漏電は身近で起こりうる危険な現象です。
なぜなら、漏電は火事や感電を引き起こす原因になるからです。
もし、漏電してしまったらどんな症状が出るの?自分でできる直し方はあるの?漏電は予防できるの?
漏電の危険性と対処法について調べてみました。
漏電の直し方って?自分で直せる?
漏電はいろんな場面で起こります。
危険なので自分で何とかしようとせず、電気工事業者へ修理依頼するのがベストです。でも、中には自分で直せる漏電もあります。
漏電について知っておこう!
漏電とは、その漢字の意味の通り、電気が漏れることです。
具体的には…電気配線や電化製品には電気が流れますよね。
電気が通るところには、この電気が外に漏れていかないように塩化ビニールなどの絶縁体で覆われています。
絶縁体とは電気をほぼ通さない物質です。よく知られているものとしてはゴム手袋などです。
この絶縁体が経年劣化や小動物がかじって絶縁体に傷がつくと、そこから電気は漏れてしまいます。
この現象を【漏電】といいます。漏電の多くはこの電気配線、電化製品の絶縁体に傷がつくことで起こります。
また、防水対応していない電化製品に水がかかった場合も漏電します。
漏電が起こる原因とは?
電化製品の配線の劣化、破損
長く使っている電化製品は、いつかは壊れる消耗品ですよね。
大物家電はなかなか買い替えないことも多いですが、毎日使うものであれば、部品も劣化していきます。
絶縁体で覆われている配線も同様、ひびが入ったりして劣化していくので、それが原因で漏電します。
また配線を折り曲げて束ねた状態にしていると、劣化により絶縁体が傷つきます。
それは危険です!
電源コードが断線、絶縁体が破損する可能性があります!場合によっては発火してしまうので、電源コードを抜くときはちゃんと根元を持って抜きましょう。
コンセントプラグ部分にホコリがたまる
電化製品はたいてい、コンセントにプラグを差し込んだ状態のままになっていますよね。
TVの裏側や、ホコリがたまりやすい場所にはびっくりするくらいの量のホコリがたまっています。
この状態で放置していると、トラッキング現象が起こり発火することがあります。
トラッキング現象とは、コンセントと電源プラグの隙間にホコリがたまり、空気中の湿気がついてしまうことで電気が通りやすくなってショートし発火してしまう現象です。
防水に対応していない電化製品への浸水
防水に対応していない電化製品に水がかかったり、飲み物をこぼしてしまうと、そこから漏電することがあります。
水に濡れることで絶縁体も劣化してしまいますので、濡らさないように気を付けましょう!
ペットが電源コードをかじってしまう
ペットを飼っている方は特に注意がしましょう。犬や猫、最近はウサギやフェレットなどいろんな動物を飼う人も増えました。
可愛いペットですが、中には電源コードをおもちゃとして遊んで噛んでしまう子がいます。
噛んでしまうとコードを傷つけ漏電につながりますし、感電の恐れもあるので対策が必要です。
コンセント容量を超えたタコ足配線
よくあるタコ足配線。何が漏電につながるのか?
実はコンセントの消費電力容量は決まっていて、その容量を超えた電気が流れることで負荷がかかりショートを起こし漏電します。
ここから発火して火災に発展する可能性がありますので、注意しましょう。
雨漏り
家屋の劣化により雨漏りすることがあります。家の中には電気配線が張り巡らされているので、そこに雨が入り込んで濡れてしまうと、漏電しやすくなります。
戸建てに限らずマンションなどの集合住宅でも雨漏りが起こることもあります。
漏電の直し方!自分でできる場合とは?
それは、漏電の原因が電化製品と、配線コードである場合です。
漏電の原因が電化製品の不具合や故障やあれば、その電化製品やコードを外し使わなければいいのです。
電化製品の劣化が原因ならば買い替えですね。
出費は痛いですが…最近の電化製品は昔に比べると省エネなので、長年使用しているものであれば、買い替えによって電気料金が抑えられるかもしれません。
前向きに考えましょう!
漏電の直し方!自分でできないのはどんな場合?
自分で直せない漏電とは、壁の中の宅内配線や、雨漏りによって屋根裏などの配線、またブレーカーや分電盤の故障が原因の場合です。
この場合は自分で直すことは難しいです。修理が必要ですし、配線に関わる漏電の修理は電気工事士の資格がないと対応できないからです。
この場合は迷わず業者に依頼しましょう!費用については下記をご参考頂ければと思います。
作業 費用目安 備考 測定器による調査 4,000円~ – 設備や機器を分解 4,000円~ – 分電盤の調査 7,000円~ – 回路の漏電原因調査 10,000円~ – 天井での作業 7,000円~ – 床下での作業 7,000円~ – 壁の中の作業 20,000円~ 壁への穴あけなどを含む 壁の中に配線を引き直す
(隠蔽配線)4,000円~ – 壁に配線を固定して引き直す
(露出配線)2,000円~ – コンクリートへの穴あけ 5,000円~ 穴あけの目的によっても変動 配線の固定 5,000円~ – ブレーカーの交換・修理 20,000円~ – コンセントの交換 3,000円~ – スイッチの交換 4,000円~ スイッチの個数によって変動 照明の交換 4,000円~ – ※この費用はあくまで目安です。またこれ以外にも、漏電の調査料金やその他出張費など、さまざまな費用が追加で掛かるケースもあります
引用:生活110番
漏電するとどんな危険があるの?
