待望の犬をペットとして迎え入れる。
家族みんなでワクワクしてお出迎えしますよね。
早く遊びたい!可愛がりたい!期待が高まります。
でも、犬を迎えた初日には無視した方がいいって聞いたことありませんか?
愛情をかけたつもりが犬のストレスになっていた、なんてことも。
そんな過ちを犯さないために犬の気持ちに寄り添ってお世話しましょう。
「犬を迎えた初日は無視した方がいい」の本当の理由!「無視=無関心」ではない
まずは「無視」が表すものはどんなことなのか、ということをはっきりさせましょう。
無視 = 放置・無関心
ではありません。
ここで言う「無視」とは
「犬の体調に気を配りながら、必要以上に構い過ぎず、犬が慣れてくれるのを辛抱強く待ち、手助けすること」です。
ほったらかしておくこととは違うのです。
犬を可愛がりたい・遊びたいという気持ちを抑えて見守るのは、飼い主の方にも忍耐が必要です。
でも適切に無視することが結果的に犬のためになるのです。
次から無視するポイント、無視してはいけないポイントを見ていきましょう。
犬を迎えた初日はクレートに入れて無視していいの?
犬を迎えた初日はクレート(キャリーケース)に入れて、なるべく静かで室温が快適な場所でそっと「無視」しておきましょう。
犬は狭いところの方が落ち着くので広さのあるケージよりも狭いクレートの方が休むのに適しています。
臆病な犬はもちろん、人慣れしている犬でも新しい場所は刺激的で興奮状態になっていて、とても疲れています。
人慣れしているから、遊びたがっているから大丈夫だろうと部屋に離して遊ばせすぎると、余計に体力を消耗し体調を壊してしまう場合があります。
「ニューオーナーシンドローム(新しい飼い主症候群)」という言葉もあるように、飼い主が変わった際に動物には大きなストレスがかかり体調不良になりやすいのです。
初日の犬にとって大事なことは
- 今いる場所に慣れること
- 安全な場所だと認識すること
- そしてしっかりと休むこと
です。
特に子犬は体調を壊しやすいので大人の犬よりも長く休ませる必要があります。
個体差はありますが1日に18~20時間の睡眠時間が必要と言われています。
体調にもよりますが子犬なら1週間くらい休ませてあげたほうが良いそうです。
犬を迎えた初日のトイレトレーニングは?トイレしなくても無視していいの?
トイレトレーニングは初日から始めるべき
初日は体力回復の為に基本「無視」ですが、トイレのトレーニングは初日から始めましょう。
トイレトレーニングがきちんとできていないと、犬にとっても飼い主にとってもその後の生活に大きなストレスがかかってきます。
トイレトレーニングに関しては「無視」ではなくしっかりと、覚えるまでつきっきりで面倒を見るつもりで行ったほうがよいでしょう。
犬が睡眠から目を覚ましたり、ご飯の後など、トイレのサインが確認できたら、すぐトイレへ誘導します。
この際、抱っこしてでなくできるだけ自分の足で歩いて行かせたほうがいいでしょう。
犬のトイレサイン
くんくん匂いを嗅ぎまわる
そわそわ落ち着きがなくなる
ぐるぐる回る。おしりを突き出す
尻を床にくっつけるポーズ
上手にできたら必ずほめましょう。
その繰り返しで犬はトイレの正しい場所を覚えていきます。
大事なのは失敗しても決して犬を叱らないことです。
犬のトイレの失敗は飼い主が上手く誘導してあげれなかった為であり、犬の責任ではありません。
大声を出して叱ると排泄すること自体に恐怖を覚えて、飼い主のいない場所でこっそりとする癖がついてしまうことがあります。
あと、失敗した場合はしっかりと掃除して臭いを残さないようにしましょう。
臭いが残っているとそこがトイレだと認識してしまいます。
すでにトイレトレーニングができている犬は比較的簡単に覚えるでしょうが、トレーニングできていない犬、さらに子犬は何度も教えていかなければいけません。
根気のいる大事なトレーニングです。
トイレをまったくしないときは無視しないで!
犬のトイレ回数は個体差もありますが、子犬で一日あたり7~10回、成犬で3~5回とのことです。
もちろん初日に緊張してご飯もあまり食べていない、水も飲んでいない状況だと回数は減るかもしれませんが、まる一日何も出ないとなると何らかの病気の可能性があるので「無視」してはいけません。
動物病院に相談したほうがいいでしょう。
また、トイレの場所も見直してみましょう。
騒がしい。人通りが多い場所では落ち着いてできない場合があります。
トイレが犬の寝る場所の近くでも嫌がります。
家に連れてくる前にいつ頃トイレをしたのかも確認しておくと、大丈夫かどうか判断できる材料になります。
犬を迎えた初日にご飯を食べない!無視していてもいいの?
犬がご飯を食べない原因は
①慣れない環境で緊張している
②フードの種類が変わった
③病気
①の場合は「無視」して大丈夫です。
緊張によって食べないことはよくあります。
トイレもきちんとして元気もありそうなら2・3日なら慣れるまで様子を見てみるのがいいでしょう。
②の場合は少し工夫してみましょう。
ご飯の種類が変わると嫌がる犬もいます。
ブリーダーさん、ペットショップなど以前お世話していた所で食べさせていたドッグフードと同じにしてみましょう。
下痢している、鼻水が出ている、涙がでているなど症状がある③の場合は「無視」しないでください。
病気で食べられなくなっている可能性が高いです。
獣医さんに相談してみましょう。
人慣れしている犬などは手であげると食べるという子もいます。
どういう環境でご飯をあげていたのか事前に聞いておくのも良いでしょう。
犬を迎えた初日にかまって欲しくて鳴いてる!夜鳴きする!無視したほうがいいの?
