ショッピングモール内の楽器店のいちばん目立つ場所におすすめです!!と言わんばかりに並べられたウクレレたち。
手に取ってポロンとかき鳴らし「いい音♪なんか簡単そうだしお手頃だし、家でやってみようかな?」
先日そんな会話を耳にしました。
大人の習い事ブームで人気に火が付き、手軽に始められることもあり注目度の高いウクレレ。
楽器売り場でもかなりの面積を占め、ラインナップも豊富なことからもその人気ぶりがうかがえます。
音も小さく音符が読めなくても始められるので、おうち時間のちょっとした暇つぶしにやってみようかなと思われたことがある方も多いのではないでしょうか。
そんな時、たくさん並ぶ楽器の中から自分にピッタリのものを選ぶというのはなかなか難しいですよね。
そこで、今回は数あるウクレレラインナップの中から特に信頼性抜群の「国産ブランド」に的を絞って、おすすめをご紹介したいと思います!
ウクレレの国産おすすめブランド!その共通の特徴とは!?
そもそもウクレレはどこの国の楽器?
ウクレレは日本生まれの楽器...ではないことは皆さんご存じですよね。
ウクレレと聞いてどんなイメージが浮かびますか?
砂浜でアロハシャツを着た男性が歌いながらウクレレをかき鳴らす横で、レイを首から下げ美しい衣装をまとった女性たちがフラダンスを優雅に踊っている...
そう、そのイメージ通り、ウクレレのルーツはハワイ
ではないんです!!
実はウクレレのルーツはポルトガル生まれの「ブラギーニャ」や「カバキーニョ」という民族楽器で、19世紀後半にサトウキビ栽培の労働者としてハワイに移住してきたポルトガルの移民によってもたらされました。
それまで音楽は教会で楽しむものという認識が強かったハワイに場所や時間を選ばずに演奏できる楽器が持ち込まれたことで、もともと音楽を深く愛するハワイアンたちの中にたちまち浸透していきました。
ハワイで調達できる材料で制作しながら改良を重ね、現在の「ウクレレ」が作り上げられたのです。
ウクレレといえばハワイ、ハワイといえばウクレレ
このイメージが今では世界共通となり、日本でもウクレレの本場はハワイ、という認識が当たり前となっています。
生まれはポルトガル、本場はハワイ
なんておしゃれな楽器なんでしょう✨
現在日本で馴染みのあるウクレレは、ハワイ、アメリカ、中国、台湾、このあたりのブランドの物が主流で、本場ハワイのウクレレにこだわる方も多いのだそう。
海外ブランドと比べた国産ブランドのウクレレの特徴とは?
そんな海外ブランドの流通も多いウクレレ界において、国産ブランドのおすすめポイント、その特徴とは一体何なのか、調べた結果は以下の通りです。
- 細部まで細やかな仕上がり
- 作りの頑丈さ
- プレイヤーのことを考えた弾きやすさ
- 安定したピッチ(音程)の良さ
一言で表すならば、「仕事が丁寧」。
丁寧だからこそ、細部までこだわった頑丈な作りで、どんな人でも音程良く心地よく弾くことができる楽器に仕上がっています。
日本人の職人気質が表れていますね。
ただ、こだわりが詰まっているからこそ、その分価格は高めのものが多くなっています。
しかし、ウクレレに限らずアコースティックの楽器は大事に使ってあげれば一生もの。
価格で選ぶか、細部にこだわって選ぶか?
悩みどころですが、長く大切にしていきたいと思うのであれば、この国産ブランドのウクレレのおすすめポイントはとても魅力的で価値のあるものだと思います。
もちろん、海外ブランドのウクレレが粗悪だということではありません!!
ですが、国産ブランドのウクレレの仕事の丁寧さはピカイチ!
そこを選ぶポイントにするのもありだと思います♪
ウクレレの国産おすすめブランドをご紹介!
日本の細やかな技術が織り込まれた国産ウクレレ。
その中から特に人気の高いおすすめブランドを厳選してご紹介いたします!!