漏電すると、火災、感電を引き起こす原因となります。
火災
漏電して外に流れ出た電気が発熱、ショートして発火すると近くのカーテンや可燃物に燃え移り、火災に発展してしまう危険性があります。
火災は怖いです。火は自分が考えているより、もっと早く回ります。
感電
感電は、場合によっては死に直結する怖い現象です。軽く考えてはいけません。
人間の身体には微量ですが電気が流れています。脳が神経細胞から信号電気を送ることで、私たちは体を動かすことが出来ています。
その為、人間の身体は電気を通します。
感電とは電気がはじめに接触した点から人間の身体と回路として通り、別の場所へへ流れていくことです。
人間の身体を電気が通る衝撃は恐ろしいものです。もちろん、電流の大きさによって衝撃の度合いも違います。
漏電の直し方!漏電ブレーカーで確認しよう!
漏電ブレーカーとは、漏電が起こった時にブレーカーを落として電気の流れを止め、漏電の被害を防ぐために法律によって設置義務づけられている設備です。
厚生労働省のサイトには漏電ブレーカー(漏電遮断器)の設置の義務について記載しています。
労働安全衛生規則「第2編安全基準第5章電気による感電の防止(第329条から第354条)」では、漏電もその一因である「感電災害」の防止を図るための条文が明記されており、第333条
において、「漏電による感電の危険を防止するため、当該電気機械器具が接続される電路に、当該電路の定格に適合し、感度が良好であり、かつ、確実に作動する感電防止用漏電しゃ断装置を接続しなければならない」と定められています。 漏電遮断器は、漏電により異常な電流が流れると、0.1秒以下の速さで自動的に電気を切る装置です。分電盤に取付けることにより、電気設備・器具の漏電による事故・災害を防ぐことができます。
なお、1968年(昭和43年)に社団法人日本電気協会に設置された、電気技術基準調査委員会における内線規程専門員会にて制定された「内線規程※」は、その第1編3章の「保安原則」において、漏電遮断器について、その取付け方法、選定方法、施設場所、施設方法、停電警報装置について定めています。
- ※内線規程は、法令(電気事業法、経済産業省令である電気設備技術基準)で定められていない細部の補完や、推奨的な事項が列挙されている民間規程です。
漏電しているといろいろと症状が現れますが、漏電ブレーカーではどこが漏電しているのかを確認することができます。
漏電している場合の症状とは?
漏電の多くの原因は配線や電化製品にありますが、実は漏電していても通常通りの生活ができてしまっていることも多く、なかなか気づきにくい場合があります。
漏電かもしれない症状
このような症状が現れたら漏電を疑ってみた方がよさそうです。
ブレーカーについても知ってこう!
みなさんの家にあるブレーカーはどこにありますか?
私の家には脱衣所の分電盤にあります。ブレーカーは大きく分けて3つの種類があるんです。
引用:東京電力パワーグリッド
アンペアブレーカーとは?
家の電気の契約容量が【30A~40A】くらいが普通と言われますが、アンペアブレーカーはその契約アンペア以上電気を使用した場合にブレーカーを落として制限するものです。
【30A】の契約なのに、それ以上の電気を使用できてしまったらおかしいですもんね。アンペアブレーカーを上げればすぐ復旧します。
漏電ブレーカーとは?
漏電ブレーカーとは、家の中のどこかで漏電が起こった時にブレーカーを落とし、漏電が起こっていることを知らせてくれるものです。
漏電しているのにそのまま電気を使っていると火災や感電を引き起こす可能性があるので、漏電ブレーカーが落ちてしまったら必ず対処が必要です。
安全ブレーカー(配線用遮断器)とは?
家の中で部屋ごとに設定されているブレーカーです。各箇所の1つのブレーカーの容量は【20A】です。
このブレーカーも、部屋ごとの電気容量を超えて電気を使用すると落ちます。
こちらも、ブレーカーをあげれば復旧します。
漏電ブレーカーが落ちたらどうしたらいいの?
