新年の始まりに届く年賀状。届くと嬉しいものですが、それに気の利いた一言が添えてあるとなおさら嬉しいものですよね。
特に目上の方やビジネス上のお付き合いの方へ宛てる場合、頭を悩ませる方も多いのでは?
年賀状に添える気の利いた一言は、色々パターンがあると思いますが、誰にでも使える最強の一言は「健康」を気遣う言葉です。
今回は、上手に気遣える一言の例文や、その正しい使い方などを探っていこうと思います。
年賀状で健康を気遣う一言に「ご自愛ください」はやっぱり最強だった!
慣用句の様によく使われているけど、実はイマイチ分かってない「ご自愛ください」。こちらはどう使うのが正しいのでしょうか?
自愛の意味とは?
とりあえず「自愛」の意味から調べてみました。
じ‐あい【自愛】 の解説
自分を大切にすること。自分の健康状態に気をつけること。「時節柄ご自愛ください」
引用:goo!国語辞書
つまり「ご自愛ください」は「貴方の身体を大事にしてください」と意味になりますね。
年賀状に一言「ご自愛ください」と書いておけば「くれぐれもご無理をなさらず、お体を大切になさってください」という気持ちが込められます。
つまりそれだけで、相手への思いやり溢れる文章になれる魔法の言葉なのです。
「ご自愛ください」は誰にでも使える!注意点は3点だけ
「ご自愛ください」は尊敬語なので、目上・目下の方に関わらず、老若男女で使える言葉です。もちろん取引先の相手にも使用できます。
とっても使える言葉なんですが、3点だけ注意点があります。
注意ポイント
①既に闘病中の方には使わないこと
②お身体ご自愛くださいとは書かないこと
③慈愛とは変換しないこと
1つめは「既に闘病中の方には使わないこと」です。自愛とは基本的に「元気な方に使う時の表現」だからです。
もし闘病中の方へ出す場合は「一日も早い回復をお祈り致しております」「ご無理をなさらず、早く快方に向かわれますようお祈りいたします」などにするべきです。
ご無沙汰で近況を知らない場合は(その事実を知らなかったとはいえ)もしかしたらお相手は闘病中かもしれません。そんな場合は少し注意してくださいね。
2つ目は「お身体ご自愛くださいとは書かないこと」です。つい書きがちなのですが、自愛には「身体」という意味も含まれるので、重複表現となってしまうのです。
3つ目として、パソコンで書いていると「慈愛」という変換が出てくるときがあります。しかし意味がおかしくなるので、変換しないように注意しましょう。
「ご自愛ください」が使える例文
実際に「ご自愛ください」を使う、一年の節目にふさわしい例文をご紹介しますね。
・朝晩の冷え込みが続いていますね いかがお過ごしですか どうかご自愛のうえ よき一年をお過ごしください
・気にかけていただき いつも感謝の気持ちでいっぱいです お忙しいとかと存じますが 何卒ご自愛ください
・風邪など召されませぬよう ご自愛くださいませ
・旧年中のご縁に感謝いたします 寒さが増しておりますが くれぐれもご自愛くださいね
こういった健康に気遣える一言が書いてあると、きっとお相手は嬉しいと思います。
「時節柄ご自愛ください」という表現方法もある
また「時節柄ご自愛ください」という表現を使うこともあります。
この場合は(冬の)季節のことではなく「通常と違ったこの大変な時期に、お身体を大切になさってください」という意味合いになります。
・いつもとは異なる状況の中で いつも以上に温かいご指導をいただき 誠にありがとうございました 時節柄 何卒ご自愛くださいませ
・時節柄 先の見通しづらい状況ではありますが ご自愛のほど心よりお祈りしております
こちらの例文は、ビジネスで使える例文かなと思います。
ご自愛くださいに対する返信
もしも「ご自愛ください」と書かれた年賀状を受け取って、そこから返信を書くことがあれば、次のような言葉を添えると良いでしょう。
・お気遣い心より感謝いたします ◯◯さんも健康にご留意ください
・お気遣いいただき 誠にありがとうございます ◯◯様もどうぞお身体にはお気をつけくださいませ
相手は自分の身体を心配してくれているので、返事としては「相手の気遣いへの感謝+相手を気遣う気持ち」を書きましょう。
年賀状は1月7日(松の内)までに届くように返信しましょう。それを過ぎるなら「寒中見舞い」として、ハガキで返信するのが礼儀です。
年賀状「ご自愛ください」以外で健康を気遣える一言とは?
