「しらす干し」や「ちりめんじゃこ」という名前で売られることもある「しらす」。
カルシウムはもちろん、タンパク質やマグネシウム、ビタミンDも豊富に含まれています。
離乳食の材料として、初期から使えるので、赤ちゃんにも積極的に食べてほしい食材のひとつです。
でも気になるのはその塩分。小さい赤ちゃんの身体への影響はないのか…心配ですよね。
食べる分量ずつ、毎回塩抜きした方がよいのはわかっていても、ちょっと手間がかかります。
いつから大人と同じ調理方法で食べられるのか、いつまで続けたらよいのか気になりますよね。
離乳食にしらすを使う時の簡単な塩抜き方法や、いつまで塩抜きが必要なのか、そして保存方法などを詳しく調べてみました。
しらすの塩抜きはいつまで必要?その時期
さて!しらすの塩抜きが必要なのはいつまでかですが、答えは「離乳食完了まで」です。
ここでは
- 「離乳食完了」はいつまで?
- しらすの塩抜きが必要な理由
- 塩抜きなしで食べられるのは何歳から?
についてお話していきますね。
離乳食完了はいつまで?
離乳食の時期について、正確にいつまでなのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。
一般的には、生後半年から1歳6か月ごろまでに離乳食が終わる赤ちゃんが多いです。つまり、1歳6か月ごろまでは塩抜きが必要という事ですね。
始める時期がずれると赤ちゃんに負担がかかったり、成長が遅れたりするため、早すぎても遅すぎてもよくないとされています。
しらすの塩抜きが必要な理由
しらすは製造過程で塩ゆでされており、基本的に塩分含有量が多い食品です。塩分が多いと、赤ちゃんの未熟な腎臓に負担がかかります。
ちなみに、離乳食を作る時の目安として、
生後5~8ヶ月の離乳食初期は、一食あたりの塩分量は0.1gまで、生後9~11ヶ月の離乳食後期だと0.1~0.3gまでとされています。
2本指でつまんだ量が0.5g位なので、赤ちゃんの離乳食には、塩分はほぼ必要ないと思っていただいて問題ありません。
また、離乳食の目的のひとつは、赤ちゃんの味覚を育てることです。そのため、まず素材そのものの味を覚えさせる必要があります。
おっぱいやミルクの味しか知らない赤ちゃんに、少しずつ甘味や旨み、酸味、塩味、苦味など様々な味覚を経験させる必要があるんです。
素材の味を覚える為にも、初期は米や野菜などをやわらかくしてつぶしたものから与えていきます。実は大人同様、赤ちゃんも濃い味の方を好みます。
濃い味が習慣になり、薄味を受け付けにくくなることを防ぐために、塩抜きが推奨されているんですね。
塩抜きなしで食べられるのは何歳から?
それでは、塩抜きなしでしらすを食べられるようになるのはいつからでしょう。
答えは、離乳食完了後。つまり1歳6ヶ月ごろからです。ちなみに生しらすに関しては2歳6ヶ月以降となります。
同じしらすなのに、なぜ生しらすだけ食べ始める時期が違うの?と不思議に思われるかもしれません。
理由は、赤ちゃんの身体は、まだ生のたんぱく質を消化しきれないからです。
赤ちゃんの免疫力や消化吸収能力が上がる2歳6ヶ月ごろまでは、生しらすはさけましょう。
しらすの塩抜き方法と保存方法は?冷凍でOK!
赤ちゃんが食べる量はほんの少しなのに、下ゆでしたり、小さく刻んだり、つぶしたり…何かと手間がかかるのが離乳食作り。
毎日毎食、いちから作っていくのは本当に大変。
とは言えできるだけ既製品ではなく、手作りのものを食べさせてあげたいのも親心ですよね。
大丈夫ですよ!安心してください。塩抜きしたしらすは、冷凍保存ができるんです!!