Famous(KIWAYA商会)
1955年製造開始以来、多くのウクレレプレイヤーから支持を集める国産ウクレレシェアNo.1ブランドです。
ハワイアンブームが去り、ウクレレが全く売れなくなってからも「有名なウクレレにしたい」という会長の願いから、長きに渡り製造を続けてきた老舗ブランド。
多くの楽器店で取り扱っており、ウクレレ講師も勧めることが多いことから「はじめてのウクレレはFamousだった」という方も多いはず。
ネックの太さや丸み、ボディのラウンド加工、ストラミング(弦をかきあげたり弾き下ろす右手の動き)が心地よく出せるようセットアップされた弦高など、とにかく弾きやすさへのこだわりはピカイチ。
ボディは、単板に負けない「薄さ」と合板の特徴である「強度」を追求した3層構造(トリプルレイヤード)となっており、音色の豊かさや丈夫さも人気のポイントです。
日本の気候変化にも強く、材の有効活用や自然由来の接着剤(にわか)を使用するなど、環境にも配慮したつくりとなっています。
モデルごとに芯材を変えているため、材の違いによる音色の違いも楽しむことができるのもポイントの1つ。
ぜひ実際に弾き比べて選ぶことをおすすめします。
価格は10,000円台後半から60,000円ほど。
国産にこだわりたい初心者の方にもとってもおすすめです♪
KIWAYA(KIWAYA商会)
こちらはKIWAYA商会がMade in JAPANのウクレレとして海外向けに製作したブランドでしたが、2015年より国内でも販売をスタートさせました。
ストラミングに重きを置いており、ネックの厚みを感じたまま優しく弦を抑えても鳴りをしっかり保つことができるので、素早いコードチェンジやハイポジションを多用した演奏スタイルなど、高度なテクニックを要する中上級者の演奏にも向いています。
パワフルな音量と高いプレイアビリティで国内外で高い評価を得ている、KIWAYAが世界に誇る自社ブランドです。
生産工程で国内の職人たちで分担して行うユニークな方法を取ることで、各工程でのプロフェッショナルなこだわりにより高い完成度を追求しています。
価格は80,000円台~300,000円前後と少しお高め。
長く続けていきたい方や2本目を検討されている方にもおすすめのブランドです。
LUNA(KIWAYA商会)
1950年代のハワイアンブームの中で一番人気だった国産ウクレレ「Luna」を1933年にKIWAYA商会が引き継ぎ復刻したブランド。
マイナーチェンジを繰り返し、伝統的なルックスとサウンドをイメージした「モダンヴィンテージ」なウクレレへと進化を遂げた当ブランドは、現在では「KIWAYA-Artist Series」として国外にも輸出され、世界中のプレイヤーから親しまれています。
マホガニーー材(ウクレレやギターによく使われる木材・角のまるいマイルドなサウンドが特徴)の単板を使用したその音色は、音切れが良く深い音色で、古き良き時代のサウンドを再現する仕上がりとなっています。
スリムなボディや厚みを抑えたネックなど、「ヴィンテージウクレレ」を意識したデザインにもこだわっています。
工場生産でありながら、少数精鋭の職人による豊富な経験と熟練の技術、緻密に計算された作りにより生産されています。
価格は60,000円~150,000円ほど。
懐メロの弾き語りなどにしたい方は、当時の思い出に音色とともに浸りながら演奏を楽しめそうですね。
COTONE(島村楽器)
引用 島村楽器オンラインストア
全国展開する楽器店である島村楽器によるオリジナルブランド。
日本の象徴でもある『琴』の『コト』、『音色』の『ネ』からとられたブランド名のこちらは、世界的にも弦楽器製造に定評のある日本国内で制作された丁寧な作りがおすすめポイント。
また、「ハワイアンコア」や「マホガニー」などのウクレレの定番材にこだわらず、伝統的なスタイルを残しながらも様々なジャンルの音楽にチャレンジできるよう開発されました。
バンド系楽器の取り扱いが充実している楽器店ならではの着目点で、とても面白いですね。
価格は30,000円~100,000円弱。
ジャンルにとらわれず、いろんな曲を演奏してみたいという方におすすめです!!
