最近は自宅時間を利用してピアノを習い始めた大人の方も少なくないのではないでしょうか?
少し前に50代初心者の方が練習を積んで難曲をスラスラ弾けるようになったというニュースを見て、夢を感じたのは私だけではないはず。
しかし実は、ただ時間をかけて練習するだけでスラスラ弾けるようになるのはごく一部の人だけなんです。
プリンストン大学の研究によれば、音楽の分野で練習時間に見合って上達できるのは、およそ2割ほどの人間だけという結果になったそうです。
私も、10年以上ピアノを習っていた割には全く上達しませんでした…。
では、仕事や家庭で忙しい大人が、初心者でも効率よく上達するにはどうすればよいのでしょうか?
役立ちそうな練習方法のコツを4つにまとめてみましたので、一つずつ見ていきましょう。
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ピアノがスラスラ弾けるまでには練習には小さな変化をつける
小さな変化をつける練習法は研究に裏付けされている?!
ジョンズ・ホプキンズ大学の研究(原文)によれば、新しいスキルを身につけるには、ちょっとした変化をつけながら練習するのが効果的なのだそうです。
マスターしたい課題に変化を少し加えて練習するほうが、まったく同じことを立て続けに何度も繰り返す場合とくらべて、より多くのことがより速く身につくことがわかった
引用 NewsPicks
これは記憶の定着に関係しているそうで、変化をつける際には6時間以上の時間をあけるのが良いとされています。
そうはいっても、ピアノ初心者には何から始めたらいいのか悩んでしまうところですよね。
まずは弾けそうな曲を一曲ゆっくり通して弾いてみましょう。
翌日には、少し速めて弾いてみる。
その翌日には小節やフレーズごとに小分けにして練習してみる、左手と右手で分けて弾いてみる…といったふうに、毎日の練習に少しずつ変化をつけることを意識してみてください。
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ピアノがスラスラ弾けるまでにスキマ時間を使って毎日ピアノに触れる
毎日10分でもいいから練習しよう
大人のみなさんにも、過去に、1日だけ部活の練習や勉強を休んだだけで著しく感覚が鈍ったという経験はありませんか?
ピアノも同じです。
毎日10分でもいいので、時間を見つけてピアノに触れるようにしましょう。
集合住宅で練習時間が限られる場合でも、毎日10分であれば比較的時間を見つけやすいのではないかと思います。
練習時間を分けて確保する
一日の中で、朝と夕に分けるなどして時間を確保するのも一つの方法です。
小分けに練習することは、欧米の音大生も読んでいるといわれる書籍「成功する音楽家の習慣」でも紹介されている手法だそうです。
忙しい人にとっては、まとまった時間をとって練習するのはハードルが高いと思います。
まずはこまめに時間をとって、ピアノに慣れていきましょう。
「練習時間:休憩時間」の黄金比は「25:5」?!
