「ミモザ」と聞くと、春になると黄色くて丸い花を
たくさん咲かせる植物を思い浮かべる方が多いと思います。
とってもかわいらしく人気のお花です♪
ところで「オジギソウ」と似ているけど同じ種類?
と疑問に思った方が多いのではないでしょうか。
実は皆さんが思い浮かべるミモザとオジギソウは別の植物なんです!
「ミモザ」という名前は本来、「オジギソウ」の学名なのですが、
現在日本では「アカシア」のことを総称してミモザと呼んでいます。
「なんでそうなったの?」「アカシアって何?」という疑問に
花屋に勤める私が解説していきます!
ミモザとオジギソウの違いとは?それぞれご紹介します!
先ほども説明しましたが、現在ミモザという名前は
アカシアという植物を総称して呼んでいます。
しかし、実はミモザという名前は本来、オジギソウの学名です。
オジギソウと葉や花の形が似ていることから
間違ってアカシアのことをミモザと呼ぶようになりました。
それではミモザとオジギソウはどんな植物なのかご紹介します。
ミモザ
- 学名 「Acacia baileyana」
- 種類 マメ科アカシア属 アカシアという名前は聞いたことのある方が多いのではないでしょうか。ギョウアカシアやフサアカシアなど様々な種類があります。
- 原産 オーストラリア
- 花言葉 「優雅」「感謝」「友情」「安全」
- 特徴 春に黄色く丸いお花がたくさんつきます。
「ミモザ」という呼び方は勘違いだったのが定着してしまったんですね。
でも確かにこの植物には「ミモザ」という名前がぴったりな気もします!
オジギソウ
- 学名「Mimoza Pudica」「Pudica」は「内気な」という意味です。別名は「眠り草」「ミモザ」。
- 種類 マメ科ネムノキ亜科の植物の一種。
- 原産 ブラジル
- 花言葉 「繊細な感情」「謙虚」
- 特徴 オジギソウは葉に触れると葉が閉じていきす。これは昆虫から身を守るためだそうです!そしてその名の通り、夜になると自然と葉を閉じ、まるで眠っているかのようです。こうして葉を閉じることにより、蒸散を防ぎます。オジギソウのお花はピンクのポンポンした丸いお花です。色は違えど、お花もミモザに似ていますね!
ミモザとオジギソウの違いについて
お分かりいただけましたか?
ミモザという名前は本来オジギソウの学名だったのが、
勘違いによってアカシアのことをミモザと呼ぶようになった
ということが分かりました。
ミモザの正式名称アカシアって?種類や名前の由来などから解説!
アカシアの種類
それではミモザと呼ばれているアカシアとはどんな種類があるのでしょうか?
・フサアカシア
アカシアの中でも特にふわふわとした花を咲かせます。
最も一般的でフランスのミモザ祭りに使われています。
・ギンヨウアカシア
葉が小ぶりで、生花によく使われます
・モシリマアカシア
花期は5、6月。花の色はクリーム色です。
・サンカクバアカシア
葉が三角の形をしています。
・プラビシマ・アカシア
葉の片側が丸く、片側が尖っています。
この他にも様々な種類があります!
アカシアの名前の由来
名前の由来はギリシャ語で「Akazo」。
日本語では「とげがある、鋭い」という意味です。
小枝にとげがある種類があり、これに由来しています。
アカシアの歴史
古代エジプトではアカシアは神聖な木とされていました。
そして食品や薬品、染料として私たちの生活を支えてきました。
アカシアの樹脂は現在でもおかしやアイスクリームなどの
食品の原料として使われています。
ニセアカシア
アカシアはちみつという名前を
一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
実はこのアカシアはちみつの原料は「ニセアカシア」という植物で、
アカシアとは別の植物なんです!
植物の名前って紛らわしいですね~。
ニセアカシアはアカシアと同じマメ科ですが、
5~6月に蝶のような形の白い花を咲かせます。
またニセアカシアは北米原産の植物のため寒さに強いです。
ミモザとオジギソウの育て方!自分で育ててみよう!
続いてそれぞれの育て方について説明してきます!
ミモザの育て方
・置き場所
ミモザは日当たりがよく、風通しのよいところで育てましょう。
日当たりがよいと、花付きもよくなります。
地植えでも鉢植えでも育てられます。
地植えの方が育てやすいですが、地植えの場合
かなり早いスピードで大きく成長します。
・水やり
基本的には乾燥気味で大丈夫です。
土の表面が乾いたらたっぷり水をやりましょう。
地植えで根付いてからは、夏場の暑いとき以外は水やりは必要ありません。
・肥料
ミモザは基本的に肥料は必要ありません。
花付きが悪くなってきたり、害虫が発生したときは
肥料を与えてください。
オジギソウの育て方
・置き場所
日当たりがよく風通しのよいところに置きましょう。
オジギソウは原産地がブラジルなので寒さに弱く、
屋外では日本の冬は越せないとされています。
・水やり
土の表面が乾いたらたっぷりあげましょう。
オジギソウは触れると葉が閉じていきます。
しかし、もし日中で触れていないのに葉が閉じている場合は、
水が足りてないことが原因なので、たっぷりお水を与えてあげましょう。
ミモザとオジギソウの楽しみ方♪
ミモザの楽しみ方
ミモザは生花として花瓶に飾るのもかわいいですが、ドライとしても楽しめます♪
なのでリースやスワッグを自分で作るのも楽しいですよ!
