突然頭痛に襲われたけど、ちょうど頭痛薬が無かった・・・・・・。
そんな経験のある方は多いのではないでしょうか。そんな時「風邪薬」で代用できるのでしょうか。
今回は、頭痛薬と風邪薬の特徴、頭痛の種類についてお伝えします。
辛い頭痛に対して、風邪薬を代用してもいいの?
基本的に頭痛に対して風邪薬での代用はしないようがいいでしょう。
風邪症状のない頭痛の場合、風邪薬には他の症状を抑える成分が含まれているため、身体に余計な負担がかかってしまいます。
ただし、頭痛以外に喉の痛みや鼻水といった風邪症状もある場合は、もちろん風邪薬を飲んでも大丈夫です。風邪薬を飲むことで、風邪の諸症状としての頭痛は治まる可能性が高いです。
風邪薬に頭痛に効く成分は入ってるの?
多くの市販の風邪薬は、熱を下げて、痛みを和らげる解熱鎮痛成分、鼻水やくしゃみを和らげる抗ヒスタミン成分・抗コリン成分、咳止めや痰の切れを良くする鎮咳・去痰成分、気管・気管支を広げるといったアドレナリン作動成分といった薬効成分が含まれています。
頭痛薬の主な成分は、もちろん痛みを和らげる解熱鎮痛成分です。
風邪薬に含まれる解熱鎮痛成分は、頭痛薬に含まれる解熱鎮痛成分と同じで、
アスピリン、サリチルアミド、エテンザミド、アセトアミノフェン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリンなどがあります。
風邪薬の中には、鼻水や咳といったそれぞれの症状に対する薬もあり、解熱鎮痛成分が入っていない物もあります。
基本的に、頭痛に対して風邪薬で代用することはお勧めしませんが、解熱鎮痛成分が含まれている風邪薬であれば、頭痛に一定の効果は得られるでしょう。
もし代用するのであれば、解熱鎮痛成分が含まれているか確認してくださいね。
ただし、最初にもお伝えした通り、身体にとって必要のない成分まで一緒に飲んでしまうため、副作用が出るリスクはあります。
また、風邪をひいている時に風邪薬を飲むのはいいですが、症状が鼻水、咳といったように分かっているようであれば、それに合わせた薬を飲んだほうがいいです。
風邪薬は風邪症状全般の薬なので、症状のない成分は身体にとって害になり身体に負担がかかります。薬の成分や効果効能を確認することは大切ですよ。
頭痛に対して風邪薬は効くの?効かないの?
頭痛には種類があり、主に特に明確な病気がないのに繰り返し起こる頭痛(一次性頭痛)と、病気が原因で起こる頭痛(二次性頭痛)に分けられます。
一次性頭痛
一次性頭痛は緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛の3つが代表的です。
緊張型頭痛
最も多く見られる一次性頭痛です。後頭部や頭全体がキリキリと締め付けられるような重苦しい痛みが特徴。
精神的なストレスや、長時間同じ姿勢を続ける事による血行が悪くなり首や頭の筋肉が緊張することで起こります。原因・メカニズムが似ているため、肩や首のこりを伴う人も多いです。
緊張型頭痛は市販の頭痛薬でも効果を発揮します。
ただし、市販の頭痛薬で効果が乏しい場合は病院を受診するようにしましょう。頭痛薬を飲み過ぎることで、逆に「薬物乱用頭痛」を引き起こす恐れがあるからです。
また、緊張型頭痛であれば解熱鎮痛成分の入った風邪薬で代用しても、効く可能性があります。もちろん、最初からお伝えしている通り、基本的にはおすすめしません。
片頭痛
ズキズキと拍動性のある頭痛が特徴です。
頭蓋骨内の血管が広がり、炎症を起こすことが原因と考えられていますが、詳しいメカニズムはまだ解明されていません。20~40歳代の女性に多い頭痛です。
頭痛より前に起こる前兆として、チカチカした光やギザギザの光(閃輝暗点)が最も多く見られます。
