実直と真面目の違いは何?と聞かれて、パッと答えられますか?
正直私は答えられません。
ほぼ同じ意味なので、いわゆるニュアンスの違いで使いわけています。
日本語を正しく使うために、今回はこの二つの言葉のニュアンスの違いを解説します。
実直と真面目の違いは+αにある!
現在では実直と真面目はほぼ同じ意味で使用されていますよね。
具体的にどんな違いがあるかと言われてしまうと答えに窮してしまいます。
特に実直という言葉の日常生活では使用回数は、真面目に比べて非常に少ないです。
正直どういった使い分けをしているかわかりかねますよね。
簡単にいうと、実直は真面目に変換して表現できます。
つまり実直は真面目に+αを付けた強調表現ともいえるんです。
それではまず、実直と真面目それぞれの言葉を辞書で調べてみましょう。
真面目を辞書で調べると
真面目
ココからわかることは真面目という言葉は、物事に対する姿勢を表す表現と人物の性質を表す表現の2種類の意味があるということです。
1の意味は主に物事に対する姿勢に足して用いられるものです。
真面目に仕事を行うといえば、嘘やいい加減なことをせず真剣に仕事に取り組む様子が思い浮かびますよね。
2の意味はその人物の人柄などに対して用いられています。
真面目な性格の人と言われれば誠実な人を思い浮かべることでしょう。
ここでさらに、2の意味に出てきている言葉を辞書で調べてみます。
誠実
真心
つまり真面目な人とは私利私欲をまじえず、偽りや飾りのない心をもって人や物事に対する人のことと理解できます。
実直を辞書で調べると
実直
実直を辞書で調べるとほぼ真面目の2の意味と一致していることがわかると思います。
誠実の意味は先ほど述べたのでわかりますよね。
「かげひなたがない」は裏表がない、つまりは正直といいかえることが出来ます。
つまりは「実直=真面目+正直」と言えるんです。
実直は主に人の性質や行動などを表現するために用いられています。
真面目な人に対して、特に正直なことを強調して表現したいとき実直を使うといいみたいです。
実直以外にも真面目+αの意味を持つことばはいくつかあるんですよ。
他にもある類義語
真摯 = 真面目 + 熱心 → まじめで熱心なこと。また、そのさま。 謹厳 = 真面目 + いかめしい → まじめで、いかめしいこと。また、そのさま。 質実 = 真面目 + 質素 →飾りけがなく、まじめなこと。質素で誠実なこと。また、そのさま。 律儀 = 真面目 + 義理堅い →きわめて義理堅いこと。実直なこと。また、そのさま。りつぎ。
これらの類義語は実直と同じように真面目+αといえる意味を持っています。
つまり+αの部分を強調して真面目だと伝えたいときに、律儀や真摯といった言葉を用いればいいということです。
どの言葉も言われて悪い気はしない言葉ばかりですよね。
仕事に熱心な人に対しては真摯という言葉を、人間関係において義理堅い人に対しては律儀という言葉を使うのが適当だということです。
このほかにも真面目+αの類義語は沢山ありますので考えてみてくださいね。
実直と真面目の会話上での意味の違い
ここまでは辞書における実直と真面目の意味をみてきました。
しかし、実際の日常の会話上では辞書通りの意味で使用されない場合があります。
いわゆる会話上でのニュアンスの違いというものです。
実際、使用した場面によって全く違う伝わり方をする場合がありますよね…。
会話上での使用した場合、実直や真面目はどういった印象を相手に与えるのか考えてみましょう。
実直や真面目のいい印象は?
真面目や実直と言われれば多くの場合、やはり良い意味としてとらえられるようです。
仕事や人間関係において信頼できることを表現するために用いられてます。
印象としても「責任感がある」や「計画的」など仕事や勉学関係の良いものが多くあります。
真面目と実直の会話上の使い分けに関しては、言葉の堅さの違いなどがあると思います。
真面目という言葉は比較的カジュアルな表現です。
もちろん公な場所で使用してはいけないわけではないですが、実直や真摯のほうが明確なのでふさわしい言葉と言えるかもしれませんね。
実直や真面目の悪い印象は?