このように「ご自愛ください」はとても使える言葉ですが、もっとオリジナリティが欲しいと思うときもあるでしょう。失礼にならない表現を載せてみました。
・厳しい寒さが続きますので どうかお体にはお気をつけください
・健康にお気をつけて 最高の一年になりますように
・寒さが厳しい季節ですので 健康にはご留意くださいませ
健康に関連する一言なら、こんな感じではないでしょうか。
ただしこういった言葉を書く際、既に印刷された挨拶文があれば、重複しないように気をつけてください。
素敵な一言だったとしても、挨拶文が同じような文だと違和感が生まれ、逆に良くない印象を与えてしまいます。
挨拶文の文面について
印刷する挨拶文には形があって、それに沿って書いていくと文面がしっくりきます。
①まず賀詞を書く
年賀状の冒頭に新年を祝う言葉(賀詞)を、大きめに書きます。4文字が正式なので、目上の方にはそちらで書きましょう。
・迎春、賀正(目下の方へ)
・謹賀新年、恭賀新年(目上の方へ)
・謹んで初春のお慶びを申し上げます
②本文の流れ
日頃のお付き合いへの感謝の言葉や、近況報告を書きます。
・旧年中は大変お世話になりました
・昨年は何かとお世話になりました ありがとうございました
相手の幸福を祈る言葉や、活躍を願う言葉を書きます。
・皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
・〇〇様のご健闘をお祈り申し上げます
今後も変わらぬお付き合いをお願いする言葉を書きます。
・本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
・本年もご指導のほど 宜しくお願い申し上げます
③日付
最後に、新年の年号と日付を書きます。「元旦(1月1日の朝)」や「一月一日」も重複しないこと。
年号は西暦で書いてもかまいませんが、元号と西暦は並べません。
型にハマっていて、何だか面白みがないと思われるかもしれませんが、印刷する挨拶文は一言と重複しないようにシンプルな文を選んだほうが無難ですよ。
年賀状に気が利いて面白い一言を書くためのひと工夫
健康以外のネタで書くときは、次の6点から2,3選んで、組み合わせて書くと良いでしょう。
一言のあれこれ
①日頃の感謝を伝える
②相手の幸せを願う
③希望を感じさせる言葉を使う
④お付き合いを続けたい気持ちを伝える
⑤相手のことに触れる
⑥ユーモアを伝える
具体的にはどんな文面になるでしょうか。
日頃の感謝を伝える一言
年賀状はお世話になっている方に出すものですから、日頃の感謝を伝えるのはピッタリですよね。
・いつも応援ありがとうございます
・温かいお心遣いを感謝します
・いつもお世話になり感謝の気持ちでいっぱいです
相手の幸せを願う一言
相手の幸せを祈る言葉は、年賀状本来の意味からしても、最も大切な言葉です。
・〇〇さんにとって最高の一年になりますように
・〇〇様の一年が幸多き年になりますように
・ますますのご活躍をお祈りしております
希望を感じさせる一言
新年の初めに希望を感じさせる言葉も嬉しいですよね。逆に「忌み言葉」と呼ばれる「去」「離」などは避けてくださいね。
・希望の春になりますように
・今年は○○の一年にしたいです
・地に足をつけて歩んでまいります
お付き合いを続けたい気持ちを伝える一言
今は直接会うことが難しい時期なので、希望的な感じにはなりますが、書いてあると嬉しい一言ですよね。
・またお目にかかれますのを楽しみにしております
・久しぶりだけど、元気にしてるかな?
また会えたら嬉しいです
相手のことに触れる一言
相手のことを見てくれてるんだ…と思えて、かつオリジナリティを感じさせる文面が作れます。
・毎年くれる年賀状の家族写真 すごく楽しみにしてます
・年賀状で近況報告を聞くのが毎年楽しみなんだよ
・〇〇さんのお好きな〇〇チームが 今年も勝つと良いですね!
ユーモアのある一言
こんなご時世だからこそ、相手には笑ってほしい!そんな時はこんなユーモアを込めた一言を書くといかがでしょうか?
・ヘアカラーだったのが 白髪染めにしなきゃいけない年齢になってきたよ
・子どもたちにお金がかかってきて 自分には全くお金がかけられなくなっちゃったね
・ついに老眼鏡を買いました!嬉しいことに目がデッカくなっちゃった
こちらはホンの一例ですが、相手のことを考えて、丁寧に書けばきっと相手に届くと思いますよ!
年賀状に添える気の利いた一言とは?目上の方には健康を気遣おうのまとめ
- 年賀状に添える一言で誰にでも使えるのが健康を気遣う言葉である
- 「ご自愛ください」と書くと、くれぐれもご無理をなさらず、お体を大切になさってくださいの意味になる
- 目上の方にも使えるとても便利な言葉が「ご自愛ください」
- 「時節柄ご自愛ください」も今の時期に使える言葉である
- 挨拶文と一言が同じ文面だと、人は違和感を持つので注意する
- 健康以外の一言ネタは主に6つあるので、ここから2,3選んで組み合わせて書くと良い
- 年賀状に添える一言は相手のことを思って書こう
今回は年賀状に書く一言について、主に健康を気遣う文面から考えてみました。
年賀状を書く人は年々減っているようですが、それでも年賀状をもらうと嬉しいですよね。あなたの一言が相手の心を暖かくしてくれますように。