お困りのようですね。それは、そのセルが条件付き書式設定になっているからかもしれません。
条件付き書式を解除すれば、ほかの色に塗りつぶしができます。
この記事を読めば、エクセルをもっと上手く使いこなせますよ!
エクセルで塗りつぶしできないのは条件付き書式設定が原因!
エクセルでセルの塗りつぶしができない原因でもっとも多いのは、そのセルが条件付き書式設定になっている場合です。
セルの条件付き書式を解除すれば、塗りつぶしができるようになります。
条件付き書式設定とはどのような機能なのでしょうか。詳しく解説していきます。
条件付き書式設定ってなに?
エクセルを立ち上げたときに出てくるマス目の入った画面を「シート」と言います。
シートにある1つ1つのマスのことを「セル」と言います。
エクセルの「書式」とは、セルに入力された文字や数字、セル自体に色をつけて見やすくするための『飾り付け』のことです。
「書式設定」とは、この飾り付けをすることです。
1つのセルだけではなく、データを入力する前の複数のセルにあらかじめ設定することもできます。
書式設定をすると、強調したい文字を太くしたり、セルに色を付けることで他のセルより目立たせることができます。
「条件付き書式設定」とは、セルに『ルール』をつけることです。「条件」とは、「ルール」のことです。
たとえば、セルに入力されたデータに、次のような条件をつけるときに使われます。
- 例1 セルに「完了」と入力されたときだけ、そのセルを青に塗りつぶす
- 例2 セルに100以上の数字が入力されたときだけ、そのセルを赤に塗りつぶす
このように、条件付き書式設定を使うと、あらかじめ設定された条件に従ってセルの色が変わります。
反対に、この条件に合わないデータが入力されたときは、そのセルの色は変わりません。
セルの色を変えるには、この条件を解除する必要があるのです。
条件付き書式設定を解除すると塗りつぶしができる
セルに条件付き書式設定がされていると、手動でそのセルを塗りつぶすことができません。
セルの色を変えるには、条件付き書式設定を解除する必要があります。
まず、条件付き書式設定を解除する前に、解除しても問題がないか、分かる人に確認しましょう。
条件付き書式設定は、入力したデータを分かりやすくするための機能です。設定をした人に、その意図や目的を確認しましょう。
条件付き書式設定の解除の方法です。
5人の生徒の課題提出状況を、条件付き書式設定を使って管理している例に説明します。
課題を提出した人の欄には〇が入力されています。
この例での「条件」は、「『〇』と入力されたときだけ、そのセルを黄色に塗りつぶす」です。
まず、条件付き書式設定を解除したいセルを選択します。(①)
次に、画面の上部にある、「条件付き書式」をクリックします。(②)
「ルールのクリア」を選択しましょう。(③)
「選択したルールをクリア」をクリックすると(④)、選択したセルの条件付き書式を解除できます。
手順の④までできたら、条件が解除されるので、黄色に塗られていたセルは、塗りつぶしなし(白)に戻ります。
これで、〇や〇以外のデータを入力しても、セルの色は黄色にならなくなります。
条件付き書式設定が解除され、手動で塗りつぶしができるようになりました。
シート上に複数ある条件付き書式をすべて一括で解除したいときは、手順の④で、「シート全体からルールをクリア」をクリックしてください。
シート上のすべてのセルの条件付き書式設定が解除されます。
設定されている条件が分からないときは?
