世界で2番目に大きい鳥といわれるエミュー。ダチョウのように羽は退化してしまっているため、飛ぶことができません。
体長は約2メートル、体重も60㎏程と人間の大人並みの大きさです。
現在、野生のエミューはオーストラリアのみに生息しています。日本では動物園で飼育されているエミューを見ることができます。
実はエミューは個人で飼育している方がいるんです。そんなに大きな鳥を飼育するのってどんな感じか気になりませんか?
日本でも珍獣と一緒に暮らしている例をたまに見かけますが、住んでいる自治体に許可が必要な例もあります。エミューの場合は許可がいるのでしょうか?
ちょっと気になる ・飼育の許可は必要? ・どんな生き物? ・一緒に暮らすとどんな感じ?
エミューについて詳しくなれちゃう記事です。
エミューの飼育に特別な許可はいりません!
結論から言うと、現在エミューを飼育するために届け出や許可は必要ありません。
エミューをお迎えしたら、そのまま一緒に暮らすことができます。
実は他にもこんな動物たちの飼育にも許可が要りません。
許可なしで飼育できる動物 ・カピパラ ・スカンク ・ワラビー ・クジャク ・アルマジロ
もちろん入手方法はかなり限られていますし、環境を整えるのも大変ですが、なんだか夢がありますね。
庭にクジャクを買っていたら、近所で噂どころかSNSで有名人になれそうです。
逆に牛や馬、豚など家畜としてみなされる動物たちに許可が必要です。
しかし、今後は変わっていく可能性もあります。過去にはペットショップで普通に購入ができた、ワニガメやカミツキガメも生態系を荒らしてしまう観点から販売が禁止になった例も。
また、動物愛護法の強化や絶滅危惧種の指定によって飼育できなくなるケースがあります。
エミューの値段はどのくらい?飼育にかかる費用は?
値段は【4万円~20万円】ほど。雛の状態での値段が一番安く、生後の経過月にともなって値段が高くなっていきます。
理由としては、エミューは雛の状態が一番病気になりやすいため、と言われています。
日本国内では、北海道に大きなエミュー牧場があり、約1000羽ものエミューが飼育されています。
さらに詳しく
オホーツクエミューらんど
もちろん購入しない場合でも、一般の旅行者などもエミューを見に入園することができます。
エミューは牧場から雛や成鳥を購入し、飼育する場合が多いようです。
実際に購入する場合は、牧場に購入者が出向き、エミューの受け取りを行います。
あまり大きく成長してしまうと、購入した後に自宅へ連れて帰る方法が気になるところです。
成鳥であれば丈夫なため、日本の環境でも生きていけます。しかし、雛は病気を防ぐためにも、設定温度30度くらいに保った環境で育てる必要があります。
健康に育った成鳥を飼育する方がハードルは低そうです。
エミューを卵から育てる場合は?卵の販売価格
エミューは成鳥だけでなく、卵も販売されているため、自分で孵化させる方法があります。
卵の状態だと1つ【5,500円】で販売しているサイトがありました。
・販売期間は11月~3月(産卵時期によるもの)
・卵から孵化する可能性は30%
卵を孵化させるには42日から52日前後温める必要があります。温度を保つ孵卵器が必要です。
野生の場合は雄のエミューがたった一羽でその期間じっと大切な卵を温め続けます。ご飯も食べれず、孵化するころには体が3分の2程になってしまうのだとか。
卵が孵化した後も、雛の面倒を見るのはオスの役目です。メスは卵を産み、オスが温め始めるのを見届けると、他のオスのもとへ行き繁殖を始めます。
エミューのオスはイクメンとも表現されます。
ちなみに、食用としても販売されています。かなり大きく、ニワトリの卵の10個分ほど!
キメが細かくお菓子作りにも適しているようです。
なんだか、ぐりとぐらの作った大きなカステラパンケーキが作れそうですね。
飼育環境の準備費用が必要
エミューの体はとても大きく、飛ぶことこそできませんが、走ると時速50キロの猛スピードを出せます。
ウサイン・ボルト選手のトップスピードが時速約44キロですので、大きな体が猛スピードで動く迫力は凄そうです。
そのことも考えるとかなり広大な敷地が必要です。また地面は柔らかな土が良く、牧場のような場所が最適とされています。
エミューが休める小屋も用意してください。
日本でなかなか牧場のような広大な敷地を所有している人は少ないと思います。
引っ越しや敷地の購入費用、小屋の準備費用がかかります。
エミューの食事は?餌代はどのくらいのイメージ?