それではまず、しらすの塩抜き方法からご紹介します。
お鍋を使う方法
①お鍋に水入れて沸騰させます。
②しらすをざるや味噌漉し等に入れて、そのままお鍋に入れます。
③2~3分ゆでたあと、水をきって出来上がりです。
※しらすは小さいので、そのまま入れるよりもざる等にいれてゆでた方が水切りが簡単にできます。
電子レンジを使う方法
①小さめの耐熱容器にしらすを入れます。
②しらすがかくれる位の分量の水を入れてください。
③ラップでふたをして、電子レンジで加熱します。
④水をきって出来上がりです。
※時間の目安は、小さじ1杯位のしらすで約1分です。
お皿を使う方法
①お皿に熱湯をはって、しらすを入れます。
②2~3分たったらお湯を捨てて出来上がりです。
使う分量が少ない時は、レンジやお皿を使う方法が手軽です。ぜひお試しくださいね。
さて次は塩抜きした、しらすの保存方法をご紹介します。
ラップを使う方法
しらすを棒状にラップでくるみ、そのまま冷凍庫にいれて保存します。
使うときは、使いたい分だけラップをはずして包丁で切るか、おろし金ですりおろすと食べやすいです。
製氷皿を使う方法
製氷皿に小さじ1杯くらいずつ、小分けにして入れます。
上からぎゅっと押してから冷凍庫に入れます。(凍ったときにばらけず、キューブ状に固めるためです)
使う時は、使いたい個数だけを取り出してください。
※離乳食初期は、先にすり潰すか裏ごしをしてから、製氷皿で冷凍すると便利ですよ。
冷凍保存したしらすは、だいたい2~3日を目安に使い切るようにしてくださいね。
しらすを使ったカンタン離乳食レシピのご紹介
赤ちゃんの成長のあかしでもある離乳食。しらすは、離乳食の初期から完了期まで使えるたんぱく源です。
うまみを生かしてほかの野菜といっしょに煮たり、おかゆやスープの味付け代わりにしたりできます。
なお、離乳食に使うしらすは、塩分が控えめな釜揚げしらすがおすすめです。
乾燥しているちりめんじゃこは塩分が多い上に固いので、離乳食には向きません。もし使いたい場合は、離乳後期以降ならばちりめんじゃこでも問題ありません。
ただし、その場合はしっかり茹でて、強めに塩抜きして柔らかくした上で使うようにしてくださいね。
※ゆで汁は離乳食には使わないでください。
ここでは、どんな風に調理すれば良いのかをご紹介します。実際に私も食べていたレシピたちです♪
離乳食初期(生後5~6ヶ月ごろ)
【しらすのすりながし】
材料(1食分)
・塩抜きしたしらす(小さじ1杯)
・湯冷まし(適量)
作り方
①塩抜きしたしらすをすり鉢に入れて、湯冷ましを少しずつ加えます。
②ペースト状になったら、器に盛りつけて完成です。
液体に近いポタージュの状態から始めて、徐々にヨーグルトくらいのなめらかさを目安に調整してください。
離乳食中期(生後7~8ヶ月ごろ)
【しらすとお豆腐の煮物】
材料
・絹ごし豆腐(30g)
・塩抜きしたしらす(小さじ1/2)
・水(大さじ2)
作り方
①絹豆腐を5mm角にカットします。
②塩抜きして小さく刻んだしらすを合わせてひと煮立ちさせたら完成です。
固さの目安は、大人の指でつぶせる程度の固さです。
離乳食後期(生後9~11ヶ月ごろ)
【しらすと青のりのオムレツ(2~3食分)】
材料
・卵(1個)
・しらす(大さじ1)
・青のり(適量)
・水+出汁(大さじ1/2)
作り方
①塩抜きしたしらすを小さく刻みます。
②卵と刻んだしらす、青のり、出汁をボウルに入れてよく混ぜます。
