日々のストレスが原因の一つとなる食いしばりの治療にボトックス注射が有効であるのをご存じでしたか?
美容整形の話題でよく聞くワードなので驚く方も多いかもしれません。
この機会にデメリット&メリットを知って治療の選択肢の一つに加えていただけたらと思います✨
食いしばり治療にボトックス!!費用面などのデメリットとは?
近年悩む方が増えている食いしばり。
食いしばりの原因には
- 日々のストレス
- 嚙み合わせの悪さ
- スポーツや力仕事時の力み
- 睡眠中や集中している時の癖
などが挙げられます。
この食いしばりが安眠を妨害したり、歯を削ってしまったり、ものを嚙みちぎることができなくなってしまったりと健康や生活に悪影響を及ぼすこともあり、放っておいて良いものとは言えません。
また、食いしばってエラの筋肉が発達することで顔が大きく見えてしまったり、顔のたるみにつながったりといった悲しい現象も・・・
今まで食いしばりの治療というとマウスピースが一般的でしたが、最近ではボトックス注射による食いしばり治療というものが注目されてきています。
ボトックスというと美容整形を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
小顔効果やシワ伸ばし、小鼻を小さくするなどのイメージが強く、肩に打って華奢に見せる施術があるとYouTubeで見て驚いた覚えもあります💦
ボトックス注射による食いしばり治療が注目される中で、当然のように聞かれるデメリット。
今まであまり聞かなかった治療だからこそ疑問はしっかり解決しておきましょう‼
まずは、食いしばり治療にボトックスを選択するデメリットを一緒に見ていきましょう。
注入した部位の腫れや皮下出血・違和感
ボトックス注射は基本的に冷却のみで麻酔を行いません。
注射による治療ですので、注入した部位の腫れや皮下出血が起こることは避けられず、麻痺したような感覚でものを噛んだ時に違和感を感じたり口が開けにくいなどの違和感を感じることもあります。
このような症状は一時的なもので、時間が経てば徐々に消えていきます。
顔への注射は腕などの皮膚の厚い部位よりも痛みを感じやすいので、注射時の痛みは覚悟のうえで行う必要があります。
効果の持続は永久的ではない
食いしばり治療のボトックス注射の効果は数日から1週間くらいで感じられるようになります。
この効果は永久的なものではなく、4~6か月持続し徐々にもとに戻っていくため、治療の継続が必要になります。
食いしばりが強い方は、顔の輪郭部分にある幅の広い筋肉「咬筋」というものを食べるときに作用する咀嚼筋の一つが発達してしまった咬筋肥大という状態になっています。
この筋肉が発達するとエラが張った状態になり、顔が大きく見える原因にもなるのですが、食いしばり等の習慣で過度に発達している場合、ボトックスの効果の持続がさらに短くなることもあります。
食いしばりのボトックス治療経験者の話を見ても、効果が切れると完全に食いしばりが復活してしまったというものも・・・
食いしばりがひどい方だと数週間でマウスピースを噛みちぎってしまう方もいるようなので数か月持つボトックスの方がコスパがいい場合もあります。
ただ、効果に期限があることは頭に入れておくといいでしょう。
輪郭に変化が出ることも
食いしばりをボトックス治療で治すことによって咬筋が緩んで力が抜け、咬筋の肥大を緩和することができるので、フェイスラインのすっきり感を実感される方もいます。
しかし逆に、頬骨に対して咬筋が収縮しすぎで顔がこけた印象になることもあるのだとか。
効果の持続には期限があり、小顔効果もあるからといって4~6か月という時間を置かずに追加治療を続けると、顔のシワやたるみの原因となってしまう事も・・・
食いしばりは治したい癖ですが、美容整形にはまるようにボトックスへの依存状態になってしまうことは避けたいですね💦
施術者の技術で効果に差が出る
ボトックス治療は筋肉の動きをコントロールするものです。
したがって、打つ薬の量や場所、濃度を見誤ると笑い方が不自然になることもあります。
歯の治療の際の麻酔でも口の開けにくさや違和感を一定時間感じますよね❓それが数か月単位となると、結構つらいものがあるかと思います。
効果は永久的ではないのでいずれはこの違和感もなくなるかもしれませんが、筋肉の動かしにくさがかえって食いしばりを悪化させることにもなりかねませんので、治療を受ける際はドクターの治療実績などをしっかり調べてから受診するようにしましょう。
授乳中・ボトックスアレルギーの方は受けられない
ボトックス治療は全ての方が受けられるわけではありません。
下記に該当する方はボトックス注射での食いしばり治療は避けるようにしましょう。
注意
- 数日の間に写真撮影を控えている方
- 妊娠中や授乳中、また妊娠している可能性のある方
- アレルギーのある方
ボトックス注射は筋肉をコントロールするので麻痺したような状態が一定期間残る場合があります。
顔の筋肉を上手く動かせずにせっかくの記念写真が不自然な笑顔になってしまっては大変です💦大切な撮影を控えている場合などは避けた方がいいでしょう。
