どんな分野においても、ときに「神童」とよばれる天才的な才能を持った子どもが現れることがありますよね。
今、クラシック音楽界では、吉村妃鞠(HIMARI)さんという12歳のバイオリニストがとても注目されています。
3歳からヴァイオリンを始め、10歳の頃には40以上のヴァイオリンコンテストで優勝を総なめにしていた吉村妃鞠さん。
2022年には、世界最難関ともいわれるアメリカの名門音楽大学にも最年少で合格しています。
この記事では、そんな天才バイオリニスト吉村妃鞠さんが通う学校、ご両親のプロフィール、ヴァイオリンの練習時間などについて調査してみました。
予定されているコンサートの情報もまとめていますので、ぜひ最後までお読みくださいませ。
吉村妃鞠が通う学校はアメリカの名門音大カーティス音楽院
引用:HIMARI公式HP
吉村妃鞠(HIMARI)さんは、慶應義塾幼稚舎の6年生です。
ですが、冒頭でも少し触れたとおり、2022年に、小学5年生にして世界屈指の名門音楽大学カーティス音楽院に合格しました。
このカーティス音楽院。創立当初より最高水準の音楽家を養成することを掲げており、入学した学生は全員、奨学金が全額支給されます。
有名な音楽家を数々輩出してきた歴史もあり、例年志願者は後を絶ちませんが、合格者は毎年160名と決まっており、合格率4%程度のきわめて狭き門です。
なお、合格率4%は、倍率にすると約25倍!
東京大学でも現在の倍率は3倍程度なので、いかにカーティス音楽院が難易度の高い学校か分かっていただけると思います。
何年も練習を重ねた大人でも入学困難な大学に、11歳で合格したHIMARIさん、すごすぎる......
そして、吉村妃鞠さんは、このカーティス音楽院に通うため、2022年8月から拠点をアメリカに移しました。
現在は、オンラインで日本の小学校の勉強を学びながら、カーティス音楽院で一流の音楽教育を受け、ヴァイオリンの演奏技術を高めています。
吉村妃鞠さんが奨学生となっている「公益財団法人江副記念リクルート財団」のホームページに、ご本人のコメントを見つけたので、掲載しておきますね。
2022年夏からCurtis音楽院で勉強をしています。 わたしは最年少ですが、オーケストラや室内楽の授業やコンサートもあって、音楽仲間も出来ました。 人と音楽を作ることが大好きです! 色々な国の音楽家とヴァイオリンを通して共演し、多くの人と音楽を分かち合える演奏家になりたいです。HIMARI
大人のオーケストラの中でも堂々と演奏する吉村妃鞠さんですが、コメントを読むと小学生らしい天真爛漫さも感じられて少し親近感がわきますね。
吉村妃鞠 が学ぶカーティス音楽院ってどんなところ?
カーティス音楽院(Curtis Institute of Music)は、アメリカ合衆国のフィラデルフィアにある世界的に有名な音楽学校です。この学校は、高度な音楽教育を提供し、優れた若手音楽家を育てることで知られています。以下に、カーティス音楽院の特徴をいくつか紹介します。
優れた教育体系: カーティス音楽院は、音楽の基本から専門的な技術、表現力、演奏技巧に至るまで、幅広い分野で高度な教育を提供しています。学生は、世界的に著名な音楽教師から指導を受けることができます。
優秀な教員陣: カーティス音楽院の教員陣は、世界的に有名な音楽家や指揮者で構成されています。学生は、業界で最も優れた専門家から学ぶ機会を得られます。
厳選された学生: カーティス音楽院は、非常に厳格な選考プロセスを通じて、世界中から最も優れた若手音楽家を受け入れています。そのため、学生は互いに切磋琢磨し、高いレベルの音楽教育を受けることができます。
公演機会: 学生は、学内外で定期的に公演の機会を得ます。これにより、実際の舞台経験を積むことができ、プロの音楽家としてのキャリアに備えることができます。
奨学金制度: カーティス音楽院は、優れた才能を持つ学生が経済的な理由で教育を受けることを妨げないよう、奨学金制度を提供しています。これにより、経済的な制約を抱える学生でも優れた音楽教育を受けることができます。
カーティス音楽院は、クラシック音楽に特化した教育を提供する学校として、世界中で高い評価を受けています。
カーティス音楽院で学んだ有名な音楽家は?
