沖縄に行くと自動販売機やコンビニでよく見かけるさんぴん茶。
皆さんは、さんぴん茶とジャスミン茶の違いを知っていますか?
「さんぴん茶とジャスミン茶は同じものじゃないの?」と思った方がいらっしゃると思います。
わかります。私も、さんぴん茶とジャスミン茶は全く同じものだと思っていました。
以前、沖縄でさんぴん茶を飲んだ時にジャスミン茶と似ていたため、沖縄ではジャスミン茶の事をさんぴん茶というものだと思っていました。
結論から言うと、さんぴん茶とジャスミン茶は基本的には同じお茶です。
ですがベースとなる茶葉が異なるため、味や香りに違いがあります。
さんぴん茶とジャスミン茶の違いについて詳しくまとめました。
さんぴん茶とジャスミン茶の違いは?大きな違いは〇〇!?
違いについて説明する前に、さんぴん茶とジャスミン茶について簡単にまとめました。
【さんぴん茶とは】
沖縄で有名なお茶。
風味や香りがいいため沖縄料理にあう。
【ジャスミン茶とは】
中国茶として有名なお茶。
爽やかな香りがするため、中華料理やお菓子にあう。
さんぴん茶とジャスミン茶の大きな違いはベースに使われているお茶の種類です。
まず、さんぴん茶とジャスミン茶はベースとなる茶葉に茉莉花(マツリカ)の花の香りを移したお茶であり、花茶の一種です。
ちなみに茉莉花とはアラビアジャスミンのことです。香りが強いため、香りを吸着しやすい茶葉と合わせてつくるフレーバーティーに最適な花です。
つまり、さんぴん茶とジャスミン茶はどちらもジャスミンのフレーバーティーです。
<ジャスミンのいい香り!茶葉に花が入っている理由とは?>
インターネットなどで茶葉を探していると、花が入ったものを時々見かけませんか?
これは、ジャスミンの香りを移すためです。
先ほど説明した通り、「ジャスミンの花茶だから当然でしょ?」と思った方もいらっしゃるかと思います。
しかし、これはある工夫がされているからなんです。
まず作り方からお話します。ジャスミン茶やさんぴん茶は、茶葉にジャスミンの花の香りを移すという工程を繰り返してできます。
高級なものは時間をかけてこの工程を何度も繰り返して作られます。ジャスミンの花はその都度取り除かれるため茶葉に入っていることはありません。
しかしお手頃な価格のジャスミン茶は、この工程を短縮するために茶葉と花を一緒に入れてパッケージされます。そうすることで、コストを抑えた花入りのジャスミン茶として販売されています。
運ばれる間も香りが移るように工夫されているんですね。
では、さんぴん茶とジャスミン茶に使われているお茶について、それそれ説明していきます。
さんぴん茶は烏龍茶ベース
さんぴん茶に使用されている茶葉は、主に烏龍茶をベースとして作られています。
沖縄県の家庭では、さんぴん茶がよく飲まれていることで有名です。
沖縄でお茶と言えばさんぴん茶といわれるほどポピュラーで、黒糖やサーターアンダギーとともに振る舞われます。
しかし沖縄県内では作られておらず、主に中国の福建省や台湾などからの輸入がほとんどだそうです。
15世紀から19世紀に沖縄で栄えた琉球王朝は、中国との交流も盛んに行われていました。さんぴん茶もその時代に沖縄に伝わってきたと言われています。
さんぴん茶のさんぴんという響きは日本語ではあまり聞き慣れませんよね。これは中国語で「ジャスミン茶」を指す言葉の「香片茶(シャンピェンチャ)」が由来と言われています。
ジャスミン茶は緑茶ベース
ジャスミン茶に使用されている茶葉は、主に緑茶をベースとして作られています。
ですが緑茶の他にも、茶葉の発酵度合いの違う白茶や烏龍茶などが使われる場合もあります。
生産地は中国の福建省が有名です。昔、中国で茶葉が取れない地域に茶葉を運んでいました。しかし運搬中に品質が落ちてしまい、なんとかして売れないかと考えたそうです。
そのときに花の香りをつけて販売したのが、ジャスミン茶の始まりだそう。
昔から花茶は何種類か存在していたそうですが、やがてジャスミン茶がこのほとんどを占めるようになりました。
現在でも中国で最も飲まれている花茶はジャスミン茶です。
さんぴん茶とジャスミン茶の違いは?味と香りはどう違うの?
