突然ですが、タコと言えばどんな印象をお持ちですか?
お刺身やカルパッチョにタコ焼きなど、美味しい食材というイメージが強いのではないでしょうか。
普段は食卓くらいでしかお目にかかる事がないのですが、ある時「タコの知能は3歳児並み」というワードを目にして、現在3歳の子供を育てている私はなんとも言えない気持ちに…。
子供のワガママ放題にイラっとしても「そうか・・タコと同じなのか・・」と思うと怒りが収まる不思議。
twitterでも同じような方々がいるようで安心しました(笑)
では本当にタコの知能は人間の3歳児並みなのでしょうか?
調べるうちに驚くような、親近感がわくような生態が分かってきたので、ご紹介させていただきたいと思います。
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タコの知能は本当に3歳児並み!?その生態は?
タコは軟体動物の中で一番、そしてイルカなどの海洋哺乳類を除く海の生き物のなかでも一番賢いと言われています。
そのため「海の賢者」とも呼ばれ、知能については「人間の3歳児並み」であるという研究者もいます。
もっと言えば「地球外生命体である」という研究者もいる程ですが、タコのどんなところがそんなにすごいのでしょうか?
タコの知能が3歳並みってどういうこと?
タコの知能が3歳児並みという表現は、タコの知能が非常に高いことを比喩的に説明するために使われることがあります。
実際にタコが幼児と同じような知的レベルにあるという科学的な根拠があるわけではありませんが、
タコは他の無脊椎動物と比べて非常に高い認知能力を持っていることで知られています。
タコは複雑な問題を解決したり、迷路を解いたりする能力があり、環境に応じた行動変容を示すことができます。
また、ツールを使うことが観察されており、これは非常に高度な認知機能を示す行動とされています。
例えば、ココナッツの殻を使って身を隠す行動などがあります。
しかし、タコの知能を人間の子供と直接比較するのは困難です。
タコの脳は人間の脳とは大きく異なる構造をしており、彼らの知性を人間のそれと同じ尺度で測ることは適切ではないとされています。
タコの知能はタコ特有の環境適応や生存戦略として進化したものであり、人間とは全く異なる知的活動と捉えるべきです。
総じて、タコは非常に知的な生き物であり、その行動や学習能力は科学者たちを驚かせ続けていますが、
その知能を人間の年齢に換算することは科学的な意味ではなく、一般的な理解を助けるための比喩的な表現に過ぎない
ということは、覚えておくべきでしょう。
タコってどんな生き物?
タコは頭足類(タコの他にイカ・オウムガイ・絶滅したアンモナイト等)・鞘形亜綱(しょうけいあこう)・ 八腕形上目のタコ目に分類される軟体動物になります。
タコと言えば、大きい頭に8本の足・・というイメージがありますが、あの大きく丸い部分は実は頭ではなく❝胴❞にあたります。
そして頭はどこになるかと言えば、足の生えはじめの目や口がある部分。
ようするに、頭から足が8本生えて、しかも頭の上に胴がある。
文字にすると更に奇妙に感じてしまいますね・・「頭足類」という名前の通りではありますが。
その見た目から、海外では「デビル・フィッシュ(悪魔の魚)」と呼ばれ忌み嫌っている国もあるんだそう。
タコには心臓が3つある
実はタコには、あの頭のように見える丸い胴の上の方に心臓が3つもあるんです。
1つは人間と同じように酸素や血液を全身に送る働きをするメインの心臓。あとの2つの心臓は左右のエラにくっついているエラ心臓になります。
タコは全身の9割が筋肉でできているので、餌を見つけた時や天敵から逃げる際に猛スピードで移動する事が可能です。
また岩や海藻などに紛れるためいろんな色に変化できる擬態(ぎたい)能力も持っていますが、その擬態の際にも全身の筋肉を使用するため大量の酸素が必要に。
そこでエラ心臓は、筋肉に酸素を運ぶ役割をしているんですね。
因みに泳いでいると中心の心臓が止まってしまうんだとか。確かにそのためかゆっくり移動しているイメージの方が強いような。。
脳ミソに至っては9つある
心臓が3つの時点でも驚きですが、脳ミソはなんと9つあります。
両目の間のあたりに中央脳が1つ、足の根本にそれぞれ小さな脳ミソが1つずつの計9つ。
とは言え、足の根本にある脳ミソは神経の集まりなのでとても小さいです。
中央の脳ミソが大まかな指令を出して、そこからの細かい動きなどはそれぞれの足にある脳ミソが判断して行います。
足にはそれぞれ200本以上の吸盤がついていて、それぞれがにおいや触覚、味まで感じる事ができて、えさの味見をしたりするんだそう。
因みに中央の脳は胴部分にある胃に向かって食道が貫通していているため、食べた物が脳ミソをくぐっていくような面白い形状をしています。
あの8本の「足」・・実は足じゃない⁉8本でもない?
