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知覧茶の特徴って?数々の賞をとる素晴らしき銘茶を知り尽くそう!

鹿児島県南九州市の「知覧(ちらん)茶」をご存じですか?

お茶の市町村別生産量で日本一を誇り、数々の賞をとる高品質なお茶です。

それなのに意外と知名度が低い…。

この素晴らしさを全国の皆さんに知ってもらうため、知覧茶の特徴を余すことなくご紹介します!

 

 

【知覧茶の特徴】は主に5つ!余すことなくご紹介!

薩摩のお茶づくりに最適な風土と、プライドを持った茶農園の方々が丹精込めて作った知覧茶。

その香りと味わいは一度口にすれば必ず誰かに教えたくなります。知名度があまりないのが本当に不思議です。。

そんな知覧茶の特徴は主に5つ読めば、きっと飲みたくなる知覧茶の良さを余すことなくご紹介します。

 

知覧茶の特徴①|じっくり蒸した「深蒸し茶」

知覧茶は深蒸し茶が多いことが大きな特徴です。

深蒸し茶とは、その名の通り「長く蒸した(深く蒸した)」お茶のこと。

お茶の表示でも、産地や農園の名称などとともに「蒸し」という項目があり、「浅蒸し・中蒸し・深蒸し」があります。

ポイント

一般的な煎茶の場合は【30秒】ほどの蒸し時間なのに対し、深蒸し茶の場合は【60~180秒】ほどの蒸し時間を取ります。

茶葉は収獲した瞬間から発酵を始めます。その発酵を止めるために「蒸し」があるのですが、この蒸し時間を長めにすることによって、一般的に以下のような特徴があるとされています。

  • 渋味が少なくてまろやかでコクが深くなる
  • 水色は濃い緑色になる
  • 茶葉が崩れ細かくなる
  • お茶に溶けださない成分が茶葉に多く残るため体にいい

知覧茶は長く蒸すことによって、茶葉の渋味が抑えられる一方、まろやかでコクのあるお茶になります。

また、細胞が壊され茶葉がもろくなり、お茶を淹れた際に、粉末状の茶葉が浸出します。その結果、お茶の色が濁った濃い緑色になるのです。

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知覧茶の特徴②|強い甘味・まろやかなうま味と上品でさわやかな香り

知覧茶は、渋味や苦味が控えめで強い甘味とまろやかなうま味があります。また、上品で若葉を思わせるようなさわやかな香りがあるのも特徴です。

渋味や苦味のある、いかにも緑茶!というお茶が苦手な方も楽しむことができますよ。

お茶を入れると濃い緑色が美しいため、水出し緑茶もおすすめです!

水出しで淹れても知覧茶特有の甘味やうま味、香りをしっかりと感じることができますよ。

 

知覧茶の特徴③|数々の賞を受賞!優良で高品質なお茶

【鹿児島県南九州市】で豊かな自然・地形・天候が見事に融合した恵まれた環境下で育てられた知覧茶は、さまざまな賞の常連です。

農林水産大臣賞、全国茶品評会産地賞など、多くの賞を受賞している優良で高品質なお茶です。

ポイント

2022年も全国茶品評会・鹿児島県茶品評会どちらの品評会でも上位に入賞され、どちらも産地賞1位となりました。

第76回全国茶品評会が,8月23日から26日の4日間にわたり,京都府で開催されました。

(中略)

2本県の成績

受賞部門:普通煎茶10kgの部(全国からの出品点数101点)

(1)産地賞※産地賞は,上位3産地に授与される。

1位南九州市,3位霧島市

(2)特別賞※特別賞は,上位5名の出品者に授与される。

農林水産大臣賞

・知覧銘茶研究会株式会社枦川製茶(南九州市)

農林水産省農産局長賞

・知覧銘茶研究会有限会社宮原光製茶宮原健(南九州市)

公益社団法人日本茶業中央会会長賞

・知覧銘茶研究会有限会社下窪勲製茶下窪健一郎(南九州市)

全国茶生産団体連合会会長賞

・知覧銘茶研究会有限会社下窪勲製茶下窪和幸(南九州市)

(後略)

引用 鹿児島県

2022年も多くの賞を受賞することができ、品質と味の評価がより高まりましたね。

 

知覧茶の特徴④|多彩な栽培品種から好きな品種を選ぼう!

知覧茶は火山灰の蓄積による肥沃な土地を生かし、他のお茶の産地に比べて多くの品種が出ています。

全国的には茶葉の品種でお茶を選ぶことはあまりできませんが、知覧茶は別です!