- 中村紘子(Hiroyo Nakamura): ピアニストとして知られ、カーティス音楽院で学んだ日本人音楽家の一人です。国際的なコンクールで数々の賞を受賞しており、演奏活動を精力的に行っていました。(故人)
- 渡部悠太(Yuta Watanabe): ヴァイオリニストで、若くして国際的な舞台で成功を収めている音楽家の一人です。カーティス音楽院で学んだ後、世界的なオーケストラと共演するなどしています。
- 溝口肇(Hajime Mizoguchi): チェロ奏者として知られ、クラシック音楽や映画音楽の分野で活躍しています。カーティス音楽院で学び、その後国際的な舞台で演奏しています。
- 高嶋ちさ子(Chisako Takashima): ヴァイオリニストとして活躍し、カーティス音楽院で学びました。彼女はクラシック音楽演奏家としての成功だけでなく、映画音楽にも貢献しています。
- 川井郁子(Yoko Kanno): 作曲家として知られ、アニメや映画のサウンドトラックを手がけています。彼女はカーティス音楽院で学び、その後幅広い音楽分野で活動しています。
- 南佳孝(Yoshitaka Minami): ギタリストで、カーティス音楽院で学びました。彼はクラシックギターの演奏家として知られ、国際的なステージでの演奏を行っています。
- 椎名林檎(Ringo Sheena): 日本のシンガーソングライターで、カーティス音楽院で学びました。彼女は独自の音楽スタイルで成功を収め、幅広い音楽活動を行っています。
これらの音楽家は、カーティス音楽院での教育を受け、その後の音楽キャリアで成功を収めた日本人音楽家の一部です。
いや、カーティス音楽院って、有名な音楽家になるための登竜門みたいですね。
吉村妃鞠は音楽家の両親の間に生まれたサラブレッド
わずか11歳で、名門カーティス音楽院に合格してしまうほどの実力の持ち主。きっと親御さんもすごい人なのだろうと思いますよね。
調査してみたところ、吉村妃鞠(HIMARI)さんのご両親はお二人とも音楽家でした。
吉村妃鞠の父親は、作曲家吉村龍太
吉村妃鞠さんの父親は、作曲家、演出家、キーボーディストとして活動されている吉村龍太さんです。
娘の妃鞠さんと同じく、小学校時代に「シンセサイザーの神童」として注目され、15歳で音楽家としてプロデビューされました。
及川光博さんやTUBE、宇多田ヒカルさんのサポートミュージシャンとしてツアーを回ったり、映画の音楽監督としてオリジナル・サウンドトラックを制作した実績もあるようです。
吉村妃鞠さんには、やはり同じ神童の血が受け継がれているということですね!
吉村妃鞠の母親は、バイオリニスト吉田恭子
吉村妃鞠の母親は、世界的バイオリニストの吉田恭子さんです。
桐朋学園大学音楽学部を卒業後、イギリスやアメリカへの留学も経て、2001年にはコロムビアミュージックエンタテインメントよりCDデビューも果たしています。
国内外の各地でリサイタルを行うほか、2003年からは全国の小中学生向けに「ふれあいコンサート」シリーズも開催しており、これまでに約380公演、8万名以上が参加しました。
吉村妃鞠さんが、バイオリン演奏において早くから頭角を現したのは、きっとお母さまから受け継いだ才能や感性の影響があったのではないかと思います。
吉村妃鞠さんご自身も、新聞社のインタビューでお母さまとのエピソードを話していました。
舞台では技術のことを考え過ぎないので緊張はあまりしない。
「練習して無理だったんだから、本番で気にしてもできない」ときっぱり。
「お客さんは音程がどれだけきまっているかじゃなくて、音楽を聴きに来る。人のために演奏する大切さはママから教わった」とはにかんで笑う。
引用:静岡新聞社公式サイト
お母さまからの教えが、とても素敵ですね。
子どもにとって一番近い存在である母親から、一流の演奏技術や演奏家としての心得を教わることができるのは、吉田恭子さんを親に持つ、吉村妃鞠さんの特権とも言えます。
そんな、吉田恭子さんと吉村妃鞠さん親子、2023年11月にはDUOコンサートも予定されているようです。
プロヴァイオリニストの親子共演、ぜひとも見てみたいものです。
吉村妃鞠さんのご両親のプロフィールについては、こちらの記事にも書いています。
もっと知りたい方は、お読みいただけましたら幸いです。
吉村妃鞠のヴァイオリン練習時間がすごい
吉村妃鞠(HIMARI)さんが、素晴らしい音楽家のご両親のもとに生まれていることが分かりました。
ですが、彼女が数々のコンクールで優勝したり、最年少で名門音楽大学に合格したりしたのは、決して親の七光りではありません。
こちらは、モントリオール国際音楽コンクールが公開している、モントリオール国際 MINI VIOLIN 2023での吉村妃鞠さんの演奏です。
