食品には様々な寄生虫が存在していることがあります。
食品にいる寄生虫といえば、私はアニサキスを一番に思いつきますが、みなさんは何か知っていますか?
寄生虫はきちんと処理をしなければ、食中毒を起こしてしまいます。
そこで、この記事では、食品に存在する寄生虫とその処理方法を調べてまとめました。
寄生虫は加熱で死なないって本当?
処理の方法は加熱や凍結があります。
最初に結論を述べますと、私の調べたところによりますと、ほとんどの寄生虫は加熱で処理ができます。
ほとんどと言うより、加熱で死なない寄生虫は見つけることができませんでした。ですが、十分な加熱をする必要があります。
そして、加熱では死にますが、凍結では死なないという寄生虫はいます。
食品にいる寄生虫の症状と処理方法①トキソプラズマ
トキソプラズマとは、おもに食肉に寄生している寄生虫です。
寄生している豚、羊、山羊の加熱不十分な肉、山羊の生乳を摂取することにより感染します。
引用 国立感染症研究所
主な症状
健康な人が感染しても無症状であったり、頭痛や軽い発熱、倦怠感、リンパ節の腫れなどの軽度の症状の場合が多いようです。
一般的な風邪のような症状のみで自然に回復しますが、免疫力が低下している人は重篤な症状を引き起こす可能性があります。
妊娠中に初めて感染した場合は、母親から胎児への胎盤感染により、流産のリスクが高まります。
胎児が感染すると、先天性トキソプラズマ症を発症する可能性がありますので、妊婦の方は特に注意しましょう。
処理方法
加熱での処理は、55℃で5分以上の加熱が必要です。中心が67℃になるまでの加熱が有効とされているそうです。
凍結処理は、中心が-12℃になるまでの凍結が有効とされているそうです。
食品にいる寄生虫の症状と処理方法②サルコシスティス・フェアリー
サルコシスティス・フェアリーも、トキソプラズマと同様食肉に寄生しています。
寄生している主な動物は馬で、寄生された馬肉を生で食すると食中毒の症状が出ます。
ここ数年全国的に生の馬肉を食べて、食中毒の症状を発症した例が多くみられ、馬に寄生したサルコシスティス・フェアリーが人に食中毒の症状を引き起こすことが分かりました。
引用 東京都福祉保健局
主な症状
食後5~19時間で下痢、嘔吐、腹痛、倦怠感などの症状が出ます。
症状は軽く、自然に回復します。
処理方法
加熱の場合は、中心まで十分に火を通しましょう。
凍結の場合は、-20℃で48時間以上、-30℃で36時間以上、-40℃で18時間以上の冷凍処理をしましょう。
食品にいる寄生虫の症状と処理方法③トリヒナ(旋毛虫(せんもうちゅう))
家畜を含むあらゆる種類の動物に寄生しています。感染の原因は、おもにクマ肉などのジビエの生食です。
日本国内では、家畜から旋毛虫が検出された報告はないようですが、家畜以外のジビエ料理は十分に気を付ける必要があります。
主な症状
発熱、筋肉痛、顔面の浮腫み、倦怠感などですが、発症時期により症状が異なります。
【1~2週間】
腹痛、下痢、発熱
【2~6週間】
目周辺の腫れ、筋肉痛、発熱、時に呼吸困難を起こします。
脳炎、骨髄炎、心筋症を発症し、重篤化することもあります。
【6週間目以降】
目周辺の腫れが顕著となり、重症の場合は、全身の浮腫み、肺炎、貧血、心不全を引き起こし、最悪の場合死に至ります。
処理方法
中心まで火が通るように十分に加熱しましょう。また、低温に強いため凍結での処理はできません。
必ず火を通してください。
食品にいる寄生虫の症状と処理方法④アニサキス
アニサキスは比較的よく聞くのではないでしょうか?
サバ、サンマ、カツオなどの魚そしてイカに寄生しています。寄生しているものを生で食べることで、アニサキスに感染します。
夏から秋にかけて多く発生しています。
引用 厚生労働省
主な症状
アニサキスの症状は、急性胃アニサキス症と急性腸アニサキス症、そしてアニサキスアレルギーがあります。
【急性胃アニサキス症】
体内に入ったアニサキスが胃の壁に嚙みつき発症します。食後、数時間から数十時間後に、腹部の激痛や嘔吐の症状が出ます。
【急性腸アニサキス症】
体内に入ったアニサキスが胃の壁に嚙みつき発症します。急性胃アニサキス症より症状が現れるのが遅く、食後、数十時間から数日後に、下腹部に激しい痛みや腹膜炎の症状が出ます。
【アニサキスアレルギー】
蕁麻疹、血圧の降下、呼吸不全などのアレルギー症状が現れることがあります。
アレルギーの場合は、アニサキスが死滅しても症状が現れるそうなので、死骸を食べても症状が出るようです。
処理をしたとしても、魚全般に注意が必要です。
処理方法
加熱は60℃で1分以上、70℃以上の場合は瞬時に死滅するそうです。
凍結処理は、-18℃で48時間以上、-20℃で24時間以上中心部まで凍結させてください。
また、アニサキスは目視できる大きさですので、自分で取り除くこともできますが、見落としがあったら危険ですので、加熱か凍結の処理も併せて行いましょう。
食品にいる寄生虫の症状と処理方法⑤旋尾線虫
旋尾線虫はホタルイカ、スルメイカ、ハタハタなどの魚介類の胃と腸に寄生しています。
主に生のホタルイカを内蔵ごと食べたり、「踊り食い」したりすることで感染し問題になっています。
引用 国立感染症研究所
主な症状
食後、数時間から2日後に腹部の膨満感や腹痛が現れ、腸閉塞を伴うことがあります。吐き気や嘔吐を伴うことも多いようです。
食後2週間前後には幼虫が皮下に侵入することで、皮膚にみみず腫れができ、さらに移動します。水ぶくれができることもあります。
処理方法
加熱は、100℃以上で30秒以上してください。
凍結の場合は-30℃で4日以上の冷凍で死滅します。
寄生虫は加熱で死なない!?食品にいる寄生虫について調べてみた!まとめ
食品に寄生している寄生虫は加熱で死滅します。ただし、中心部までの十分な加熱が必要です。
また、凍結処理では死なない寄生虫もいます。
寄生虫を調べていてとても怖くなりました。
刺身や馬刺しが好きなので、生で食べることも多いですが、寄生虫には十分に注意して食事を楽しみたいと思いました。
十分に火を通せば安全ですが、みなさんも生で食べるものには十分に注意してくださいね。
生で食べられないものは食べないようにしてください!