突然ですが、小学校教員は冬休みや夏休みは子供たちと同じようにずっと休んでいるのかな
と疑問に思うことはありませんか?
私は小学生の頃から先生たちも長い休みでいいなと思っていました。
実際の教員の冬休みや長期休暇は何をしているのかを調べてみました。
小学校教員の冬休みや長期休暇はあるの?
結論から言いますと、
小学校教員をはじめとする中学校、高校の公立学校の教員の冬休みは 12月29日~1月3日まで となっています。
終業式が終わったら先生たちは何をしているの?
小学校の教員や中学校、高等学校の公立学校の教員は、終業式が終わる12月25日前後〜12月28日までは通常勤務となります。
そのため、休む場合は有給休暇を使用しなければいけません。
子供たちがいない休暇までの時間で冬休み明けの授業の準備をしたり教員同士での会議をしたりしています。
その他、夏季休暇や年次有給休暇の労働条件を見ていきましょう。
小学校教員の労働条件は?
小学校教員をはじめとする公立学校の教員は地方公務員と呼ばれ各都道府県の自治体ごとに定められた勤務時間や休暇等に従いますが
東京都を参考に見ていきましょう。
勤務時間
勤務時間:8時15分~16時45分(休憩45分)
実労働時間:7時間45分
休憩時間は労働基準法に基づいて6時間以上8時間以下は少なくても45分、8時間以上は少なくても1時間の休憩を与えなければならないと法律で決まっています。
教員の所定労働時間は、7時間45分となっていて8時間以下なので休憩時間が45分となっています。
年次有給休暇
年に20日支給(20日を限度に次年度へ繰り越し可)
休暇について
さまざまな休暇がありますが、一部をご紹介します。
夏季休暇 | 7月1日~9月30日までの3ヶ月間で5日取得 |
結婚休暇 | 連続して7日間(挙式を挙げた日もしくは婚姻届けを出した日から6か月の間で取得など自治体によって異なります) |
妊娠症状対応休暇 | 妊娠中のつわりなどの症状で勤務することが困難な場合、時間単位や日数単位で合計10日以内取得可能 |
妊婦通勤時間 | 交通機関が混雑して出勤や退勤で母体や胎児に影響があると休暇承認者が承諾したときに取得可能 |
子ども看護休暇 | 中学校就学前の子どもを発熱など体調が悪い時に看護するための休暇。
その他にも、予防接種や健康診断を受けるときにも取得可能。 職員1人につき年間5日以内。子どもが複数の場合は10日以内 |
介護時間 | 二親等以内の親族や同一世帯の家族を介護する休暇。
取得した初日から3年以内で勤務時間の始めもしくは終わりに1日2時間以内。30分単位でも取得可能。 ただし、無給扱いになります。 |
短期介護休暇 | 二親等以内の親族や同一世帯の家族を介護する休暇。
1日単位で年間5日取得可能。 介護者が複数の場合は、10日以内とされています。 |
この他にも、配偶者やパートナーが出産したときや産前産後の支援が必要な時の男性が取得できる支援休暇などもあります。
各都道府県によって休暇の種類が異なります。
教員を目指すにあたって私生活と仕事を両立させるためのワークライフバランスを充実させるために福利厚生もしっかりと調べてみることもおすすめします。
小学校教員の仕事内容はどんなもの?
小学校の教員の仕事内容は
- 各教科
- 小学校生活全般を指導する
各教科とは
- 国語
- 算数
- 理科
- 社会
- 英語
- 図画工作
- 音楽
- 体育
- 家庭科
小学校生活全般の指導とは
- ホームルーム
- 給食指導
- 登下校指導
その他業務
- 遠足
- 運動会
- 家庭訪問
- その他の学校行事
- 教員同士の会議
- 研修会への参加
- 教材研究
仕事内容は幅広くありますが、基本的にはクラス担任1人で行います。
しかし、クラス担任1人ですべてを指導するには負担も大きいため専門の教員を採用している教科もあります。
- 図画工作
- 音楽
- 体育
- 英語
専科と呼ばれる教科専門の教員が採用されている学校もあるため、担任教員も一緒に授業に参加しますが専科教員がいる場合は、授業の進行などは基本的に専科の教員が担当します。
専科教員がいることで担任教員の負担が軽減されていると思います。
小学校教員に向いている人や適性は?