ここまで「足」と書いてきましたが、あの8本のウネウネ・・実は6本が腕、残り2本が足に分類されるとのことなので、ほぼ「腕」。(この記事では面倒なので「足」表記で統一します)
足が2本という事はタコは人間と同じ二足歩行という事なんですね。
因みにオスの場合はさらに1本が生殖器にあたります。
そしてもし天敵に襲われ足を噛みつかれた場合には、その足を自分から切り離してピンチから脱しますが、失った足はまたゆっくりと生え変わります。
その際に変則的に再生する事があるため(1本失ったら2本生えてくるなど)、過去には日本で96本もの足を持つタコが発見されました!
3歳児並みの知能を持つタコの賢い&面白い行動
心臓が3つに脳ミソが9つで、足は生え変わる・・とこれだけでも驚きの連続ですが、知能の高さはどこで発揮されるのでしょうか?次はタコの行動に注目してみました。
タコには問題解決能力がある
タコは学習能力が高いと言われていて、たとえば蓋付きの瓶の中に餌を入れてタコに差し出すと、タコは軽々と蓋を開けて中の餌を取ってしまいます。
また、人間に捕まえられて閉じ込められてしまった場合には、人間のいない隙を狙って逃げようとします。そのため、水族館では脱走の常習犯なんだとか。
どうやって・どのタイミングで動くか、ということを理解しているとしか思えませんね・・。
また、貝殻などを拾って身を守る盾のように使ったり、時には攻撃のために投げつけることもあるようです。
「道具を使える」動物は陸上でも少ない事から、その知能の高さがうかがえますね。
役に立たない物をコレクションしちゃう
タコは身を守るためや攻撃などのために貝殻などを拾うと書きましたが、時には食べるためでもなく、何かに使う訳でもない貝殻やがらくたを拾っては、自分の家に並べてコレクションする姿も見られます。
その姿はまさに大好きなおもちゃを嬉しそうに自分の周りに並べる3歳くらいの幼い子供のようで、なんだか可愛いですよね。
インテリアにこだわって自分の住み家を飾り付ける大人の人間にも似ている気がします。
好きなダイバーに近づいたり、嫌いな人には嫌がらせしたりする
好奇心旺盛なタコは、海に入ってきたダイバーをじっくり観察したり、一緒に遊ぼうとするかのように足を伸ばしてくる事があるようです。
こちらの動画のタコさん、人間の3歳児というよりは、飼い主が帰ってきて喜んで駆け寄る犬みたいで可愛いですよね。
しっかりと人間の個体を区別していて、なつく人にはなつくけど逆に嫌いな人には水を吹きかけることも。。
魚と協力して狩りをする
タコは一部の魚と協力して狩りをすることがあります。魚が獲物を探して、見つけたらタコに報告→タコがその俊敏さで獲物を捕まえるという見事な連携プレイ。
ですが、その協力関係の中で統率を取るために仲間であるはずの魚を殴る姿も発見されています。
人間だったら間違いなくパワハラにあたりますね。海の中の世界も世知辛い。。
ストレスで自分の足をかじっちゃう
狭い場所に閉じ込められたり、傷つけられたりすると、タコはストレスで自分の足をかじってしまうそう。(ストレスではなく、病気によって自分で自分を食べてしまうという説もあり。)
そして自分で食べてしまった場合、足は再生されないようです。
日本には「蛸は身を食う」ということわざもあります。
空腹でタコが自分の体を食べてしまうところから、預貯金などの財産を切り崩しながら生きていくことを言いますが・・そうならないように気を付けましょう。
