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浴衣の着方・左前は死装束と呼ばれるのはなぜ?!

 

 

この記事では、浴衣を左前に着てはいけないと聞いたことはあるけれど、どうしてダメなんだろう?という疑問にお答えし、恥ずかしくない浴衣の着方をレクチャーします。浴衣でのお出かけ前に、ぜひ最後まで読んで、着こなしチェックにお役立てください!

 

 

浴衣を左前に着るのがダメな理由

 

着物を左前に着るのは、死装束の時だから

左前とは、浴衣の合わせの部分が自分に対して左側が前になっていることを指します。浴衣に限らず着物を左前に着るのは、死装束の時だけ、とされているので、とても縁起の悪い着方です。

また、左前に着ると早死にするとも言われているので、とにかく絶対に避けなくてはならない着方なのです。浴衣を左前にさえ着ていなければ、とりあえず最低限のマナーを守れていると言っても良いので、最初に必ず確認しましょう!

 

 

浴衣の着方、NG集

浴衣を左前に着てはいけない理由は、よくわかったと思います。こちらでは、その他の避けた方が良い着方をお伝えします。粋で素敵な浴衣の着こなしができるよう、NGな着方をしていないかチェックしてください!

 

 

裾が長すぎる、短すぎる

浴衣は一度着てしまうと、着丈を直すのが難しいので、着付けの段階で特に気をつけなければならないのが裾の長さです。極端に長くて引きずってしまう、ですとか、短すぎて足首が丸見え、というのはNGです。ご自身の好みもありますが、くるぶしくらいの長さが美しいです。

 

 

衣紋を抜きすぎる、抜かなすぎる

衣紋は、浴衣の首の後ろ、洋服で言う後ろ襟の部分です。女性でこの部分を抜きすぎると色っぽすぎるのですが、抜かなすぎて首にぴったり沿わせると野暮ったくなります。こぶし一つ分くらいの抜き具合がもっとも美しく見えます。

男性は、逆に衣紋をぬいてしまうと野暮ったくなります。ぴったりと首にそわせるように着用しましょう。

 

 

襟元が開きすぎる

ゆるく着付けてしまうと、途端に緩むのが浴衣の襟部分です。だらしない印象を与えますので、襟を開きすぎるのはNGです。左右対称で、喉のくぼみが少し見えるくらいの位置で整えましょう。

 

 

普段着と同じ、派手なアクセサリーや時計をつける

浴衣を着ている時に、いつもと同じアクセサリーや時計をつけるのは、避けた方が無難です。特にネックレスは、せっかくの涼やかな首元の印象を台無しにしてしまう可能性が高いので避け、上品なピアスやイヤリング、指輪にとどめましょう。

 

 

履物をスニーカーやスポーツサンダルにする

あまり大人は選択しないコーディネートかと思いますが、完全にファッションとしてアウトになるのでやめましょう。基本的には下駄か草履を選び、おしゃれ上級者さんであれば、全身のコーディネートを総合的に判断し、その他のサンダルなどを取り入れるようにしましょう。

 

 

女性版、綺麗に浴衣を着るコツ

次に、女性のための、浴衣を美しく着こなすためのちょっとしたコツをご紹介します。着付けする時のコツから、プラスすることで周りと差がつくアイテムまで、綺麗に着られるアイデアをお伝えします。

 

 

下着は和装用を選ぶ

浴衣に限らず和装全般の洋装との最大の差は、直線が多いことです。ですので、体のラインをできるだけ直線に整えることで、気崩れを防ぎ、美しいシルエットを作ることができます。胸を小さく、ウエストとの落差も少なくすることがポイントです。

 

 

背中の中心に縫い目がくるように着る

意外と忘れがちなのが後ろ姿のチェックです。着付けの途中でも、必ず後ろ姿を確認し、布地の縫い目が背中中心にくるよう、調整しましょう。背中のラインがずれていると、気崩れの原因になりますし、全体的にだらしない印象を与えます。

 

 

おはしょりの下のラインが一直線になるように着る

体の中心にくるおはしょりですので、ここが整っていないとかなり目につきます。布地がもたついて余計な皺がよらないように、下のラインが全身まっすぐ整うように調整しましょう。

 

 

コーリンベルトを使う

腰紐は必ず使って着付けをすると思うのですが、女性の場合、さらにあると便利なのがコーリンベルトです。襟と襟を身八つ口(浴衣の脇の空いている部分です。)を通してつなぎ、襟が緩むのを防ぎます。気崩れを防ぎ、良い塩梅で襟を整えやすいです。

 

 

前板を帯の前部分に挟み込む

必ずしも挟まなくても良いのですが、前板を入れると帯の全面が綺麗に丸く整い、キリッとした印象を与えます。真夏にはメッシュタイプの前板がおすすめです。

 

 

帯締めを取り入れてーディネートを楽しむ

浴衣のコーディネートに帯締めを取り入れると、グッと周りと差がつきます。帯に使われている色の中から一色選択して、その色の帯締めをすると合わせやすいですが、あえて反対色でも個性的で素敵です。帯締めをすることで、帯自体も安定するので、ぜひ挑戦してみてください。

 

 

