日常生活のふとした瞬間にお札をうっかり破ってしまうことって、ありませんか?
お財布のジップで挟んでしまいそのまま切れ端を破ってしまった、子供がお札をおもちゃにして誤って破った、ポケットにお札を入れたまま洗濯をしてしまったなど…。
そんな破れたお札、もう使えないのでしょうか。
答えはNO!
もちろん状態にもよりますが、お札の端っこの数ミリ程度の破れや切れ程度だと、偽造防止技術の部分が残っていれば使用できます。
もし使えなくなったお札でも、最寄りの金融機関または日本銀行の本支店で、諸手続きを行うと、正規のお札に交換してもらうことができるんです。
うっかりとお札を破損して慌てないためにも、正しい対処法を身につけませんか?
破れたお札は銀行であればどこでも交換してもらえるの?
破れたお札は、最寄りの銀行や日本銀行の本支店であれば、どこでも交換をすることができます。
ただし破れたお札の状態により額面全額を受け取れない場合があります。場合によっては額面の半分だけになったり、もしくは失効してしまうことも。
破れたお札を日本銀行で交換する場合は、事前連絡が必要です。最寄りの銀行であれば、当日受付も可能です。
ただ事前連絡をしてあらかじめ状態や持ち込む量を伝えておくと、スムーズに引き換えをしてくれることが多いので、銀行で交換となった場合でも事前連絡をしておくのが無難かなと思います。
メモ
引換えの対象となる現金(お札や硬貨)のことを「損傷現金」と呼びます。主に使用できないお金の状態のことをこのようにいいます。
日本銀行で交換をする場合
破れたお札の引き換え場所は、日本銀行の本店と全国32の支店になります。営業日は9時~15時となっているので、その間に相談をしてみましょう。
先ほども言いましたが、日本銀行で破れたお札を交換する場合は、事前予約が推奨されています。
予約が必須というわけではありませんが、スムーズな対応を図るための呼びかけと思われます。
たしかに大量の破れたお札の引き換えをする場合や、損傷の度合いによっては相応の時間が必要になると思うので、事前に予約はしておきたいところ。
日本銀行で引き換えをする場合の注意点があります。
それは受付をした時間や破れたお札の数量、または損傷の度合いによって、その日のうちに引き換えができない場合があります。
そうなった場合、もし日にちをまたいでも、破れたお札を日本銀行は預かってくれないので、一度持ち帰ることになります。
その日のうちに引き換えをしたい場合は、計画的に行う必要があるので、やはり事前予約はしないといけないですね。
私はせっかちなので、朝イチから行ってその日のうちに済ませたいので、絶対に事前予約をするだろうなぁと書きながら思いました(笑)
また双方の確認が必要になるので、郵送での対応もできません。直接窓口に行って引き換えをしてもらいましょう。
最寄りの金融機関で交換をする場合
破れたお札の状態が比較的良く、明らかに偽造でないお札と確認できる場合は、最寄りの金融機関において正規のお札と交換してもらえます。
ただ日本銀行の本支店とは違い、民間金融機関の支店は、窓口の態勢上そもそも対応が難しいところも。
そのため金融機関の窓口をいきなり訪問しても「本日はお客様が多く引き換えを行うことは難しいので、日を改めて下さい」といわれることもありえます。
金融機関で破れたお札を引き換えてもらう場合でも、事前確認をする必要がありますね。
ポイント
信用金庫でも破れたお札の引き換えは可能ですが、こちらも事前に確認をとったほうが良いですね
日本銀行だと破れたお札の枚数が多くても対応をしてくれます。可能であれば日本銀行で引き換えをしてもらうのが良いと思います。
郵便局でも交換をしてくれるの?
全国の郵便局では破れたお札の引き換えをする、という対応は行なっていません。
「郵便局の窓口でも対応をしてくれた」と聞くこともありますが、あくまでもサービスとして対応をしてくれただけ。
基本的には郵便局では対応はしてもらえないので、そこは注意が必要です。
破れたお札の引き換えができる条件とは?
