みなさんは知っていましたか?野生動物が原因での死亡事故は、実は熊やヘビよりも蜂によるものが最も多いんです。
驚きなのが、怖いのは蜂の毒そのものではなく刺されることによる重度のアレルギー反応、アナフィラキシーショックを引き起こすことが原因でした。特に危険なのがスズメバチです!
近年、事故件数は減少傾向にありますが毎年スズメバチに刺されて亡くなる事故は起こっています。
1度でもスズメバチに刺されたら2回目以降は危険!死亡率が高くなる?とよく言われていますが、1回目でも2回目でも死亡する可能性はあるんです。
なぜスズメバチに刺されたら2回目以降は死亡率が高いと考えられているのか、スズメバチに刺されたらどうなるのか調べてみました。
スズメバチに刺されたら2回目は死亡率が高くなるって本当?
結論からお伝えすると、スズメバチに刺されたら2回目以降、全ての人が死亡率が高くなるわけではありません!
なぜ、スズメバチに刺されたら2回目以降は死亡率が高くなる、危険と言われているのでしょうか。
実はスズメバチなどの「蜂毒」の直接作用が原因で命を落とすことはあまりないのです。ほとんどがアレルギー反応のアナフィラキシーショックが原因だったのです。
アナフィラキシーショックとは?
アナフィラキシーショックとはアレルギー反応のひとつです。
スズメバチなどの毒液が人間の体内に入ると、「免疫」という体を守ろうとする仕組みが反応します。
この「免疫」が過剰反応をすると全身じんましん、嘔吐、むくみ、呼吸困難という全身症状を引き起こします。
このアレルギー反応が短期間で起こることをアナフィラキシー、命にかかわる危険な状態になることをアナフィラキシーショックといいます。
全ての人にアナフィラキシーショックは起こるのか?
全ての人がアナフィラキシーショックを起こすわけではありません。
人それぞれの体質によって「免疫」が過剰反応を起こす物質は異なっています。そのため、スズメバチに刺された周囲が腫れるだけの人もいればアナフィラキシーショックを起こして命を落とす人もいます。
蜂に刺されると、たいていは刺された場所に痛みと腫れが起こり症状は数日で引いていきます。そして、蜂毒が体内に入ることで抗体が作られ、蜂毒アレルギーを持つことになります。
その後、蜂毒アレルギーを持っている人がスズメバチに刺されるとことで「免疫」の作用によりアレルギー反応を起こしやすくなります。
つまりアナフィラキシーショックを起こす可能性があるのは、この蜂毒アレルギーを持っている人なのです。
ハチに刺された場合の
アナフィラキシーショック発症までの流れは以下の通りです。
蜂毒によるアナフィラキシーショック発症 ハチに刺される ⇊ 蜂毒アレルギーを持つ場合 蜂毒アレルギーを持たない場合 全身症状 局所症状 局所症状 全身に蕁麻疹や頭痛発熱、嘔吐、息苦しさなどが起こる 患部の腫れ、痒みなどが起こり数日で消える 患部の腫れ、痒みなどが起こり数日で消える ⇊ アナフィラキシーショック 呼吸困難・意識障害などが引き起こる。最悪の場合死亡。
引用:熊本シロアリ駆除.com
スズメバチに刺されたら2回目以降は死亡率が高くなる?
蜂毒アレルギーを持った人がスズメバチに2回目以降刺された場合、【10%~20%】の人はアナフィキラシー症状があらわれます。
このうち、さらに数%の人は急激な血圧低下や意識障害を起こし、命にかかわるアナフィキラシーショックを引き起こします。
これがスズメバチに刺されると2回目以降が危険と言われている理由です。
アナフィラキシーショックを引き起こすと死亡率が高くなると思われがちですが、実際には数%の死亡率と言われています。
アナフィラキシーショックを引き起こすかどうかは人の体質によっても異なるため、統計的に具体的な死亡率を出すことは困難なんですね。
結論。スズメバチに刺されると2回目以降に死亡率が高くなるのは、蜂毒アレルギーを持っている人でした。
アナフィラキシー症状が出てから危険な状態になるまで
アナフィラキシー症状は短期間で起こる症状ですが、アナフィラキシーショックを起こす場合、目安は刺されてから【15分程度】と言われています。
アナフィラキシー症状が早くあらわれるほど命にかかわる危険性が高くなります。発症時間がとても短く、対処が遅れれば遅れるほど死亡率は高くなるので、スズメバチに刺されたら冷静に、迅速な行動を心がけましょう。
また、スズメバチに刺されてから短期間で2回目刺されることでアナフィラキシーショックを起こす可能性も高くなります。
1回でも刺されたら、スズメバチが生息していそうな場所へは頻繁にいかないほうが賢明です。
スズメバチに刺されたら2回目以降じゃなくても危険
スズメバチに刺されても初めてだったら大丈夫と安心してはいけません!
スズメバチに一度も刺されたことが無ければ蜂毒の抗体がないので、アナフィラキシー症状が出ないと考えてしまいがちですが、実際にはそうではないのです。
スズメバチに初めて刺された場合でもアナフィラキシー症状が出る可能性があるのです。
蜂毒に含まれる成分
蜂毒に含まれる成分にはいろんな物質が入っています。
- 痛み、痒みの原因となる成分(ヒスタミン、セロトニン、ドーパミン、アドレナリンなど)
- 痛み、赤血球の破壊、血圧低下、アレルギー症状の原因となる成分(蜂毒キニン、メリチン、マストパラン、MCDペプチドなど)
- 組織障害、赤血球の破壊、アレルギー症状の原因となる成分(ホスホリパリーゼ、プロテアーゼなど)
- 神経系に作用する成分(マンダラトキシン)
アレルギー症状のほとんどは、体内に原因物質(アレルゲン)が入ると「免疫」作用により抗体ができます。この抗体に原因物質(アレルゲン)が反応してかゆみや咳、鼻水などの症状を起こします。
ここでいう原因物質(アレルゲン)とは蜂毒のことをさしています。
そして、特に注意したいのが「ヒスタミン」という成分です。
スズメバチの蜂毒にはヒスタミンが最も多く含まれている!
