おせちに「くわい」が入っていたことはありますか?
くわいは出世の願いやめでたい、という意味が込められた縁起物。
地域によって中身が異なるおせち料理。くわいはどの地域で食べられている?
久々に親戚でおせちを囲む人も、説明できる「くわい」について!
くわいをおせち料理に入れる地域はどこ?関西で多く食べられている?!
「くわい」と聞いてどのようなイメージが湧きますか?
くわいが食べられるのは主におせち料理の事が多いのですが、見たことが無い人も。
実はくわいは地域によって、おせちに入れるかどうかが違います。
くわいは大きく2つの地域でおせちに入っているそうです。
くわいがおせちに入っている地域
- 関西
- 埼玉県
くわいが関西のおせちで食べられてきた理由には、関東とのおせちの違いが。
埼玉県はくわいの生産と大きく関わっていました。
くわいはあっさりとした味付けが好まれる関西のおせちに入っている
おせちに入っているくわい料理の定番といえば「くわい煮」。
皮を剥いたくわいを、だし汁・砂糖・醤油・みりん・塩でじっくりと煮込みます。
少しほろ苦く、お芋のようなホクホクとした食感が好まれます。
実はおせち料理には全国で共通して食べられてきた食材というのは少ない、と言われています。
おせちも自宅で作る機会が減り、お取り寄せが主流になりました。
今でこそおせち料理の定番とされる食材は似てきていますが、かつては地域によって味付けの仕方や入れる食材に大きな差があったのです。
関西で好まれてきたおせち料理の傾向
- あっさりとした味付け
- ベースは薄口醤油と出汁
関東で好まれてきたおせち料理の傾向
- 甘めの味付け
- ベースは濃口醤油と砂糖
うどんの出汁が関西と関東で違うように、関西と関東では好まれる味付けの仕方に差があるのです。
くわい煮は出汁をベースにした、あっさりとした味付けが特徴ですので、関西で好まれてきたのでしょう。
メモ
今では全国のおせち料理として定番の伊達巻や栗きんとん。
元々甘めの味付けが特徴の関東のおせち料理で好まれてきた地域色の強いおせち料理でした。
くわいがおせち料理として定番な地域には生産地が関係している
日本で流通しているくわいには大きく三種類存在します。
青くわい
- 主な生産地は広島県と埼玉県
- 表面の皮が鮮やかなサファイアブルー
- コロンとした丸みのある形
青くわいは日本で主に食べられているくわいです。
生産量1位の広島県に次ぐのは、関東に位置する埼玉県。くわいは生産量も限られており、高級食材とされています。
さいたま市では特産品としても有名で、関西にも出荷されているブランドとして愛されています。
全国有数の生産地であるからこそ、埼玉県では昔からおせち料理の食材として親しまれてきたのでしょう。
吹田くわい
- 大阪府吹田市の伝統野菜
- 濃厚で、甘味や旨みが強い
- くわいのご当地キャラクターが存在
くわいは中国から伝えられたのですが、吹田くわいは、日本の自然の中で自生した品種とされています。
江戸時代から明治時代にかけて、京都に献上されてきた伝統ある食材なのです。
ご当地キャラクターの「すいたん」も吹田くわいを盛り上げる大事な役割を果たしてくれています。
伝統野菜の吹田くわいの存在も、お正月の縁起物として関西で食べられてきた理由に繋がりそうです。
白くわい
- 主に中国で食べられている
- 楕円形で少し実が大きい
- 硬めの食感で淡泊
くわいは中国から伝わり、食べる文化があるのも主に日本と中国のみと言われています。
中華料理では小さく刻んで炒め物に入れたり、あんかけにして食べることも多いです。
シャキシャキとしたレンコンのような食感があり、鶏肉のカシューナッツ炒めなどには定番で入っているようですね。
くわいにはどういった意味がある?芽が出た姿に込められた意味とは?!
おせちに使われる食材には、新年を縁起良く迎えるための意味がたくさん込められていますよね。
例えば定番の【黒豆】には、「まめに働けるように」という健康や精励の意味。
【海老】には「腰が曲がるまで長生きする」といった長寿祈願の意味があります。
【くわい】に込められた意味
- 出世祈願
- めでたい
くわいに込められた意味として多く言われているのが、【出世祈願】と【めでたい】という2つです。
どちらもくわいの実から芽が出ている特徴から、このような縁起物としておせち料理に使われるようになったようです。
上に向かって真っすぐ伸びた芽は、出世や向上のイメージに。漢字で「芽出たい」(めでたい)と書くこともできます。。
小学校の家庭科の授業で、おせち料理の意味を調べて発表しました。
地域によって違う食材が使われているので、自分が食べたおせちに入っていないものも多く、楽しかった思い出です。
次の新年は、親族で集まっておせちを囲む方もいらっしゃるのではないでしょうか?