タコには感情がある!?痛みを嫌う事が判明
これまで魚類や無脊椎動物は「痛みを感じない」と思われてきましたが、近年実験によりタコにも痛覚があり、痛みを嫌がる事がわかってきました。
同じ無脊椎動物であるイカに関しては、人間と同じような自制心がある事まで分かっているそうです。
人間ほどの喜怒哀楽はないかもしれませんが、人間になついたり嫌いな人に攻撃したりと、聞いているうちに十分感情が備わっている気がしてきます。
知能が高くても短い寿命・・タコの最期は切ない。
「海の賢者」と呼ばれる知能の高さを持つタコですが、実はその寿命は1~2年程度ととても短い。長い物でも、3~5年程度と言われています。
もし寿命が長ければ、きっともっと知能が発達しているに違いありません。
寿命が30年あれば、文明を築けるという説も・・。
そんなタコの最期についてですが、もちろん天敵に襲われたりというパターンも多いかと思いますが、大きな理由の一つとしては繁殖のため。タコの寿命には、生殖機能が大きく関わっているようです。
海の生物では珍しく、母親が子育てをする
海洋生物、特に魚類においては、産卵の際にメスの体力の消耗が激しいため、オスが卵を守る役割を担っている場合がほとんど。
産卵して、卵を守って、また産卵して・・ではメスの負担が大きすぎるので、オスが卵を守る方が確かに合理的ですよね。
そんな中でタコは、海洋生物の中では珍しく母親が子育てをします。
子育てと言っても、卵を産んで孵化するまでの間を言葉の通り「命がけで守る」のです。
と言うのも、タコのメスは自分の住み家などに産卵した後、新鮮な海水を送り込んだり卵を綺麗にしたり外敵から守ったりと一生懸命働きますが、卵から絶対に離れないのでその間自分は全くご飯を食べません。
産卵したらご飯を食べるのを止めてしまうのです。
そして、無事孵化するころには弱りきったメスのタコは命を落としてしまうのです。。
大きすぎる母の愛に感動すら覚えてしまいました。
オスは子育てしないの?
「メスが命をかけて卵を守ってるのにオスは何してるの!?」とお思いの方もいるでしょうか。
オスはまず気になるメスがいると時間をかけてアピールをしますが、複数恋のライバルがいる事もあります。
その場合威嚇したり壮絶な戦いを繰り広げ、残ったオスがメスに求愛します。
そして見事カップル成立となると、ゆっくり時間をかけて交接という生殖行為を行いますが、なんとオスはその後死んでしまうのです。
すぐに死んでしまう事もあれば、数か月後に死んでしまう事もあるようですが、メスにとってもオスにとっても一生に一度の繁殖行為であることに変わりはありません。
先にメスをめぐって戦って負けたオスに関しては、一生に一度の繁殖行為すら敵わずに死んでしまうことになります。
その最期に清らかさや切なさ、儚さを感じてしまいます。
時には恋が叶わないことも…
オスが一所懸命メスにアピールしても、メスに気に入られなければ話は進みません。
メスが嫌だと思った時は、貝殻や泥などをオス目がけて噴射する事もあるようです。
この物を投げつける行為は「スローイング」と呼ばれます。
欲求不満の時に、このスローイングを行うタコもいるようで、メスに拒絶されたオスがスローイングを行う姿も見られています。
一生に一度と思って臨んだ恋が叶わなかったら、そりゃ噴射したくもなりますよね。
知能の高さもいいけどタコはやっぱり「美味しい」よね
ちょっと切ない話をした後になんですが・・タコと言えばやっぱり食材としても最高・・!!