- 子供たちの1人1人の個性を理解し温かい目で成長を見守ることができる人
- 前向きに何事に対しても積極的に取り組むことができる人
小学校に通う年齢は6歳〜12歳の子供たちです。
小学校時代は社会生活を学ぶ大切な時期と言われているようです。
この時期に子供たちの勉強から生活全般の指導をするということは、子供たちの成長に大きく関わることができる反面、これからの成長に大きな影響を与えるということにもなります。
時には厳しく、時には優しく自分の子供のように子供の成長を見守ることが大切なのではないでしょうか。
小学校教員の給与はどのくらい?
総務省が行っている令和4年度地方公務員給与実態調査結果を調べてみました。
給与は、勤続年数や学歴によって異なっていました。
勤続年数 | 大学卒業 | 短期大学卒業 |
1年未満 | 219,347 | 198,783 |
1年以上2年以下 | 225,837 | 207,619 |
2年以上3年以下 | 234,144 | 214,250 |
3年以上5年以下 | 248,105 | 228,095 |
5年以上7年以下 | 269,539 | 245,708 |
7年以上10年以下 | 294,663 | 270,905 |
10年以上15年以下 | 333,394 | 311,896 |
小学校教員の賞与はどのくらい?
地方公務員と呼ばれる公立学校の教員も国家公務員の支給率に合わせている自治体が多いようです。
国家公務員の給与などを管理している人事院の情報を調べてみました。
支給日 | 支給率 | |
夏季賞与 | 6月30日 | 2.20月 |
冬季賞与 | 12月10日 | 2.30月 |
在籍期間にもよりますが、
- 夏季賞与は12月2日~6月1日に在籍して勤務していれば支給されます。
- 冬季賞与は6月2日~12月1日に在籍して勤務していれば支給されます。
採用1年目は、採用月によっては在籍期間が短くなるのでその分は賞与が少なくなります。しかし、1年目でもしっかりと賞与がもらえます。
小学校教員になるには「小学校教諭免許」が必要
- 小学校教諭1種免許(大学卒業程度)
- 小学校教諭2種免許(短期大学卒業程度)
- 小学校教諭専修免許(大学院卒業程度)
いずれかの免許が必要になります。
免許取得には、大学や短期大学といった各教育機関の小学校教員の養成課程などで決められた単位を取得する方法が一般的とされています。
教員免許取得には、授業のほかに必要な実習もあります。
- 教育実習14日間
- 社会福祉施設等での7日間の介護実習
教員免許取得後の流れや教員採用試験のスケジュール
教員免許取得後の流れ
step.1 各都道府県で実施される教員採用試験を受験
step.2 教員試験合格後、教員採用候補者名簿に登録される
step.3 必要に応じて学校や教育委員会での面接
step.4 正式採用となり各学校へ配置
私立や国立の学校では、学校ごとの採用試験があり直接学校が採用の合否を行います。
教員採用試験のスケジュール
step.1 7月頃に一次試験(筆記試験で教職教養・専門教養・論文)
step.2 8月頃に二次試験(面接や実技試験)
step.3 10月頃に合否発表
二次試験の実技試験とは
科目 | 実技試験内容 | 評価の観点 |
音楽 | 7曲のうちから当日指定された1曲をピアノで伴奏しながら歌う
移調は可能とし、伴奏譜は指定なし。各自で用意する。 |
曲想にふさわしい表現の工夫及び基礎的な表現の技能等を評価 引用:東京都教育委員会 |
美術 | 鉛筆での素描 | 正確な描写、鉛筆を生かした表現の技能等を評価
引用:東京都教育委員会 |
保健体育 | 以下の4種目を全て行う
引用:東京都教育委員会 |
体育実技を指導する上で必要かつ十分な技能の状況等を評価
引用:東京都教育委員会 |
英語 | 以下の2点を行う
引用:東京都教育委員会 |
英語によるコミュニケーション能力を評価
引用:東京都教育委員会 |
二次試験の実技試験の他にも、模擬授業を試験内容に入れている都道府県もあります。
また、面接も集団面接、個人面接どちらで行うかも都道府県によって異なります。
各都道府県の教員採用試験の実施要項を確認し試験対策を行うことをおすすめします。
小学校教員免許取得には通信制大学が社会人にはおすすめ
「小学校の先生になることが夢だった。」「大学で教員免許を取得していればよかったな。」