S.Yairi(矢入楽器製造㈱)
引用 Amazon
ヤイリギター㈱の創業者、矢入儀一氏の弟である矢入貞夫氏によって1938年に立ち上げられた矢入楽器製造㈱によるブランド。
「C.F.Martin」社のギターを徹底追求し、国内のアコースティックギターの製造クオリティの向上に大きく貢献したのち、2017年にその経験を活かしウクレレの製造、販売を始めました。
最先端の製造技術との融合により、今なお進化し続ける国産ブランドです。
価格は10,000円~30,000円ほど。
ここで注意!!
ギターに詳しい人はご存じかもしれませんが、YairiにはK.Yairi、S.Yairi、A.Yairiという3つのブランドが存在します。
3つとも関連性がないわけではありませんが、実は全くの別物!
K.Yairiは1935年に矢入儀一氏が創設した矢入楽器製作所の流れを汲むブランドで、現在は株式会社ヤイリギターによって製造されています。
S.Yairiは上記の通り。
A.YairiはK.Yairiの輸出用ブランドです。
ギターにおいて一般的に「ヤイリギター」と呼ばれているのはK.Yairiのものです。
K.Yairiからもウクレレは製造、販売されていますが、価格は100,000円前後~と少しお高め。
選ぶ際はご注意ください!
日本人ビルダーのこだわりが詰まった国産ウクレレ!おすすめはこちら!
次にご紹介するのは、日本人ビルダーの匠の技が詰まったおすすめ国産ウクレレブランド。
ビルダーというのは、楽器職人、楽器の作り手の呼称です。
日本人ならではの緻密で繊細な技術をもった職人によるウクレレブランドの中から
支持率の高い5つのブランドをピックアップしてご紹介いたします♪
Seilen(セイレン弦楽器工房)
セイレン弦楽器工房は、長野県芽野市の蓼科中央高原に工房を構える日本を代表するウクレレ製作家、高橋信治氏のプライベート工房です。
様々な種類の豊富な木材ストックを使用し、高橋氏の感覚と積み重ねた技術から生み出されるウクレレは、多くのプレイヤーを魅了しています。
Seilenというブランドについて、高橋氏は自身の楽器製作の経験、技術、知識、知識、アイディアの全てを注ぎ込んだ挑戦、そしてライフワークだと語っています。
オールハンドメイドで作られるSeilenは、選び抜かれた木材の持つ個性的な音色を最大限に生かして作られます。
過度な装飾を避けたシンプルな美しさもその魅力の一つ。
価格は120,000円~。使う木材と構造、装飾によって違ってきます。
T's Ukulele(セイレン弦楽器工房)
高橋氏により2000年にカスタムメイドのブランドとしてスタート。
軽やかな弾き心地と音色で国内に多くのファンを持つブランドでしたが、、残念ながら2020年5月をもって生産を終了してしまいました。
ネット上にも生産終了を惜しむ声が多く寄せられています。
価格は50,000円~。
現在手に入るのは、店舗で保管されているものや中古品のみとなりますが、運良く出会えたあなたはラッキー♪
手に取って気に入ったら迷わずゲットです!