もちろん、苗で購入し鉢や地植えにして
育てるのもおすすめです♪
ですが、花粉が多いためシンボルツリーにするときは花粉症になりやすいので注意してくださいね。
オジギソウの楽しみ方
オジギソウは切り花としてお花屋さんで
出回っているのは見たことがありません。
なので苗で購入し、鉢植えか地植えにするのが一般的です。
その名の通り葉を触るとお辞儀をするように葉が閉じていくので、
お子さんがいる方や動きのある植物を置きたい方にはおすすめです。
ただし寒さに弱いため、地植えだと1年草として扱われます。
世界で愛されるミモザ!各国ではどんな文化がある?
ミモザは明るい黄色のお花や花言葉から、世界中で愛され、
ミモザにまつわる文化が各国で根付いています。
それぞれの国でのミモザの文化をご紹介します♪
イタリア~「国際女性デー」~
イタリアでは古くから3月8日に男性から女性にミモザを贈る風習があります。
その後国連が3月8日を「国際女性デー」と制定し、
女性に感謝の気持ちを伝える日となりました。
そして今では日頃の感謝の気持ちを込めてこの日に女性にミモザを贈る、
というイタリアの習慣が世界に広まっていったそうです。
国際女性デーとは?
1904年、アメリカで参政権のない女性たちがデモを起こしました。
これに対し、ドイツの社会学者であるクララ・シェトキン氏が
1910年にデンマークで開催された国際社会主義者会議で
「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念日にするよう
提唱したことから始まりました。
そして1975年、国際連合は3月8日を国際女性デーと定めました。
なぜミモザになったのか?
ではなぜミモザの花を贈ることになったのでしょうか?
ミモザの花言葉には「安全」「感謝」などがあり、
大切な人に贈るのにふさわしい意味を持ちます。
また「友情」という花言葉もあるため、気軽に贈ることができることからも
ミモザになったと言われています。
さらに、寒さの厳しい2月から3月に花を咲かせることや
元気の出る真っ黄色のお花から
「太陽の花」と呼ばれていることからミモザを贈るのだそうです。
フランス~「ミモザ祭り」~
フランスでは南フランスのコート・ダジュールで
毎年2月に「ミモザ祭り」があります。
ミモザなどの春の花でデコレーションされた山車のフラワーパレードや、
「ミモザ・ルート」と呼ばれるミモザが咲き乱れる道を散策したり、
ミモザのエッセンスを使った香水のワークショップが開催されたりするなど
ミモザを存分に楽しむお祭りです。
この祭りでは、毎年800万本もミモザが出荷され、
約6万人もの人々が世界から訪れるそうです。
アメリカ~「National Mimoza Day」「女性史月間」~
アメリカでは5月に「National Mimoza Day」という日があります。
これはミモザの花ではなく、「カクテルのミモザ」の日となっています。
ミモザはシャンパンベースのカクテルで、
正式名称は「シャンパーニュ・ア・ロランジュ」です。
名前もおしゃれですね♪
このカクテルはオレンジジュースの入ったシャンパンで、
ミモザと色が似ていることから名づけられたと言います。
とってもおいしそうです!
また、「国際女性デー」の一環としてアメリカでは3月を「女性史月間」と定め
女性の貢献の歴史を振り返る月とされています。
アメリカ議会図書館や国立公文書館で展示やイベントが行われるそうです。
世界でのミモザの文化についてご紹介しました。
ミモザを贈り合う文化、素敵ですね!
花屋では年々ミモザの日にミモザを買いに来る方が増えているように感じます。
日本でも女性に感謝を伝える日として、
3月8日には街にミモザが溢れるようになってほしいですね!
ミモザとオジギソウの違いは?ミモザの日についてもご紹介!!のまとめ
- ミモザとオジギソウの違い
- ミモザはアカシアを総称して呼ばれているが、本来ミモザという名前はオジギソウの学名
- ミモザは黄色い花をつけるお花
- オジギソウは触れると葉が閉じる、花はピンク色
- ミモザの正式名称のアカシアとは?
- アカシアの種類と歴史
- アカシアはちみつはニセアカシア
- ミモザとオジギソウの育て方
- ミモザとオジギソウの楽しみ方
- ミモザはドライにもなる
- オジギソウは鉢植えで楽しむことができる
- 世界で愛されるミモザ
- イタリアでは3月8日「国際女性デー」
- フランスでは2月に「ミモザ祭り」
- アメリカでは5月に「ミモザ(カクテル)の日」
いかがでしたでしょうか?
ミモザとオジギソウの違いについてご紹介しました。
ミモザは本来オジギソウの学名だったんですね!
勘違いからアカシアをミモザと呼ぶようになっていたとは意外でした。
また、古くからミモザはイタリアやフランスで親しまれ、
今では世界中にミモザを女性に贈る「国際女性デー」が広まっていることが分かりました!
日本でも可愛い見た目などから人気で、
今後さらに女性にミモザを贈る習慣が広まっていきそうですね♪