帯飾りで遊び心もプラスする

帯締めを取り入れたら、さらにプラスして欲しいのが帯飾りです。帯締めに通る、もしくは固定できるものなら何を付けても良いので、ガラス玉や大振りのビーズ、飾りのついたヘアクリップなどでも代用できます。コーディネートに合わせて楽しんでください。

 

 

足袋を履く

足元にもおしゃれを取り入れるべく、おすすめするのが足袋です。とくに浴衣にはレース足袋がおすすめです。足袋を履くとレトロでこなれた感じが出て、おしゃれな印象になります。履き慣れない草履の靴擦れ防止にもなりやすいので、ぜひ挑戦してみてください。

 

 

男性版、綺麗に浴衣を着るコツ

同じく男性も綺麗に浴衣を着るためのコツを紹介します。女性に比べると、工程も少ないのですが、ちょっとしたコツでこなれて見えやすいので、ぜひ取り入れてください。

 

 

ウエストから腰の部分にタオルを巻いてボリュームを出す

男性も女性と同じように、体のラインを直線にすると綺麗に着られるのですが、さらにお腹の部分に適度なボリュームがあると、貫禄が出て格好良く着られます。細身の方は特に気崩れ防止の意味でもおすすめです。

 

 

帯の位置を、腰位置にする

男性の浴衣の着付けで最大のポイントがこちらです。ウエストの高い位置で帯を結ぶと、途端に子供っぽくなり野暮になります。腰骨にかけて巻いていくことで、粋な印象を演出できます。

 

 

ストローハットやレトロなメガネを取り入れる

これは上級者向けですが、帽子やメガネを取り入れると、大正ロマンのような雰囲気で浴衣を着こなすことができます。浴衣の色と合わせて、どちらも直線的なデザインを選ぶと合わせやすいです。

 

 

女性版、浴衣を着ているときの所作

さいごに、実は一番大切な、浴衣着用時の過ごし方のコツ、所作をお伝えします。周りの人から一目置かれる浴衣美人を目指しましょう。

 

 

トイレは洋式を使う

浴衣を着ているときに、困るのがトイレです。浴衣着用時、和式はハードルが高いので洋式を選びましょう。クリップを用意して、浴衣の裾の前部分を帯に挟んでおくと、裾を汚したり乱れたりしにくいです。トイレを出るときには、必ず全身鏡でチェックを忘れずに!

 

 

座る時は浅く腰掛ける

浴衣を着ているときは、深く腰掛けるのはNGです。座面の手前に浅く腰掛け、背中の帯を背もたれにつけずに座りましょう。座る時は、両手で浴衣の太もも部分を内側に滑らせるようにすると、座ったときに下半身の布地がもたつきにくいです。

 

 

歩幅を小さく歩く

洋装時よりも、歩く歩幅は自然と小さくなるのが和装ですが、意識的に小さい歩幅で歩くことが浴衣美人への近道です。さらに、少し内股にして歩くと、より美しい所作にうつります。

 

 

手をあげる時は袂をおさえる

食事の時や、電車のつり革につかまる時など、浴衣を着て手をあげるシチュエーション時に気をつけたいのが、袂です。おさえずに手をあげると、脇まで丸見えになってしまい、はしたない印象を与えます。あげる方と反対側の手で、袂をそっとおさえて、上品に手をあげてください。

 

 

背筋を伸ばす

実は、これが大変重要です。上半身の特に肩周りが前に入る、いわゆる猫背で浴衣を着ていると、非常にだらしない印象を与えます。胸をはって背筋を伸ばして立つだけで、浴衣美人にぐっと近づきます。

 

 

男性版、浴衣を着ているときの所作

男性も、着なれない浴衣で失敗しないよう、過ごし方や所作を確認しておきましょう。女性とはまた違う難しさもあるので、要チェックです。

 

 

外へ蹴り出すように歩く

和装だと、ついつい歩幅が小さく、内股になりがちですが、男性が浴衣の時に内股でちょこちょこ歩いているのはあまり見栄えが良くありません。意識的に外へ蹴り出すように歩くよう心がけてください。

 

 

手をあげる時は袂をおさえる

このマナーは、女性と同じです。きちんと袂をおさえることで、清潔な印象、上品なイン場を与え、好感度が高いです。

 

 

背筋を伸ばす

こちらも女性同様ですが、男性は特に腰に意識を向けると、より格好良く見えます。腰を伸ばして、気持ち前に押し出すような立ち姿勢が、粋で浴衣を着こなしているように見せます。腰を伸ばすと自ずと背中も伸びますので、しゃんと立ててそれだけでも格好が良くなります。

 

 

まとめ

 

 

いかがでしたでしょうか?これで、浴衣を着てお出かけする自信がついたのではないでしょうか。普段はなかなか着る機会のない浴衣なので、間違った着方で外に出て恥ずかしい思いをすることがないよう、ぜひ最終チェックにお役立ていただければと思います。

とはいえ、あまりガチガチにルールに縛られるのも楽しくはありません。ここで書いたような最低限のルールを守って、あとはファッションとして楽しみ、夏の思い出をたくさん作ってくださいね。

最後の最後に、絶対に、絶対にやってはいけないのは、浴衣を左前に着ることです。夏の夜、お化けがでた〜と周囲に驚かれてしまうかもしれません。お家を出る前に、今一度浴衣の合わせを最終確認してからお出かけしてください。

それでは、楽しい浴衣ライフをお過ごしください、いってらっしゃい!!