「㐂 」七が三つのこの漢字、皆さん読めますか?
見たことはある気がするのだけれど・・・
よく考えたら読み方知らないなぁ・・・
そんな方が多いのではないでしょうか?
実は皆さんよくご存じの読み方なんです‼
読み方や使われ方を知って、漢字のおもしろさに触れていきましょう🎶
Contents
七が三つの漢字は何と読む?正解はこちら!!
七が三つの漢字「㐂 」は何と読む?
正解は・・・
【音読み】キ 【訓読み】よろこ(ぶ)
皆さんよくご存じの「喜」と全く同じ意味と読み方なんです!!
どうしてこのように形が違うのかというと、「㐂 」は「喜」の草書体を楷書にしたものだからです。
草書体は漢字の書体の一つで、曲線的な形でスラスラかけるように形を変えた行書とは異なり、早く書けるように字画の独特な省略が大きく行われた書体です。
ひらがなの成り立ちの土台になっているのがこの草書体なのです。
一方楷書も漢字の書体の一つで、こちらは点画を正確に書き、現在最も標準的な書体とされているものです。
真書、正書とも言われます。
実はこの楷書は草書を整えて書いた書体で、歴史的にはこちらの方が新しいのです✨
つまり、草書体の楷書ということは、「喜」を簡略化して独特の省略で表したものを、更に整えて表したものという事になります‼
崩してまた整えられて「喜」とは大きく形の異なる「㐂」が生まれたという事になります。
子どもの頃習字を習っていて、大人の方が謎の暗号のような草書体の書を書いていたのを「これは日本語なのか・・・」と思って眺めていたのを思い出しました(笑)
それくらい、草書体と楷書は見た目にも大きな違いがあり、どんな形が元でこうなったかを知っていないと結びつかないことも多いです。
「㐂」は漢字検定の対象外であったり、人名漢字として使えなかったり、普段目にすることは多くはありませんが、つくられた過程にはこんな秘密があっただなんて、漢字の成り立ちはおもしろいですね🎶
七が三つの漢字はどう変換すればいいの⁇
七が三つの漢字「㐂」
知らなくても困らないくらいだから別に変換方法なんて知らなくてもいいのでは?と思われるかもしれませんが、ネット上で見られるこの「㐂」に関しての悩みとして、「宛名や店名でパソコン入力したいのに変換の仕方がわからない!」というものが少なからず見受けられます。
1951年に人名漢字が制定される以前の方で、名前に「㐂」を使う方がいらっしゃるそうで、名前の漢字を正しく記載しないのは失礼だという事で皆さん困られているようでした💦
結論からいうと、「㐂」は「き」で変換ができます。
ただし、環境依存文字(パソコンの機種や環境によって正しく表示されなかったり、文字化けしてしまう文字のこと)なので、そのパソコンに「㐂」が表示できるフォントがインストールされていないと正しく表示されません。
ご自分のパソコンで表示されたとしても、メールで送信したりデータとして送った場合に相手の所では表示されない可能性もあります。
ちなみに私のパソコンでは「き」で変換できましたが、カーソルを持っていくと「環境依存」と表示が出ました!!
変換で出てこない場合は手書き入力や外字エディタ(オリジナルの文字を作ってパソコンに登録する機能)を使って表示することが可能ですが、これも相手側には上手く表示されない可能性があります💦
相手に送らなければいけないデータの中やメールに使用したいのに「㐂」が変換で出てこない場合は、「喜」で入力し相手にその旨を伝えておくなど、間違えではないことを伝えておくと良いでしょう。
また、はがきの宛名などの場合は手書きで対応するのが無難であると思われます。
店名や名前の漢字の違いは失礼に値することもあるので気をつけたいところです💨
店名?焼酎⁇七が三つの漢字はこんなところで使われていた!
引用 黒木本店公式ホームページ
七が三つ・・・ラッキーセブン✨
おめでたい感じがしますよね♪
「㐂」は実際にそのおめでたい縁起の良いイメージから以下のようにお酒やお店の名前に使われています。
「㐂」の付くお酒やお店
- 「㐂八」:新潟県魚沼で作られているどぶろく
- 「三㐂」:秋田県の地酒
- 「㐂六」:宮崎県の焼酎
- 「天㐂」:京都の天ぷらの名店
- 「㐂一澤」:京都の帆布カバン店
- 「㐂寿司」:東京都人形町の寿司店
また、この「㐂」が由来とされているおめでたいことがあります。
それは、喜寿のお祝いです✨
七が三つのこの漢字が「七十七」に見えることから、77歳のお祝いを喜寿(㐂寿)と呼ぶようになったのだとか。
確かに見えなくもありませんよね😊
人生の節目としてのお祝いの由来が一つの漢字のつくりであることは、日本人と漢字の強い結びつきを感じるエピソードですね🎶
そもそも「喜」という漢字は、下の口の部分が祈りの言葉、それより上の部分が楽器を打ち神を祭り楽しませることを意味するというとてもおめでたい漢字です。
まさに喜びを分かち合うお祝い事にピッタリの漢字で、77歳という長寿のお祝いの名にふさわしい漢字であるといえます。
七が三つのように複数の同じ字で構成される漢字は他にもたくさん!