緑茶を品種で選ぶという、少し変わった楽しみ方ができます。

では、知覧茶を代表するお茶の7品種を見てみましょう。

 

代表的な知覧茶の品種①【ゆたかみどり】

生産される知覧茶の約40%を占める品種で、濃い緑色とほろ苦い味わいが特徴です。

寒さに弱いため、鹿児島県のような温暖な気候での栽培に適した品種で、ゆたかみどりの90%以上が鹿児島県で栽培されています(市町村別で南九州市で最も多く栽培されています)。

収穫前に寒冷紗と呼ばれる黒い布などを茶葉に被せて、日光を遮って栽培される(被覆栽培)のが一般的で、知覧茶では深蒸し茶として加工されることが多いです(かぶせ茶)。

 

かぶせ茶

日光を遮ると、茶葉の中の「テアニン」が「カテキン」に変化しにくくなるため、【テアニンが多くカテキンが少ない=うま味や甘味が強く、渋味・苦味が抑えられたお茶】になります。

 

代表的な知覧茶の品種②【やぶきた】

全国で最も広く栽培されている品種で、生産される知覧茶の約30%を占めています。

幅広い緑茶に使用され、明るい黄緑色の水色と気品あふれる上品な香り、濃厚な渋味とうま味のバランスがいい品種です。

 

代表的な知覧茶の品種③【あさつゆ】

京都の宇治種から選抜された品種で、渋味が少なく、深い甘味とコク・うま味が特徴です。

「天然玉露」とも呼ばれ、日本での生産量は全体の1%にも満たないのですが、知覧茶の中では約8%を占めています。

 

代表的な知覧茶の品種④【さえみどり】

やぶきたとあさつゆの交配によって生まれた品種で、九州各地で栽培され、知覧茶の約7%を占める品種です。

鮮やかな明るい緑色で、甘味が強くコクのある味わい、また、少ない渋味と上品な香りが人気の品種です。

 

代表的な知覧茶の品種⑤【おくみどり】

生産される知覧茶の約3%を占め、煎茶や玉露・碾茶(抹茶の原料)などの幅広い緑茶に利用される品種です。

クセがなく控えめで、多くのブレンド茶などに使用されます。

水色は鮮やかな緑色で、さわやかな味わいと甘味が特徴の品種です。

 

代表的な知覧茶の品種⑥【あさのか】

鹿児島県茶業試験場にてやぶきたと中国種の交配によって生まれた品種で、フルーツを思わせるようなさわやかな香りとやさしい甘味を併せ持っています。

生産される知覧茶の約2.5%を占めます。

 

代表的な知覧茶の品種⑦【かなやみどり】

静岡県の金谷にある研究拠点で生まれ、現在は鹿児島県と静岡県が主な生産地です。

生産される知覧茶の約2.5%を占め、濃い緑色と渋味、またミルクの様な甘い香りが特徴で、個性ある品種です。

 

知覧茶の特徴⑤|知覧茶の収穫は早い「走り新茶」

知覧茶を生産している南九州市は、日本で一番早く春が訪れるような、とても温暖な地域です。

そのため、一般的な新茶の時期よりも早く収獲時期が訪れます。

「夏も近づく八十八夜…♪」(童謡「茶つみ」)という歌をご存じですか?

これは、茶摘みの様子が歌われている歌で、八十八夜の頃に新茶の季節を迎える、と歌っています。八十八夜とは「初夏」、つまり5月初旬をさしています。

他の地域の新茶は一般的に5月初旬が多いです。

そのことから、知覧茶の収穫は早ければ3月下旬からはじまるため、「走り新茶」と言われています。

知覧茶はいち早く、走り新茶を楽しむことができるんですね。

 

新茶

茶葉ができるチャノキは、一年に何回も茶葉を収獲できますが、寒くなると冬眠します。そのため、冬の間はじっくり栄養を蓄え、寒さをしのぎます。

春になってあたたかくなると冬眠から目覚め、いっせいに新芽を出します。この新芽が「新茶」です。

冬の間に蓄えられた栄養が凝縮されて、濃厚な風味が味わえます。新茶の味は一年で最も美味しく、その上、栄養価も抜群なんですよ!

 

 

【歴史から紐解く】知覧茶は市町村の中で日本一の生産量!

引用 南九州市

知覧茶が生産されている南九州市は鹿児島県の南部に位置し、寒暖の差が激しく霧深い気候が特徴で、お茶の栽培に大変適しています。

実は日本の市町村の中で生産量第1位の緑茶の産地なんです。都道府県別でも、静岡県に次ぎ、鹿児島県は全国第2位の生産量です。

南九州市の茶業は約350年の歴史があります。

2007年に【頴娃町(えいちょう)】【川辺町(かわなべちょう)】【知覧町】が合併し「南九州市」が誕生し、それと同時に国内最大級の「お茶の産地」となりました。

引用 南九州市

これによって、南九州市は市町村単位で「日本一のお茶生産量」を誇る町となったのです!

