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手土産に和菓子を!種類を知って季節にぴったりのものを贈ろう

和菓子と聞いてどんなお菓子を想像するでしょうか。まんじゅうや団子など、人それぞれ思い浮かべるものがあります。

実は和菓子に分類されるお菓子には、とても多くの種類があるんです。

ここでは、和菓子の種類について解説します。手土産にもぴったりのお菓子なので、季節を感じられる和菓子についても追求してみましょう。

和菓子の種類は大きく3種類

最も目にすることが多い生菓子

生菓子という名前からも分かるように、生の状態で食べる和菓子を生菓子と呼びます。賞味期限は0~3日程度と短い点が特徴です。

餅物(おはぎなど)、蒸し物(ういろうなど)、焼き物(どら焼きなど)、流し物(羊羹など)、練り物(練切など)のことを指すので、目にすることが多い和菓子の種類と言えるでしょう。

他にも、あんみつやぜんざい、あんドーナツなども生菓子に含まれます。

親密な間柄の相手へ贈る手土産なら、賞味期限が短い生菓子でも大丈夫でしょう。その場で和菓子の彩りや繊細な作りなどを愛でながら食べるのもおすすめです。

賞味期限が長い半生菓子

生菓子よりは賞味期限が長く設定されているのが半生菓子です。

あん物、おか物(最中など)などが含まれますが、生菓子にも該当する練り物や焼き物なども半生菓子に該当することがあります。

賞味期限が長いといっても、2~7日程度のものが一般的ですが、どのような材料が入っているのかによっても変動するのできちんと確認すると良いでしょう。

手土産に持って行くなら、ある程度親密な間柄の相手であることがおすすめです。

賞味期限が短い半生菓子をチョイスしてしまうと、贈った相手に早く食べないと、と気を遣わせてしまうことになってしまうので注意しましょう。

一番日持ちする干菓子

手土産やお供えものとしても最も選ばれているのが干菓子です。賞味期限が長く、3カ月~半年程度に設定されているものが多いです。

打ち物(らくがんなど)、焼き物(煎餅など)、揚げ物(かりんとう)、押し物(むらさめなど)、掛け物(甘納豆など)、あめ物(金平糖など)が挙げられます。

どのようなものを指しているのかを明確にすると、賞味期限の長さに納得がいくのではないでしょうか。

贈る相手に気を遣わせない贈り物としては最も最適と言えるでしょう。

四季を表現できるほど和菓子の種類は多い

一月:正月の和菓子の代名詞「花びら餅」

正月の和菓子として知られている花びら餅の歴史は古く、600年前の平安時代にまでさかのぼります。かつては、宮中で食べられていたおせち料理の一つでした。

明治時代に茶道の裏千家が初釜の際に使用することを許可されてからは、全国の和菓子店で取り扱われることも増え、現在では正月になると目にする和菓子となりました。

花びらを模した薄いピンク色の餅に、味噌餡と甘く煮たごぼうを挟んでいるのが花びら餅になります。

二月:梅の押印がある「花衣」

花衣とは、花見などに出かける際に女性が身に付ける華やかな着物をイメージして作られています。

「二月」「花」と聞くと桜を思い浮かべる方も多いでしょうが、ここでは梅を指しています。

実は奈良時代までは花=梅を意味していたんです。

表面には梅の花びらが押印してあるのが特徴の和菓子です。

この頃になると、まだ寒さが厳しい中、春の訪れを待ちわびる気持ちから花をモチーフにした生菓子が多く登場してくるので、他の花モチーフの和菓子もチェックしてみると面白いでしょう。