破れたお札の交換をする際には基準があり、その条件を満たしていれば引き換えをしてくれます。
ただし以下のような、具体的な基準が設けられています。
その理由はお札を意図的に破ってつなぎ合わせたりして、様々な金融機関で引き換えるという不正を防ぐためです。
また引き換えをする際の手数料などは不要ですが、身分証明書が必要になる場合が多いので用意をしておきましょう。
お札の面積が3分の2以上残っている場合
面積が3分の2以上の場合は全額として引換え
お札の面積が5分の2以上、または3分の2未満が残っている場合
面積が5分の2以上、3分の2未満の場合は半額として引換え。額面価格の半額に一円未満の端数がある場合には、これを切り捨てます。
お札の面積が5分の2未満の場合は失効になります
面積が5分の2未満の場合は銀行券としての価値は無く失効
このような基準が設けられているので、参考にして下さい。
お札は破れてしまっても、度合いによってはそのまま使用できます。
ただ最近は自動精算機やセルフレジなどの専用の機械を扱っているところが多くあります。
破れたお札や、セロテープで補強したお札を機械に入れると故障の原因になることも。
少し手間ですが、破れたお札に遭遇したら、引き換えるのが無難かと思います。
お店によってはレジを閉めるとき、破れたお札がある場合は付箋などをして別にし、お客さまに渡らないようにする、などの対応をしています。
確かに破れたお札や汚いお札をおつりで渡されたら「え、どうしたら良いの?」と思うし、なんだか嫌な気分になりますよね。
破れたお札といっても実はいろんな状態があります
冒頭でも触れましたが、お札が破れてしまう状況といえば誤って一緒に洗濯をしてしまった、そもそもお財布にお札を入れる習慣がない、子供がおもちゃにして破ってしまった、などあります。
もちろん「そうならないようにする」ことが一番ですが、うっかりやってしまった!ということもありますよね。
破れたお札の状態ごとに対応方法も変わってくるので、豆知識としてご紹介していきます。
真っ二つに破れてしまった場合
袋から取り出すとき無理に引っ張ると、折り目があるお札であれば、2つに破れてしまうことがあるかもしれません。
そんなときは横着をしてセロテープで補強をせず、近くの金融機関の窓口に持っていきましょう。
そのまま持っていけばきれいな状態で現存されているので、すぐに引き換えは可能かと思います。
ついつい濡らしてしまった場合
飲み物をこぼしてしまったり、誤って洗濯をしまった場合などは、できるだけ早く水分を取って乾かしましょう。
ポケットに入っていることに気づかずに洗濯をし、お札が団子のように固まった状態で乾いてしまった場合などは、無理に1枚ずつはがすことはしないでおきましょう。
ここでのポイントは「無理やりはがさず」そのままの状態で金融機関に持ち込むことです。
シュレッダーにかけてしまった場合
お札を入れた金融機関の封筒を、それごとうっかりシュレッダーにかけてしまうというパターンはありませんか?
もしくはシュレッダーにかけそうになったみたいな…。
もしお札がすだれのように刻まれてしまっても、復元されたお札の基準を満たしていれば、引き換え可能。全てのパーツが揃わなくても引き換えはできます。
ただし残ったお札の面積次第ではその半額、もしくは失効となることも。
ちなみに透かし部分やホログラムの部分は、正規のお札であることを見極めるポイントとなります。
シュレッダーにかけられた無残なお札を見ると、ついついあきらめて捨てそうになりますよね。
でも諦めずにしっかり集めて金融機関へ持っていきましょう。
タバコの火や火災などで燃えてしまった場合
お札がタバコの火などで誤って焼いてしまった場合には、燃えカスになってしまうと、これも失効となり引き換えできない可能性が…。
ただ灰になったものも含め、箱に入れるなどして、なるべく原形を崩さずに金融機関に持ち込むと引き換えをしてくれることがあります。
「お札が燃えて灰になってしまったら、もう値打ちなんてないよね…」とこれに関してもあきらめモードになりますが、灰が重要なお札のパーツになることもあります。
捨てたりせずに、金融機関に持っていきましょう。
