神社に参拝で訪れた時、みなさんは黒色のトンボを見たことがありますか?
普段よく見る黒色と黄色の縞々のオニヤンマや、童謡や昔話に登場し赤とんぼと呼ばれるアキアカネとは違い、全身真っ黒でひらひらと優雅に舞うトンボの姿に珍しさを感じ、思わず見とれてしまった方もいるのではないでしょうか?
神社という神聖な場所で見たことにも、神々しさや清らかさを感じますよね。
今回は神社で黒色のトンボを見つけた方に、その正体と日本に伝わる言い伝えについて解説します!
こんな方におすすめ
- 黒いトンボを初めて見た人
- 黒いトンボを神社で見つけたことに神秘性を感じている人
- トンボについて詳しく知りたい人
- 黒いトンボを見てみたい人
黒いトンボを神社で見た!これってもしかして何かのお告げ?
神社は初詣や氏神様へのご挨拶などで立ち寄る、私たち日本人にとって特別で神聖な場所です。
そのような場所でこれまで見たことのない黒いトンボを見つけたら「何か意味があるのでは!?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
実は黒いトンボには、古くから特別な言い伝えがあります。
黒いトンボは縁起がよい!
黒いトンボは昔から縁起がよいとされています。
黒って不吉な感じがするけど…なんで縁起がよいと言われるの?
その理由は、黒いトンボの特徴と神秘的な言い伝えが掛け合わされていると考えられています。
黒いトンボの正体はアオハダトンボとハグロトンボ
黒いトンボの正体は、カワトンボ科の一種であるアオハダトンボとハグロトンボです。
以下のカワトンボ科のトンボたちと見比べても、この2種だけ黒っぽい色であることがわかります。
日本のカワトンボ一覧 | ||
引用 ウィキペディア |
引用 ウィキペディア |
引用 ウィキペディア |
引用 ウィキペディア |
引用 ウィキペディア |
引用 ウィキペディア |
アオハダトンボとハグロトンボはそっくり!それぞれの特徴を詳しく解説
パッと見そっくりな2種のトンボ。どのような違いがあるのでしょうか?
アオハダトンボとハグロトンボを比較してみましょう!
名称 | アオハダトンボ | ハグロトンボ |
写真 | ||
その他の名称 | 【学名:Calopteryx japonica】 イトトンボ |
【学名:Vespa analis】 羽黒蜻蛉、ホソホソトンボ |
分布 | 基本的には本州と九州のみ | 本州、四国、九州 |
生息場所 | 里山の水辺等 | 里山の水辺等、基本的に河川に近い場所に生息している |
見られる時期 | 5月~7月 | 5月~10月 |
体長 | 約55mm | 54~68mm |
翅(はね)の色 | 濃い青色 | 少し茶色っぽい黒褐色 |
黒いという共通点はあっても、よくよく写真を見てみると翅や全体的な色味が若干違うのがわかりますね。
また、分布地域や大きさ、そして見られる時期にも差があります。
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縁起がよいと言われる理由はトンボの特徴にある
縁起がよいとされる理由は、カワトンボ科のトンボの特徴にヒントがあります。
翅(はね)の使い方
カワトンボ科のトンボの翅(はね)の使い方の特徴として、翅を閉じた状態で留まり、留まったところで翅の開閉を繰り返す動作をする。
この動作が、人が手を合わせて祈る行為に見えるのです。
このような特徴から縁起がよいとされており、神聖な神社という場所で見ることでより一層神秘的な何かを感じさせられますね。
黒いトンボには『神様トンボ』という異名を持つトンボがいる
ここまで黒いトンボは縁起がよいことをお伝えしてきました。
そして、なんと黒いトンボの中には神様トンボと呼ばれるトンボがいます。
それはずばりハグロトンボ!
ハグロトンボはなぜ神様トンボという高尚な別名を持つのでしょうか?