三月:春の訪れを感じられる「鶯餅(うぐいすもち)」

春の訪れをうぐいすで表現する和菓子です。青や緑のような色合いがうぐいすを連想させます

うぐいすの丸いシルエットもしっかりと表現されており、口にいれるととても柔らかい食感は見た目からの印象を裏切りません。

春の訪れを連想させるモチーフとしてうぐいす以外にも、若葉や新芽などが使われることもあり、一年を通して青や緑色の和菓子が並ぶのもこの時期ならではと言えるでしょう。

四月:関東と関西で異なる「桜餅」

桜と名がつく和菓子には多くの種類がありますが、桜餅は代表的な和菓子と言えるのではないでしょうか。

桜の花をイメージさせるピンク色と、包んでいる桜の葉の緑色のコントラストが誰にでも桜餅と認識できる和菓子です。

実は同じ桜餅でも関東と関西ではちょっと異なります。

関東の桜餅は江戸時代が発祥と言われており、小麦粉で作ったピンク色の薄焼き生地で餡を包み、塩漬けにした桜の葉で巻いているものを指します。

関西では道明寺粉で作ったもっちりとした食感が特徴になっていることから、使用される材料が異なります。

さらに関西では、関東のように塩漬けした桜の葉で包むところもありますが、塩漬けした桜の花を中央にのせるところもあります。

五月:端午の節句に不可欠「柏餅」

端午の節句で出されることが多く、5月5日が近づくと柏餅が販売されます。

使用されている柏の葉は、新芽が出てから古い葉が落ちるという特性があるため、跡継ぎが絶えない、子孫繁栄を意味し、昔から神聖なものとして扱われてきました。

子どもの健康を祈る子どもの日には欠かせない和菓子であることは、昔から変わらないということが分かります。

柏餅の葉は、桜餅に使用されている桜の葉とは異なり、固くパリッとしているのが特徴です。

そのため、柏の葉を一緒に食べる人と食べない人に分かれる点も、面白いポイントでしょう。

六月:厄払いの意味もある「水無月」

六月になると徐々に暑さが厳しくなり、病気が流行る時期ということから、病気に負けずに夏を超えられるように願いを込めて厄払いとして食べられてきた和菓子です。

三角形のういろう生地に、邪気や悪魔を払うという意味がある小豆をのせています。

現在でも京都では6月30日に水無月を食べて厄払いを行う夏超の祓という行事があります。

白いういろうと、みずみずしい小豆を用いた水無月は、ガラスの皿などに盛るととても涼しげな印象を与えてくれます。

七月:旬なものをかたどった「若鮎」

七月に旬を迎える鮎をモチーフにした若鮎は、カステラ生地の中に求肥や白餡を挟んでいます

目とひれを焼き印しているので、ひと目で鮎だと分かり、季節の到来を感じることができる和菓子になっています。

カステラ生地の柔らかな食感と、餡の甘さに思わず笑顔になれてしまう和菓子です。

清流を泳ぐ鮎を表現した若鮎は、日本各地で販売されますが、発祥は京都や岐阜など諸説あるようです。

八月:秋の花をモチーフにした「桔梗」

濃い紫色が印象的で秋の花の一つである桔梗は、夏の終わりから初秋にかけて咲く花です。

桔梗を形どった和菓子を見ると、秋の訪れが近いことを感じることができます。

ぷっくりとした花びらからは、上品で柔らかさを感じられます。

桔梗の漢字には、吉と更が含まれていることから、「さらに吉」ということで縁起物として扱っているところもあるようです。

九月:不老長寿を願う「はさみ菊」

9月9日は不老長寿を願う日で、菊の日とも言われています。

実は、和菓子の中で菊は長寿のシンボルとして使われているんです。慶弔用のお菓子などに使われているのもその一例です。

はさみ菊は名前の通り、専用のはさみで菊の細かな花びらを切り出している、まさに職人技の光る和菓子です。

菊には種類が多いので、はさみ菊としてどの菊をモチーフにしているのかは、職人によって異なります。

お店や職人によって異なるはさみ菊を見比べてみるのも面白いでしょう。

十月:勝負事に縁起の良い「栗きんとん」

昔は、日本のどこの山でも気軽に採ることができた栗なので、栗きんとんにも庶民的な印象を受ける人も多いですが、現在では採れる山も限られており、この季節の栗きんとんを食べることは、とても貴重なことになってきました。

殻ごと乾燥させた栗を臼で細かくすることを「かつ」と言います。そのことから「勝つ」と掛けられ縁起物として扱われています

栗きんとんには、栗を裏ごししてイガのような形に成形したものと、裏ごししたものを茶巾で絞るものとあり、後者は茶巾と呼ばれています。

ほっくりとした栗の甘さは、日本茶との相性が抜群の和菓子と言えるでしょう。

十一月:秋から冬にかけて贈りたい「初霜」

初霜は、名前の通りに、秋から冬にかけて地面にうっすらと霜が張った状態を表現している和菓子になります。

現代では霜が地面を覆う時期はどんどん遅くなっていますが、暦の上では霜降の10月23日から立冬の前日までを初霜の候と呼ぶことが多いため、十一月の和菓子として知られるようになっています。

地面を模した赤茶色の和菓子の上に、赤色の紅葉、黄色のイチョウがちょこんとのっている様はとても可愛らしいです。

寒さが徐々に厳しくなるため体調を崩さないようにという想いを込めて贈られる和菓子です。

十二月:冬景色の中の彩り「寒椿」

冬を代表する花の一つ、椿をモチーフに作られた和菓子です。

冬景色の中にぼつんと鮮やかな色彩を放つその様子は、より椿の美しさを引き立たせます。

冬の季節は、咲く花の種類が少ないこともあり、椿を使った和菓子は他にも数多く作られています。

実物の椿の花にも、赤や白などさまざまな色があるので、寒椿にもお店や職人によって異なる色を楽しむこともできるでしょう。

和菓子の種類を知ったら想いの奥深さを伝えよう

和菓子と一言で言っても、その種類はとても多いです。

和菓子の歴史が古いことからも、何種類もある和菓子一つ一つに意味が込められていることも日本ならではではないでしょうか。

贈り物としても重宝される和菓子ですが、贈る相手、用途などに応じて、適切な和菓子を選ぶことも大切です。

数ある種類の中から和菓子を選んで、四季を感じたり、贈ったり食べたりしてみましょう。