在宅勤務中にVPN接続ができないため、困ったことはありませんか?
ずい分と普及したVPN接続ですが、よくわからないまま使っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
在宅勤務でVPN接続できないときの対応や、VPNのしくみについて解説します!
VPN接続できないときに在宅でできる対応
この数年、勤務形態のひとつとして、リモートワークや在宅勤務が普及しました。
通勤ラッシュがないのは嬉しいですが、業務に必要な社内フォルダへ接続できない、つながりにくいということ、ありますよね…。
会社として、セキュリティ上欠かせないVPNの接続ですが、逆に不便な思いを抱える方も…。在宅でもできる対応について紹介します!!
ルーターとパソコンのケーブル接続や電源を確認
まず、ルーターやケーブルの接続状態、電源などを確認してみましょう。
LANケーブルを確認
LANケーブルが、パソコンやルーターに接続されているか、確認しましょう。
抜けていたり、根元までささっていない場合は、しっかりさし直してください。
ルーターやポケットWiFiのランプを確認
コンセントや電源が入っているか、電源ランプがついているか確認しましょう。
エラー表示があったら、メーカーの取扱説明書の手順に従って復旧させてください。
パソコンやルーターを再起動する
ケーブルや電源に問題がなく、ランプも正常な場合は、パソコンやルーターを再起動してみてください。
ルーターはメーカーによって操作が違うので、取扱説明書で再起動の手順を確認してくださいね。
パソコンのインターネット接続を確認
VPNを通さない状態で、GoogleやYahooなど、一般的な検索サイトを見られるか確認しましょう。
WiFi接続の場合、接続が切れていたり不安定になっていたりして、見られないことがあります。
一旦、WiFi接続を切ってから、もう一度WiFi接続をオンにしてみてください。
WiFiが不安定な場合は、WiFiからLANケーブルの有線接続に変えるだけで、安定してつながることがあります。
IPアドレスやDNSサーバーの設定を確認
IPアドレスやDNSサーバー設定を確認しましょう。 IPアドレス・DNSサーバー設定の確認方法
VPN認証プロトコルやチャレンジハンドシェイク認証プロトコルを確認
事前に、パソコンに設定されているVPNの種類が何かを、会社のマニュアル等で確認しておきましょう。
通常は「自動」「Point to Point トンネリング プロトコル (PPTP)」「証明書を使った L2TP/IPsec」「事前共有キーを使った L2TP/IPsec」「Secure Socket トンネリング プロトコル (SSTP)」「IKEv2」のいずれかに設定されています。
VPN認証プロトコルの確認方法
- 画面左下のスタートメニュー(旗のマーク)をクリックします。
- 設定(歯車のマーク)をクリックします。
- 右上に出る「ネットワークとインターネット」(地球儀のマーク)をクリックします。
- 左側に表示される「VPN」をクリックします。
- 表示される「VPNの種類」が、本来設定されている正しいものと同じか確認しましょう。
- 表示されるVPNの種類が違う場合は、正しいものを選び直してください。
チャレンジハンドシェイク認証プロトコルの確認方法
セキュリティシステムの状態を確認
Windows10のセキュリティシステムを無効にする方法です。
念のため、事前に社内担当者へ了承を得てから、この手順を試してくださいね。
セキュリティシステムを確認する方法
- 検索窓(画面左下の虫メガネマーク)へ、「コントロールパネル」と入力してEnterボタンを押します。
- 左上に表示される「コントロールパネル」をクリックします。
- 「システムとセキュリティ」をクリックします。
- 「Windows Defenderファイアウォール」をクリックします。
- 左上に出る「Windows Defenderファイアウォールの有効化または無効化」をクリックします。
- 「Windows Defenderファイアウォールを無効にする」にチェックが入っているか確認しましょう。
- 「Windows Defenderファイアウォールを無効にする」にチェックが入っていない場合は、チェックを入れてから右下にある「OK」をクリックしてください。
時間をあける
VPNの同時接続数には上限があります。同時にアクセスが集中した場合、VPN接続ができなかったり、通信速度が遅くなったりします。