吐き気や嘔吐を伴うことも多く、頭痛発作中は感覚過敏となるため、光や音、臭いを不快に感じる方が多いです。
片頭痛専用の頭痛薬は「トリプタン系」と呼ばれていて、市販の頭痛薬にはありません。片頭痛が疑われる場合は、病院を受診しましょう。
ただし、頭痛が軽い場合は、市販の頭痛薬が効く可能性はあります。片頭痛が疑われる場合は、風邪薬を飲んでも効かない可能性が高いので、飲むのはやめておいたほうがいいでしょう。
群発頭痛
男性に多いですが、数は少なくかなり稀な頭痛です。
「目をえぐられる」ような激しい痛みで、必ず頭の片側に起こります。年1~2回ほど発症し、頭痛が起きやすい時期は1~2カ月間、毎日のように同じ時間に頭痛を感じるようになります。
詳しい原因はまだわかっていませんが、目の後ろを通っている血管が拡張することで炎症が起きるためではないかと考えられています。
群発頭痛はかなり痛みが強く、市販の頭痛薬では対処できません。もちろん風邪薬での代用も困難です。
スマトリプタン (イミグラン®)の皮下注射や酸素吸入が効果的なので、すぐに病院を受診しましょう。
二次性頭痛
二次性頭痛は、脳血管疾患や頭頸部の外傷、感染症など原因疾患が特定できる頭痛のことです。
二次性頭痛の例を挙げると、脳出血、クモ膜下出血、脳梗塞、脳腫瘍、外傷、感染症などです。風邪による頭痛も二次性頭痛に含まれます。
中でも、全般的に「突然の」「激しい」「今までにない」「人生で一番」などの経緯が含まれたり、痙攣などの神経症状を伴う場合は、頭痛の原因を治療しないと、命の危険を伴う可能性があります。すぐに病院を受診しましょう。
頭痛はよるある症状で、多くが心配のいらないものです。副作用のリスクはありますが、頭痛の種類によっては風邪薬で代用しても頭痛に効く可能性があります。
しかし、時には命の危険がある頭痛もあります。また、頭痛薬を飲み過ぎることで頭痛が悪化している場合もあります。
いつもと違う頭痛や、長引く頭痛がある場合は、市販薬に頼るだけでなく病院を受診するようにしてくださいね。
頭痛薬と風邪薬は併用してもいいの?
風邪薬の種類にもよりますが、基本的に頭痛薬と風邪薬の併用はやめましょう。
最初に説明した通り、多くの風邪薬には頭痛薬の成分と同じ解熱鎮痛成分が含まれています。
つまり、風邪薬を飲んでいる時に頭痛薬を飲んでしまうと同じような成分が重複してしまい、薬の効果や副作用が強く出てしまう可能性があります。
そのため、頭痛薬と風邪薬の併用はおすすめしません。
ただし、風邪薬でも喉の痛みや鼻水など症状に特化した薬の場合、解熱鎮痛成分が入っていないことがあります。
解熱鎮痛成分が含まれていない風邪薬と頭痛薬の併用は特に問題ありません。どんな成分が入っているのか、確認した上で併用して飲んでくださいね。
辛い頭痛は風邪薬で代用できる?基本的に代用するのはNGで!!のまとめ
- 頭痛に対する風邪薬の代用は、副作用のリスクが高まるためしないほうがいい
- 頭痛には一時性頭痛と二次性頭痛があり、頭痛の種類によっては市販の頭痛薬では効果がない
- 風邪薬には頭痛薬と同じ解熱鎮痛成分が含まれている
- いつもと違う頭痛や長引く頭痛、激しい頭痛を感じた時はすぐに病院を受診する
- 風邪薬と頭痛薬の併用は避けたほうがいい。ただし、解熱鎮痛成分が含まれていない風邪薬と頭痛薬の併用はOK
いかがですか?基本的には、頭痛に対して風邪薬での代用はやめましょう。
ただ、どうしても手元に頭痛薬がない場合、風邪薬で代用できる可能性はありますが、身体への負担がかかってしまいます。
薬は身体にとって良い働きをすることもあれば、悪い働きをすることもあります。自分の症状にあった薬を飲むようにしましょう。
時には、市販薬だけに頼らず、病院を受診して医師に相談することも大切ですよ。