ガスコンロの上のバーナーは使えるけれど魚焼きグリルの火がつかないという時、考えられる理由は3つあります。
中には修理や交換に出さなくても、自分で解決できる場合があるんです!
この記事ではグリルのお手入れ方法を知って、少しでも長くグリルを使う方法をご紹介します。
ガスコンロの魚焼きグリルがつかない時に確認すること
考えられる3つの原因
魚焼きグリルは点火しないけれど、上のバーナー部分は問題なく火がつく場合、「ガスが来ていない」「電池が切れている」といったガスコンロ全体に関わる部分には問題が無いことが分かります。
ガスコンロの魚焼きグリルの火だけがつかない時に考えられる原因は大きく3つあります。
確認ポイント
- 過熱防止センサーが作動している
- ガスの通路が遮断されている
- 内部部品が故障している
ちなみに不具合ではないけれど火が消える場合もあります。
「自動調理機能が使えるグリルが余熱調理に入った場合」と「グリルの扉や機器下部のキャビネットを開閉した場合」です。
こちらは火が止まっていても故障ではないので安心してください。
グリルの扉やキャビネットを開閉する時に扉の開閉をゆっくりと行えば火が消えにくくなります。
過熱防止センサーが作動している
魚焼きグリルの庫内には、魚などの調理物を入れずに空焼きした場合や、温度が上昇しすぎた場合に検知して自動消火してくれる「過熱防止センサー」があります。
家族で食べる人数分の魚を焼くために連続してグリルを使用していると庫内の温度が高温になり、このセンサーが作動してしまう場合があります。
また、このセンサーに何かが誤って触れたり汚れが付着している場合にもセンサーが誤作動してしまうことがありますので、普段から掃除をする際には過熱防止センサーの周りもしっかり掃除しておくことが必要です。
過熱防止センサーはグリルの奥の方にありますので掃除の際に確認してみてください。
魚焼きグリルがつかない原因が過熱防止センサーや点火プラグ周りの汚れであれば、掃除によって自力で解決することが可能ですよ!
ガスの通路が遮断されている
つまみやボタンを押さえている間は「チチチ……」と音がして正常に動作しているような感じがするのに、手を離すと火が消えてしまうという場合、つまみを押さえている間は問題なくガスが通っていると考えられます。
こんな時、ほとんどの場合は「熱電対」や「マグネット」などの部品の故障が考えられます。
ガスの通路部分には、火がついていることを感知すると電気が流れる「熱電対」と、その電気を受けてガスの通路を開いたままにする「マグネット」があります。
このマグネットが劣化して上手く動作しなくなると、つまみから手を離した瞬間にガスの通路が遮断され、火がつかない原因となるのです。
この場合は自分では解決できませんので、修理業者へ依頼することをおすすめします。
内部部品が故障している
基本的な掃除や電池交換といった対応をしてみても解決しないという場合は、上記以外の内部部品の故障が考えられます。
ガスコンロの修理費用は5,000円~数万円になる事もあります。
ガスコンロの標準使用年数は約10~15年と言われますが、ご家庭での使用頻度やお手入れ具合によっては実際にそこまで長く使用できない場合がほとんどです。
使用されている部品の生産も10年ほどで終了してしまうため、購入してから8年以上経っているガスコンロであれば、買い替えを検討した方が良いかもしれません。
魚焼きグリルだけがつかないからといって修理業者に見てもらっても、
ここも、あそこも、それも部品が劣化しているので全部交換しておきましょう!
という事になれば、新品を購入した方が安かったなんてことはあり得ます。
新しいガスコンロを購入する場合は2~3万円ほどで購入できますし、5万円台のものであれば色々と便利な機能も備わっていますので、買い替えを検討してみてください。
ちなみに2008年以降のガスコンロには「Siセンサー」という安全機能の搭載が法令で義務付けられています。
2008年以前から使っているガスコンロの場合は、早めの交換をおすすめします!