少し時間をおいてから、もう一度試すと混雑がなくなってつながることがあるので、試してみてください。
始業すぐの時間帯などは、特にアクセスが集中しがちです。少し早めにVPN接続まで済ませておけば、接続ラッシュの影響はないので安心です。
ここまで試した結果、インターネット接続はできるのに、VPNだけがつながらない場合、VPN側が原因の可能性があります。
その時は、社内のVPNに関する問い合わせ窓口へ相談しましょう。連絡するときは、インターネットにはつながること、どんな方法を試したか含めて伝えてください。
実際に試した方法や今の状態が正確にわかれば、担当者も原因を特定しやすく、復旧までの対応がスムーズになります。
VPN接続できないときの原因について
VPNが接続できないときの原因について、解説します。
VPN接続できないときの原因について
原因として多いのは、次の4つです。
パソコンがネットワークに接続されていない
意外に多いのが、パソコン自体がネットワークに接続されていないことです。
LANケーブルがしっかり根元まで差し込まれていないと、インターネットに上手くつながらないことがあります。
WiFi接続の場合は、接続自体が切れてしまっていたり、接続自体が不安定になっていたりするので注意しましょう。
IPアドレスやDNSサーバーが自動取得できていない
インターネット上の住所にあたるのが、IPアドレスです。そして、DNSサーバーは、ドメインネームシステム(Domain Name System)の略称で、IPアドレスとドメインをリンクさせるためのしくみです。
両方とも、ネットワーク上でデータを送受信するとき、通信相手を指定するために使われます。
Webサイトの閲覧をしたり、メールを送ったり受信したりするときに必要なものです。
VPNに接続するとき、通常は、IPアドレスやDNSサーバーを自動的に取得できるようになっています。
VPN接続の設定を手動にしている場合や、自動取得がうまくできない状態だと、VPNにも接続できなくなってしまいます。住所不明の状態をイメージしてもらうと、わかりやすいかもしれません。
VPN認証プロトコルの設定が間違っている
認証プロトコルは、その人がアクセスする権限のある人なのか、本人なのかなどをチェックするしくみです。
VPN接続するときは、実際に使うパソコンやスマホと、VPNルーターなどのVPN認証プロトコルが一致していないと使えません。
違うVPNの認証プロトコルの設定になっていると、権限がない部外者と判断されて、VPN接続できなくなります。
セキュリティシステムが作動している
Windows10含めたほとんどのパソコンには、情報を守るために、セキュリティソフトやファイアウォールなどが入っています。
このセキュリティシステムが原因で、VPN接続をできない場合があります。その場合は、セキュリティソフトやファイアウォールの設定自体を変更しないと、VPNに接続できません。
VPNってそもそも何?
VPNは、正式名称を「Virtual Private Network(バーチャル プライベート ネットワーク)」といいます。
日本語で直訳すると、仮想専用線ですね。悪意のある第三者や、部外者から情報を守るためのしくみです。
VPNは決められたユーザーのみアクセスができ、送受信の際にデータを暗号化するので外部から情報を見られず、安全に通信ができます。
そんなVPNには、大きくわけて4つの種類があります。インターネットVPN、IPーVPN、エントリーVPN、広域イーサネットの4つです。
中でも、多く使われているのはインターネットVPNとIP-VPNの2つです。
インターネットVPN
一般企業で採用されることが多いのが、インターネットVPNです。既存のインターネット回線を利用しており、VPNの中でもコストが安くて手軽に使えるためです。
ただし、利用するインターネット回線に、通信速度や品質が影響されるという特徴があります。
IP-VPN
通信事業者が専用に用意したネットワークを利用するVPNです。
IP-VPNは、契約者のみが利用できる閉ざされたネットワークのため、安全性が高く通信速度も確保されています。インターネットVPNに比べると、費用が高くなります。
エントリーVPN
ADSLなど、比較的安価なブロードバンド回線と、契約者だけが使えるネットワークを利用したVPNです。
IP-VPNと似ていますが、IP-VPNよりも安く導入できるという特徴があります。ただし、帯域保障などがなく、通信速度が遅くなる可能性があるため注意が必要です。
