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もののけ姫に出てくる包帯の人の正体は⁉ハンセン病を描いていた?

色あせない人気を誇る「もののけ姫

テレビでも放送される度に話題になりますが、包帯の人が気になった人も多いのではないでしょうか?

今回は、もののけ姫に登場する包帯の人の正体についてご紹介します!

もののけ姫の包帯の人の正体はハンセン病の人々だった?なぜもののけ姫にハンセン病の人を登場させているのか

【Twitter】

https://twitter.com/SoloJokerHunt/status/1430530759597518852

スタジオジブリの宮崎駿監督は、もののけ姫に出てくる包帯の人々ハンセン病の人であることを明かしています。

 

全身を包帯でぐるぐる巻きにされている人がたくさん出てくるので、印象に残っている人も多いかもしれませんね。

 

ここでは、スタジオジブリの宮崎駿監督がハンセン病の人を描くことになった理由についてお話してきます。

宮崎駿監督がハンセン病を描くことになったきっかけ

【YouTube】

宮崎駿監督は、ハンセン病療養所の使くに住んでいたことがあったそうです。

 

歴史の中で語られることが少ない人たちの証拠を残したかったため、もののけ姫にハンセン病の人を登場させたかったと話しています。

 

たしかに、輝かしい武士や勇者にフォーカスされることが多く、ハンセン病などの目をそむけたくなるような人はあまり登場しないことが多いかもしれません。

 

【Twitter】

宮崎駿監督は、国際会議ハンセン病について講義していたこともありました。

 

もののけ姫にハンセン病の人を描くことになったきっかけは、考え事をしながらノートを持って歩きまわっていたことだそうです。

その時に、自宅から近かったハンセン病の療養所「多摩全生園」にたどり着いたのだとか。

 

講義の中で宮崎駿監督は、こう話しています。

無難な線ではなく、はっきり『業病(ごうびょう)』と呼ばれる病を患いながら、それでもちゃんと生きようとした人々のことを描かなければならないと思った

引用:nippon.com(2016年2月9日)

もののけ姫の中でもセリフに「業病(ごうびょう)」という言葉が登場しています。

 

前世の悪業の報いでかかる病気」とはっきりと言うことで、宮崎駿監督の強い気持ちが込められているのかもしれません。

もののけ姫に登場する包帯の人がタタラ場でもつ役割りとは?

アシタカが訪れたタタラ場は、エボシが築き上げたひとつの村でした。

 

タタラ場では、鉄砲を作って人の生活を豊かにしようとやりすぎな程に自然を切り開いて生活しています。

【Twitter】

https://twitter.com/mukaicho1565/status/1426164610151768068

包帯を巻いたハンセン病の人々は、タタラ場で働く他の人と同じように鉄砲を作っています。

病を患っていても普通に生活ができるという気持ちが込められているような感じがしませんか?

 

また、タタラ場は女の人が元気な印象を受けますが、それはハンセン病の人たちが生活する場所でも同じでした。

 

包帯を巻いているので、顔までははっきりとわかりませんが、女の人の声で元気にエボシと話すシーンがあります。

 

宮崎駿監督なりの、女性の力強さを表現しているのかもしれませんね。

もののけ姫の包帯の人が苦しむハンセン病とは?

名前を聞いたことがあっても、ハンセン病がどのような病気なのか知らない人も多いと思います。

ここではハンセン病の症状や原因、歴史についてお話します。

ハンセン病は不治の病だった?

【YouTube】

ハンセン病が流行り始めた当初、くするはなかったことで「不治の病」と恐れられていました。

詳しくは知らない人もいるかと思いますが、ハンセン病を患った人々は世間の偏見によって酷い扱いを受けていたようです。

引用:Wikipedia

ハンセン病は、1873年に「らい菌」を発見したアルマウル・ハンセン博士の名前からハンセン病と呼ばれるようになりました。

赤ちゃんに感染しない限りは、ほぼ発症しない病気と言われています。

 

しかし、薬もないことで法律でハンセン病患者を強制的に療養所へ送ることができるようになってしまい、事態は悪化します。

 

  • 病人にも関わらず働かされる
  • 子供を作ることが禁じられる
  • 結婚する場合は断種手術を受けなくてはいけない
  • 子供ができた場合は中絶させられる

閉鎖的な場所でこのようなルールができてしまい、ハンセン病を患った人々は人権を無視した差別を受けていたそうです。

 