③油を引いたフライパンに入れて、よく焼きます。
④ひと口大に切り分けて、器に盛り付けたら完成です。
固さの目安は、バナナくらいの固さです。そろそろ歯ごたえのあるものを噛んで食べる時期で、歯ぐきを使ってカミカミの練習をします。
やわらかすぎても固すぎても、丸飲みの原因になるので注意してくださいね。
離乳食完了期(生後12~18ヶ月ごろ)
【しらすのお好み焼き(4食分)】
材料
・豚肉(25g)
・卵(1/2個)
・塩抜きしたしらす(小さじ1)
・キャベツ(30g)
・ほうれん草(10g)
・コーン缶(10g)
・小麦粉(大さじ4)
・しょうゆ(数滴)
・水(50ml)
・サラダ油(小さじ1)
作り方
①豚肉を1cmくらいに刻みます。
②キャベツ、ほうれん草、コーンは粗みじんに刻みます。
③ボウルに卵と水、しょうゆを入れて混ぜます。
④混ざったら、さらに小麦粉を加えましょう。
⑤そこに塩抜きしたしらすや、サラダ油以外の材料をすべて合わせてください。
⑥フライパンにサラダ油を入れて引いて熱したら、生地を流し込みます。
⑦中火で両面をじっくり焼いてください。
⑧粗熱がとれたらスティック状に切り分けます。
※余った分は密閉袋に入れて冷凍保存できますよ。
固さの目安は、柔らかい肉団子くらいの固さです。手づかみ食べがしやすい調理をしてあげると良いと言われています。
しらすの塩抜きはいつまで必要?湯通しのやり方や保存方法を解説!のまとめ
- しらすの塩抜きが必要な時期は、生後半年~1歳6ヶ月まで。
- しらすは製造過程で塩ゆでされているため、基本的に塩分含有量が多い食品。
- 塩抜きをしないと、赤ちゃんの身体に負担がかかる。
- 赤ちゃんに素材の味を経験させて、味覚を育てるためにも、塩抜きが必要。
- 離乳食が完了する、1歳6ヶ月後くらいから、そのまましらすを食べられる様になる。
- しらすの塩抜きには、お鍋でゆでるほかに、電子レンジやお皿を使った方法もある。
- 少量だけを塩抜きしたい場合は、電子レンジやお皿での塩抜きが便利。
- 塩抜きしたしらすは、冷凍保存できる。ただし、2~3日で使い切ること。
- 冷凍保存する時は、棒状にまとめてラップでくるむほか、製氷皿で少量ずつ小分けにする方法もある。
- 離乳食初期(生後5ヶ月~6ヶ月)の固さは液状に近いポタージュから、徐々にヨーグルト位の固さが目安。
- 離乳食中期(生後7ヶ月~8ヶ月)の固さは、大人の指でつぶせる程度の固さが目安。
- 離乳食後期(生後9ヶ月~11ヶ月)の固さは、バナナくらいの固さが目安。歯ぐきで噛む「カミカミ期」
- 離乳食完了期(生後12ヶ月~18ヶ月)の固さは、柔らかい肉団子くらいの固さが目安。手づかみ食べがしやすい調理をしてあげると良い。
離乳食に使う時のしらすについて、塩抜きが必要な時期と理由、その方法、保存についてお話させていただきました。
離乳食は、あくまでも赤ちゃんの成長過程のひとつです。あまり気負わずに、のんびりと進めましょう。
赤ちゃんがご家族と一緒に、おいしく、楽しく食事をすることが一番大切です。
おっぱいやミルク以外の食材から栄養分をとること、大人と同じ食生活のリズムをつけることが目的です。
ぜひ赤ちゃんと一緒に楽しみながら、成長を見守ってあげてください。
子育ての忙しさなどで、万が一、塩抜きを忘れてそのまま赤ちゃんに食べさせてしまったとしても、過度に心配する必要はありません。
でも、普段と違う様子が見られた場合は、すぐに病院に相談してくださいね。