広域イーサネット
通信事業者が、専用に用意したネットワークを利用するという点が、IP-VPNと似ています。
広域イーサネットは、IP-VPNよりも柔軟性があり、カスタマイズが可能な点が特徴です。
VPNだけでなく、複数の拠点間のネットワークを、同じ拠点内のように利用するLAN構築などもできます。
柔軟性が高い分、ネットワーク設計の専門知識が必要で、回線費用もかかります。
VPN接続を在宅勤務で導入するメリットとデメリット
VPN接続を、リモートワークや在宅勤務で導入するメリットとデメリットを解説します。
VPN接続を在宅勤務で導入するメリット
主に5つのメリットがあります。
費用を抑えられる
VPNの場合は、既存のインターネットを利用するため、運用コストが安く、導入費用も抑えることができます。
また、複数の拠点同士での接続もできるため、複数の拠点を持つ企業やテレワークにも適したしくみです。
暗号化で安全に通信できる
VPNには、通信内容を部外者の盗み見から守る暗号化機能や、限られた人だけがアクセスできるトンネリング機能などがあります。この機能があるおかげで、安全な環境でデータ通信ができます。
物理的な距離に関係なく接続できる
在宅勤務はもちろん、オフィスが複数あったり、国内各地や海外に拠点がある場合にもVPNは有効です。
距離を気にせず、ネットワークを作ってつながれるのは大きなメリットですよね。新しい生活様式として推奨されている、テレワーク(リモートワーク)で重要なしくみです。
モバイル端末からも接続できる
働き方改革や新しい生活様式推奨の影響で、在宅勤務やノマドワーカーなど、時間や場所に縛られない働き方が増えてきています。
ノートパソコンやスマートフォンなどのモバイル端末から、社内サーバーへ接続する機会も増えていますよね。
VPNを利用すれば、離れた場所から安全な通信環境で社内情報を活用でき、さまざまな働き方に対応ができます。
複数の拠点でも接続できる
オフィスが複数あっても、VPNを活用すればスムーズに安全なデータ通信ができます。
専用線の場合は、その回線でつながっている場所でしか通信ができませんが、VPNなら、各拠点同士でも安全な環境で通信ができます。
VPN接続を在宅勤務で導入するデメリット
VPNも万能ではないため、デメリットもあります。主なデメリットは下記の3つです。
情報漏えいの可能性はゼロではない
VPNはセキュリティ機能がありますが、絶対に安全というわけではありません。
既存のインターネット回線を使うため、VPNの設定が適切でないと情報漏洩の危険があります。絶対的に安全なものではないことを、念頭においておきましょう。
通信速度が遅くなる場合がある
インターネットVPNは、既存の回線を利用するしくみです。そのため、時間帯によっては混雑して通信速度に影響がでることがあります。
VPNのセキュリティ機能は、ルーター側のCPUも使うため、その影響で通信速度が落ちることもあります。
コストがかさむ場合がある
専用線に比べると、費用が抑えられるのがVPNです。しかしVPNでも、多機能な製品は価格も高くなる傾向があります。
多機能のVPN製品を導入しても、上手く使いこなせないと結局、その分高くついてしまった…となることがあります。
VPN接続できないときに在宅でもできる対応を知りたい!!のまとめ
まとめ
- 在宅勤務でVPN接続できないときは、まずLANケーブルが抜けていないか、WiFiがつながっているかなどを確認する。
- パソコンやWiFi、ルーターを再起動するとVPN接続できることがある。
- VPN接続できないときは、時間をおいてやり直すと、混雑がなくなって接続できることがある。
- VPNは、正式名称を「Virtual Private Network(バーチャル プライベート ネットワーク)」という。
- VPNの中でも、企業で多く採用されているのはインターネットVPNと、IP-VPN。
- VPNは決められたユーザーのみアクセスができ、送受信の際にデータを暗号化するので外部から情報を見られず、安全に通信ができる。
在宅勤務中やリモートワーク中にVPN接続できないときの対応や原因、VPNのしくみなどを中心に紹介しました。
接続する時間帯をずらしたり、配線や電源の確認をしたりすることで、VPNの接続ができることがあります。
紹介した方法で接続できなかった場合は、社内の担当者へ、相談してみましょう。その時は、どんな方法を試したのかも伝えてくださいね。