久々に集まるお祝いの席で、孫や子供たちに説明できるようにしておきたいですね!
くわいは普段の料理では馴染みある方は少ないと思います。どのような野菜なのかも一緒に知っておきましょう。
くわいの名前の由来は?葉の形が「鍬」に似ている?!
くわいの葉は大きく、矢のような形をしています。その形が「鍬」(くわ)に似ていること。鍬とは、土を掘り起こしたりするときに使う道具です。
そして、実がまるでお芋のようであることから「鍬芋」と呼ばれるようになりました。やがて、なまりで今の「くわい」になったと言われています。
くわいの名前の由来は諸説あり。
くわいはどんな野菜?レンコンのように泥の中で育つ!
収穫時期は、11月から12月頃。厳しい寒さの中、農家さんたちは深い泥の中で収穫作業をしています。
植付の際も、機械化が難しい作業で、手作業で行われます。重労働で決して楽とは言えません。
収穫した後の綺麗なサファイアブルーがより輝いて見えますし、この収穫作業を知っていると、実を一つ一つ大切においしく食べたいものです。
ちなみに食用にされているのは、主に日本や中国ですが、ヨーロッパでも自生する植物です。観賞用として育てられているんだとか。
くわいのおいしい食べ方3選!おせち料理以外でも食べてみたくなる!
「くわい」もお野菜です。日常食べることによって摂れる栄養もあります。
たんぱく質
野菜でありながら、たんぱく質を多く含んでいます。
野菜の中でもたんぱく質が多いのは、枝豆やそら豆など豆類、「くわい」はその次に多いです。
100gあたりのたんぱく質量は、ハマグリより多く含まれています。
カリウム
カリウムの含有量が野菜の中でも特に多く、じゃがいもの1.5倍程。
デンプン量も多く、お芋のようなホクホクといた食感や、甘味の特徴に繋がっていると考えられます。
という方も必見!
くわいのおいしい食べ方を紹介します。
調理方法を変えることによって、くわいの特徴を活かした食べ方も!
【簡単】くわいの素揚げでホクホクとした食感を楽しむ!
くわいの特徴である、ホクホクとした食感を活かしたのが素揚げ。
誰でも簡単に挑戦しやすいのも良いです。
小ぶりな国産の青くわいを使用し、揚げたてに塩をかけて食べてみてください。
大きめのくわいは、スライスしてくわいチップスにするのがオススメです。
お酒に合うおつまみにもなりますよ。
くわいの下ごしらえ
- くわいの芽を折らないよう、皮を剥く
- くわいの芽は1.5cm~2cm残し、先端だけ切り落とす
- 1時間ほど水に漬け、アクを抜く
くわいのシャキシャキとした食感を楽しむ!炒め物やシュウマイ
中華料理によく使われる「白くわい」を使うことで、食感にアクセントを入れることができます。
くわいは煮物など、丸のまま使うことが多いのですが、スライスしたり細かく刻むことで、より食感を活かすことができます。
便利なことに、くわいの水煮缶というのが販売されています。
皮むきや下ごしらえ不要で、くわいを手軽に楽しむことができますね。
一度火が通してあるため、炒め物の場合は、仕上げ段階に入れるだけで十分です。
くわいの可愛い芽が出たコロッケ!洋風にもアレンジできます
くわいの形を活かすなら、抜群のレシピがコロッケです。
引用 ネスレ バランスレシピ くわいのコロッケ
一般的には煮物で優しい味わいを楽しむことのできるくわいですが、中華の炒め物や、洋風のコロッケまで活躍できます。
このくわいのコロッケならお子様も喜んで食べてくれそうです。
素材の味がシンプルで、どんな料理にも活かせるのでしょう。
しっかりとしたアク抜きが必要になりますが、生のままサラダにして楽しむこともできますよ。
くわいをおせち料理に入れる地域はどこ?くわいで【めでたい】新年をまとめ
- くわいがおせちに入っている地域は主に「関西」と「埼玉県」。
- おせちにも、地域によって好まれる味付けに違いがある。 くわいの生産地が食べる習慣に関わっている。
- 日本で主に食べられているくわいは三種類。
- おせちのくわいには「出世祈願」や「めでたい」という意味がある。
- 食感も楽しめるくわいは、おせち料理だけでなく、普段から食べたい野菜。
元々は地域によって違いがあったおせち料理。
くわいも地域色のあるおせち料理です。
華やかなおせち料理の中で、くわいというのは主役にはならないですし、注目され辛いと思います。
今回くわいがまだまだ注目されるべき野菜であることが分かりました。
次食べるおせちに「くわい」が入っているか、是非チェックしてみてください!
もし機会があれば普段も食べてみたいですね。