破れたお札は交換可能ですが基本的には大切に扱いましょう
このように破れたお札や磨損した硬貨は交換できます。ただ手間や時間もかかってしまいます。
お年玉袋に入れられていたお札や、マネークリップで持ち歩いているお札はしっかりと折り目がついています。
でも折り目がついた箇所はどうしても弱くなりがちに。
特にお札は硬貨と違って傷みやすく、水に濡れてしまったときに、お札同士が引っ付いたりするともう大変です。
このまま使うと破れるかも?と思ったら、早めに金融機関で引き換えてもらうことをオススメしますが、大前提としては大切に扱うこと。
そうです、お金をおざなりにしないことですね。
大災害が発生したときに損傷現金が出てきます
「ふつうに扱っていたら、お札って破れないよね?」と感じる人もいるのでは。
普段の生活では、損傷現金に遭遇することはそこまでありませんが、実は阪神淡路大震災や東日本大震災のような大規模災害が起きたときは、大量の損傷現金が発生しました。
ここ最近は地震や大雨による被害が各地で起こり、家屋の浸水や倒壊が起こるほどの大きな災害があります。
そのため損傷現金の引き換えをしに、金融機関を訪ねる人も増えてきています。
ライフラインや被害状況などはたくさん報道されますが、災害のときに発生してしまった傷んだお金のことって、あまり知られていませんよね。
そうした異常事態が起きた時には、災害時における金融上の特別措置が発動します。
災害時における金融上の特別措置とは…豪雨や地震などの災害が発生したときに、被災者の便宜を図るために、被災地域と関連した金融機関等に対して、以下の措置を要請することがあります。
- 預金証書、通帳を紛失した場合でも預金者であることを確認して払戻しに応じること。
- 届出の印鑑のない場合には、拇印にて応じること。
- 事情によっては、定期預金、定期積金の期限前の払戻しに応じること。また、これを担保とする貸付にも応じること。
- 汚れた紙幣の引換えに応じること。
- 国債を紛失した場合の相談に応じること。
引用:日本銀行「災害被災地域の金融機関等に対する特別措置の要請」とは?
特に4番目の汚れた紙幣の引き換えに応じるに関しては、東日本大震災のときは大量のお札や硬貨が日本銀行の本支店に持ち込まれました。その量は阪神淡路大震災を上回ったといわれています。
特に東日本大震災では、津波で流されたお札や硬貨は泥まみれの状態で固まっていたり、海水にまみれてぐちゃぐちゃになった状態が多かったそうです。
それを職員がきれいな水で汚れを落としながら、ピンセットを使って一枚一枚丁寧に鑑定をしながらの引き換え作業は、相当の時間を要しておこなったといいます。
仕事とはいえ気の遠くなる大変な作業です。
赤の他人から見れば、破れたお札なんて紙切れ同然。
ですがそのお金がないと明日からの生活さえも立ち行かない人、また中小企業だとその会社が倒産の危機に陥ってしまうこともあります。
その人たちの悲鳴を決して無下にせず、真摯に向き合った職員がいたと思うと、胸が熱くなりますね。
破れたお札は銀行ならどこでも交換可能!破れが認められる範囲とは?のまとめ
- 破れたお札は近くの金融機関、もしくは日本銀行で引き換え可能です。事前に連絡をしてから訪ねましょう。
- ただし郵便局では引き換えをしてくれません。
- 引き換えをする際も条件が設けられています。常に全額の引き換えが保証されているわけではないのでご注意を。
- 特にお札は傷みやすいので、現金をよく使う人はお財布に入れておきましょう。
- 最寄りの銀行で引き換えをしてくれるとはいえ、お札は大切な通貨。大切に扱いたいですね。
電子マネーやIC決済をするユーザーも増えて、現金なんて使わないという人もいると思います。とはいえ現金派の人が多いのも事実。
大切に扱っていてもうっかり破れてしまったら、慌てずに近くの金融機関へ持ちこみましょう。
そして私もなんだかんだ言って現金派の人間。 お財布を握って近くのスーパーにお買い物に行きます。
そんなときに状態の悪いお札でおつりを渡されたりすると、やはり困惑するんですよね。
わざと破るなんてことはありませんが、うっかり破っちゃったみたいにならないように、大切に丁寧に扱いたいですね。