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海洋汚染対策で私たちにできることは?6つのRを意識してみよう

産業形態の変化、生活様式の変化に伴い、海の景観や水質は大きく変わってきました。

海洋汚染の原因は1つではありません。明日からでもできる、環境問題への取り組みを紹介します。

地球の未来は今の積み重ねに左右されます。まずは自分にできることを1つ見つけてやってみましょう。

 

 

海洋汚染の対策で私たちにできることは?6つのRとは?

海洋汚染は、地球の未来を脅かす環境問題の1つとして、長年にわたり私たちの課題となっています。

私たちにもできる地球環境をよくする取り組みを6Rといいます。

  1. 再使用する(Reuse)
  2. 発生を抑える(Reduce)
  3. 再資源化する(Recycle)
  4. 受け取らない(Refuse)
  5. 回収する(Return)
  6. 回復する(Recover)

 

これらの6Rを日常生活の中で意識して積み重ねることで、地球の未来が変わるのです。

 

再使用する(Reuse)

ものを繰り返し使うことをリユース(Reuse)といいます。

繰り返し使えるものを選ぶこと、中古品や、まだ使用できるものなどを選んで購入することです。

まだ使えるものを、廃棄せずにフリーマーケットに出品することも、リユースになります。

ものを再使用することで、不必要にものを生産することが減り、ごみを削減できます。

例えば、次のようなことがリユースにあたります。

  • 詰め替えのシャンプーを買う
  • フリーマーケットで家具や家電、服などを出品する、購入する
  • フリマアプリを利用してまだ使えるものを販売する
  • 使い古したタオルを掃除などに使う

海洋汚染の原因の1つであるプラスチックごみは、ペットボトルやコンビニの袋などが多いです。

繰り返し使える容器や袋を選んでリユースすることは、生活の中で意識すれば、すぐに取り組むことができます。

 

発生を抑える(Reduce)

ゴミになるものをそもそも使用しないこと、ごみの発生を抑制することを、リデュース(Reduce)といいます。

例えば、次のようなことです。

  • ラップを使用しないで、ふたのある容器を使う
  • レジ袋を使用せず、マイバッグを使う
  • トレーのない商品を選ぶ
  • 容器を持参できる量り売りサービスを利用する
  • 過剰包装されていない商品を選ぶ

発生したごみの処理や、ポイ捨てをしないことは、海洋汚染の対策として非常に大切です。

しかし、ごみになるものを最初から使わないことも同じように大切なのです。

日本では、2020年にビニールの買い物袋が有料化になりました。

これをきっかけに、マイバッグやエコバッグを使うようになった人も多いのではないでしょうか。

 

近年では、洗って何度も使えるシリコン製ラップが販売され、お米やお酒、洗剤などの量り売りサービスを取り入れる企業も増えてきています。

このようなサービスは、いろんな種類を少しずつ試せるという利点もありますね。

環境を考えた取り組みを行っている企業やサービスを積極的に利用することも、海洋汚染をはじめとした様々な環境問題の解決につながります。

 

再資源化する(Recycle)

ゴミを原材料として再加工し、再生利用することをリサイクル(Recycle)といいます。6Rの中では、もっとも馴染みのある言葉ですね。

リサイクルは、使い終わったペットボトルや、ビニール袋などを資源として、新たな製品を作ることです。

私たちの生活にもっとも身近なリサイクル活動は、ゴミの分別です。市町村ごとに、ゴミの分別方法や、捨てる場所や曜日が決まっていますよね。

 

例えば、分別されたガラス瓶は、もう一度瓶に生まれ変わったり、断熱材や歩道のタイルなどになったりします。

引用 まち美化キッズ

 

リサイクルされたものは、形を変えてもう一度同じ素材のものになることもあれば、まったく違う別のものになることもあります。

ペットボトルが食品容器になることや、手袋やジャージなどの衣類になることもあります。

トイレットペーパーやティッシュも、紙パックが原料になり生まれ変わっているものもありますね。

 

受け取らない(Refuse)

これまでに説明した3つのR(リユース、リデュース、リサイクル)に加え、新しい3つのRも海洋汚染などの環境を考える時には意識したい考え方です。

リフューズ(Refuse)は、不要なものや、ゴミになるもの初めから断って受け取らないことです。

 

まちを歩いていると、無料配布のティッシュやサンプルなどの他、サービスの宣伝や広告チラシがよく配布されていますよね。

しかも、無料で配布されたものがポイ捨てされているのも、よく見かけませんか?

 

無料配布されていてすぐゴミになってしまうものを、安易に受けとらないことも、ゴミを増やさないために大切な考え方です。

受け取ったものを管理する手間も省けますよね。無料ですから、お得感や手軽さがありますが、本当に必要なものか考えてみましょう。

 

回収する(Return)

リターン(Return)は、言葉の意味通り、自分で出したごみを回収することです。

自分が出したごみを持ち帰るのは、どのような場においても常識だと思われますが、海でバーベキューなどのレジャーを楽しんだ後のゴミを持ち帰らない人はいます。

地域の清掃ボランティアや、行政による清掃作業が行われていても、ごみを出す人が持ち帰らないのでは、町や海のゴミはいっこうに減りません。

また、回収する、持ち帰る意識を持つことで、持ち帰れる量を考えた使い方や、ごみを増やさないような工夫もできます。

 

回復する(Recover)

リカバー(Recover)は、回復するという意味で、海洋汚染や大気汚染、そのほかのあらゆる環境問題をクリーンに回復していく活動のことです。

 

海洋汚染をはじめとする環境問題は、年々深刻になっています。

しかし、環境問題に関する意識は近年高まり、清掃活動や地球全体で取り組む環境活動も増えています。

企業や自治体が行っている環境への取り組みに参加したり、まずは地域の清掃ボランティアなど、海の環境保全活動に参加することも、私たちにできることの1つです。

 

 

プラスチックごみが海洋汚染の深刻な原因になっている!?

