ついに7月8日に日本テレビ系「金曜ロードショー」で細田守監督最新作【竜とそばかすの姫】が地上波初放送されますね。
待ちわびた方も多いのではないでしょうか?
また細田守監督作品の代表作といえば、もはや夏の風物詩となった【サマーウォーズ】です。
主人公の成長や、家族の絆も描かれていて私も大好きな作品です。
細田守監督が「竜とそばかすの姫は過去の作品の延長線上にある」と語っている通り、強い繋がりのある【竜とそばかすの姫】と【サマーウォーズ】
2つの作品の共通点はあるのか? 繋がりがあるのか?
一部ネタバレも含みますが、見たことがある方も、まだ見てない方もこれを知っていればより作品を楽しめる共通点やみてほしいポイントをご紹介します。
竜とそばかすの姫とサマーウォーズの繋がりは? あらすじを確認!
では簡単ですがそれぞれあらすじを確認していきましょう。
一部ネタバレを含みますのでご了承ください。
竜とそばかすの姫
引用:スタジオ地図
主人公は17歳の女子高校生・内藤鈴(すず)は、自然豊かな高知の田舎に住む17歳の女子高生。
幼いころに母を水難事故で亡くし、父と二人暮らしです。
母と一緒に歌うことが大好きだったすずは、母の死をきっかけに歌うことができなくなっています。
ある日親友に誘われ、全世界50憶人以上が集まるインターネット上の仮想世界<U(ユー)>に参加します。
仮想世界では「As(アズ)」と呼ばれる自分の分身を作ることができ、まったく別の人生を歩むことができます。
現実世界では歌えないすずでしたが、「ベル」と名付けた自分の分身の姿では自然と歌うことができたのです。
そしてベルの歌声はあっという間に話題になり、世界中の人気者になっていきます。
数億人規模のベルの初コンサートが開催される日、ベルが歌う会場に「竜」と呼ばれる謎のAsが乱入します。
仮想世界<U(ユー)>を守る自警団と名乗る組織「ジャスティス」との激しい戦いによって、コンサートは滅茶苦茶に。
竜の秘密を知りたいと思うベル。竜もまたベルの歌声に少しずつ心を開いていきます。
やがて世界中で竜は誰なのか? 犯人探しが始まります。
「ジャスティス」たちは竜を執拗に追いかけ始め、仮想世界と現実世界の両方で誹謗中傷があふれ、竜を2つの世界から排除しようという動きが加速します。
ベルは竜を心から救いたいと願い、大きく物語は展開していきます。
サマーウォーズ
引用:スタジオ地図
高校生の健二は、数学オリンピックの日本代表に選出されるほど数学が得意です。
ある日学校一の美少女、先輩の夏希にアルバイトとして彼氏役を頼まれます。
長野県上田で、夏希のひいおばあちゃんは壮大な屋敷で当主をしています。
一族総出でひいおばあちゃんの誕生日会をお祝いする中に招かれた健二。
そんな中、健二の携帯電話に1通のメールが届きます。開いてみると謎の暗号。
健二は数学の問題だと勘違いし問題を解いてしまいます。
しかし健二が解いた暗号は、仮想空間<OZ(オズ)>を守っているセキュリティーコードだったのです!
絶対に安全だと言われていた仮想空間<OZ>のセキュリティーが一晩にして解かれ、交通機関は麻痺。世界が大混乱におちいります。
原因は自分だとパニックになる健二ですが、メールを送り付けたのは巨大な人工知能「ラブマシーン」だということが判明します。
「ラブマシーン」に乗っ取られた仮想空間<OZ>での混乱が、現実の世界にも次々と影響を及ぼします。
被害を食い止めようと仮想空間<OZ>で、現実世界で大家族総出で「ラブマシーン」を倒そうと奮闘していきます。
竜とそばかすの姫とサマーウォーズの繋がりは? 共通点に注目!