条件付き書式設定は、そのシートやセルを見ただけでは分かりません。
どんな条件が付けられているのかを調べる方法があります。
手順は、条件付き書式設定を解除する方法と途中まで一緒です。
どんな条件が付けられているか知りたいセルを選択したら(①と同じ)、画面の上部にある、「条件付き書式」をクリックします(②と同じ)。
次に、表示されたメニューから「ルールの管理」を選択しましょう(★③)。
「条件付き書式ルールの管理」という小さな画面(ダイアログボックス)が表示されます。
「ルールの編集」をクリックしましょう(★④)。
ダイアログボックス「書式ルールの編集」が表示されます。
この画面の下部「次のセルのみを書式設定」で、『どんなデータを入力した場合』の書式設定かが分かります。
この例では、「=‘’〇‘’」と表示されていますね(★⑤)。『セルに「〇」と入力された場合』という意味を表しています。
次に、下の方にある「書式」をクリックします(★⑥)。
ダイアログボックス「セルの書式設定」が出てきますね(★⑦)。
この画面で、『条件と合うデータが入力されるとどうなるか』が分かります。
1つずつ項目を見ていくと、「塗りつぶし」が黄色になっていることが分かります(★⑧)。
最初に選択したD4のセルの条件が『「〇」と入力されるとセルが黄色に塗りつぶされる』であることが分かりました。
もう1つの原因はシートやブックの保護
じつは、エクセルのセルが塗りつぶしできない原因でもう1つよくあるのが、シートまたはブックが保護されている場合です。
シートやブックそのものを触れないようにすることを「保護する」といいます。
複数のシートが集まって1つのファイルになっているものを「ブック」といいます。
他の人がエクセルのファイルやシートへアクセスするのを防ぐ機能です。
保護を解除するためにはパスワードが必要です。
保護を解除したいシートの上にある「校閲」をクリックし、「シート保護の解除」または「ブックの保護」をクリックします。
パスワードの入力画面が出てきます。入力すると解除できます。
こんな時に便利!セルの条件付き書式設定
条件付き書式設定は、カレンダーや家計簿、毎月の売上表などを作成するときによく使われます。
この機能を使うと、手間を省くことができ、より見やすくなります。
例を挙げて説明しますので、ぜひ覚えて使ってみてください。
毎月の収支を分かりやすくする
家計簿を作成するときに、条件付き書式設定をする場合です。毎月の収支が分かりやすくなります。
その月の食費の予算20,000円を超えたら、収支のセルを赤色にしてみましょう。
この場合の条件は、「収支のセルに20,000円以上の数字が入力されたときだけ、そのセルを赤に塗りつぶす」です。
入力と同時にセルが赤になれば、手動でセルの色を赤に塗りつぶす手間が省けますね。
そしてその月の食費が予算オーバーしていることが一目で分かります。
アンケートの結果を色で分かるようにする
セルの塗りつぶしは、視覚的に一目で見てわかるようにする効果があります。
アンケートの回答結果が1から3までの3択の場合、1は赤、2は緑、3は青、というように設定することもできます。
この場合は、アンケート結果を入力するセルに、3つのパターンを設定すれば自動的に塗りつぶせます。
結果をまとめる前に、おおよその回答結果が色で分かるようになります。
エクセルで塗りつぶしできないのは何で?条件付き書式設定の使い方まとめ
- セルの塗りつぶしができない原因でもっとも多いのは、そのセルが条件付き書式設定になっているから
- 書式設定とは、強調したい文字を太くしたり、セルに色を付ける『飾り付け』のこと
- 条件付き書式設定とは、セルに条件をつけて書式設定すること
- 条件付き書式設定に合わないデータが入力されてもそのセルの色は変わらない
- 条件付き書式設定を解除するとセルの塗りつぶしができる
- 設定されている条件は「ルールの管理」を見るとわかる
- シートやブックが保護されている場合もセルの塗りつぶしができない
- シートやブックの保護を解除するとセルの塗りつぶしができる
- 条件付き書式設定は、家計簿や書類の提出をエクセルで管理するときに役に立つ
エクセルはいろんな便利な機能がありますが、じつはあまり知られていません。
条件付き書式設定を使えば、自動で塗りつぶしなどの書式設定をしてくれるので、入力の手間が省けます。
より見やすい資料を作るのにおすすめしたい機能です。ぜひ使ってみてください!