海洋汚染の原因は1つではありませんが、その中でももっとも深刻な問題となっているのが、プラスチックごみです。

プラスチックごみは、海の環境を悪化させるだけではなく、私たちの健康にまで被害を及ぼします。

 

プラスチックごみとは?

海に浮かぶごみの中でも多いのが、プラスチックごみです。海の環境や生態系に大きな影響を及ぼします。

引用 政府広報オンライン

 

ポイ捨てされたプラスチックごみや、砂や砂利のように小さいプラスチックもあります。

プラスチックごみは、大きさによって区別され、の中でも特に小さいマイクロチックが人体に及ぼす影響は大きいです。

 

マイクロプラスチック

プラスチックごみが紫外線によって劣化したり、川や海を流れる過程で分解されたり破損したりして5mm以下の大きさになったものを、マイクロプラスチックといいます。

島国である日本の海に、マイクロプラスチックが多いことは容易に想像できますが、実はマイクロプラスチックは、世界中の海域で確認されているのです。

 

マイクロプラスチックには、もととなる物質や、劣化の過程などにより、2つに分けられます。

第1次マイクロプラスチック

洗顔料、化粧品などのスクラブ剤(マイクロビーズを含む)または製品原料となる樹脂ペレットなど、工業的に小さい状態で生産されるもの。

引用 大阪市

第2次マイクロプラスチック

海に漂流したり、海岸に漂着などしているプラスチックが長い年月をかけて環境中で小さくなったもの。波による物理的な力で砕けたものや、太陽光(紫外線)によって光化学的に分解されたものがあります。

引用 大阪市

 

マイクロプラスチックは北極や南極でも確認されていて、私たちの生活から遠く離れたところで暮らしている動物の生態系をも脅かすのです。

 

 

海洋汚染が発生する4つの原因とは?

海洋汚染の原因は、プラスチックごみの他にもいくつかあります。

6Rを意識して生活すること以外にも私たちにできることがあります。

 

産業排水

工場から出る排水も、海洋汚染の原因の1つです。

自治体によって排水される水の水質基準値がありますが、実は下水処理場でも完全に除去できない成分もあります。

リンや窒素がその1つです。本来ならば、海や川にあるはずのない成分が流れ出ることによって、水質が富栄養化(ふえいようか)してしまいます。

富栄養化は、水質が必要以上に環境汚染の原因になるものの栄養を含んでしまうことです。

赤潮やアオコが増え、水質やそこに住む生き物の生態系に悪影響を引き起こします。

 

赤潮とは、海水の微生物が大量に増え、水が赤く見えることです。アオコは、水中の植物性プランクトンが大量に増えて、水面が緑に見える現象です。

みなさんも、管理されていない湖や海などで、水面がいちめん赤や緑になっているのを、一度は見たことがあるのではないでしょうか。

 

家庭排水

家庭排水は、下水処理場できれいに処理されてから川や海に流れ出ます。

しかし、ゴミ取りネットを使う、油を流さない、使用する洗剤の量を減らすことで、私たちにも対策ができます。

生ごみの細かいごみくずや、処理に負担がかかるものを流さないように心がけましょう。

 

船舶事故

船の衝突事故や座礁で、船体から重油などの油が流れ出ているのがよく報道されます。重油などの油は、海に流れ出ると回収がとても大変です。

流れ出た重油などの化学物質は、海に住む生き物の体にまとわりつき、身動きが取れなくなる原因にもなります。

 

海洋プラスチックごみ

先ほど説明したように、ペットボトルやビニール袋、ポイ捨てされたごみなどが海に流れ着いて、海洋プラスチックごみとなります。

一目でごみと分かる大きさのものだけではなく、マイクロプラスチックなどの小さなプラスチックも、海洋汚染の原因です。

 

マイクロプラスチックは、魚や貝がエサと間違えて食べたり、水と一緒に飲んだりして、体内に蓄積されます。

私たちの食卓に並ぶ魚も、マイクロプラスチックを食べてしまっている可能性は十分にあるのです。

マイクロプラスチックは、海の生態系を破壊し、最悪の場合、保護するべき個体が絶滅してしまう原因にもなるのです。

 

 

海洋汚染対策で私たちにできることは?6つのRを意識してみようまとめ

6Rとは?

  • 再使用する(Reuse)
  • 発生を抑える(Reduce)
  • 再資源化する(Recycle)
  • 受け取らない(Refuse)
  • 回収する(Return)
  • 回復する(Recover)
  • 私たちにできる海洋汚染対策は6Rを意識すること
  • プラスチックごみとは、海に流れ着くペットボトルやビニールのごみで、海の環境や生態系に大きな影響を及ぼす
  • 第1次マイクロプラスチックとは、洗顔料のスクラブや工業用の樹脂ペレットなど、初めから小さい状態で生産されるもの
  • 第2次マイクロプラスチックとは、物理的な力や紫外線の影響を受けて光科学的に分解されたもの
  • 海洋汚染の主な原因は、産業排水、家庭排水、船舶事故、海洋プラスチックごみなどがある

これまでの積み重ねが、すでに地球温暖化や異常気象となり、地球環境を脅かしています。

しかしそれは、今私たちが行動するかしないかで、この先の地球の未来も大きく変わるということも意味しています。

過去の積み重ねの上に今の地球があるのです。

まずは自分にできることから、身近なことから行動していきましょう。