Craft Musica
引用 CRAFE MUSICA
埼玉県吉川市に工房を構える高山康夫氏によって製作されているブランド。
家具職人として8年のキャリアを積んだ高山氏の木工技術の光る唯一無二のデザインセンスで多くの愛好家に支持されています。
価格は70,000円~、オーダーの場合は120,000円から~。
木材へのこだわりと細やかな手作業による弾き心地や音色の良さはさることながら、その個性的なデザイン性に惚れ込んで愛用するプレイヤーも多いのだとか。
URABE UKULELE (占部弦楽器製作所)
引用 占部弦楽器製作所
京都発のハイクオリティなウクレレとして京都に工房を構える占部弦楽器製作所から生まれたURABE UKULELE。
占部英明氏、直宏親子によって製作される国産手工ウクレレブランドです。
占部氏は50年以上に渡ってギター、ウクレレの製作に携わってきたウクレレビルダーの草分け的存在。
楽器作りに魅せられた職人による正確なピッチと音色の粒立ちの良さ、透明感のある響きを有するURABE UKULELEは、若手No.1ウクレレプレイヤーの呼び声高い名渡山遼が愛用することでも有名です。
価格は120,000円~。
注目のウクレレプレイヤーも愛用する楽器の音色、生で聴いてみたくなりますね♪
ASTURIAS
引用 アストリアスギター オフィシャルサイト
福岡県久留米市に工房を構えるアストリアスワークショップ。
ここで約15名のビルダーによって製作されるASTURIASの特徴は何といってもこの独自のボディサイズ。
ウクレレの中でも小さいソプラノとそれよりひと回り大きいコンサートの間のサイズを採用しているため、サイズを気にすることなく演奏できると女性の間でも人気のブランドです。
木材の保管庫の温度管理の徹底、細やかな手作業でのやすりがけなど、細部までこだわり抜いた職人によるASTURIAS のウクレレは、プロ・アマ問わず数々のプレイヤー達に選ばれ続けています。
価格は100,000円~。
他にはないサイズ感というのも魅力的なおすすめポイントです✨
ウクレレの国産おすすめブランド!その購入方法について
ウクレレの国産ブランド、そして個人ビルダーによってハンドメイドで作られる国産ウクレレブランドのおすすめをご紹介させていただきました。
ここでは、その購入方法について、お話しさせて頂きたいと思います!
上記のブランドのウクレレは、公式サイトや通販サイトでの購入が可能なものがほとんどです。
国産のウクレレブランドで、価格はこのくらいで...と選ぶのもいいとは思います。
ですが、私が個人的におすすめするのは「楽器店、または工房に出向いて試弾して買う!」これ一択です!!
私、実はピアノをちょこちょこっと色々な場所で演奏させていただくことがありまして、自宅にももちろんピアノが置いてります。
そのピアノも、工場まで行って実際に数台弾いて選ばせてもらった中の一つですが、同じ大きさの同じ型でも本当に全く音色もタッチも違うんです!
見た目では全くわかりません!!
楽器は大事にすれば一生もの。
いいお値段のものなら尚更、いつまでも「やっぱりこの楽器好きだなぁ」と大切にしていくためにも、実際に弾いて、音を聴いて選ぶことをおすすめします。
楽器店で購入する際、ブランドとモデルを伝えて「いくつかの中から弾いて選びたいんです」と伝えると、取り寄せて弾き比べさせてくれるお店もあります。
専門スタッフさんがいらっしゃる店舗であれば、国産ブランドの特徴や自分の好みに合わせたおすすめを提案してくださることもあるので、気になることをどんどん質問してご自分の納得できる楽器選びをぜひしてくださいね♪
ウクレレの国産おすすめブランド!日本製にこだわるならこれ!!のまとめ
ウクレレの国産ブランドについて、おすすめをご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
ウクレレの国産おすすめブランド
- Famous(KIWAYA商会)
- KIWAYA(KIWAYA商会)
- LUNA(KIWAYA商会)
- COTONE(島村楽器)
- S.Yairi(矢入楽器製造㈱)
日本人ビルダーのこだわりが詰まった国産ウクレレ
- Seilen(セイレン弦楽器工房)
- T's Ukulele(セイレン弦楽器工房)
- Craft Musica
- URABE UKULELE(占部製作所)
- ASTURIAS
どの国産ブランドも海外ブランドに比べて少しお値段の張るものが多いのは確かですが、国産ブランドとして誇りをもって楽器製作に当たっているこだわりが垣間見える素敵なウクレレばかりです。
ウクレレを始めたいなぁと思われている初心者の方も、色んな音色を楽しみたいから2本目3本目を検討しているという中上級者の方も、ぜひこちらのおすすめを参考にMyウクレレ選びをしてみてください♪
そして、ブランドも大事ですが、後悔しない楽器選びの最大のポイントは、実際に弾いて、弾き心地を体感して、音を聴くこと!
「そんなこだわりないし、好みもよくわからないし…」という方も、数本弾き比べると必ず「こっちの方がしっくりきて好きかも♡」という感覚に出会えるはず。
ウクレレと共に過ごす素敵な音楽ライフ、おすすめのこだわり国産ウクレレを手にぜひ楽しんでください♪