成虫を見られる時期に関係あり!お盆に現れ優雅に舞うハグロトンボ
ハグロトンボの成虫は5月~10月に見られます。
そして、お盆の7月~8月に特に多く見られることで知られています。
このことから、ご先祖様の魂が姿を変えて宿っているのだという言い伝えがあるようです。
上記のことから、ハグロトンボは神様トンボと呼ばれ親しまれています。
なお、アオハダトンボも同じく黒色ですが、見られる時期が5月~7月と春から夏の半ばであることから、神様トンボという異名はハグロトンボに名付けられました。
そもそもトンボという生き物自体縁起がよい!
黒いトンボに限らず、実はトンボ自体古くから縁起が良い生き物だと言い伝えられています。
幸運をもたらす
トンボは水田の害虫を食べてくれるため、古くから益虫(えきちゅう)と認識され、五穀豊穣のシンボルとして親しまれてきました。
農業のさかんな日本では、多くの収穫を得て豊かになることはみんなを幸せにしてくれます。
一説によると、弥生時代の青銅器にもトンボが描かれたものが多数あるそうです。
勝利に導く
トンボは前にしか進まないことや、第21代天皇である雄略天皇(ゆうりゃくてんのう)がアブに刺された際、飛来したトンボが咥えて飛び去ったという日本書紀の逸話から、日本では『勝利に向かって前進する』『攻撃性が高く勇気がある』ということを表す勝ち虫という言い伝えが現代まで続いています。これらのことから、縁起物としてのイメージが強く、古くは戦国時代から好まれています。
黒いトンボを夢で見た!夢で見ても縁起はよい?
ここまで黒いトンボは縁起がよいことをご紹介してきました。
しかし、それはあくまでも現実で実際に目にした場合のお話。
夢で見た場合でも、現実と同じく縁起がいいのか気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
黒いトンボを夢で見ることは運気の低下を示している
実は、夢で黒いトンボを見ることは運気の低下を示しているという説があります。
具体的には、お買い物や勝負ごとには気を付けた方がよさそうです。
しかし、ポジティブに捉えると黒いトンボからの幸運を招くためのメッセージとも言えそうですね。
お買い物や勝負ごとを行う際は、無理せず自分の身の丈に合った限度で行うようにしましょう!
黒いトンボを見てみたい!一体どこにいる?
縁起がよいと言われる黒いトンボを実際に見てみたい!と思った方も多いのでは?
特に神様トンボと呼ばれるハグロトンボは一度でいいから見てみたいですよね。
これまでお話した通り、ハグロトンボの生息地は本州・四国・九州です。
こちらの地域の里山の水辺付近に生息しているようです。
里山の水辺というと、水質が良くのどかな場所を想像しますが、一体どこで出会えるのでしょうか?
実際の目撃情報を調べてみました!
長野県松本市
引用 松本市ホームページ
長野県松本市でも目撃情報が寄せられています。
桜橋周辺の河川敷(赤く塗りつぶされている部分)にて、6月頃~10月まで目撃されているようです。
大阪府高槻市
大阪府高槻市を流れる芥川(一級河川)でも目撃されています。
こちらの博物館では、ハグロトンボの個体数や生息環境を調べるハグロトンボ調べ隊が2010年から結成され、定期的に集まって調査をされているそうです。
子どもから大人まで、ハグロトンボのファンは多いようです!
河川に近い場所で出会えるかも?
どちらの地域も共通しているのは、河川に近い場所のようですね。
上記以外でも、本州・四国・九州の河川付近の神社なら神秘的な光景を見ることができるかもしれませんね!
黒いトンボを神社で見た!その正体と日本に伝わる神秘的な言い伝え まとめ
まとめ
- 黒いトンボは縁起がよい
- 黒いトンボの種類はアオハダトンボとハグロトンボ
- 縁起がよいと言われるのは、翅(はね)を使う動作が人が手を合わせて祈る行為に見えるから
- 神様トンボとはハグロトンボの別名で、お盆に多くみられる
- トンボ自体縁起がよい
- 黒いトンボを夢で見た場合は運気の低下を示す
- 黒いトンボは本州、四国、九州の河川付近で目撃されている
いかがでしたか?
神社という神聖な場所であまり目にすることのない黒いトンボを見かけると神秘的に感じますよね。
実際黒いトンボは縁起がよいとされているので、もし見かけることがあればとてもラッキー♪
捕まえたりせず、そっと見守りたいものです。