さんぴん茶とジャスミン茶は似ていると言われますが、実は味や香りの強さが違います。
さんぴん茶よりもジャスミン茶の方が香りが強いです。
その理由は作り方にあります。さんぴん茶は茶葉をある程度発酵させて加熱する半発酵茶ですが、ジャスミン茶は発酵させずに加熱するためです。
茶葉を発酵させない方が、香りが強くなるんですね。
そして、この作り方の違いによって味や香りが変わります。さんぴん茶とジャスミン茶の味や香り、色の違いについてもまとめました。
さんぴん茶はすっきりとした味と香り
さんぴん茶はほんのり甘くてジャスミンの香りが広がり、渋みも少なくすっきりとした味わいです。
ベースになる烏龍茶は半発酵茶で、じっくりと発酵させるます。そのため味も香りもまろやかになり、料理やスイーツと一緒に楽しんでもお互いの味を邪魔しません。
さまざまなメーカーから商品化されており、中国のものよりも味を薄めにするなどして、より日本人の口に合うよう改良されています。
沖縄では家庭でも日常的に飲まれており、沖縄料理との相性もぴったりです。沖縄を代表するお茶としてコンビニやお土産店に数多くの種類が並びます。
色は茶葉やメーカーによっても違いますが、烏龍茶の色を薄くした茶色から黄金色のような色です。
ジャスミン茶は芳醇な味と香り
ジャスミン茶は、さんぴん茶よりも香りが強く、上品でさわやかな味わいです。
ベースになる緑茶は不発酵茶で、熱を加えて発酵をさせないようにするため茶葉の色も葉の緑そのものです。そのため、さわやかでフレッシュな味と香りになります。
中華料理店ではよくジャスミン茶が出されますが、濃い味の料理にも負けないさわやかで芳醇な味と香りがマッチするからだそうです。
色はこちらも茶葉やメーカーにもよりますが、緑茶の緑を薄くしたような黄金色に近い色です。
クレオパトラも愛飲していた!?さんぴん茶やジャスミン茶の嬉しい効能について!
さんぴん茶やジャスミン茶には美肌効果やホルモンバランスを整えるなど、嬉しい効果がたくさんあります。
美肌効果
ビタミンCやビタミンE、ミネラルが豊富に含まれており、美肌に効果があるといわれています。
また、肌の酸化も防いでくれるのでアンチエイジング効果も期待できるそうです。
ビタミンCは美肌効果が期待できるとされており、ビタミンEはアンチエイジングの効果が高いとされています。
そのため、あの有名なクレオパトラも愛飲していたと言われています。
リラックス効果
ジャスミンの花にはベンデルアセテート(酢酸ベンジル)という成分がたくさん含まれています。
この成分には、右脳の働きを刺激することで乱れた自律神経を整える働きがあるとされています。
高ぶってストレス状態にある自律神経を落ち着かせ、アロマの作用と共にリラックス効果が得られます。
自律神経を整えてくれるため、飲み続けることで抗うつ効果も期待できます。
他にも、ジャスミンの香りは集中力を高める働きがあります。
なんだかやる気が出ない日や、集中力が続かないと感じる時に良いですね。
自律神経だけでなく、女性ホルモンのバランスを整える働きもあります。
そのため女性ホルモンのバランスが崩れることから起こる、更年期障害に悩まされている女性におすすめのお茶です。生理痛やPMSなどの女性特有の不調にも有効です。
口臭予防や風邪予防
人に会う時に1番気になるのが口臭です。自分では気づきにくいため、日常的にケアできるのであれば嬉しいですよね。
茶葉に含まれるカテキンには抗菌・消臭作用があり、口臭の原因となる菌を殺菌し口臭を予防します。