日本はタコの年間消費量が世界の約60%を占めるほど、「タコ大好き」な国です。タコを使った料理も沢山あります。
しかも弥生時代からタコを食べていたと思われる遺物が見つかっているんだそう。
なんの食材にしてもそうですが、タコは特に初めて食べた人の勇気に感服します。
日本で主に食用とされているタコは5種類
タコは世界で約200種類・日本近海の海では約50種類以上確認されていますが、日本でよく食用に流通しているタコは5種類。
マダコ・ミズダコ・イイダコ・ヤナギダコ・テナガダコになります。
テナガダコはスーパーなどでもあまり見かける機会のない種類になるため、それ以外の4種類のタコについて、その特徴やオススメの食べ方についてご紹介したいと思います。
マダコ
マダコ | |
旬 | 5月~8月。1年を通して流通 |
オススメの食べ方 | 刺身・寿司ネタ・煮物・タコ焼き・酢の物なんでも美味しい |
特徴 | タコと言えばこれ!と言うくらい日本では一般的なタコ。1年中流通・漁獲できる地域が全国的に多いためスーパーなどでもよく見かけるのがこのマダコになります。 |
ミズダコ
ミズダコ | |
旬 | 11月~2月 |
オススメの食べ方 | 刺身 |
特徴 | 世界最大の大きさを誇るのがこのミズダコ。大きい物だと全長3mほどの大きさ・30キロの重さに。そのため別名「オオダコ」。身が柔らかいため、生で食べるとおいしい。 |
イイダコ
イイダコ | |
旬 | 1月~3月 |
オススメの食べ方 | 煮物など 加熱調理がおすすめ |
特徴 | イイダコはミズダコとは逆に少し小さめのタコ。加熱しても身が固くなりにくいのが特徴。クセも少ないので、煮物などがおすすめ。 |
ヤナギダコ
ヤナギダコ | |
旬 | 12月~5月 |
オススメの食べ方 | 酢だこや煮物。 |
特徴 | マダコよりはやわらかく、ミズダコよりは少し歯ごたえあり。こちらのヤナギダコも茹でても固くなりにくい。味はマダコより薄めなので、酢だこや煮だこがおすすめ。 |
タコを使った時短レシピをご紹介
タコの種類によって調理方法を工夫してみるとますます美味しくいただけるかもしれませんね。
でも日々に追われてそんなことを考えている余裕はない・・
それより時短で・美味しいのが一番!そんな時に作る私の時短レシピをご紹介します。
タコキムチ
材料
- ゆでダコ(ぶつ切り) 1パック
- キムチ 1パック
- ごま油 適量
- しょうゆ お好みで
作り方
フライパンに油を熱し、キムチとゆでダコを入れます。火が通ったらお好みで風味づけにごま油と、お好みで醤油も垂らします。
終わりです。なんなら私は、最初からごま油をひいて調理します。まろやかが好きな方はマヨネーズを混ぜてもいいかもしれませんね。お好きな野菜を入れても◎。ビールのつまみにさっと作れて最高です♪
タコとトマトのアヒージョ
材料
- ゆでダコ(ぶつ切り) 1パック
- ミニトマト 5~7個
- オリーブオイル 100ml~200ml
- にんにく(みじん切り) 小さじ2(お好みで
- 鷹の爪 少々
- 塩 少々
作り方
小さいフライパンやスキレットにオリーブオイル、鷹の爪、にんにく、塩を入れて火にかける。にんにくの匂いが立ってきたらタコとトマトを入れる。火が通ったら完成。
お好みできのこを足しても美味しいですよ(私はマッシュルームを足しました)。
具材の量やスキレットの大きさに合わせてオリーブオイルの量は調整してみてくださいね。
にんにくは匂いが気になる人は減らしてみたり、ガツンと効いてる方が好きな人は足してみてください。
私は極力包丁を使いたくないので、市販の瓶入りの刻みにんにくを使用しますが、当然引くほどハネるので危険です。
普通ににんにくをスライスorみじん切りにして使用しましょう。
アヒージョと言えばバゲットを浸して食べるのも美味しいですよね。
タコではありませんが、同じ頭足類のホタルイカのアヒージョなんかも好きです。
時短・簡単がモットーなレシピなので、物足りない方もいるかもしれませんが、ちょっとしたつまみによかったら参考にしてみてください♪
タコの知能は3歳児並みって本当⁉気になる生態を調べてみました_まとめ
- タコの知能は高く、一般的に3歳児並みと言われることが多い
- タコは心臓が3つ、脳ミソは9つある
- タコは問題解決能力がある
- タコは人になついたり、痛みを嫌がるなど感情がある⁉
- タコの寿命は短く、その最期は切ない
- 日本で流通する主なタコの種類について
- タコを使った時短レシピ
以上についてご紹介してきました。
調べれば調べるほどタコの知能の高さや面白い生態が見えてきて、驚きの連続でした。
確かに我が家の3歳児とも少し似ているところがあったり(笑)
これからはより一層感謝して、タコを美味しくいただきましょう♪