では、竜とそばかすの姫とサマーウォーズの繋がりはあるのか? 共通点についてご紹介します。
主人公は高校生
竜とそばかすの姫とサマーウォーズは高校生が主人公です。
共にに悩みを抱えた主人公が仮想空間と現実世界で成長していきます。
竜とそばかすの姫の主人公すずこと内藤鈴は内気で自分に自信がない17歳の高校生です。他の登場人物も同級生という設定です。
サマーウォーズの主人公健二も17歳、高校2年生。先輩の夏希は高校3年生です。
自分と他人を比べて落ち込んだり、高校生ならではの恋の悩みや葛藤。なぜか懐かしく自分の高校生だったころを思い出すんですよね。
竜とそばかすの姫とサマーウォーズともにその揺れ動く心の描写がとても伝わります。
舞台はインターネットの仮想世界・仮想空間
竜とそばかすの姫では仮想世界<U(ユー)>サマーウォーズでは仮想空間<OZ(オズ)>というインターネットの世界が舞台です。
仮想空間なのですが、コンセプトが少し異なります。
【竜とそばかすの姫 <U(ユー)>】
- 50億人以上が集うインターネット上の仮想世界
- ボディシェアリング機能でその人の隠された能力を引き出す
- <U(ユー)>で活動するアバターを<As(アズ)>という
- <As>を2つ所有できない
【サマーウォーズ <OZ(オズ)>】
- 10億人以上が集うインターネット上の仮想空間
- インターネット・携帯・TVなどから簡単にアクセスできる
- 自分の分身となるキャラ<アバター>を設定
- 現実世界と変わらない生活をネット上で送ることができる
- <アバター>イコール個人情報。世界一高度なセキュリティで守られている
まず、竜とそばかすの姫では、耳にワイヤレスイヤホンのようなものを使用しボディシェアリングを行います。
現実世界の自分の秘められた力を引き出した姿が<As>の姿になります。
すずもボディシェアリング機能で秘められた歌の力を引き出し、ベルというアバターになったんですね。
一方サマーウォーズは見た目を思うままに着せ替えできます。
誰でもインターネットなどから簡単にアクセスできる点も違いますね。
現実世界と密接につながっており、職業も現実世界と同じです。例えば、水道局員なら現実世界の水道管理をOZから行えます。
なので<OZ>を乗っ取られてしまうと現実世界でもさまざまな支障おこったんですね。
同じ仮想世界・仮想空間なのに設定が違うのがおもしろいですね!
その違いに注目しながら竜とそばかすの姫やサマーウォーズを見てもおもしろいと思います。
個人的にはサマーウォーズの<OZ>がベースにあり、竜とそばかすの姫の<U>が広がったのでは? なんて考えています。
観た人それぞれの考察があふれてくるのもおもしろいですね。
細田守監督作品ではおなじみのクジラ
細田守監督作品にはクジラが登場するんです。
ちょこっとだけしか登場しないものから、物語の核になっていたりさまざまです。
わかっているものを公開順に並べてみました。
時をかける少女 | 最初のタイムリープのシーン |
サマーウォーズ | 仮想世界<OZ>の守り神 |
おおかみこどもの雨と雪 | 「ともだちは海のにおい」という絵本 |
バケモノの子 | 渋谷の街に巨大なクジラが現れる |
未来のミライ | くんちゃんがいたずらでミライちゃんの顔に置くおかしがクジラ型 |
竜とそばかすの姫 | ベルのステージが巨大なクジラ |
竜とそばかすの姫・サマーウォーズともに仮想世界の象徴的な存在として登場します。
サマーウォーズには2頭のクジラが守り神として登場します。
ちなみに名前は「ジョン」と「ヨーコ」という名前です。ジョンとヨーコと言えば、ジョン・レノンとオノ・ヨーコですよね!
