社会人になると特に、結婚式・お祝い事、弔いの席などに参加・参列する機会が増えますね。
とはいえ、祝儀袋、不祝儀袋の水引の向きや結びについて、用途ごとの使いわけやマナーは、ちょっと自信がない方もいらっしゃるかもしれません。
毎回、同じを確認してるな~という方は、チャンスです!
この記事をきっかけにぜひ、基本的なマナーを覚えておきましょう。
水引の向きがわからなくなった時は?紐の向きの上下はこれが正解!
慶事のあわじ結びの中には、とてもデザイン性の高いものも売られていますよね。
お祝いの気持ちを込めて、華やかな水引のデザインを選ぶ方もいます。
売られていた状態のまま、付けるのが望ましいですが、中には、結びの向きがわからなくなってしまう方も。
【至急!】ご祝儀の水引を外してしまい、向きがわからなくなってしまいました! これであっていますか?逆さまでしょうか><至急回答お願いいたします。
引用 Yahoo!知恵袋
この場合は、お祝い事のため、水引の両端が上むきが正しいとされ、写真の水引は逆と言えます。
ただ、祝儀袋の水引のデザインは進化しており、向きが正しいか、迷ってしまうこともありますよね。
デザインをよく観察し、例えば、仮に結び端が下向きだったとしても、ハート等のモチーフが正しく確認できるように付けるなど、都度判断する必要があります。
また、慶事のあわじ結びには、松結び(富士山)や、輪結びといった、水引の端が下向きになる例外も存在しますので、この機会に確認しておきましょう。
松結び(富士山)
引用 水引ライナー
輪結び
引用 水引屋大橋丹治
水引の向きと結びについて
「水引」は、お祝い・お見舞い・弔事など、贈答品全般の包み紙を結ぶ際に用いられる、紙製の紐のことです。
水引の結び方には大きく3種類、あるのはご存知ですか?
蝶結び・花結び
水引の両端は下向きになっていて、引っ張るとほどける結び方です。
何度も簡単に結び直せることから、「何度あっても良い」「繰り返したい」お祝い事に適した結び方です。
用途:出産祝い・合格祝い・入学祝い・昇進祝いなどの一般的な慶事
「不幸を繰り返す」という意味にとられるため、弔事やお見舞いには不適切な結び方です。
また、結婚式は慶事ですが、「再婚や離婚」を連想させるため、蝶結びや花結びは不向きですね。
結び切り
水引の両端は上向きになっていて、ほどけにくい結び方です。
結び切りには、「繰り返すことがない」「今回きり」という意味があります。
用途:結婚祝いや快気祝い、弔事
「1度きり」という思いが込められているため、入学・出産祝いや、お歳暮・お中元など、何度も祝う慶事や挨拶には使用しません。
あわじ結び
水引の両端は一般的には上向になっていて、結び切りを変形させた結び方です。
紐の両端を引っ張ると、より一層結びが固くなることから、結び切りと同様に「繰り返さない」のほか、「末永く付き合う」意味が込められています。
用途:結婚祝い・快気祝い・弔事
結び切りと同様に、何度も繰り返す慶事には使用しません。
水引の向き以外に結婚式(祝儀)で気を付けること
水引の色
慶事には紅白・金銀・赤金が多く使用され、濃い色が右、薄い色が左になるように結ばれます。
包み方
慶事には新札を用意します。これは、
「折り目のないまっさらなお札でお祝いする」
「お祝いを心待ちにし、あらかじめ準備していたことを表す」
といった意味があると言われています。
中袋のお札の向き
開封時にお札の人物の顔が表の上部にくるようにします。
上包みの折り返しは上向きに
祝儀の場合は「幸せを受け取る」「天を仰いで喜びを表現する」という意味から、折り返しが上向き(下の折り返しが外側)になるように包みます。
祝儀袋の右上には熨斗(のし)
もともと、縁起の良い食べ物として、アワビを干して伸ばした「熨斗鮑(のしあわび)」を贈り物に添えていた事が由来とされています。
また、アワビは長寿をもたらす縁起の良い食べ物とされ、それが簡略化されたものが現在使われている熨斗です。
水引の向き以外に香典(不祝儀)で気を付けること
水引の色
弔事には白黒・黄白・青白・銀が多く使用されます。
慶事と同様に、濃い色が右、薄い色が左になるように結ばれています。
包み方
不祝儀の場合は、あらかじめ用意していような印象を受ける新札は、避けるのがマナーです。
ただ、使い古したお札も礼儀がないとされ、比較的きれいなお札か、新札の場合は、軽く折り目をつけて包むのが望ましいです。
中袋のお札の向き
開封時にお札の人物の顔が裏向きになるようにします。
お札の人物の顔が伏せられた状態にすることで、故人に対する「お悔やみ・悲しみ」「別れを悼む」などの気持ちを表現するものです。
上包みの折り返しは下向きに
不祝儀の場合は「悲しみを流す」意味で、折り返しが下向き(上の折り返しが外側)になるように包みます。
引用 ミドリオンラインストア
水引の本数には意味があるの?
水引は複数の紐を重ねて結んでありますね。紐の本数にも意味があることはご存知でしょうか。
水引の紐は奇数が基本
水引の紐は奇数が基本です。
「偶数は陰数、奇数は陽数」とする古来中国の陰陽説が由来と言われています。
また、基本結びは5本に束ねたものとされており、これも古代中国の五行説(万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという自然哲学の思想)にならっているとされます。
3本結び…5本結びを簡素化したもの。粗品などに利用されることも。
7本結び…5本結びをより丁寧にしたもの。婚礼以外の祝儀袋では、5本か7本が一般的でしょう。
10本結び…婚礼関係のみ。奇数の5本を倍数にする事で豪華と満ち足りていることを表します。
ちなみに、奇数である9本結びのものも、中にはあるようですが、「苦」に通じるとされ、特に慶事には用いないことになっています。
なぜ5本結びが基本か
5本結びは五行説が由来となっている説以外にも、5本は手の指を表しているという説もあります。
贈る側の手と贈られる側の手が左右から中央で交わり、握り合う形を表現しているというものです。
特に婚礼関係においては、結婚する本人達と両家が手を取り合って縁結びをするという意味が込められているのです。
水引が印刷されているのは失礼?
水引が印刷されている祝儀・不祝儀袋も見かけますね。
印刷は略式ですが、包む金額によって失礼にはあたりません。
金額が5千円~1万円くらいであれば、水引や熨斗は印刷された略式が良いでしょう。
逆に金額に釣り合わないような立派な祝儀・不祝儀袋は避けるのがマナーとなります。
水引の向きを解説!正しく知ってる?!大人なら抑えておきたいマナー・まとめ
- 水引の結び目がほどける→何度繰り返しても良い慶事
- 水引の結び目がほどけない→繰り返さない一度限りの慶事・弔事
- 水引の本数は奇数が基本。金額や用途に応じた本数を。
水引の向きや、祝儀袋・不祝儀袋の様々なマナーについて、説明をしてきました。
いかがでしたでしょうか。
水引の結びの由来や、どのような想いが込められているか、改めて知ることで、理解も進みますね。
社会人として、冠婚葬祭・慶弔行事は避けては通れないもの。
相手に失礼のないように、精一杯の自分の気持ちを贈りたいものですね!