漏電ブレーカーが落ちたら、どこかで漏電が起こっている可能性があります。
漏電の危険性を考えると怖いし、どうしよう?と慌ててしまいますが、まずは焦らないでくださいね。落ち着いて対処しましょう。
漏電がどこで起こっているのか特定する
①漏電ブレーカーと安全ブレーカーを全て「切」にしましょう。
引用:東京電力パワーグリッド
②アンペアブレーカーと漏電ブレーカーを「入」にしましょう。
③安全ブレーカーを1つずつ順番に「入」にしましょう。
引用:東京電力パワーグリッド
安全ブレーカーを順番に「入」にしていくと、どこかで漏電ブレーカーが落ちます。漏電ブレーカーが落ちたタイミングで「入」にした場所が漏電箇所です。
漏電を直そう!配線や電化製品が原因であれば、自分で対処できます
漏電している部屋の安全ブレーカーを「切」にした状態で漏電ブレーカーを「入」にすれば、漏電している部屋以外の電気は復旧しますので、安心してくださいね。
漏電していない部屋の電気は異常がないので電気を使っても問題ありません。
その上で漏電している部屋のどこが漏電しているのかを探しましょう。
電化製品が故障していないか?故障している場合は買い替えですね。
普段は手が届かない、見えない箇所のコンセントにつながっている場合は状況を確認しましょう。ホコリがたまっていないか?コンセントの差し込みが緩くなっていないか?
タコ足配線で容量以上に電気を使ったことがなかったか?思い当たることがあれば気を付けることで繰り返し漏電ブレーカーが落ちることはないと思います。
注意ポイント 漏電している部屋の電源プラグを抜く時は感電の可能性を防ぐため、必ず安全ブレーカーが「切」の状態で抜きましょう。 ただ、電化製品の電源プラグをすべて抜いたのに漏電ブレーカーを上げてもすぐ落ちてしまう場合は、家の中の配線の可能性や、漏電ブレーカーの故障の可能性があります。 その場合は自分では直そうとせず、迷わず電気工事事業者へ相談しましょう。
漏電にならないように予防対策しましょう!
漏電は改めて怖い現象です。漏電が起こる前に、自分でできる対策は日ごろからしておきましょう。
漏電ブレーカーのテストボタン
漏電ブレーカーには、【漏電を感知するかどうか】、【故障していないか】を確認するためにテストボタンがあります。
引用:Amazon.co.jp
漏電ブレーカーが「入」になっていることを確認して、テストボタンを押します。正常に動作していれば、漏電ブレーカーは落ち、電気も落ちます。
問題なければ漏電ブレーカーを「入」に戻します。
この確認は月1回テスト実施が推奨されています。本当に漏電が起こった時に動作しないことが無いように、定期点検は大事ですね。
アースをつなげる
アースは電子レンジや洗濯機、電気温水器などについていますが、私は何のためにアースをつなげるのか知りませんでした。
アース線(接地線)は配線や電気器具などが万一漏電した時に、漏れた電流を大地に逃がして、感電の危険を少なくするものです。
引用:関東電気保安協会
アースがつながっていないと、漏電した時に感電を起こし、人間の身体が電気の通り道となり激しい衝撃を受けることがあるのです。
アースがつながっていれば漏電しても電気はアース線を流れていき、感電のリスクが少なくなります。
理由がわかったら、アースはつなげよう!!と思いました。安全のためにはつなげておきましょうね。
コンセントカバーやプラグカバーをつける
使っていないコンセントの差し込み口にホコリが入らないようなカバーや、コンセントと電源コードとの間にゆるみが生じて隙間ができることでほこりがたまるのを防ぐアイテムがあります。
100均でも売っているのでお手軽に対策できますよ。
引用:Amazon.co.jp
引用:Amazon.co.jp
タコ足配線は容量を守っておけば大丈夫!
みなさんはご存知でしょうか?1箇所のコンセントには、定格消費電力の容量が決まっているんです。
消費電力はW(ワット)で表します。
消費電力は、電流値A(アンペア)×電圧V(ボルト)という計算式で決まります!
一般家庭の1箇所の電流は【15A】が目安となっています。そして一般家庭の電圧は【100V】なので計算式に当てはめると…
電流15A × 電圧100V = 消費電力1500W
つまり、1箇所のコンセントで使用できる定格容量は【1500W】です。これは、差込口の数に関わらず一箇所のコンセントの容量になっています。
電源タップは使用できる消費電力が【1500W】までのものが多いのですが、タコ足配線が全て良くないのではなく、たくさんつなげていても【1500W】の消費電力を超えない使い方をすれば大丈夫なんです。
漏電の直し方や原因を知りたい!漏電の危険性と対処法を調査!まとめ
私は昨年、戸建てに引越ししたのですが今まで漏電について危機感がありませんでした。
改めて調査すると火災や感電の危険性があり、何もせずいろんな個所を放置していたので危ない個所を確認するいい機会となりました。
戸建てに限らずマンションやアパートでも漏電は起こりますし、注意は必要です。
みなさんも安全に生活するためには気になるところがあったら確認して漏電が起こらない対策をしていきましょう!