漏電には気をつけて、とよく注意書きにありますよね。しかし漏電がどんな現象か、説明できる人は少ないです。
水に濡れると漏電する、くらいの理解度の人が多数だと思います。
そこで今回は、漏電とはそもそもどんな現象なのかを調べてきました。
漏電の原因と危険性、漏電に気づくポイントについても、併せて紹介します。実は漏電は、水以外にも原因があるんですよ。
この記事を読むだけで、漏電について詳しくなれちゃいます♪今漏電しているか分からず困っている人も、漏電について知りたい人も必見です!
漏電になる原因と漏水との違いとは
漏電とはそもそも、電気が本来通るべきルートをはずれて流れる現象をいいます。
漏水では、水道など本来通るべきルートに穴があき、水が漏れてしまう事です。
漏水と同じように、外れて流れる、つまり漏れてしまっているため漏電といいます。
では、電気の本来流れるルートとは何でしょうか。電気は電線やケーブルなど、電気を通しやすい物質の中を通り流れています。
電線やケーブルは、外に電気が漏れないようにするために、電気を通しにくい物質である「絶縁」に通常覆われています。
この「絶縁」に傷がついたり、劣化を起こしたりすると、正常な電気の通り道以外にも電気が流れ出てしまうのです。
この流れ出てしまう「漏電」になると、感電の危険性や火災のような事故を引き起こすことがあります。漏電の危険性は、後ほど詳しく解説します。
漏電の原因ってどんなことがあるの?
漏電の原因は、以下7点です。
水に濡れる
漏電と聞いて、まず思い浮かぶ原因が「水に濡れる」ことではないでしょうか。コンセントや電化製品が水に濡れてしまうことは、漏電の原因の1つです。
純水を除いた水は、電気を通しやすい性質です。そのため、水を伝って電気が正常な海路から外部へ漏れ出し、漏電します。
電化製品の劣化
長く電化製品を使用すると、本体だけでなく絶縁部分も劣化します。
電線やケーブルを絶縁で覆うことで電気が漏れ出さないようにしているため、絶縁部分が劣化すると電気が漏れ出てしまうのです。
電化製品の場合は、絶縁が劣化しても問題なく使用できるケースがあります。そのため漏電の危険性に気づかないことがあるため、気をつけましょう。
コードやプラグの破損
コードやプラグが破損すると、中の導線が剥き出しになります。その剥き出し部分が原因で、漏電してしまうケースもあります。
コードやプラグを破損してしまう行動は、以下4点が挙げられます。
・長年の使用
・コードを引っ張り、プラグを抜く
・コードを急角度で曲げる
・コードを束ねたまま使用し過熱され、コードやプラグが溶ける
タコ足配線
コンセントに電源タップを挿し、複数のプラグを電源タップに挿すことをタコ足配線といいます。
1箇所のコンセントで、複数プラグを使用できるのは便利ですよね。
しかし、接続する電化製品が増えたり、配線を無理に取り回したりすることが増え、コードが傷つきやすくなります。
またタコ足配線でつなぐことで、過剰に電気を使用してしまうことがあります。
1つのコンセントで、同時に使用できる電気の大きさは決まっています。決められたワット数以上の電気を使用すると、コードが発熱し火災になる危険性もあります。
小動物による被害
家屋の隙間に入ってくるネズミや、飼っているペットなど小動物が電気配線をかじり、傷つけることがあります。
小動物に電気コードをかじられることも、漏電の原因の1つです。
ネズミが発生しないように気をつけたり、ペットの届くところに電気コードを置かなかったり、対策をしましょう。
塩害
塩害は、水による漏電と近い原因です。「純水」が濡れても電気を通さないのは、水の中に不純物が入っていないからです。
不純物が入った水だから、電気を通します。
海水は、混じっている塩分により電気を通しやすい状態にします。
そのため電線や電化製品に海水が付着すると、漏電の原因になるのです。
家屋の劣化
屋根裏や壁の中には電気配線が張り巡らされているため、私たちは家屋で電気が使えます。
そのため家屋が劣化してくると、屋根や壁から雨水が入り込みます。雨漏りすることで、配線や器具が濡れて漏電することがあるのです。
漏電によって引き起こされる危険性は2つある
漏電で引き起こされる危険性は、以下2点です。
火災
建物内に漏電した電気が流れることで発熱し、他の可燃物に引火し火災を引き起こす恐れがあります。
漏電が原因で起こった代表的な火災に、1955年10月に新潟県庁舎第三分館の屋根裏で発生した漏電により起こった新潟大火が有名です。
他にも、日常で起こっている火災の中で、漏電が原因のものは少なくありません。雨漏りによる漏電は、保険の対象外になる可能性があり注意が必要です。
感電
電流は、高い電圧から低い電圧へと流れます。私たちは電圧0Vの大地に立っています。
漏電しているコードや機器に触れると、人の体を回路として、電圧の低い大地へと電気が流れ、感電します。
10mAまでは、触れてしまっても機器やコードから手を離せます。しかし、20mA以上は手から離せない状態になります。
感電はとても危険です。簡単な作業でも、電気工事は必ず電気工事店などプロに依頼しましょう。
これって漏電?漏電に気がつくポイント3選
これらの危険性を回避するためには、漏電に気づくことが重要です。
以下3点の状態であれば、漏電している可能性が高いです。
ブレーカーが落ちる
通常、たいていの家庭には分電盤の中に漏電ブレーカーがあります。漏電している場合、漏電ブレーカーが落ちて建物全体の電気を遮断します。
ブレーカーが落ちることで、建物内のどこかで漏電していることを知らせてくれるのです。安全ブレーカーを1つずつ上げていき、場所を特定していきます。
漏電している場所が特定できたら、安全ブレーカーを下げ、電気工事店などに連絡をしましょう。
電化製品を触ると痺れる
電化製品に触れた時、ピリピリと痺れる感じがしたら、電化製品が漏電している可能性があります。
触って痺れる時点で、既に感電している状態です。体の中に微弱な電流が流れたと考えられますが、これ以上の電流は危険です。
痛みや呼吸困難など、致命傷となるケースがあります。該当家電製品の使用をやめ、メーカーや販売店へ連絡しましょう。
雨の日に停電する
建物内で電気を使いすぎていないのに、漏電ブレーカーが落ちて停電する場合、漏電している可能性があります。
屋根や壁など家屋が経年劣化してくると、雨が入り込みます。
雨漏りすることで、配線や機器が濡れて漏電します。そのため、雨の日に停電している時は漏電している可能性があるのです。
電気代が妙に高い
漏電が起きると、電気の供給は非効率になります。そのため電気代が、通常より高くなります。
特に心当たりがないのに、電気代が数千円程度高くなったら要注意です!!
漏電とは水だけが原因じゃない!!原因から危険性まで徹底解説のまとめ
いかがでしょうか。今回は、漏電がどんな現象で、原因や危険性について解説しました。
- 漏電とは、電気が本来通るべきルートをはずれて流れる現象
- 水以外にも、破損や劣化などさまざまな理由で漏電は起こる
- 火災や感電を引き起こす恐れがあるため、漏電は危険
長年使うだけで、劣化から漏電することはびっくりでしたね。
スマホの充電コードが破損したまま使用している人は多いですが、やめた方が良さそうですね。
漏電から、火災や感電など命に関わる危険が引き起こされる恐れがあります。
もし漏電に気づいた場合、自分で解決しようとせず、電気工事店などプロに依頼しましょう。