最近、耳にする「夜はちみつダイエット」ってどんなダイエットなのでしょう?
普段の食事にちょっと気をつけて、夜寝る前にはちみつを大さじ1杯食べる。たったそれだけで、ダイエットに失敗し続けた人が続々と成功に導かれているとか。
寝る前に甘いはちみつを摂って太らないの⁉心配になりますよね?
何故、はちみつを寝る前に摂ることでダイエットが出来ると言われているのでしょうか?
はちみつが血糖値に及ぼす影響に深く関わっている様です。
そんな疑問を探ってみましょう!
はちみつが血糖値を安定させると言われるのはなぜ?
血糖値上昇はどのように起こるの!【GI値と血糖値の関係】
ごはんやパンのような炭水化物が多い食べ物が口から入ると、食道を通り、胃や十二指腸で消化され小腸から吸収されます。
吸収された糖分は、ブドウ糖等として血管内に取り込まれ、体内に取り込まれます。
血液中に糖が入ると、血糖を下げる働きのあるホルモンである、インスリンにより、血糖は多くの組織に取り込まれます。
多くの糖を摂取すると、通常より多くのインスリンが分泌されてしまいます。
インスリンには脂肪合成を高め、脂肪分解を抑制する働きがあるため、組織で脂肪が蓄積されやすくなってしまうのです!
インスリンの分泌が少ない、分泌のタイミングが遅い、インスリンの作用が低下するなどが原因で、うまく血糖の処理ができなくなると、血糖値が下がらなくなってしまいます。
食後数時間たっても、血糖値が下がらない状態が慢性的に続く症状が、糖尿病というわけです。
糖を摂りすぎると太ってしまうだけではなく、健康も害する事になるのですね。
引用:大塚製薬
体内での血糖値上昇のメカニズム
- 食べ物の中の糖分がブドウ糖として血液中に取り込まれ
- ブドウ糖が増えることで、すい臓からインスリンが分泌される。
- ブドウ糖は肝臓や筋肉、脂肪組織などの細胞に取り込まれるため、食事前の値まで、血糖値が下がります。これが健康な人の血糖に関するメカニズムです。
GI値って血糖値とどんな関係があるの?!【はちみつのGI値は?】
GI値とは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略称のことで、食後の血糖値の上昇度を示す指数のことをいいます。
つまりこのGI値が高い食材を摂取すると、血糖値が急上昇しますが、GI値が低い食材を摂取すると血糖値は緩やかに上昇します。
しかし、GI値は食品中に含まれる糖質の量については考慮していません。そこで生み出された考え方がGL値になります。
GL値はグリセミックロード値(Glycemic Load)の略称で、GI値にさらに食べる量を計算して、算出する値になります。
GL値は、以下の式で求められます。
GL値=GI値×食品に含まれる糖質量÷100
GI値が低い食品でも量を食べると、糖質の量は増えてしまいます。GI値だけで判断するのではなく、食べる量も考慮してGL値で判断していきましょう。
一般的に、高GI値は70以上、中GI値は56~69、低GI値は55以下と言われており、高GL値については、20以上、中GL値は11~19、低GL値は10以下とされています。
では、甘みの強いはちみつのGI値とGL値はどうなっているのでしょう?
甘味料のGI値とGL値の一覧表をご紹介します。
はちみつの糖質は砂糖と比べると少ないことが分かります。
しかし、一般的な食品と比べると、はちみつの糖質は高く、中GI値になり、GL値に関しても中程度となります。
参考までに、はちみつ大さじ1(約21g)で16 gほどの糖質で、これはコンビニおにぎり1/2個とほぼ同じ量です。
では、なぜはちみつは、血糖値を安定させる効果があると言われているのでしょう?
はちみつには普通、ブドウ糖より果糖の方が多く含まれており、これが大きな意味を持つのです!
