社会人になったり、大学生などが就活をする際に会社を示す言葉である「御社」や「貴社」という言葉を使います。
どちらも相手方の会社を敬う言葉ではありますが、意味や相手を敬う度合いに違いはありませんが両者はきちんと使い分けをされています。
使い分け方は簡単で履歴書やメール、手紙など文書の場合には「貴社」を使い、面接や打ち合わせなど顔を合わせて言葉を使う場合には「御社」を使います。
この二つの違いはもともと「貴社」も話し言葉として利用されてきたのですが、「きしゃ」という音の響きが「記者」「汽車」「帰社」など同音の言葉多くあり、話すときに「きしゃ」という言葉を使っていると紛らわしいということから、1990年代の初め頃から「きしゃ」ではなく「御社」という言葉が話し言葉として利用し始めたとされています。
「おんしゃ」も「恩赦」や「音写」などの同音語はありますが、帰社や記者などビジネスの場面でも使われやすい言葉とは異なり、判断しやすいということからこの言葉が使われるようになったと考えらえます。
話し言葉として「きしゃ」を使っても問題はありませんが、文章や会話の中で統一せずに二つを同時に使ってしまうと印象が悪くなってしまう可能性があります。
面接などを行う場合には、話し言葉として使われることの多い「御社」を使うことが無難と言えます。
また、面接などで失敗しないためにもこれら以外の尊称例も覚えておくことが無難です。
株式会社であれば問題はありませんが、個人商店などの店舗の場合には「貴店」ということが望ましいとされています。
学校に対する尊称は「御校」「貴校」、学園の場合には「貴学園」、大学の場合には「貴大学」「貴学」という言葉を使っていきます。
官公庁に関する尊称は厚生労働省などは「貴省」、国税庁などは「帰庁」、税務署などであれば「貴所」を使います。
銀行であれば「貴行」、信用金庫であれば「貴庫」を使うケースもあります。
協会には「貴法人」「貴協会」という尊称を使えば問題はないとされています。
このような尊称を理解しておけば、メールや書類を書くときなどに問題になることは少ないと思われます。
基本的には話し言葉では「御」を使い、書き言葉としては「貴」をつけると覚えておくことオススメします。
この使い分けは就活や転職活動などの面接だけではなく、あらゆるビジネスシーンに使う基本的なマナーとなっています。
似たような意味合いでは「弊社」と「当社」というものもあります。
これは相手方の会社のことを指すのではなく、自分の会社のことを指す言葉となっています。意味合いはどちらも同じですが「弊社」の方がよりへりくだった印象になります。
ビジネスシーンでの使い方としては、社外の人には「弊社」を使い、自社の人には「当社」を使うようなイメージとなっています。
相手方の会社のこと指す言葉よりも厳密な使い分けのルールはないため、取引先に対して「当社」というケースもあります。
面接などでは言葉遣いも評価の対象となってきます。特に敬語の表現が正しく使えているかどうかは重要視されており、語彙やその場にあった適切な表現できているかは常に見られていると考えることが無難です。
敬語の使い方はビジネスでは特に重要なもので、社会人の基本的な能力の一つと言えます。敬語表現は苦手という人も多いかもしれませんが、面接だけではなく社会人になってからも使うものですので、しっかり覚えておかなければならないものです。
早く覚えるにこしたことはありませんが、できれば就活中にきちんとマスターしておくことが大切です。
マスターする時のポイントとしては、尊敬語と謙譲語の違いを理解することが重要となります。
この二つを混同して覚えてしまうと、敬語の使い方がわからなくなってしまうため違いを明確にしておくことが必要です。
尊敬語は相手を持ち上げることで敬意を表す表現で、謙譲語は自分を下げて相手に敬意を払う表現とされています。
尊敬語の場合には主語は相手になり、自分が何かをしたいのではなく相手が何かをしたときに使います。
謙譲語は主語は自分で自分の行動をさして使います。
履歴書を書くときにも、御社や貴社は利用されます。これらの言葉以外にも話し言葉である「しかし」や「でも」と書いてしまうケースもよくあります。
履歴書においては相手方の会社を示す言葉や、話し言葉などが不適切な表現になってしまうことも考えられます。
知らず知らずに話し言葉で書いてしまうことはよくありますが、相手の好印象を得るためには極力そのような表現はしないようにしていきます。
ミスをなくすためには、志望動機は書くようと話すようの二種類を用意することが良いとされています。二種類用意したら自分でチェックするだけではなく、誰かに添削してもらうと客観的に表現を見てもらえます。
些細な違いではありますが、社会人になれば必要となってくるマナーですのでしっかり覚えることが大切です。