もともと人の体の中には、蜂毒にも含まれる「ヒスタミン」が存在しており、特にスズメバチの蜂毒が最も多くの「ヒスタミン」が含まれています。
スズメバチに刺され、蜂毒によって「ヒスタミン」が体内に入った場合に、たとえ1回目だったとしてもアレルギー症状が起ることがあります。
蜂毒の量が多かったり何度も刺されてしまうとそれだけでアナフィラキシーショックを引き起こす可能性があるのです。
なんにしてもスズメバチに刺されたら初めてでも2回目以降でも、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性はゼロではありません。刺されないことが一番なんですね。
スズメバチに刺されても平気な人
厳密に言えば、スズメバチに刺されても平気な人はいません。アナフィラキシー症状が出ないだけで、痒みや腫れなどの症状は必ず起こります。
スズメバチに刺されたら通常はどんな症状が出る?
- 痒み
- 腫れ
- 痛み
軽傷の場合は以上の症状が出ると言われています。数日で治まるくらいなので、アナフィラキシー症状に比べたら「え?」こんなものなの?と感じるような症状かもしれませんね。
それでも素人判断するのではなく、病院に行って治療を受けてくださいね。
スズメバチに刺されて平気な人はいない
実はスズメバチに1回刺されても蜂毒の抗体が作られない人がいます。遺伝的体質によるもの、免疫細胞の作用が人によって異なるため、また免疫不全の可能性もあります。
蜂毒アレルギーを持つこともなく、2回目刺されても1回目と同じ症状、もしくは少し強く出るくらいで済む人もいますし、何十回と刺されても毎回同じ症状で終わる人もいます。
また2回目以降に抗体がつくられ蜂毒アレルギーを持つ可能性もあります。何度刺されてもアナフィラキシー症状が出ないから平気、とは言えないのです。
いつどんな風に人の体質が変化するかもわからないので、慢心してはいけないということですね。
スズメバチに刺された場合の対処法とは
スズメバチに刺されたら、迅速な対処が必要です。アナフィラキシー症状がある無しに関わらず、対処しましょう。
スズメバチに刺された場合の対処法
ポイント
- 傷口を洗い、毒を絞り出す
- 傷口に虫刺されの薬を塗る
- 傷口を冷やし、安静にする
刺された箇所を口で吸い出すのはやめましょう!口に傷があるとそこから蜂毒は体内に入る可能性があります。
アナフィラキシー症状の自覚症状とは
スズメバチに刺されたのが2回目以降だった場合は蜂毒アレルギーを持っている可能性があるので、自覚症状を確認しましょう。
チェック
- 不安、無力感があるか
- 呼吸困難、しめつけ感があるか
- 動悸があるか
- 吐き気、腹痛、便意、尿意があるか
- めまい、しびれ、耳鳴りがあるか
- 全身の腫れ、痒みがあるか
以上の自覚症状がある場合、アナフィラキシー症状の可能性があります。早急な対処が必要です。救急車を呼んで安静にしてください。もし、「エピペン(アドレナリン自己注」を持っていたら早めに打ったほうがいいです。
私はそんな注射薬を常備できることを初めて知りました。スズメバチが生息しているような場所へ行く際には、病院へ相談してみましょう。
アナフィラキシーについて外から判断できる症状とは
知人や周りの人が刺された場合、アナフィラキシー症状が起っているかどうかは外見からも判断できます。
チェック
- 冷や汗
- くしゃみ、ゼイゼイという呼吸、呼吸困難
- 血圧低下、脈が弱い、脈が速い
- 嘔吐、下痢、糞便、尿の失禁
- 痙攣、意識障害
- 全身性の蕁麻疹、全体的に青白い
以上の外見を確認した場合、同様に速やかに救急車を呼び安静にさせてあげましょう。エピペンがあれば打ちましょう。
二相性アナフィラキシー反応
一度アナフィラキシーショック治療を受けて症状が改善したあとで、数時間後に再びアナフィラキシーショック症状が出ることがあります。
アナフィラキシーショックを引き起こした後、【10~20%】の確率で発生するこの症状を二相性アナフィラキシー反応と言います。怖いですね…症状が改善しても最低でも4時間以上は経過観察が必要です。
スズメバチ、刺されたら本当に怖いです。
スズメバチに刺されたら2回目以降は死亡率が高くなるって本当!?まとめ
- スズメバチに刺されたら、2回目以降は全ての人の死亡率が高くなるのではない
- スズメバチの死亡事故の原因はほとんどがアナフィキラシーショック
- 蜂毒アレルギーを持つ人がアナフィキラシーショックを起こす可能性があり、2回目以降死亡率が高くなる
- スズメバチに刺されたら2回目以降じゃなくも危険
- スズメバチの蜂毒にはヒスタミンが多く含まれている
- スズメバチに刺されないことが一番!
私も、スズメバチに刺されたら2回目以降が死亡率が高くなると思っていたひとりです。1回目でも同様に危険だということに驚きました。
私自身は蜂に刺されたことはないですが蚊に刺されるだけでもとても腫れるのでスズメバチに刺されたら異常反応を起こすのではないかと思うと本当に怖いです。
もしも刺されてしまったら早急な対処をし救急車を呼びましょう!安易に考えないようにしましょうね。