合併まではそれぞれの町ごとに茶銘柄「頴娃茶(えいちゃ)」「川辺茶(かわのべちゃ)」「知覧茶」がありました。

ちなみに川辺茶の歴史は古く、江戸御用としてお茶が献上されたこともあるそうです。

1896年に県内で初めて製茶の機械が導入され、南九州市のお茶文化の発展に貢献してきました。

その後、南九州市の茶業者が心一つに2017年4月に茶銘柄を「知覧茶」に統一するという歴史的な第一歩を踏みだしたのです

引用 南九州市

 

 

九州は全国有数のお茶処!鹿児島県【知覧茶】以外にも

お茶の産地といえば静岡県が有名ですね。ですが、実は九州も全国有数の「お茶処」なんです。

日本茶の生産量全国2位は先ほどもお伝えしましたが「知覧茶」の産地である鹿児島県です。

4位は「みやざき茶」の宮崎県、そして6位は「八女茶」が有名な福岡県、7位は「肥後茶」が有名な熊本県がランキングされています。

なんと、全国TOP8の中に九州から4県もランクインするほどのお茶の産地なんです!

都道府県別の茶(荒茶)生産量と全国シェア(2021年)

都道府県 生産量(t) 割合(%)
1 静岡県 29,700 38
2 鹿児島県 26,500 33.9
3 三重県 5,360 6.9
4 宮崎県 3,050 3.9
5 京都府 2,450 3.1
6 福岡県 1,650 2.1
7 熊本県 1,280 1.6
8 埼玉県 728 0.9

引用 e-Stat (※事実不詳の都道府県などは省いてます

 

生産量6位の福岡県の八女茶ですが、実は「玉露」に限ると【全国1位の生産高】を誇っています。

 

玉露

茶園に覆いをして(被覆栽培)、直射日光を避けてうまみを増し、苦みを押さえて育てた高級茶のことです。知覧茶の時に少し触れた「かぶせ茶」も玉露と同じで被覆栽培をするお茶ですが、一般的にかぶせ茶よりも玉露の方が被覆期間は長めになってます。

八女茶は2022年の第76回全国茶品評会の玉露の部で今年も【産地賞】を受賞しました

なんと22年連続で玉露の産地賞を受賞しているんです!

生産者の皆さんのプライドと確かな技術が評価されたんですね

そんな福岡県の八女茶ですが、どんな特徴があるのでしょうか?

 

福岡県の八女茶は品質を考えて2番茶まで!

八女茶は、福岡県八女市の中山間地域の急こう配茶畑で生産されることが多く、「煎茶」「かぶせ茶」「玉露」を中心に生産されていますが、生産量はそれほど多くありません。

知覧茶の新茶は「走り新茶」といって、全国でもとても早く3月下旬ころと先ほどお伝えしましたが、八女茶の新茶は【4月下旬~5月上旬】にかけて収穫が行われます。

つまり、この時期が八女茶の旬ということになりますね。

2番茶は【6月中旬~7月上旬】、3番茶は【7月下旬~8月上旬】ごろに収穫されますが、2番茶以降のお茶は市場での評価がどんどん低くなっていきます。

 

八女茶の収穫

八女茶は茶葉の品質を重視するため、多くの茶園は2番茶までしか収穫を行いません(玉露は1番茶まで)

他のお茶は生産量を考えて3番茶、4番茶と摘むことが多いのですが、八女茶はお茶の養分(元気)が減少することから、翌年の1番茶の品質向上のため2番茶までしか収穫しないようにしています。

このため、生産量は多くないのですが、品質の高いお茶を作り続けることができるんですね。

 

八女茶の味は濃厚な甘味と強いうま味!

丹精込めて作られた八女茶ですが、どんな味がするのでしょうか?

濃厚な甘味と強いうま味があり、渋味が少ないお茶として知られています。

これは被覆栽培をすることによって、渋味成分のカテキンやカフェインが変化するのを防いでくれるからです。

また、八女茶も知覧茶同様、急須で淹れるときれいで鮮やかな緑色になります。

そのため、水出しでも色がきれいに出ておすすめです!

ちなみに水出しだと「テアニン」といううま味成分がギュッとなるため、より甘味を感じれますよ!

八女茶は爽やかな香りを持ち、新茶の場合はさらに爽やかさが溢れた味わいを堪能できます。

 

八女茶についてさらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください♪

知覧茶も八女茶もお茶の中では高級な方ですが、自分へのご褒美に、大切なお客様をもてなすために…、いろんな場面でおすすめですね!

 

 

知覧茶の特徴って?数々の賞をとる素晴らしき銘茶を知り尽くそう!のまとめ

まとめ

徐々にですが、知覧茶の名前も全国に知られるようになってきていますが、まだまだ知名度が低いです。

知覧茶農家は、30代の若い世代が手を取り合って知覧茶のさらなる品質向上と発展に取組んでいます。

茶業の後継ぎが順調に行われていのると同時に、組合などのサポートもあり、南九州市全体で一貫した栽培ができ、今後も良質な安定したお茶を生産していきます。

もっともっと多くの方に知覧茶の良さを知ってもらい、若い方からご年配の方まで、クセの少ない良質なこのお茶を楽しんでもらいたいものです!

最後まで読んでいただきありがとうございました。