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傍観者効果の身近な例にいてまとめました具体例はこんな感じです。

「傍観者効果」というものをご存知でしょうか?

 

ある事件に対して、傍観者が多ければ多いほど

一人一人の行動力が低下してしまう、という現象です。

 

どうしてこのようなことが起きてしまうのでしょうか?

 

また、この現象は一体どんな事態を引き起こして

しまうのでしょうか?

 

そして私達が現代社会において、気をつけるべきことは

何なのでしょうか?

 

今回は心理学における「傍観者効果」について

解説していきます。

傍観者効果とはどんなもの?

傍観者効果(Bystander Effect)は、人々が集団の中にいるときに、他人が助けを求めている状況でも

自分から行動に移すことが難しくなる現象を指します。具体的には、多くの人が見ている中で、

個々の人は自分以外の誰かが問題に対処するだろうと期待し、その結果として誰もが行動に移らず、

被害者に助けを求める人が無視される、あるいは助けが遅れるという現象です。

この現象は1964年にアメリカの社会心理学者ダーシー・ラテネ(Dorothy L. Latané)と

ジョン・ダーリー(John M. Darley)によって初めて実験的に示されました。

彼らは、実験参加者が仮想の緊急状況において他の参加者と同時にいる場合、助けを求める人への反応が鈍くなることを観察しました。

傍観者効果は、以下のような要因によって引き起こされるとされています:

  1. 担当責任の希薄化(Diffusion of Responsibility): 多くの人が同じ状況にいると、個々の人は自分が責任を持つ必要が薄れると感じる傾向があります。つまり、他の人が何かをするだろうと期待し、自分は助けなくても良いと考えることがあります。
  2. 社会的比較(Social Comparison): 周りの人々の反応を見て、自分の行動を判断することがあります。他の人が何もしないと、自分も同様に行動しないと判断することがあります。
  3. 情報収集(Information Gathering): 周囲の人々が何をするか観察する時間があると、状況を正しく評価できると考えることがあります。しかし、この時間が長すぎると、助けが遅れる可能性が高まります。

傍観者効果は人間の心理学的特性の一つであり、集団内での個々の行動に影響を与える重要な現象です。

 

人の行動力を鈍化させる傍観者効果とは?

 

傍観者効果とは集団心理の一種で、ある事件に対して、

自分の他に傍観者がいた場合、自分は率先して行動

しなくなるという現象です。

 

「まあ、誰かが助けるだろう・・」

「他の人は何もしないし、実は助けなくてもいいんじゃないのか・・?」

「もし自分が助けられなかったら自分の責任になるかも・・?」

といった心理ですね。

 

都会の人は冷たいとよく言われますが、その理由は、

都会の方が人口が多いので傍観者も多い可能性が高く、

傍観者効果が起きる場面が多くなるから、と説明ができます。

 

興味深い実験結果があります。

 

ニューヨーク大学が行った実験なのですが、

2名、3名、6名の3つのグループに分けられ、

それぞれのグループの参加者は個室に入り、

マイクとスピーカーを使って離れた場所で討論をします。

 

つまり、2名のグループは2つの個室に参加者が入っていて、

2人は離れた場所で討論をする。

 

3名のグループは3つの個室に参加者が入っていて、

3人は離れた場所で討論をする。

 

6名のグループは6つの個室に参加者が入っていて、

6人は離れた場所で討論をする。

 

といった状況です。

 

討論なのでお互いに持ち時間があり、自分の順番が

来るまで、マイクで誰かに何かを伝えることはできません。

 

そして突然、討論の最中に発言中の参加者の一人が

発作を起こして倒れてしまいます。

 

被験者はその人の苦しむ声と助けを求める声を

スピーカー越しに聞いています。

 

この状況下に置かれた被験者は外にいる実験者に

これを知らせるのか、知らせた場合にどれくらい

時間がかかったのか、を計測します。

 

結果は2名のグループが最も迅速に実験者に報告をし、

報告率が高かったのに対して、

 

6名のグループは最も報告までに時間がかかり、

報告率も低い、というものでした。

 

つまり参加者が多いほど救命行動に時間が

かかり、報告率も下がってしまうということです。

 

実際に傍観者効果についての実験が行われて

いる動画をご紹介します。

 

下のURLで動画が見れます。

 

実験者が街中で苦しみながら倒れているにも

関わらず、誰も助けようとしません。

 

実験中の映像は動画の39秒からです。

 

これらの実験結果から、傍観者効果は、

人の命が懸かった時でさえ作用してしまう

という驚くべき事実が発見されました。

 

 

ある事件の現場を目撃した38人が取った行動とは?

 

傍観者効果とは次の3つの状態によって

発生するとされています。

 

1.多元的無知

他の人が積極的に行動しないことで、発生している

事態に緊急性は無いのではないか?と考えてしまう。

 

2.責任分散

他の人と行動を合わせることで、責任や批判が

分散されると考えてしまう。

 

3.評価懸念

何か行動をしたときその結果に対する周りの評価を

気にしてしまう。

 

これらの状態になってしまった人達は、

悪意は全く無いのですが、時に取り返しのつかない

判断ミスをしてしまいます。

 

アメリカで、上述した実験結果よりも更に驚くべき

事件が起きていました。

 

キティ・ジェノヴィーズ事件というものですが、

 

キティ・ジェノヴィーズという若い女性が

アパートの前で男に殺害されました。

 

アパートの38人の住人はジェノヴィーズさんが男に殺害されるまでの

一部始終を目撃し、助けを求める声も聞いていました。

 

しかしその38人の目撃者は襲われている最中も

殺害された後にも、誰一人として警察に通報をしませんでした。

 

もちろんジェノヴィーズさんを助けようとした人もいませんでした。

 

この事件は、全米でで大きなショックを与えました。

 

ここまで極端な例はめったに無いかもしれません。

 

ですが、私達の日常生活の中でも、助けを求めている人

の声が集団心理によって掻き消されているかもしれない、

ということは、私達一人一人が認識しておかなければならない

といえるでしょう。

傍観者効果についてのまとめ

現代社会はSNSの発達により、今まで以上に多くの人と

繋がることができるようになりました。

 

ですが心無い言葉や悪意のある中傷によって傷ついて

いる人も沢山います。

 

傍観者が増えています。

 

しかもインターネットというフィルターを通して

見ている傍観者です。

 

現実の感覚が薄れつつ、集団心理に飲み込まれる

というのは人の心がどんどん失っていくような感じ

さえします。

 

現代社会に生きる私達には、一つの問題を、

傍観者として捉えるのではなく、当事者と同じ立場に

立って、その問題と向き合ってあげられるだけの

「優しさ」が、今まで以上に求められているのかもしれません。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

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