胎児との関係について因果関係は解明されていませんが、海外でのボトックス注射を受けた方の胎児の死亡例が報告されており、動物実験でも同じような結果が報告されています。
妊娠中や授乳中はボトックス注射の治療は避け、ボトックス注射を受けて3か月は胎児に影響を及ぼす可能性があるため避妊するようにしましょう。
他の医薬品と同様ボトックスでアレルギー症状がみられる方も稀ですがいらっしゃるそうです。
他の薬などでアレルギー症状が出る方は、その情報からボトックス注射可能かどうかの判断をしてもらえるので必ず申告してください。
費用面での負担が大きい
食いしばり対策のマウスピースは保険適用で5,000円程度で作ることができます。
市販のものであれば数百円で手に入るものもあります(作りの脆さに関しては諸説ありますが・・・)
それに対し、ボトックス治療の相場は14,000円~70,000円と決して安くはありません。
これに関しては次にお話しする保険に関してのこととつながってきます。
ただ、マウスピースをはめると寝られない、吐き気を催す、すぐに嚙みちぎってしまうという方にはこれらのデメリットのないボトックス治療はおすすめです。
ボトックス治療を選択される際には、治療費やデメリット、他の治療法との比較などよく考えて納得して選ぶようにしましょう✨
食いしばり治療のデメリット⁉保険適用など気になるポイントについて
食いしばりの治療は取り扱いのある歯科医院でも受けることができますので、ボトックスだからといって美容外科に行かなければいけないわけではありません。
しかし、ボトックス注射は食いしばり治療として他の治療法に比べて費用は高めになるのでこの点が受ける際のデメリットともなりえます。
なぜ高額なのか?それは、保険適用対象外の治療だからです💦
このことについて詳しく解説していきたいと思います。
食いしばり治療のボトックス注射は自由診療
食いしばり治療にボトックス注射を選択する場合は自由診療、つまり保険適用外となります。
そのため、先に述べたように14,000円~70,000円と安くはない費用がかかってしまいます。
しかもこの金額は1回の注射の価格で、咬筋の発達の具合で何回か注射が必要な場合はさらに費用が高くなります。
マウスピースが保険適用で5,000円程度と考えるとかなり割高に感じますが、マウスピースは就寝時などつける時間が限られるのに対してボトックス注射は効果がある期間内は昼夜問わず食いしばりへの効果を感じることができます。
また、アレルギーや妊娠に関わる時期でない限り治療を受けられるボトックス注射に対し、マウスピースでの治療は食いしばりがひどい方だと噛みちぎってしまったり、歯の形や歯並びによってはつけることができない方もいますし、口に異物があることで吐き気をもよおす方もいるそうです。
マウスピースを試してみてもっと日常的に効果を感じていたいと思った方、マウスピースが合わない方には少々高くてもボトックス注射は選ぶ価値ありの治療法と言えるのではないでしょうか✨
医療費控除は受けられる!
保険は適用外になってしまいますが、医療費控除は受けられます。
医療費控除とは、生計を共にしている家族の医療費が1年間で10万円を超えた場合にその超過分が控除されるものです。
高額な治療が重なった場合の不安が少し解消されますね✨
ただし、これは同じボトックスでも小顔効果などを狙った美容整形には適用されませんのでご注意ください。
食いしばり治療のボトックス注射が保険適用になるケース
一例ですが、ボトックス治療が保険適用されるケースが存在します。
そのケースとは「口顎ジストニア」という疾患の治療にボトックス注射を行った場合です。
口顎ジストニアは顎や舌、顔面の異常な筋活動が持続し、口唇が引きつったり、口を開閉できなくなったり、舌を動かせなくなる病気です。
中枢神経系(脳)に異常があるのですが、歯ぎしりなどと誤診される場合も多く、患者数はかなり多いとされています。
しかし、口顎ジストニアの治療にボトックス注射を選ぶ方は多くはないというのが現状のようです。
ストレスや言葉を操る職に就く方に発症するケースが多いようです・・・該当する方はお気を付けください。
知っておきたい♪食いしばり治療にボトックスを選択するメリット
食いしばり治療にボトックス注射を選択するデメリットについてお話してきました。
ここからは反対にメリットについて見ていきたいと思います。
デメリットとメリットを並べて考え、自分に合う治療法かどうかの判断をするのがベストだと思います‼
参考にしていただけたらうれしいです🎶
昼夜問わず効果を実感できる
マウスピースのような治療法では、主に就寝時など、生活に支障が出ない時間帯での使用に限られます。
寝ている間は無意識に食いしばってしまうので、意識できる日中は意識的に咬筋を緩め就寝時はマウスピースに頼るという治療法も一定の効果が得られます。
ですが、ボトックス注射の場合は昼夜を問わず注射の効果が持続している数か月間は食いしばりへの効果を実感することができるので、長期的に見た体への負担も軽いと言えます。