細田守監督は竜とそばかすの姫になぜクジラを登場させたのかというと、
竜とそばかすの姫の舞台が高知で、高知沖でクジラが見えること、高知の日本酒で「酔鯨」という銘柄があるからだ、とインタビューに答えていました。
たくさん舞台になる高知についてリサーチされているなぁと感心しました。
謎の正体を探っていく
竜とそばかすの姫では横暴に振る舞う「竜」、サマーウォーズでは健二のふりをする「偽ケンジ」が登場します。
それぞれその正体を探ることでストーリーが展開していきます。
サマーウォーズでは一族で結束して「偽ケンジ」ことラブマシーンに挑んでいきますが、竜とそばかすの姫では「竜」にベルが惹かれ、救うとうストーリーです。
同じ謎の正体を探っていくところは同じですが、展開としては全く違いますね。
家族の絆がテーマ
竜とそばかすの姫では幼いころに母を亡くし、父親とうまくいかないすずが成長していく姿が描かれています。
また、「竜」の家族の問題も描かれていますね。
サマーウォーズでは夏希の親戚の大家族に健二も加わり、大家族の絆が物語のカギとなります。
「家族」はこの2作品に限らず細田守監督にとって大きなテーマとなっています。
知れば竜とそばかすの姫はもっとおもしろい!
引用:仁淀ブルートリップガイド
ここからは竜とそばかすの姫の見てほしいポイントをご紹介します。
サマーウォーズのポイントもあわせてお伝えしますね。
ベルをデザインしたのはアナと雪の女王を手がけた人
竜とそばかすの姫ですずのアバターとして登場する「ベル」
そのキャラクターデザインを担当したのはジン・キムという方です。
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオで、「アナと雪の女王」「塔の上のラプンツェル」「ベイマックス」など数多くのデザインを手がけています。
細田守監督とジン・キムはお互いの作品をリスペクトしあっており、「ベル」のデザイン制作にあたり細田守監督からオファーしたそうです。
ちょっとアナと雪の女王の「アナ」に似てますよね?
すずちゃんのそばかすがフェイスペイントのように描かれていて、歌姫にぴったりの「ベル」になりました。
すずを演じる中村佳穂の歌声のすばらしさ
サマーウォーズにはなく、竜とそばかすの姫にあるのは主人公が劇中で歌うシーンですよね。
印象的なのがすず・ベルの歌声です。歌っているのは主人公すず・ベルを演じた中村佳穂さん。
竜とそばかすの姫で中村佳穂さんの歌声を初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。
中村佳穂さんはすでに音楽業界ではとても有名で、細田守監督も中村佳穂さんの歌声を絶賛しています。
中村さんの歌はやっぱり特別。世の中に歌がうまい人、表現力を持った人はたくさんいると思うが、中村さんが特別なのは、歌を大事にしていて、歌からも愛されているということ。
歌との距離が近い。そういった意味で唯一な人。
引用 読売新聞オンライン
監督が数年前に中村佳穂さんを一目見ようと奈良のライブ会場まで足を運び、その歌唱力に圧倒させられたそうです。
今回竜とそばかすの姫のオーディションへの参加を細田守監督が強く望み、声優初挑戦ながらも主人公の役に抜擢されました。
中村佳穂さんの音楽を聴くと、胸の奥でなにか言葉にできないものを感じます。
竜とそばかすの姫で現実世界のすずが歌えない時の歌声と、ベルとして世界を魅了していく歌声がとても心に響きます。
竜とそばかすの姫の中で歌唱シーンがたくさん出てくるのでそこも注目してほしいです。
豪華な吹き替えキャスト
竜とそばかすの姫・サマーウォーズともに豪華な吹き替えキャストに注目してください。
専門の声優のキャスティングが少なく、賛否両論あるようですが、俳優さんならではの演技力。演技に現実味がありリアルな印象をうけました。
【竜とそばかすの姫 キャスト】
すず・ベル:中村佳穂
竜:佐藤健
久武忍(しのぶくん):成田凌
千頭慎次郎(カミシン):染谷将太
渡辺瑠果(ルカちゃん):玉城ティナ
別役弘香(ヒロちゃん):幾田りら
吉谷さん:森山良子
喜多さん:清水ミチコ
奥本さん:坂本冬美
中井さん:岩崎良美
畑中さん:中尾幸世
すずの父親:役所広司
【サマーウォーズ キャスト】
小磯健二:神木隆之介
篠原夏希:桜庭ななみ
池沢佳主馬:谷村美月
陳内栄:富司純子
陳内万助:永井一郎
陳内頼彦:田中要次
陳内由美:仲里依紗
池沢佳主馬の父:羽鳥慎一
竜とそばかすの姫では竜の声を佐藤健さんが演じることで話題を呼びましたね。
すずの親友のヒロちゃんをYOASOBIのボーカルikuraこと幾田りらさんが演じています。
すずを後押しする重要な合唱隊のメンバーに森山良子さんや清水ミチコさんまで!