想像しただけでも、胸がギュッとなります・・・

ハンセン病の症状

ハンセン病の症状は主に2つです。

  • 知覚麻痺
  • 皮疹

進行してしまうと、ヤケドをしても気が付かないくらい皮膚が麻痺してしまうのだとか。

昔は薬もなかったことで重症化する人が多かったようですが、最近では一般的な皮膚科で治すことができるようになったようです。

 

診断や治療が遅くなると後遺症が残ることもありますが、すぐに治療を始められれば、これまで通り普通に生活することができる感染病となりました。

ハンセン病の原因

ハンセン病になってしまう原因は「らい菌」です。

衛生面や健康状態によって進行してしまうことがあるそうですが、他の感染症と違いはないと言われています。

 

引用:

引用:国立感染研究所

 

国立感染症研究所が発表しているデータによると、1950年頃をピークにハンセン病患者は急激に減少し、現在では年間に数人程度が感染している状態となっています。

 

医療が発達し、衛生面もよくなったことで「不治の病」と恐れられることはなくなりました。

もののけ姫の包帯の人たちはエボシに感謝していた?

【Twitter】

エボシがアシタカに包帯を身にまとった、ハンセン病の人たちがいる場所へと案内するシーンがあります。

「ここはみな恐れて近づかない私の庭だ。秘密を知りたければ来なさい」

引用:もののけ姫

エボシは、ハンセン病の人たちのいる場所のことを『私の庭』と紹介しているところから大切にしてることが伝わってくるのではないでしょうか?

 

また、エボシは一生懸命働いているハンセン病の人たちに対してこんな言葉をかけています。

「急がせてすまぬな。あとで酒など届けよう」

引用:もののけ姫

エボシの言葉に対して、包帯を巻いたハンセン病の人たちも肩を揺らして笑っています

このことから、お互いの関係が良好なことがわかりますね。

 

【Twitter】

https://twitter.com/mokkei_VE/status/1104050267731849216

エボシが「私の庭」と呼ぶ、ハンセン病の人たちが生活する場所の長(おさ)がアシタカに話しかけることで、エボシへの想いがわかるシーンがありました。

長(おさ)「その人はワシ等を人として扱ってくださった、たったひとりの人だ。」

引用:もののけ姫

長(おさ)が、エボシに対して感謝していることがわかりますね。

人々から恐れられ、療養所に隔離されてしまったハンセン病の歴史を物語っているのかもしれません。

 

ハンセン病の人たちがいる「」を訪れたあと、アシタカはエボシに対して森を攻撃するのを辞めるように話しますが、エボシはこのように返しています。

「しし神の血は、あらゆる病を癒やすと聞いている。

業病に苦しむあの者たちを癒やし、そなたのアザを消す力もあるかもしれぬぞ」

引用:もののけ姫

もののけ姫の中でエボシは少々やりすぎな印象を受けますが、それはハンセン病で苦しむ人やタタラ場で働く村人を思ってのことだったのかもしれません。

 

【Twitter】

 

物語がクライマックスになると、森のいきものと人間との闘いがさらにヒートアップします。

エボシは包帯を巻いたハンセン病の人々が暮らす庭のことを、「みな恐れて近づかない」と言っていましたが、クライマックスに向けてタタラ場で働く女の人と一緒にハンセン病の人々も闘っているシーンが登場します。

 

さらにはハンセン病の人をおんぶしてしし神から逃げ、最後はハンセン病の人たちが身にまとっていた包帯がほどけて笑顔になっていました。

 

生きものはみんな協力して生きているということや、未来への希望の表れなのかもしれませんね。

もののけ姫に出てくる包帯の人な何者⁉ハンセン病を描いていた?のまとめ

今回は、もののけ姫に登場する包帯の人についてご紹介しましたがいかがでしたか?

  • もののけ姫に登場する包帯の人の正体はハンセン病患者
  • ハンセン病には悲しい歴史がある
  • 宮崎駿監督がハンセン病を描いたのは「証拠を残したかった」から
  • ハンセン病の人たちはエボシとも良好な関係だった

宮崎駿監督の想いがぎゅっと詰まった作品であることがわかりましたね。

 

ハンセン病は過去に悲しい歴史がありますが、それを忘れてはいけないことと現在は治療ができるようになったこと。

たくさんの人の歴史や想いがあって今の生活があることを改めて感じました。

 

「もののけ姫」の背景を考えながら作品を見ると、新しい発見ができるかもしれませんね!