マウスピースは付けるのを忘れて寝てしまった、旅行先へ持っていくのを忘れてしまったという事にもなりかねませんが、ボトックス注射でしたらそのような心配もいりません‼
口の中に器具を入れる治療法が合わない方も利用できる
マウスピースを口の中に入れるのはどうしても違和感が生じます。
寝ている間にずれてしまったり、気になって寝られなかったり、吐き気をもよおす方もいるようです。
また、食いしばりがひどい方だと噛みちぎってしまう事もあるのだとか・・・
顎の力はそれだけ強く、治療にも根気がいるのです。
ボトックスであれば、口の中の違和感や安眠を妨害されるようなストレスも受けませんので、マウスピースでの治療が自分に合っていないと感じる方は是非検討してみてください。
咬筋を緩めることで小顔効果も期待できる
ボトックス注射は、ボツリヌス菌から抽出されるたんぱく質の一種を角に緊張している筋肉に注射する(食いしばりの場合は咬筋)ことで一時的に緊張をほぐす治療法です。
筋肉の緊張をほぐすという効果を利用して美容整形の分野ではシワやたるみの改善、小顔にする治療に利用されています。
食いしばり治療では、歯を食いしばる力みによって発達してしまった咬筋に働きかけるので、咬筋を緩め、その結果エラ部分がすっきりとして小顔効果が得られることがあります。
骨格の問題で顔が大きく見える場合には筋肉に働きかけるボトックス注射は意味がありませんが、咬筋が過度に発達していてエラが張って見えるタイプの方には効果が表れやすいとされています。
食いしばりが改善されて小顔にもなれてしまうなんて、少々お高くてもとても魅力的なポイントですよね💕
ボトックス以外の食いしばり治療にはこんなものがあります!!
食いしばり治療にはボトックス以外にもいくつかの方法があります。
ボトックスのデメリット、メリットを知ることはもちろん、他の治療法との比較も自分に最適な治療を選ぶ際に大切なことです。
主な食いしばりの治療法には以下のようなものがあります。
食いしばり治療法
- マウスピース
- 噛み合わせの矯正
- 全身のストレッチ
- イメージトレーニング
- 頬杖の癖を改善する
- 寝ている時の姿勢の見直し
- サプリメントなどの栄養療法
マウスピースは食いしばり治療として最もオーソドックスなものです。
噛み合わせが悪いことで食いしばりが起こっている場合には歯並びなどから見直すことが必要になります。場合によっては歯列矯正の相談もしてみましょう。
食いしばりは無意識に行っていることがほとんど。気が付いたときに歯と歯をくっつけないようにしたり、咬筋を軽くマッサージしてあげたり、緩める感覚を常にイメージトレーニングすることも大切です。
体の硬直、肩や首の張りが食いしばりとつながっている場合もあるそうなので、体がこわばっていると感じた時にこまめにストレッチするのもおすすめです。
頬杖や寝ている時の姿勢が顎に負担をかけ、食いしばりにつながっている場合もあります。顎に負荷がかかった状態になっていないか、生活を見直してみましょう。
食いしばりはストレスが原因となっていることも多く、睡眠障害を抱える方にも多いそうです。栄養が足りていなくて眠が浅いなどの原因が疑われる場合はサプリメントなどを利用するのもおすすめです。
また、栄養が足りている状態はストレスの軽減にもつながります。筋肉への直接のアプローチ以外に栄養面が十分かどうかもチェックするといいかもしれません。
食いしばり治療にはボトックス⁉デメリット&メリットを徹底調査♪のまとめ
美容整形の手段としてだけでなく食いしばり治療としても注目されているボトックス注射。
気になるけれど、実際に受診する前に知っておきたい‼デメリットやメリット、食いしばり治療の他の方法についてご紹介しました✨
まとめ
- ボトックス注射が食いしばりで発達した咬筋(エラ部分の筋肉)に作用して筋肉の緊張を緩め、食いしばりを改善してくれる
- デメリットとして注射時の腫れや皮下出血、効果の持続には期限がある、頬がこけて見えることがある、施術技術での効果の差、妊婦・アレルギーを持っている方は受けられない、費用が高いなどが考えられる
- 食いしばり治療のボトックス注射は保険適用外(例外あり) 医療費控除は受けられる
- メリットとして昼夜問わず効果を実感できる、口にものを入れる違和感を感じない、小顔効果を同時に得られるなどの点が挙げられる
- 食いしばり治療にはマウスピース、イメージトレーニング、顎の負担の軽減など他の対策も考えられるが、ボトックス注射より自らの意識のコントロールが必要になる
顔に注射を打つとい
マウスピースや他の治療法は日々の意識のコントロールが重要で、なかなか習慣づけることは容易ではありません。
費用の負担の少ないものから試してボトックス注射に行きつくのも有り、ボトックスの効果とコスパを納得して受診するのも有り✨
この記事が食いしばりに悩む方のお役に少しでも立てたらと思います。
まずは一人で悩まず信頼できる歯科医院を受診して、ボトックス注射についても是非質問してみてください🎶