劇中のナレーションに水卜麻美アナや、コンサートのアナウンスに桝太一さんも出演しています。
サマーウォーズでは主人公を神木隆之介さんが演じています。
キングカズマをアバターに持つ池沢佳主馬に朝ドラのヒロインも務めた谷村美月さん。
知らなかったのが陳内由美を仲里依紗さんが演じていることです。
細田守監督作品の「時をかえる少女」ではヒロインの高校生を演じていましたが、サマーウォーズでは38歳のお母さん役です。幅広く演じることができ驚かされます。
ぜひあなたの目で、耳で確かめてください。
竜とそばかすの姫は高知が舞台! リアルな描写
竜とそばかすの姫では高知が舞台となっています。
地元が高知の私としては、本当にリアルな描写に驚かされました。
どこを見ても懐かしく、そこにすずやしのぶくんがいるようなんですよね。
細田守監督は竜とそばかすの姫の舞台を決める際に、様々な場所へ行かれたそうです。
それは、インターネットの世界の中心にいる歌姫が、実は【世界の果て】のような場所にいる少女だったという対比を描きたかったそうです。
日本における【世界の果て】を探していたときに巡り着いたのが仁淀川です。
仁淀ブルーは最近知られるようになり、見たことがある人も多いと思いますが、その澄んだ水と、青さがとてもリアルに描かれています。
浅尾沈下橋は通学路として利用する橋として登場しますが、流れる空気までとらえているかのようでした。
浅尾沈下橋は高知県高岡郡越知町にありますが、竜とそばかすの姫で「訪れてみたい聖地88」2022年版にて聖地認定されたそうです。
今もたくさんの竜とそばかすの姫ファンが訪れています。
こちらの記事も参照してみてくださいね。
そしてサマーウォーズは長野県上田市が舞台です。
緑いっぱいのシーンは自然の素晴らしさが描かれており、ひいおばあちゃんの古い日本家屋など印象深いです。
サマーウォーズを手がけた美術監督の武重洋二さんは「千と千尋の神隠し」などジブリ作品でも美術監督をつとめており、その実力をサマーウォーズでもみることができます。
竜とそばかすの姫とサマーウォーズの繋がりは?共通点を探る! まとめ
- 主人公は高校生
- 舞台はインターネットの仮想世界・仮想空間
- 細田守監督作品ではおなじみクジラが登場
- 謎の正体を探っていく
- 家族の絆がテーマ
- 竜とそばかすの姫・サマーウォーズはキャスト・劇中歌・ロケ地に注目!
たくさんお伝えしてきましたが、やはり1度は観てほしいです!
すでに観た方も竜とそばかすの姫とサマーウォーズの繋がりを確認しながらもう一度観るとまた違った発見が出てくると思います。
近年メタバーズが話題になっています。
そう遠くない未来に私たちも竜とそばかすの姫のような仮想世界を行き来するようになるかもしれませんね。