それは同じ単糖類でも果糖はブドウ糖と違い、吸収速度がブドウ糖の約半分で、吸収によって血糖値が急激に上昇することがないのです。
また、一度に多量の糖分を肝臓に送り込まないようにコントロールする働きも持っているのです。
上記表にてGI値やGL値が低い甘味料として、果糖が挙げられますが、果糖とは、果物に多く含まれる糖です。
果物は食物繊維も多く含まれているので、間食にはおすすめですが、糖質であることには変わりないので、過剰摂取には気をつけましょう!
甘味料として「果糖ぶどう糖液糖」も果糖とブドウ糖が含まれてそうで良いのでは⁉と思われそうですが、こちらは人工甘味料で砂糖に比べて血糖値を急上昇させてしまうので、要注意です!
なぜ寝る前のはちみつがダイエットにつながるの?
夜はちみつダイエットとは?!【成功させる7つのルール】
血糖値を安定させる効果のあるはちみつ、夜寝る前に大さじ1杯摂るだけで本当に痩せられるの?
やはり、はちみつの多くは糖分なので、間違った方法では逆効果になります!
成功させるには、ルールがあるようです。
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就寝の30分〜1時間前に大さじ1杯のはちみつを摂る
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少量のアルコールであればOK
(はちみつをそのままなめるか、白湯に溶かして飲む。安眠効果のあるハーブティーや少量のアルコールでも、NGはカフェインを含む飲料や糖質を含む牛乳や夜ヨーグルト!) -
小麦を使った料理を控える
(小麦粉は精製された炭水化物の占める割合が高いので、要注意!
高カロリー食品も多い) -
加工食品は極力控える
(加工食品に含まれる、精製糖、異性化糖や食品添加物には、 味覚や食欲を刺激し、食べ過ぎを促す作用がある) -
夕食は、炭水化物を食べ過ぎない
(夜に炭水化物を摂り過ぎると、活動量の少ない夜はエネルギーが余り、体脂肪として蓄積されてしまう。) -
ビタミン、ミネラルは積極的に摂る
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夕食はできるだけ就寝の3時間前に食べる
(忙しくて寝る直前でなければ夕食が摂れず、空腹で眠れないときは、夕食代わりにはちみつを摂るようにしましょう)
健康的な食事と良質な睡眠が大事なようですね!
はちみつによって成長ホルモンが多く分泌され、睡眠中のエネルギー燃焼効率がアップするため、ダイエット効果が得られるのです。
良い睡眠がダイエットの鍵!【睡眠を妨げる夜間低血糖!】
夜はちみつに関わらず、ダイエットには成長ホルモンの分泌のためにも、質の良い睡眠が大事です。
しかし早く寝ても、朝起きると頭が痛かったり、寝れた気がしないなどありませんか?
以下のような症状のある方は、「夜間低血糖」の可能性があります!
引用:宮本内科
低血糖というと、糖尿病の薬が効きすぎて血糖値が極端に下がるというイメージがありますが、ここでいう「夜間低血糖」は糖尿病でない健康な人にも起こるのです。かくれ低血糖とも言います。
睡眠中に血糖値がガクンと下がると、それを回復させるためアドレナリンやコルチゾールなどの興奮系ホルモンが一気に分泌され、交感神経が優位になってしまいます。
その結果、寝汗や歯ぎしり、悪夢などに見舞われ、睡眠の質が悪くなります。
良い睡眠は、副交感神経が優位になり、成長ホルモンが分泌されることが大事なのです。
実は、この「夜間低血糖」の対策にも、血糖値を安定させるはちみつは有効なのです!!
その基本的な食事方法も、先程の夜はちみつダイエットのルールがとても大事になってきます。
私もこの「夜間低血糖」対策のために夜はちみつを摂っています。
はちみつなら何でも良いの?【はちみつの種類は大きく3つ】
では、はちみつならばどんなものでも血糖値を安定させる効果があるのでしょうか?