エミューは雑食の為、落ち葉や草花、昆虫等なんでも食べることができます。
栄養バランスの為、鳥用の配合飼料やお野菜、フルーツをあげている飼い主さんもいらっしゃいます。
一日の食事量は6kgほど
ちなみにペットとしても飼われることの多いウサギは、主食の牧草を1か月で3から5kg食べると言われています。ウサギの食事の1か月分を1日で食べてしまうということです。
広大な敷地の雑草を食べてくれるため、6kg毎日与えなければいけないことはありませんが、とんでもない量が必要なのは確かです。
雑食はなんでも食べてくれるメリットでもありますが、食べると危険な釘やガラス片、スポンジなども食べてしまいます。
ただ敷地を用意するだけでなく、食べてしまってはいけないものが無いようにしっかり管理してください。
エミューの寿命はどのくらい?エミューの特徴について
エミューは平均寿命が20年~30年です。犬や猫と比べると10年ほどは長く一緒に暮らすことができます。
野生での寿命でこの期間なので、健康に飼育されているエミューの寿命はもっと長くなる可能性が高いです。
愛情をかけて長く一緒にいれたら人生のパートナーとも言えるのではないでしょうか。
エミューの性格は?実は人に優しい
他の動物のことは天敵とみなし、攻撃することが多いようです。しかし人には比較的優しいと言われています。
ただし繁殖期については人に攻撃的になることもあるため、注意が必要です。
また、エミューは怖がりです。大きな音なども苦手です。
万が一大きな音に驚き、逃げ出してしまうなんてことがあれば、猛スピードのエミューを捕獲するのはかなり大変でしょう。
敷地にはエミューが越えられない壁を設けるのも一つの手です。
静かな場所で一緒に暮らすのが良さそうですね。
エミューは後ろ向きに歩けない!前進あるのみ
エミューは後ろ向きに歩くことができない動物です。「前進あるのみ」と捉えられ、縁起が良いこともあり、オーストラリアでは国鳥ともされています。
落ち込んだ時もエミューを見て、ぜひ元気を出してくださいね。
エミューの魅力!一緒に暮らすとどうなる?
エミューと一緒に暮らす日常を動画投稿やブログで発信されている方がいます。
エミューとの暮らしについて、魅力も苦労も含め、ありのままを投稿しておられます。
砂漠(さばく)
東京生まれ東京育ちの山奥に住むOL。現代社会に疲れた人々が、野生の生活や異文化に触れることで現実逃避をする会を不定期で開催。ユーラシア大陸文化が好き。現在はエミュー育てに奮闘中。
こちらのブログでは、主に孵化から成鳥になるまでの様子が記録されています。
YouTubeチャンネルもあり、登録者はなんと15万人超え!砂漠さんの友人が、お世話をする砂漠さんとエミューちゃんの姿を撮影しています。
友達の提案で、まさかのエミューと暮らすことになった砂漠さん。卵を孵化させて、雛のころから一緒です。
こちらのエミューちゃんも雛のころ体が弱く、温度管理が必要で、すっかり室内に慣れてしまったことから、成鳥に育っても室内飼いになっているそうです。
外で遊ぶことはもちろんですし、今でも外で暮らせるように練習されているようです。外で飼いたいと考えているなら、やはり外の環境で育った成鳥で検討してみる方が良いのかもしれません。
とても大変そうなエミューちゃんとの暮らしですが、動画を見ているとてつもない愛情が伝わりますし、非常に魅力のある動物であることがわかります。
エミューと暮らす魅力
羽毛がふかふか
砂漠さんはエミューちゃんと一緒に寝られることも多いようです。
触れ合っている場面でもかなりふわふわの羽であることがわかります。落ち着いている状態で一緒にいるとかなり安心感を得られそうですね。
とても小さい羽根
退化してしまったエミューの羽はちゃんと体に残っています。大きな体にちょこんとついた小さなお手てのような羽が、なんともかわいらしいものです。
運動不足の解消になる
体の大きいエミューと遊ぼうと思うと、こちらも全身を使わないといけません。運動不足を感じている方には、一緒に遊ぶだけで全身運動です。
雛がとてもかわいい
成鳥はかなり大きいですが、小さな雛の時期もちゃんとあります。
雛は縦縞模様の体で、成長していくと縞模様が消えていきます。
https://twitter.com/kikuchi_emufarm/status/1481099867321962496?s=20&t=i4ndg-msUwqR-7B6j7hjzw
エミューと暮らすと大変なこと
もちろんエミューと暮らすのは一筋縄ではいきません。
想像以上に大きくなる
雛はいくら小さくてかわいくても、必ず大人になります。成長したエミューを見て、イメージと違って育てられない、なんて無責任なことにならないようにしましょう。
心から頼れる人が必要
いざ自分の身に何かあり、エミューの面倒を見られなくなった場合に頼れる場所が必要です。
エミューに留守番してもらう時も誰かに見てもらえる方が安心です。
特殊な生き物の為、普通の人だと断られる可能性もあります。動物好きの信頼できる友達や、ご近所さんがいれば最高です。
一人でエミューを育てるのが手一杯になった時も、助けてくれる存在は非常にありがたいでしょう。
エミュー中心の生活になる
特に室内飼いをしている砂漠さんの場合かもしれませんが、エミューちゃんのペースが非常に大きいようです。自分だけの時間を邪魔されたくない方には向いていなさそうです。
エミューの飼育に許可は不要!世界で二番目に大きな鳥との生活って?まとめ
まとめ
あなたもきっと他の人よりエミューについて語れるようになったのではないでしょうか。
エミューの飼育を始めるにあたって、許可はいりませんが、あくまで一つの過程にしかすぎません。許可が要らないからといって、飼育するのが楽な動物でもありません。
重要
最後まで面倒をみてあげられるのかどうか
エミューに限らず、全ての動物を飼育する場合に共通していることです。
しっかり責任を持てるのであれば、何か他の人がやったことがないことに挑戦してみたい人、田舎の広大な敷地を持っている人、何かを極めたい人、エミューと暮らすのも一つです。