少しずつ練習時間を増やせるようになったら、休憩時間を入れながら練習することも効果的です。
Newsweekの記事によれば、時間を「25分+5分」に区切る時間管理術を「ポモドーロ・テクニック」と呼び、世界中のソフトウェア開発者やCEOの間で実践されているそう。
このテクニックはどんな分野にも応用できるそうです。ピアノ練習に応用し、25分練習をしたら5分休憩を取るという方法で進めていくと良いのではないでしょうか。
ピアノがスラスラ弾けるまでに耳を鍛える
イメージトレーニングを行う
出張や旅行などで、ピアノに触れるのが物理的に困難なときは、代わりに耳を鍛えてみましょう。
自分の好きなピアニストの演奏を聞くなどして、イメージトレーニングをするようにすると良いでしょう。
曲の完成度を磨き、更にスラスラと弾けるようになるには、「音色」や「ニュアンス」といった感性の部分も磨く必要がありますし、何より明確なイメージを持って練習すると上達も早くなります。
自分の目指す演奏と実際に弾いているときの違いに気づけるようになるためには、普段から目標となる音のイメージを明確にしておくことが大事です。
自分の演奏を客観的に聴く
客観的に自分の音や演奏を聴いて勉強するのも耳を鍛える手法の一つ。
現在ではスマートフォンでも簡単に録音や録画ができるようになりましたので、ぜひ試してみてください。
練習のときはうまくできているように思えても、後で聴いてみると意外と「あそこはもっとこうしたほうが良かった」と反省する点も出てくるはず。
私も時々楽器の練習時に録音や録画をすることがありますが、次までの宿題を見つけられるので重宝しています。
音楽理論の勉強で更に理解を深める
また、耳を鍛えることとは少しずれるかもしれませんが、音楽理論も同時に勉強すれば、更に音楽への理解が深まり、一歩上の段階へ進むときには有利に働くはずです。
理論を学んだほうが頭に入りやすい、という方は音楽理論の勉強も進めてみてください。
こちらもYoutubeなどで多くの音楽家が理論を解説した動画を見ることができますので、自分に合ったものを探してみましょう。
ピアノがスラスラ弾けるまでにモチベーションを保つ
モチベーションを保つには「好き」という気持ちが大切
日本でも古くから「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますよね。
例えば嫌いな勉強はなかなか続かないのに、興味のあることなら時間を忘れて没頭できる、ということはないですか?
この「好き」というポジティブな感情を持ち続けることがモチベーションに繋がり、先の項目で述べた「毎日」ピアノに触れることも無理なく続けられることにも繋がります。
脳科学者の瀧靖之氏によれば、マイナスの感情は記憶の定着の妨げにもなるのだとか。
嫌だという気持ちがあるとストレスホルモンが分泌され、記憶を司(つかさど)る海馬や前頭前野の脳細胞が萎縮。反対に、好きだと思うとストレスが減り、脳は本来の機能を伸び伸びと発揮する。
引用 NIKKEI STYLE
私もイヤイヤ練習をしていて、ピアノを見るだけで気持ちが沈んでしまう時期がありましたが、そこからほとんど上達していないように思います。
せっかく貴重な時間を確保して練習しても、練習の効果が薄れるてしまうのはもったいないですよね。
嫌な気持ちのまま練習を続けるくらいなら、一度気分をリフレッシュさせましょう。
私が敬愛する片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんも、片づけが苦痛になったときには一旦片づけから離れたほうが良いとおっしゃっていた記憶があります。
ピアノにも同じことが言えるのではないかと思っています。
ピアノに触れることが「楽しい」と思えれば、毎日続けることも苦痛ではなく喜びにつながるでしょうし、その分上達も早まるかもしれません。
おまけ:本当は3曲練習するのがいい?
実は、先ほど項目3で紹介した書籍「成功する音楽家の習慣」では、常に「新曲」「完成度を高める曲」「本番を想定した曲」の3曲を練習するのが良いとされています。
「新曲」とは新しく挑戦する曲、それがある程度弾けるまでになったら、「完成度を高める曲」となり、最終的には「本番を想定した曲」として磨きをかけるといった3段階に分けるのです。
初心者で3曲同時に挑戦するのは少し大変かもしれませんが、もし上達する近道なのであれば、試して見る価値はあるのではないでしょうか。
興味のある方は、こういった理論に基づいた本を読みながら、練習を進めていってもいいかもしれませんね。
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ピアノがスラスラ弾けるまでに上達する方法についてのまとめ
いかがでしたでしょうか?
社会人からピアノを始め、スラスラ弾けるまでに上達させるのは簡単なことではないと思います。
しかし、工夫次第で可能性は無限大だということを忘れないでください。
- モチベーションを保ちながら、毎日少しずつ変化をつけながらスキマ時間を利用してコツコツ練習する。
- ピアノを使った練習ができないときには、耳を鍛えたり、理論を勉強するなどして工夫する。
ピアノを好きだという初心を忘れずに、楽しみながら続けていければ、スラスラ弾けるまでの道のりもきっと短く感じることでしょう。