引用:Concours musical international de Montréal YouTube Channel
とても小学6年生とは思えない、素晴らしい演奏ですよね。
私は音楽に詳しくないので、技術的なことはあまり分かりませんが、美しい音色が心地よく、心が洗われるようで何度も聞き入ってしまいました。
彼女がこのような演奏ができるのは、もちろん持って生まれた才能もあるとは思いますが、幼いころから膨大な時間を練習に費やしてきたのです。
吉村妃鞠さんは、2021年の毎日小学生新聞のインタビューで、バイオリンの練習時間についてこのように語っていました。
――1日の練習時間はどのくらいですか。
吉村さん ふだんは4~5時間ですが、気合が入ると7時間とか一気に練習することもあります。学校から帰るとまず練習にとりかかって2~3時間練習し、用事があればそれを済ませてからまた練習しています。
引用:毎日新聞社公式HP
これは、まだ吉村妃鞠さんが小学3年生のときのインタビューです。
小学校低学年で、1日4~5時間も集中して何かに打ち込めるなんて驚きですよね。
ですが、今はさらに、カーティス音楽院に通い、学校にいる間も、自身の音楽技術や感性を高めることに集中されているはず。
ヴァイオリンの練習時間も、小学3年生の頃よりずっと増えていることが容易に想像できます。
私が小学生の頃なんて、たった数ぺージの宿題をやる時間さえ確保せず、テレビを見たり兄弟と遊んだりしていました。
やはり、吉村妃鞠さんは才能だけでなく、並外れた努力ができる人だからこそ、数々の結果を出していると認めるほかありません。
【2023年8月現在】吉村妃鞠のコンサート予定
吉村妃鞠(HIMARI)さんの生の演奏が聞いてみたくなりますよね。
そこで、2023年8月現在、予定されている吉村妃鞠さんのコンサートの情報を開催日が近い順にまとめてみました。
意外と手頃な価格のコンサートもあるので、足を運んでみてはいかがでしょうか。
【2023年11月10・11日】新日本フィルハーモニー交響楽団 すみだクラシックへの扉
引用:HIMARI公式HP
会場:すみだトリフォニーホール 大ホール
新日本フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会、よく知られた名曲を中心に、クラシック音楽の魅力を広く伝えていくシリーズ「すみだクラシックへの扉」です。
吉村妃鞠さんが出演する11月10・11日の両日は、フランス生まれのジャン=クリストフ・スピノジさんが指揮を執り、オペラの名曲達が奏でられます。
公演詳細は新日本フィルハーモニー交響楽団 ホームページから
【2023年11月18日】HIMARI×吉田恭子 DUOコンサート
引用:HIMARI公式HP
会場:焼津文化会館 大ホール
吉村妃鞠さんのお母さま、吉田恭子さんとのDUOコンサートです。天才ヴァイオリン親子の共演は必見です。
公演詳細は焼津文化会館公式ホームページから
チケットは、9月9日(土)午前9時~発売されるようです。
【2023年11月23日】読売日本交響楽団 <第130回横浜マチネシリーズ>
引用:HIMARI公式HP
会場:横浜みなとみらいホール
ドイツの劇場叩き上げのマエストロ小林 資典さんが指揮を執るコンサートにソリストとして出演予定です。
公演詳細は読売日本交響楽団公式ホームページから
残念ながら、こちらのチケットは完売してしまっているようです。
【2023年12月16日】第29回 リクルートスカラシップコンサート
引用:HIMARI公式HP
会場:紀尾井ホール
公益財団法人江副記念リクルート財団の器楽部門現役奨学生たちが、1年間研鑽を積んだ成果を披露するコンサートです。
吉村妃鞠さんの他に、様々な楽器の現役奨学生14名が出演予定です。
公演詳細は公益財団法人江副記念リクルート財団 ホームページから
吉村妃鞠の学校は?天才少女の両親やバイオリン練習時間を徹底調査 まとめ
いかがだったでしょうか。
最後にこの記事をまとめると、吉村妃鞠(HIMARI)さんは、
- 慶應義塾幼稚舎の6年生
- 2022年8月からアメリカの名門大学カーティス音楽院に通っている
- 作曲家吉村龍太さんを父親にもつ
- 世界的バイオリニスト吉田恭子さんを母親にもつ
- ヴァイオリンの練習量が1日想定4~5時間以上
- 2023年中にも、いくつかコンサートの出演が予定されている
個人的に、お母さまである吉田恭子さんに、子どもの音楽性、感性の磨き方、自立性の育て方など詳しく聞いてみたいものです。
吉村妃鞠さんのこれからのご活躍、とても楽しみですよね。
最後までお読みくださりありがとうございました!