これは「無視」してください。
犬がかまって欲しくて鳴いていたり、夜寂しくて鳴いていると「かわいそう」「ちょっとくらいなら」と思ってしまいますよね。
とっても分かります。
切なそうに鳴かれて無視していると罪悪感が・・・
でも、愛情をかけることと甘やかすことはべつです。
もちろん犬の体調の変化には十分注意が必要です。
犬が快適に生活できるよう環境を整えることもトイレトレーニングにも時間を割くことも大切です。
しかし、そのほかの事では、犬の要望に合わせて人間が生活するようになってはいけません。
遊んで欲しいとアピールされていつでも遊んであげたり、夜鳴きするたびに見に行って可愛がる、欲しいと要求される度にご飯をあげるなど、犬の要求に人間が振り回されないようにしてください。
犬に生活を合わせるようになると、犬はいつでも要求に答えてくれるものだと思ってしまいます。
そうなってしまうと、自分を飼い主よりもえらいと思い関係が逆転してしまいます。
飼い主の都合でその要求に答えられないことがあると、無駄吠えなど問題行動を起こがちになります。
そうなってから注意しても、しつけが入っていかず犬にも飼い主にもストレスのかかる状況になってしまいます。
要求を聞いてあげる判断の基準は「今後もずっと、その要求に答えることができるのか」です。
夜鳴きが続いたら毎晩起きて犬の側に何度でも行って相手をすることができるか。
遊んでと要求されたら自分が疲れていても、いつでも何時でも遊べるのか。
ずっと続けることが無理だと思う要求だったら初めから答えてあげない、犬に期待させないというのも飼い主の愛情です。
子犬の夜泣きについてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
犬を迎えた初日は無視したほうがいい?犬が目を合わせない理由を知る
「飼い主が犬を無視したほうがいい」場合がある、ということを理解する為には、逆のシチュエーション「犬が飼い主を無視する」時の心境を知るともっと理解が深くなります。
犬を飼ったことがある人はよく経験することですが、犬がいたずらをした時など、叱っていると飼い主をまるで無視しているような動作、ふいっと目をそらしたり、背中を向けてしまう場合があります。
「ちゃんと聞いてるの!?」と思って自分のほうに犬の視線を向けさせようとしますがそれは待ってあげてください。
犬は飼い主が怒っていることを分かっているからこそ目をそらすのです。
子犬は世話してくれる相手に目を合わせることが多いですが、成人した犬は目をじっと見つめ続けられることを本能的に好みません。
犬が無視する・目をそらす理由は
- 相手が自分に敵意があると思って「自分には敵意がないですよ」というのを示す
- 自分にかまってほしくない、そっとしておいて欲しいという意思表示
- 気持ちだけでも目の前のストレスから逃げよう・気持ちを落ち着けようとしている
怒るときに犬の目を見るのは短時間にしてあげましょう。
そして犬が目をそらしても怒らないこと。
犬が好意を持ってこちらを見てきたときは、目を長時間覗き込むのではなく、犬全体を見るようにしてあげましょう。
飼い主と目を合わせるとおやつがもらえる、遊んでもらえるなど良いことがあるんだなと覚えてもらったほうが良いコミュニケーションを取れます。
他人の飼い犬でも初日は無視した方がいい?無視して犬と仲良くなる!
犬を飼っている家を訪問するとき、犬好きだったら仲良くなりたい、触りたいと思いますよね。
人慣れしている犬で、誰でもウェルカムな子だったら嬉しいですが、人見知りする子だと滞在中にずっと吠えられたり、遠巻きに見られたり、嫌われたみたいで寂しい・・・
そんな時は犬を無視してみましょう。
犬が目をそらす理由にもあったように、犬はじっと見つめられることを基本好みません。
知らない人に見つめられると、人慣れしている犬はそれを好意だと判断しますが、人慣れしていない犬は自分を攻撃するのではないかと思い怯えます。
もちろん噛む犬ではないことが条件ですが、吠えていても犬のほうは見ないようにしてください。
そして飼い主とコミュニケーションを取りましょう。
飼い主と仲良くしている様子を見ると犬は相手を敵ではないと認識します。
私はこの方法で100%初対面の相手には吠えて逃げ回ると言われていた夫の実家の犬と初日に仲良くなりました。
吠えても犬のほうを見ないで家族と仲良くしていたら、最後には犬のほうから寄ってきてくれました。
効果がありますよ。
「犬を迎えた初日は無視した方がいい」これって本当のこと?!まとめ
- 「無視 = 放置・無関心」ではない。犬の体調管理に気遣いながら静かに休ませて体力回復と慣れるのを待ってあげる
- 休ませる時は広いケージよりも狭いクレートのほうが犬は安心する
- トイレトレーニングは初日から行う。
- 緊張で初日ご飯を食べられなくても大丈夫。トイレも行って、体調も悪くなさそうなら2・3日慣れるのを待ってみよう。
- 犬の要求にすべて答えるのはやめよう。判断基準はずっとそれに答えてあげることはできるのか。
- 犬が目を合わせない理由も知って上手にコミュニケーションを取ろう。理由は「喧嘩したくない・かまってほしくない・落ち着きたい」
- 人慣れしていない他人の犬とも無視することで仲良くなれる。ポイントは犬を無視して飼い主と仲良くすること。
犬を家族に迎え入れるというのはとっても素敵なイベントです。
ですが初めての日は不安の方が大きかったりもします。
知っていることで無駄な不安が解消されることも少なくありません。
犬の性質を知って、人間も犬もストレスのかからない暮らしをしていきましょう。