と小学校教員免許の夢をあきらめてしまう社会人の皆さんも多いと思います。
しかし、教員免許取得に年齢制限はありません。何歳になっても先生になる夢をあきらめずに教員免許を取得することができます。
私も社会人経験を経て教員免許を取得した1人です。
私の場合は通学しなければ学べない学科での勉強を希望していたため社会人を辞めての取得でしたが、仕事を続けながら教員免許取得を目指す通信制大学でも教員免許の取得可能です。
通信制大学に入学するメリット
- 時間や場所に縛られることがない
- 自分のペースで課題を勉強することができる
- 通学制よりも通信制のほうが費用が抑えられる
通信制大学に入学するときの注意点
- 教員免許取得には所定の単位取得が必須
- 教育実習に14日間の休暇が必要
- 介護実習に7日間の休暇が必要
- 対面やオンライン授業などが必要な科目もあるため休暇が必要
通学制よりも対面などでの授業は数か月に1~2回など各大学によって異なります。
仕事をしながら休暇を何日も連続してもらうことは難しいと思います。
しかし、教育実習や介護体験は教員免許取得には必須な項目となっているため、職場の理解も得ながらスケジュール調整することをおすすめします。
4年生大学卒業者や短期大学卒業者は、教員免許取得に必要な科目単位取得のみで最短2年での教員取得も可能です。
ご自身にあった大学を見つけてみましょう。
小学校教員免許はピアノが弾けなくても取得可能
すべての教科を1人で教えるとなると、大きな課題として
ピアノが弾けないから小学校の教員にはなれないかも。とあきらめてしまいそうですが
ピアノが弾けなくても大丈夫です。実際にピアノが弾けない先生はたくさんいます。
私が教員免許取得を目指していた頃に一緒に勉強した友人たちもピアノが弾けない友人が多かったです。
しかし教員免許を取得して現役で教員として頑張っています。
また教育実習に行くと音楽の先生でもピアノが弾けない先生に出会いました。
授業はCDを使用して歌の指導をしていました。
お話を聞いたところ音楽大学出身ですが専門は管楽器だったそうでピアノは教員免許取得のために授業で習った程度というお話でした。
小学校教員免許取得のための授業ではピアノの単位も必要になり、また教員採用試験では実技試験もあるので避けて通ることはできません。
しかし、ピアノが弾けない先生もこの難関を突破してきたことを励みに、あきらめることなく小学校教員免許取得を目指してくださいね。
小学校教員採用試験の採用倍率は2.3倍
文部科学省の令和5年度公立学校教員採用試験の実施状況の結果を調べてみました。
小学校教員採用試験の採用倍率は全国で2.3倍という結果がわかりました。
○試験区分別の競争率(採用倍率)、採用者数、受験者数
【小学校】
競争率(採用倍率)は、2.3倍(過去最低)で、前年度の2.5倍から減少
・採用者数は、17,034人で、前年度に比較して867人増加
・受験者数は、38,952人で、前年度に比較して1,683人減少(うち 新卒582人増加、既卒2,265人減少)
引用:文部科学省
採用倍率の高い都道府県トップ3
1位 高知県9.4倍
2位 鳥取県4.6倍
3位 兵庫県4.4倍
採用倍率の低い都道府県トップ3
1位 秋田県・大分県1.3倍
2位 富山県・福岡県・鹿児島県1.4倍
3位 青森県・山形県・福島県1.5倍
小学校教員の冬休みや休暇はあるの?労働条件や給与について知ろう!まとめ
今回は、小学校教員をはじめとする公立学校の教員の労働環境や給与や賞与についてご紹介しました。
私立学校や国立の学校は各学校ごとの給与形態やその他の手当等が定められています。
教員免許取得後にはご自身に合う勤務先を見つけてみてはいかがでしょうか。
- 小学校教員の冬休みや長期休暇はあるの?
- 小学校教員の仕事内容はどんなもの?
- 小学校教員に向いている人や適性は?
- 小学校教員の給与はどのくらい?
- 小学校教員の賞与はどのくらい?
- 小学校教員になるには「小学校教諭免許」が必要
- 小学校教員免許取得には通信制大学が社会人にはおすすめ
- 小学校教員免許はピアノが弾けなくても取得可能
- 小学校教員採用試験の採用倍率は2.3倍
小学校教員の仕事は幅広く大変なお仕事になりますが、休暇や手当などは民間企業と比較すると充実していると思います。
また子ども達の成長を時には厳しくも優しく見守りながらやりがいを感じる瞬間が多くあると思います。
これから教員を目指すみなさんの参考になれば幸いです。