バイチュウ)とは中国発祥の蒸留酒のこと。宋の時代より南方から伝わった蒸留酒が基礎とされている。
・原材料は高梁(※モロコシのこと)トウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモなどの穀物や酒粕を原料とする。その発酵液を蒸留したもので、アルコール度数が高いことが有名。
モロコシはモロコシ属、トウモロコシはトウモロコシ属に分類されている別物になります!
・本来50度以上のものが多く、60度や65度というものも少なくない。
最近は嗜好の変化や海外に輸送するときの制限からアルコール濃度が低く設定されているものが広がってきており、38度の白酒が販売されている。高度酒も45度になっている。
・白酒の「白」は無色透明を指す。
・白酒の製法は産地によって大きく違う。原料とする穀物に何を用いるかと、麹を何からどう造るかなどによることがある。
・産地によって名前が付けられる。中国では白酒独特の香りが好まれている。香りと種類によって香型という分類がされている。
・主な産地は貴州省、四川省など、他にも江蘇省、安徽省、山東省、山西省なども産地として名高い。中国全土でそれぞれの特徴が生かされた白酒作りがされている。
ざっと、概要を紹介させていただきましたが、何個か気になるものがあったのではないでしょうか。
ちなみに現地の人でも白酒は苦手だという人は一定数いらっしゃるようなので、苦手と言っても理解はあるようでした。
みんなが好んで飲んでいるものではないので、そこは安心してください。下で一個ずつ詳しく解説させていただきますね。
ひな祭りに飲む「白酒」との関係
ひな祭りに甘酒や白酒を飲んだことがある方、「白酒(しろさけ)」と聞いて
あのひな祭りに飲む?と思われた方がいらっしゃることでしょう。
「白酒」には日本と中国のものがありますが、この2つは別物になります。
日本の白酒(しろさけ)は米と米麹から作られているものです。昔から女性の邪気払いや厄除けに飲まれていました。
一方、中国の白酒(パイチュウ)は蒸留酒です。祝い酒として飲まれており、高梁、トウモロコシ、ジャガイモなどを原料に蒸して作られます。これだけ見ると違いが分かりやすいですね!
白酒はまずいだけと思うなかれ!香型について
ここからは白酒を美味しく飲んでいただく試みをします。
白酒は「まずい」とも「くせのある味」ともとられるお酒です。
でもただまずいと思うだけなのは、もったいないということです。
そこで今回は香型に注目してみましょう。このお酒は香型によって銘柄が分けられているのですが、どれも人気が高いのです。
中国の白酒文化を支えていると言っても過言ではないかと思います。
白酒には数十種類の香りの成分が含まれており、複雑な香りをしています。
特徴は独特ですが、パイナップルを思わせる香りを感じることもできます。
白酒は蒸留酒の仲間であるので、本来は香りはとても良いのです。
辛い料理や濃い味付けの料理と相性がよく、一緒に飲みたくなる味だとのこと。
味に関しては種類によって違い、クリアな味もあれば変わった味まであるので、香型と合わせて自分に合う好きなものを選ぶようにしてください。下で代表的な三種類を紹介します。
独特な香り醤香型
引用:Amazon
醤油の「醤」が使われているこの形、醤香型は漢字のごとく、ちょっと焦げたような独特のきめ細かい香りがします。
飲んだ後のグラスにも香りが残るぐらい長く残るそうです。
まろやかな味わいと、後味がしっかりしているのが特徴です。
色合いは白(透明)もしくは薄い黄色になっています。
初心者向けにはまず醬香型のお酒を、とすすめられるくらい名高いです。
1番人気があり、醤香型の代表的な「貴州茅台酒」は国賓に出されるほどの銘酒です。その名前から「茅台型」とも呼ばれています。
主なお酒
香りはココナッツ?清香型
引用:楽天
ココナッツが熟す前の果物の香りだと例えられる清香型です。
香りは残りにくいですが湿り気がなく清々しさがあります。香りは日本人向けです。
清香型の味は雑味がなく甘さと苦みのバランスが良く、さらっとしていて上品で風味はさわやかです。
さっぱりした味わいなので、初めてでもおすすめできますね。
清香型の代表と呼ばれる「汾酒」にちなんで、汾香型とも言われています。
主なお酒
フルーティーな香り濃香型
引用:Amazon
濃い香りと甘い後味が魅力の濃香型です。格付けの高いお酒に多いタイプのようです。中国ではよく飲まれています。料理と一緒に楽しみたい方にお勧めの種類になります。
香りにもフルーティーな甘さを感じ、飲むと口の中にも濃い香りが広まり、飲んだ後も香りが残ります。
濃香型の香りの特徴は長期間熟成させますが、その際に使っていた穴倉の独特な香りも含まれています。
甘く柔らかな味に、すっきりとした後味と、穏やかな飲みやすさが見られます。
濃香型の白酒は五稜醇がおすすめと言われています。
主なお酒
- 瀘州老窖(四川省)
- 五糧液※日本名は五稜醇(四川省) 他
他にもあります
馥郁香(ふくいくこう)型や米香型と言われる種類があります。
馥郁香型は、湖南省西部の民族酒造技術と、穀類が原料の大曲や、米粉や薬剤が原料の小曲の技術の利点を組み合わせたものになります。
一口で醤香型、清香型、濃香型の3つの香りが楽しめます。馥郁香型は九桂酒が有名どころになります。
米香型は、お米を原料にしているので、他の原料に比べ、比較的飲みやすいと言われています。
お米の甘い香りがよく、後味も甘みを感じることでしょう。
上品な味わいで、口当たりが柔らかくさらりとしています。米香型は日本の白酒を思わせますね。
白酒はまずいだけじゃない!麹の原料や種類について
お酒作りに欠かせないものとして、麹が挙げられます。お酒のみならず、みそなどの発酵食品には欠かせませんね。
白酒もお酒なので例にもれず、麹が使われています。
なんと面白いことにまずいと言われる白酒の麹は、原料によって変わるのです。
詳しくお話しすると、白酒を醸造するための麹を曲と言います。
原料によって呼び方も種類があり、穀類が原料だと大曲、米粉や薬剤が原料になると小曲、小麦の麩(ふ)だと麩曲と言われます。
また、伝統の白酒の原料は高梁(もろこし)などの穀類でしたが、最近ではサツマイモ原料の甘藷白酒も増えています。
大曲から作られる大麹酒や、小曲から作られる小麹酒は製造に年数がかかりますが、その分銘酒が数多く生まれています。
小麦の麩から作られる麩麹酒は時間や手間をかけずにできるため、今では生産数が一番多い種類のようです。
選ぶ麹の種類によって、味に大きな違いがあるようなので、好みの風味が見つかるまで試してみるのも良いかもしれません。
白酒のまずさだけでない!面白い値段と偽商品の話!
