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エンゼルケアで浴衣帯を縦結びにする理由や何故浴衣を左前で着るかについてまとめました

「エンゼルケア」  

という言葉、皆さんはご存じですか?

エンゼルケアはお亡くなりになられた方の保清、身支度を整えるなど、
死後の処置全般を言います。

処置の後に浴衣を着ますが帯を縦に結びます。
なぜ縦結びにしているのでしょうか?
その理由を解説します。

 

エンゼルケアの時の浴衣の帯を縦結びにする理由

エプロンを着るときに知らずに帯を縦に結んで注意されたことはないですか?

私は子供のころ何度も注意されて、なぜ縦結びにするのがダメなのか?
その理由を母親に教えてもらいながら結ぶ練習をしました。

 

故人と生きている人を区別するため

普段浴衣を着るとき、前身ごろは右前になっています。
これは右手が懐にすっと入ること、
お亡くなりになった方の浴衣は反対の左前、左手が懐にすっと入るように着せます。

これは、「この世とあの世は真逆の関係」にあるからだそうで、

故人と生きている人とを区別する意味合いがあるそうです

浴衣の帯の縦結びにするのも同じように普段着るときにしないことをする、
通常と違うことで、故人と生きている人を区別しています。

リボン結びは何度もほどけて結び治すことができ、何度来ても良いお祝い事などに、用いられます。
一方、縦結び、かた結びというのはほどけない、一度きりという思いからほどけない結び方にしています。

縦結びにするということは、死に装束と同じ意味合いがあるからだと教わりました。

昔は着物をきていたので浴衣も普通のことでしたが、現在、浴衣は
夏にお祭りに着ていくイメージなので身近ではないかもしれませんね

浴衣を着なければならないということはありません。

 

最近は浴衣を着ないこともある

病院では浴衣の用意がしてあるかと思いますが、着たことない人や浴衣を着ることによって
その人らしさがなくなってはお亡くなりになった方の意思とは言えません。

なにを着ても良いのです。
スポーツをしていた方ならユニフォームでも良いですし、
ご本人がこれを着たいと言う服があればそれで良いのです。

その人らしい最後を送るにはどのような形で最期を迎えたいや
今まで着ていて好きな服などを選びこれを着て帰るなど、
お話できる機会を持てれば良いですね。

それが無理ならば、ご本人の生前の様子を思い出しながら
どのような服装でお帰りになりたいかを想像し服装を決めてあげたいですね。

浴衣に限らずにその人らしい服装にしていただきたいです。

 

 

エンゼルケアの目的とは?

エンゼルケアは死後の処置として必ず病院などでされます。
以前はエンゼルケアと言わず、死後処置と言う言葉を使用していました。
ですが患者さんへの尊厳と哀悼の意味を込めてエンゼルケアという言葉に変わってきました。

私は看護師ではありませんが病院に勤務しているため
お亡くなりになる方をお見送りすることがあります。

看護師さんは患者さんへの最後のケアになります。

 

患者さんの尊厳を守る

患者さんが病気療養中に点滴やドレーンなど、いろんな管などがついており
入浴など体を思うように動かすことが出来ません。

また事故や怪我などでからだや着衣の汚れもそのままにしておくことはしません。
これが患者さんの尊厳を守るということです。

お亡くなりになるとその時点から腐敗が進みます。鼻や口、陰部などから
腐敗臭がしてくるのできれいに歯磨きや陰部洗浄をして差し上げます。

お亡くなりになった方が
その人らしく最後をお迎えするためにかけがえのない行為です。

 

家族の方の心のケアをする

この世に生を受けた以上、死は必ず来るものです。

長い間一緒に暮らしていた家族が突然この世から居なくなることは
受け入れがたいものです。

長く療養していた方で覚悟していても
いざその時が来るととても辛いです。

エンゼルケアをすることで家族の方にその人らしい姿に整えることで
残されたご家族の方の心のケアができるのです。

 

感染予防のため

口や鼻、体内に管が入っていたところからや
体に体液や血液などの付着でご家族や葬儀関係者の方に感染する可能性があり、
それを予防するためにエンゼルケアが必要になります。

患者さんの体をきれいに整えて退院してもらうように
エンゼルケアがあるのです。

 

 

エンゼルケアは看護師だけがするの?

ご臨終の際には病院でも施設でも、必ず医師と看護師の立ち合いが必要です。
その後、看護師がエンゼルケアをします。

看護師のみ管やドレーンを外す行為ができますので看護師がエンゼルケアをするようになりますが
最後の身支度の時にご家族も看護師と一緒にエンゼルケアを行うことが出来るので
希望されれば一緒に体を拭いたりお化粧をすることが可能です。

私の母が亡くなったときにはまだ子供だったのでできませんでしたが、
高齢の父の臨終の際には一緒にエンゼルケアをしたいと思っています。

 

 

エンゼルケアでお別れにどう向き合えばよいのか?

このような話は禁句のように思われるかもしれませんが、
お亡くなりになられてから、葬儀まではほんの一瞬で、気が付けば故人との思い出など、
振り返る暇はありません。

ご遺体がそばにいられる間にしてあげれることを考えていけたら良いですね。

私は姉を事故で、母も病気で早くに亡くしており
その時の記憶が抜け落ちてしまっています。
なにも思い出せず、あとから寂しくなりました。

皆さんにはそのような思いをしてほしくないです

人は必ずいつかは死にます。

そのためには日ごろからご家族で噛みしめるように毎日を大事に送っていただきたいと思います。
抽象的ですが、後悔しないためには常日頃からそう感じています。

できれば、看護師とともにエンゼルケアをしてもらい
お亡くなりになられた方の思い出やお元気だったころの
話をたくさんして、ご家族皆さんで心置きなく旅立ちを見送っていただきたいと思います。

終活をされている方はご家族にご希望があれば伝えてください。
ご家族もできるだけかなえていただきたいですね。

 

 

エンゼルケアで浴衣帯を縦結びにする理由~お別れの時に後悔しないためにのまとめ~

  • エンゼルケアで浴衣を着せるときは前身ごろを左前に着る
  • エンゼルケアで浴衣の帯を縦結びにするのは固く結んでほどけないようにするため
  • 浴衣を左前に着せたり、縦結びにするのはこの世とあの世、故人と生きている人、
    通常ではしないこと(逆さ事)の区別をする
  • エンゼルケアの目的は患者さんの尊厳を守る、家族の心のケア、感染予防が目的である
  • エンゼルケアは基本的に看護師がするが、希望すれば家族の方もできる
  • お亡くなりになられた方とのお別れは、後悔をしないように元気な時に話し合う
    本人の希望や家族の望みなども話す機会を作る

以上、エンゼルケアについて調べました。
命の期限は誰にもわかりません。
だからこそ一日一日を大事に生きることです。

そして最後を後悔しないようにお見送りしたいと思います。