魚焼きグリルがつかない時の対処法
以上を踏まえて、ガスコンロの魚焼きグリルだけが付かない時にまず確認すべきなのは「掃除をすれば解決するか」ということです。
普段からグリル周りをキレイに保っていれば、過熱防止センサーや点火プラグ周りの汚れによる不具合を防ぐこともできます。
理想的な掃除頻度は使用後「毎回」なのですが、忙しくて中々そこまでできないという方は最低でも1ヶ月に1回、頻繁に魚焼きグリルを使用する場合は1週間に1回は掃除をしましょう。
日常的な清掃は「台所用洗剤」と「布巾」があれば簡単に出来ます。
汚れがこびりついて取れなくなってしまう前に、こまめな掃除を心掛けましょう。
グリル庫内の掃除手順
用意する物:台所用洗剤、布巾
- 濡らした布巾に洗剤を揉みこむ
- グリル庫内の汚れを布巾で拭き取る
- 再度濡らした布巾で洗剤を拭き取る
- 軽く乾拭きをしてしばらくは扉を開けたままにしてグリル庫内を乾かす
ガスコンロの魚焼きグリルのガンコ汚れの掃除方法
既にこびりついてしまったガンコな汚れを落とすためには、台所用洗剤だけでは難しいため、より洗浄力の強いものを使う必要があります。
グリル庫内に付着する汚れは「焦げ」と「油」です。どちらも酸性の汚れになりますので、逆の性質を持ったアルカリ性の「重曹」や「セスキ炭酸ソーダ」などを使いましょう。
どちらも100均などで手軽に入手することが出来ますよ。
特にセスキ炭酸ソーダは重曹よりもアルカリ成分が強いため、ガンコな汚れにおすすめです。
その分素手で扱うと手荒れしやすくなりますので、掃除の際にはゴム手袋などで手を守るようにしてください。
また、汚れが取れないからと言ってたわしのような固めのブラシでガシガシとこすってしまうと、グリルプレートなどに元々施されているコーティングを傷める原因となりますので使わないようご注意ください。
受け皿と網のガンコ汚れ掃除
用意する物
- 重曹(水1Lに対して大さじ3杯)またはセスキ炭酸ソーダ(水1Lに対して大さじ1杯)
- 40~50℃のお湯
- 受け皿の入る洗い桶または大きめのビニール袋
- スポンジ
- 使い古しの歯ブラシ
- メラミンスポンジ
- ゴム手袋
重曹は温めると二酸化炭素が溶け出し、泡となって酸性汚れに吸着しやすくなります。
また、油や焦げ付きもぬるま湯に漬けておくことでふやけて落としやすくなるので、重曹やセスキ炭酸ソーダを混ぜた水溶液を作り、漬け置きすることでガンコ汚れを落とします。
掃除手順
- 洗い桶やビニール袋に40~50℃のぬるま湯を張り、重曹またはセスキ炭酸ソーダを混ぜて水溶液を作る
- 1.の水溶液に受け皿と網を入れ、30分~1時間程度漬け置きする
- お湯から取り出しスポンジを使って汚れをこすり落とす
- 受け皿の隅など細かな部分に残った汚れは歯ブラシやメラミンスポンジで取り除く
- 水で汚れを洗い流して乾かせば完了!
グリル庫内のガンコ汚れ掃除
用意する物
- 重曹(水250mlに対して大さじ1杯)またはセスキ炭酸ソーダ(250mlに対して小さじ1杯)
- 40~50℃のお湯250ml
- キッチンペーパー
- ラップ
- 布巾
- ゴム手袋
グリル庫内の掃除は網や受け皿のように移動するわけにはいかないので、直接庫内に水溶液をしみ込ませ拭き取ることで掃除します。
ただ水溶液を塗ったり吹き付けるだけでは、すぐに水溶液が乾燥したり流れ落ちてしまうので、汚れと水溶液の密着を強めるためにキッチンペーパーとラップを使ってパックすることで汚れを落としやすくします。
あらかじめ受け皿と網は外しておきましょう。
掃除手順
- 40~50℃のお湯250mlに重曹またはセスキ炭酸ソーダを混ぜ、水溶液を作る
- キッチンペーパーを水溶液に浸して、グリル庫内に貼り付ける(※)
- キッチンペーパーの上からラップで覆い、30分ほど置く
- 30分経ったらラップとキッチンペーパーを外し、布巾で拭き取る
- 水溶液が残らないように水拭き・乾拭きをしてしばらく乾かせば完了!
※グリル内部は水気NGの電子部品が使われている製品もあります。お使いのグリルの説明書で確認するか、心配な場合は電子部品を避けるようにキッチンペーパーを貼ってください。
ガスコンロの魚焼きグリルを極力汚さないで使う方法
ガスコンロやグリルを長く使用するためには、普段からこまめに掃除をして汚れが溜まらないようお手入れしておくことが大切です。
ですがグリルを使う前に少し工夫しておくことで、グリルの掃除をぐっと楽にする方法があるんです!