真面目と実直はどちらも基本的には好意的な意味で使用されることが多い言葉で間違いありません。
しかし、コミュニケーション上では悪い印象を与えることもあるようです。
人間関係においては相手の言葉をただの誉め言葉として前向きにとらえることが出来ない人も多々います。
言われた言葉の裏を深読みしてしまうんです。
日本では暗に伝えるといった言葉の裏を読むことがコミュニケーションの上では重要視されるので、仕方のないことかもしれませんね。
そうなると真面目という誉め言葉が、真面目過ぎてつまらないとか融通が利かないという嫌味に聞こえてしまうんです。
誉め言葉はできるだけ素直に受け取ったほうが幸せになれそうですね…。
実直以外にも真面目には意味の違いだけではなく、使用方法にも違いがあります。
実直と真面目の表現の対象の違い
先ほど辞書の意味でも述べましたが、実直と真面目の一番の違いは表現の対象にあると思います。
実直は人間関係において重視される表現です。
人間関係における誠実さなどを実直と表現します。
仕事に対する姿勢などでは実直はあまり使用しません。
一方で真面目は仕事や学業など責任の伴う場面で重視される表現といえます。
真面目な仕事ぶり、真面目に勉強するなど、仕事や学習において真剣に取り組む姿勢を表す表現です。
仕事においては真面目とは非常に良い誉め言葉といえます。
仕事ぶりに対して真面目という言葉を言ってもらえたなら素直に喜んでいいと思います。
実直や真面目を誉め言葉に使うと危険!?
ここまで実直と真面目の意味を見てきましたが、良い意味と悪い意味があると理解していただけたと思います。
気を付けないと、誉め言葉として使った言葉が受け取り手の解釈で悪意のある言葉になってしまうようです。
真面目や実直が実際に仲たがいの原因に!?
真面目と実直の違いについて調べているとこんな意見を見かけました。
どうやらこの人物は自分を実直だと表現した友人に対して、怒りを覚え絶交したようです。
実直、真面目は誉め言葉ではない!私を実直だと評したS県在住の男に、3年前絶交を言い渡しました。
皆さんは、実直や真面目には悪いイメージを抱きますか?
(引用:yahoo知恵袋)
今まで誉め言葉として真面目や実直という言葉を使ってきた私としては、その言葉が原因で友人に絶好される可能性があるなど寝耳に水の話でした。
辞書に載っている意味から考えると間違いなく実直や真面目という言葉は誉め言葉です。
しかし、先ほど述べたようにコミュニケーション上では使いどころを間違えると嫌味や皮肉のようにとられたりするようです。
真面目という言葉にはどうしても、少しお堅いイメージが付きまといます。
先ほど述べたように真面目を悪い意味で言い換えると堅物で面白みがないとか、融通が利かないとかいうイメージになります。
仕事に対する姿勢を真面目と表現されたのであれば歓迎するべきことで間違いないですが、日常生活に対して真面目と表現されると嫌な思いをする人もいるようです。
辞書に載っているような言葉の意味とは別に、コミュニケーション上の言葉の意味が存在することを理解して、言葉を選ぶ必要がありますね。
生真面目と真面目の違いに注意!
生真面目
生真面目の意味を見れば、あまりよくない印象を言われたほうに与えることは一目瞭然です。
会話上でも真面目よりも生真面目と言われた時のほうが、悪印象を覚える言葉であるように思います。
真面目な友人は欲しいですが、生真面目な友人は堅苦しそうというイメージが付きまといます。
生真面目は真面目の強調表現であり、ようは真面目過ぎるということです。
真面目過ぎてつまらない。真面目過ぎて融通が利かない。
こういった意味でとらえられる人も多いですし、私も正直そうとらえてしまいます。
真面目の上位表現として、生真面目を使用する人も多いですが、悪意のある表現ととらえられかねませんので使用には注意したほうがいいでしょう。
生真面目よりも真摯や実直など別の類義語で表現してみるといいかもしれませんね。
実直と真面目の違いは何か?【悲報】真面目は誉め言葉じゃない!? まとめ
ポイント 実直と真面目の辞書での意味 実直と真面目の表現の対象の違い 会話上での注意
真面目と実直は意味が非常によく似た類義語です。
日本人はこれらの類義語を感覚で使い分けていますが、人によってその物差しが違っています。
感覚で使われているがために本来の意味と正反対の解釈がされてしまう言葉などもあります。
そのせいで人間関係がこじれたりすることもあるんです。
正しい意味を知って正しく言葉を使うことが大切です。
これを期に気になった言葉をいろいろな言葉を辞書で引いてみてください。
思わぬ発見や新しい語彙が増えて面白いですよ!