普段飲むお茶をかえるだで口臭予防ができるなら、気軽にできて良いですね。
カテキンには強い抗酸化作用があるため、体に良いことはよく知られていますよね。風邪のウイルスにも抗菌作用が働くため、こまめに飲むことで風邪予防にも良いとされています。
消化促進
ポリフェノールの一種のタンニンが含まれておれり、胃腸の働きを助けるため消化促進に効果的です。
脂肪の吸収抑制や脂肪を燃焼する効果も期待できるので、ダイエットにも向いていると言えます。
ちなみに、さんぴん茶に使用されている烏龍茶にはウーロン茶ポリフェノールという成分が含まれています。
この成分は体内でエネルギーを燃やす働きがあるだけでなく、成人病などの原因となるコレステロールの急激な上昇も抑える働きもあります。
特に食事と一緒に飲むと、その効果が高まるとさえれています。沖縄料理店でさんぴん茶が出されるのは、理にかなっているんですね。
要注意!?さんぴん茶やジャスミン茶を飲むときに気を付けること!
リラックス効果や風邪予防と聞くと、たくさん飲みたくなりますよね。
しかし、さんぴん茶やジャスミン茶にはカフェインが含まれるため飲みすぎや飲む時間帯に注意が必要です。
カフェインは飲みすぎると健康に被害が及ぶと言われています。
一般的に烏龍茶と緑茶100mlあたりのカフェイン量は20ml程度であり、さんぴん茶とジャスミン茶はそれよりも低いと言われています。
<飲み物100mlあたりに含まれるカフェイン量>
- ハーブティー 0mg
- 玄米茶 10mg
- さんぴん茶 15mg
- ジャスミン茶 20mg
- 烏龍茶 20mg
- ほうじ茶 20mg
- 煎茶 20mg
- 紅茶 30mg
- レッドブル 30mg
- コーヒー 60mg
- 玉露 160mg
- エスプレッソ 212mg
紅茶やコーヒーと比べると、さんぴん茶やジャスミン茶はカフェインが少ないことが分かりますね。
一日に飲む量に気を付ければそれほど気にする量ではありませんが、小さいお子さんや妊婦さんが飲む際はカフェイン量に気を付ける必要があります。
また、カフェインには脳を覚醒させる働きがあるとされていますので、寝る前に飲んでしまうと気分が高まって眠れなくなってしまう恐れがあります。
カフェインは体内に取り込むと、約30分で脳に到達するといわれています。個人差はありますが、カフェインの作用は4時間ほどといわれています。
コーヒーを飲むと眠れなくなるという症状がある方は、飲む時間に注意が必要です。
最近ではカフェインレスタイプもありますので、気になる場合は探してみてください。
さんぴん茶やジャスミン茶には、カフェインの他にタンニンという成分が含まれています。
タンニンは貧血に必要な鉄分を吸収しにくいため、貧血症状のある時にも控えておいた方が良さそうですね。
さんぴん茶とジャスミン茶の違いは?似てるけど何が違うの? まとめ
- さんぴん茶とジャスミン茶は基本的に同じ飲み物
- さんぴん茶は烏龍茶ベース、ジャスミン茶は緑茶ベース
- さんぴん茶やジャスミン茶には美肌効果やダイエット効果など、うれしい効果がたくさんある
- さんぴん茶やジャスミン茶にはカフェインが含まれているため、飲む量や時間帯に注意が必要
さんぴん茶とジャスミン茶は同じだと思っていましたが、味や香りなど、違うところがたくさんあるんですね!
スーパーマーケットやインターネットなどで気軽に茶葉が手に入るので、急須で淹れて飲んでみるのもいいですね。