はちみつは加工の有無やどんな加工をしているかにより、大きく3種類に分けることができます。
純粋はちみつ
天然成分100%の「純粋はちみつ」は、水分含有量23%以下、果糖・ぶどう糖の含有量が合計で60g/100g以上など、厳しい品質基準を満たしていることが特徴です。
はちみつ公正取引協議会が制定している、公正競争規約が規制対象とするはちみつ類はこの純粋はちみつだけです。
その中で①はちみつ、②甘露はちみつ、③巣はちみつ、④巣はちみつ入りはちみつの4種類に分けられます。
ただ、この純粋はちみつとされていても、品質のばらつきがあるようです。
加糖はちみつ
販売コストを抑えるため、水あめ・果糖・ショ糖(砂糖)などを足した加工品が「加糖はちみつ」です。
成分が水増しされているため、純粋はちみつと比較して栄養価が劣ります。
手軽な値段で甘い香りや風味が楽しめる一方、はちみつ本来の殺菌作用や栄養効果は期待できません。
精製はちみつ
はちみつに含まれるタンパク質やビタミン・ミネラル類を特殊な膜により除去した「精製はちみつ」は、はちみつ独特の色や香りがありません。
精製過程において栄養素を失ってしまうため、調味料としての用途が主となります。
血糖値の安定のためには、はちみつ本来の栄養素が大事なので、純粋はちみつを選びましょう!
純粋はちみつにも色々ある?!【選び方のポイント3つ】
純粋はちみつといっても、100均でも購入出来ますし、はちみつ専門店などもあり価格にかなりの幅がありますね。
花の蜜を集めたはちみつや、さまざまな木(カシやマツ、モミ、トウヒなど)からでる樹液を昆虫が一旦体に取り入れたのち、その後糖分だけを再び樹木の葉や幹に水滴の形で残したものをミツバチが集めた甘露はちみつを純粋はちみつと呼びますが。
中には、ミツバチに砂糖水を与えているものも純粋はちみつとされている事もあるようです。
ミツバチが集めた蜜には違いませんが、はちみつ本来の栄養素や風味はありません。
選ぶポイントとしては、
日本では越冬中、冬に花蜜は採れないため、養蜂家によっては砂糖水をエサとして与えることもあるようです。
ホームページで飼育状況をしっかり明示した上で、越冬中の餌に触れている養蜂場もあります。それならば、と信頼し購入するのも良いと思います。
こちらのはちみつは越冬中も砂糖水を与えていないと明示しています。
引用:れんがハニーガーデン
私がよく購入しているはちみつ専門店は、越冬中の餌として砂糖水を使用している様です。きちんと明示しておりました。
引用:みつばちのーと
価格や品質を自分で納得して選んでいきたいですね。
はちみつは血糖値を安定させるって本当⁉摂ると痩せる太るどっち⁉のまとめ
まとめ
- 一般的な食品と比べると、はちみつの糖質は高く、中GI値、GL値に関しても中程度。
- はちみつは、ブドウ糖より果糖の方が多く含まれている。
- 果糖はブドウ糖と比べ、吸収速度がブドウ糖の約半分で、吸収によって血糖値が急激に上昇することがない。
- はちみつによって成長ホルモンが多く分泌され、睡眠中のエネルギー燃焼効率がアップするため、ダイエット効果が得られる。
- 夜はちみつダイエットの成功には7つのルールがある。
- 良質な睡眠を邪魔する「夜間低血糖」にもはちみつは効果がある。
- 純粋なはちみつを選ぶポイントは3つ。
はちみつには、栄養素が豊富なだけでなく、血糖値を安定させてくれます。食事管理も必要不可欠ですが、ダイエットにも効果があります!
ミツバチが一生懸命に蜜を集め、羽によって温度管理している純粋はちみつ、貴重な食品で決して安価なものではないかもしれません。
感謝を込めて頂きましょう!