白酒はそのまずさの話で終わるものではありません。
いったん話を切り替えますが、日本にあるお酒、日本酒から値段の話をしてみましょう。
日本酒は国内で売られているものの中で、高級品だと約22万円の商品が見られていました。
日本酒はスーパーでピンキリで良く売られていますね。見慣れた光景だと思います。
白酒も同じで、安いものだとやはりスーパーとかコンビニで500mlで日本円の値段で約300円くらいで置いています。
先ほど、醤香型の項目で取り上げた茅台酒の正式名称は「飛天牌貴州茅台酒」と呼ばれていますが、
こちらの小売指定価格は500mlで日本円の値段で約3万円になります。
10倍の差ですね。年代物になると300万近くの値を付けることもあるそう。
そんな高級白酒「飛天牌貴州茅台酒」、とある時期になるとこの小売指定価格が値上がりするようなのです。
それは宴会の需要が高まる大型連休(春節や国慶節)の前。値段が上がるのは需要が高いのに、供給が追い付かなくなるからです。
みんなが買い求める人気商品だということの証拠ですね!
それに加えて面白い話があります。なんとも中国らしいのですが、この茅台酒、偽物の商品もかなり出回っているようなんですね。
画像で調べるとほとんどわからないくらい精巧なものが多いのです!
知らない人が間違って、偽物の商品を買ってしまうくらいよく似ています。
それを見た茅台酒の製造元が、本物の見分け方の動画を挙げるほど偽酒の精密さが伺い知れます。
英語の動画になります
白酒は日本国内ではあまり売られておらず、購入するとなるとネット通販が主になります。
調べると王道商品から隠れた銘酒まで購入できますので、気になるようであれば調べてみると良いかもしれません。
白酒をまずく飲まないために
ここからは白酒をまずく飲まない工夫をしましょう。
せっかくおいしく飲もうとする試みをしているのに、まずいまま飲むのは頂けません。
今回は定番の飲み方と飲みやすそうなコツのあるものを選びました。
白酒の味と香りを楽しんだりするのにピッタリです。
ストレート
白酒の味や香りを楽しむのにまずは、ストレートをおすすめするべきでしょう。
ストレートは…と思われたかもしれませんが、上を見てきた方なら試す前に知識が入っているので、心構えがしやすいと思います。
小さめのグラスに注いで、白酒を一気に飲むと味と香りを楽しめます。
ただし、アルコール度数の高いお酒です。別に飲み水を用意してアルコールで悪酔いしないように予防も大切です。
ロック
ストレートは飲みにくい、となればロックが飲みやすいです。
氷を入れて飲むと、溶けると独特な味や香りが薄まることが期待できます。
そのうえ白酒の度数も低くなり飲みやすくなります。
カクテル
白酒はカクテルにも活用されていて、実際に白酒を使ったカクテルも作られています。
白酒の独特な香りはもともと日本人には好まれないお酒とされてますが、カクテルで飲みやすくなることがあるようでした。
これなら白酒をまずいまま飲まなくてよさそうですね。
以上、まずく飲まないための工夫を紹介しました。これ以外での炭酸等で割ってもおいしく飲めるかもしれませんね。
白酒はまずいと思った?それは美味しく飲めるチャンスです!まとめ
・まずいのは飲んだお酒がまずかったか、飲み方が悪かったかのどちらか
・白酒はアルコール度が高く、中国全土で製法が違うため、多種多様な品種がある
・香型と呼ばれる白酒の香りの型がある。好みのを見つけて飲むと美味しく感じる。
・高梁や穀物、イモ類で発酵させたり、麴にも違いがある。
・値段はピンからキリまである。偽物まで売られているので、買う際はしっかり見てから購入すること。
・ストレート以外にも、ロックやカクテル割りで飲みやすくできる。
をまとめています。アルコール度数が高いので、少量を優雅に味わうのもいいですね。
お酒が好きな方は、一度試してみることをおすすめしています。新しい発見があるかもしれませんね。