ほんのひと手間で食材がくっつかない裏技
グリルで食材を調理する前に、3分間ほどグリル庫内を予熱しておくことで食材が網に焦げ付きにくくなります。
また網に前以て酢や油を塗っておくことでも焦げ付きを防ぐこともできます。
肉や魚などのタンパク質は加熱によってその性質が変化し、50度以上で金属に凝着するようになるのですが、お酢にはタンパク質を固める作用があるため、魚の身が崩れるのを防いでくれます。
ただしあまり酢を塗りすぎると魚の身が固くなってしまいます。
グリルで調理する前に、キッチンペーパーに少量お酢をしみ込ませてさっとひと塗りする程度で充分効果がありますよ。
網や受け皿に1枚敷いて捨てるだけ
グリルは構造上、魚などの余分な脂が網から受け皿へ流れ落ちるため、普通に使えば使用後に網と受け皿を洗わなければいけませんが、網や受け皿にあるものを1枚引いておくことで、洗い物の手間を減らすことができます。
例えばアルミホイルを網に敷いて魚を焼けば、魚に焦げ目は付かなくなりますが網も受け皿も汚れないで済みますよね。
調理後にアルミホイルを捨てるだけでいいのでお掃除がかなり楽になります。
また100均で購入できる魚焼きグリル用の受け皿シートを受け皿に敷いておくことでも、滴り落ちる油で受け皿が汚れることを防げるんです。
その上受け皿シートを使えば焼き魚のイヤな匂いもキャッチしてくれるので、グリル庫内の匂いが気になる方にはおすすめです。
受け皿シートの場合は網は汚れますが、焦げ目をつけてカリッと焼き上げることが出来るので、お好みに合わせて取り入れてみてください。
受け皿に入れておけば、お掃除楽ちん
昔はグリルで魚を焼く時に、温度が上がり過ぎて発火するのを防ぐために受け皿に水を入れていたりしましたが、同様に受け皿にあるものを入れておくことで、魚の脂のべたべた汚れの掃除の手間がぐっと楽になります。
例えば受け皿に水300mlと片栗粉を大さじ4杯入れて混ぜ合わせて魚を焼くと、受け皿に落ちた脂が片栗粉と混ざって、熱が冷めるとゼリーのように固まるんです。
捨てる時にはぺろっと剥がすだけなので、受け皿の汚れが掃除しやすくなりますよ。
同様に重曹を溶かした水を受け皿に入れておくと、脂が重曹に分解されてこちらも掃除が楽になります。
重曹は冷ましても固まりませんが、排水溝に流して処理できるので後片付けが簡単です。
その他に100均でも購入できる「グリル敷石」を受け皿に敷いて焼けば、魚の脂を吸収してくれてイヤな匂いも抑えてくれます。
その上遠赤外線効果で魚を短時間でふっくら美味しく焼き上げることができるので、一度は試してみる価値ありです!
石が黒く変色するまでは繰り返し使用することができますし、使用後の石は土に混ぜればガーデニングの肥料として使う事も出来るのだとか。
受け皿も網も汚さない最終手段
受け皿も網も汚さない最終手段として、グリルパンを導入してみるのもひとつの手です。
グリルパンとはグリル調理のできるフライパンのことで、底面が波型になっているため網焼きと同じように食材に焦げ目をつけて、外はカリッと中はジューシーに焼き上げることができる優れものです。
大体の商品はIHでの調理にも対応していますし、そのままグリルの中に入れて使用できる商品もあります。
こちらもグリル敷石と同様に遠赤外線効果で食材にじっくりと火を通し、ふっくら美味しく焼き上げる事が出来ます。
これまでご紹介した方法では網や受け皿を汚さない事は出来ても、グリル庫内への脂の飛び散りを防ぐことはできませんでしたが、ガスコンロのバーナーを使ってグリル調理と同じ仕上がりになるならグリル庫内も汚れないので、掃除がかなり楽になりますね。
ガスコンロの魚焼きグリルがつかない?原因と長持ちの秘訣をご紹介! まとめ
この記事ではガスコンロの魚焼きグリルがつかない時に考えられる3つの原因と、中でも業者に頼らなくても自力で解決できる「汚れによる不具合」を予防するための掃除方法、ガスコンロを油や焦げから守って極力汚さずに使う方法についてご紹介しました。
ガスコンロの部品は10年ほどで製造が終わってしまいますが、日頃から魚焼きグリルを使った後すぐに掃除をするように心掛けていれば、ご自宅のガスコンロを少しでも長く使い続けることが出来ます。
ガスコンロの魚焼きグリルだけがつかない時に確認するポイントを下記にまとめましたので、現在不具合を感じている方はご参考にしてください。
ポイント
- つまみを押さえている間は火がつく →修理業者へご相談ください
- つまみを押さえていても火がつかない →連続使用後なら時間を置く、連続使用後ではないなら掃除をしてみる
- つまみを押さえても掃除をしても火がつかない →修理業者へご相談ください