「㐂」の七の配置、どこかで見たことはありませんか?
「森」「品」「轟」・・・意外とたくさんあるんです‼
これらの特徴は、同じ漢字が3つ合わさって構成されているという点です。
「林」や「弱」など、同じ漢字が2つのものもありますね。
このように同じ漢字が複数合わさって構成される漢字を理義字といい、その中でも3つ合わさったものを品字様といいます。
「㐂」と同じ品字様にはこんな漢字があります。一部ご紹介させていただきます‼
品字様の漢字
- 三:【音読み】サン【訓読み】み、み(つ)、みっ(つ)
- 晶:【音読み】ショウ
- 惢:【音読み】サ、スイ、ズイ、ニ【訓読み】うたが(う)
- 晿:【音読み】ショウ
- 姦:【音読み】カン【訓読み】みだら、よこしま、かしま(しい)
「三」も言われてみれば一が三つですね‼
「姦」はなぜ、女が三つでこんな酷い意味なのでしょうか?😭
「惢」や「晿」などは見たこともありませんが💦こうして漢字がどのような組み合わせでできているのかに注目してみていくと、普段慣れ親しんでいる漢字も「何でこの漢字が三つでこの意味になるんだろう?」など色々な疑問が湧いてきます。
お子さんが漢字を学習していく上でも、漢字の成り立ちやつくりに注目していくと印象に残りやすく楽しく学べるかもしれません🎶
【番外編】ラッキーセブン♪七がおめでたい理由
ラッキーセブン✨七って数字の中でもおめでたいイメージが特に強いですよね。
でも、なぜ七はおめでたいイメージがあるのか、考えたことはありますか?
調べてみると、有力なものとしてその始まりは旧約聖書「創世記」の中にあるとされる説が挙げられています。
引用 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
これによって、西洋では「七」が聖なる数字であると考えられるようになったようです。
この西洋での思想が世界中に伝わって、現在では世界中の多くの国と地域で「七」という数字が特別な意味合いを持つようになっていきました。
ちなみに、ラッキーセブンというのは実は英語の「lucky seventh」に由来する7回の攻撃を意味する野球用語なのだそうです‼
1885年9月30日のシカゴ・ホワイトストッキングスの優勝がかかった試合の7回で、打ち上げた平凡なフライが強風にあおられてホームランとなり優勝を決めた奇跡的な出来事の後で勝利投手が放った「lucky seventh」という言葉が、今一般的に使われているラッキーセブンの語源であるとされています。
何となく七って縁起がいい‼と思っていたことの始まりを知ると、ますます七という数字が特別なものに思えてきますね✨
こんな数字が三つも合わさった「㐂」が思いを込めた店名や神様に献上するようなお酒の名前に使われることにも納得できます。
七が三つの漢字は何と読む?知って納得&おもしろい漢字の成り立ち♪のまとめ
あまり見慣れない漢字でもある「㐂」。
その読み方や成り立ちについてまとめたものがこちら↓
まとめ
- 「㐂」【音読み】キ 【訓読み】よろこ(ぶ)
- 「喜」の草書体を楷書にしたもの
- 「き」で変換可能だが、表示できる機種や環境でないと文字化けしたり上手く表示されない
- 七という数字のおめでたいイメージから店名やお酒の名前、現在は使用できないが人名にも使われている
- 喜寿のお祝いも「㐂」が七十七に見えることが由来とされる
- 同じ字が複数合わさってできた漢字を「理義字」といい、その中でも3つ同じ漢字が合わさったものを「品字様」という。
あわせて七がおめでたい数字な理由もご紹介させていただきました。
漢字がどのように作られたのか、どうしてこの組み合わせがこんな意味を持つ漢字になったのか、漢字の成り立ちを追求していくとおもしろくて日が暮れそうです(笑)
これを機に、普段あまり見ない漢字を目撃した時など「どういう意味なのかな?もとはどういう漢字だったのだろう?」など興味を持っていただけたらうれしいです🎶
そして、身の回りにある「㐂」に気付いたら、ぜひこの記事での豆知識を自慢しちゃってくださいね👍