私達の食卓に欠かせない「醤油」
醤油?何それ?という大人は少ない事でしょう。
当たり前の様に使われている調味料ですが
一体何から作られているか?
日本人はいつから使う様になったのか?
あなたは知っていますか?
この記事では、知ってる様で知らない
醤油の歴史や発祥・種類と保存方法について解説しています。
醤油の発祥地|醤油って何?
醤油を作っている主な材料はたった3つです。
- 大豆
- 小麦
- 塩
工程的には、大豆と小麦で「麹」(こうじ)を作り
麹と塩水を熟成するまで発酵させた物です。
製造には半年~3年の月日が必要です。
醤油の発祥地はどこ?
醤油の発祥地は和歌山県の有田群 紀州湯浅です。
醤油は中世の時代に禅僧が、中国から持ち帰った調味料が
起源とされています。
(禅僧:禅宗という宗教の僧侶)
当時は今の様な形状ではなく「味噌」に近い性状だったそうです。
この味噌に類似した調味料が、紀州湯浅の人々により発展し
今の「醤油」になったのです。
醤油を生んだのは日本
醤油は日本で生まれた調味料です。
歴史上、「醤油」という言葉が登場するのは
安土桃山時代です。
これは当時の日常用語辞典(易林本節用集)
という書物に書き記されている事から確認されています。
醤油の発祥地|歴史の詳細
古来、醤油の元になった調味料を「醤」といいます。
これ、何て読むの?って思いますよね。
「ひしお」と読みます。
醤は魚や肉と大豆などの野菜を潰した状態で
塩漬けにして発酵させた物です。
醤油の発祥は日本ですが
醤という調味料の発祥地は中国だと
言われています。
醤油の歴史
「醤油」という名前で、作られる様になった時
(安土桃山時代)は、たまり醤油が主流でした。
この時の醤油は今と違い、誰でも口にした事がある
調味料ではありませんでした。
家庭的で庶民向けではなく、
高級な調味料として扱われていたのです。
醤油が庶民の味になったのはいつ?
高級品だった醤油が、やっと一般庶民の口に
入る様になってきたのは江戸時代です。
この時代、日本の食文化は関西地方でした。
醤油は徐々に製造する人が増えていき
関西から関東地域へと広まっていきます。
各地に広まる中で、地域毎に味の違いが
出て来ます。
醤油の種類と主な用途
今や世界にも進出している醤油という調味料には主に5種類あります。
これは前述した様に、醤油が全国に広まっていく過程において
各地域毎にその地域で愛される味が生まれていった結果です。
醤油の種類 |
|
たまり醤油
作られている地域:中部地方
特徴:とろみがあり、ドロっとした形状
原材料:ほとんど大豆
向いている料理:佃煮や焼き鳥のタレ・照り焼き
注意点:熱を加えると赤くなる。
香りや風味が強い。
濃い口醤油
多く使われている地域:東部地方
特徴:醤油の中で一番塩分が濃い
原材料:麹(こうじ)と食塩水
向いている料理:煮物など、はっきりとした味付け
注意点:
国内の醤油の8割が濃い口醤油
レシピに掲載されている「醤油」とは
濃い口醤油の事を示している事が多いです。
薄口(淡口)醤油
作られている地域:主に関西で多く使用されている。
特徴:色が薄いが塩分は高い
原材料:濃い口醤油の材料+米・甘酒
向いている料理:素材の色を活かしたい場合に有効
注意点:
「薄口」という名前ではありますが
味自体が薄いというわけではありません。
色が薄いと言う事です。
塩分は濃い口醤油よりも高いので色味だけで
使用量の判断をしないようにする事が必要です。
未開封でも酸化すると色が変わってしまうため
濃い口醤油より賞味期限が6ヶ月位早い設定です。
開封後は1ヶ月位を目安に使い切リましょう。
再仕込み醤油(甘露醤油)
作られている地域:九州地方
特徴:醤油を2回熟成させている。濃厚な味。
原材料:麹+醤油(食塩水は使用しない)
向いている料理:お寿司・冷や奴
注意点:
他の醤油に比べると価格が高く高級品
白醤油
作られている地域:三河地方(愛知県)
特徴:薄口醤油よりもっと色が薄く琥珀色
原材料:主に小麦
向いている料理:
素材の色を活かしたい料理や茶碗蒸し・お吸い物
注意点:
広く知られている「白だし」と「白醤油」は同じではなく
白出しは白醤油や淡口醤油に出しと甘みを加えた物です。
白醤油は甘みが強く、独特の香味のある醤油です。
減塩醤油って何?
ここまでのお話で「減塩醤油」が醤油の種類に
登場してこなかったけど・・・?
と思っている方も居ますよね?
減塩醤油とは濃い口醤油から塩分を取り除いた醤油です。
製造過程で塩を少なくしている訳ではありません。
濃い口醤油から塩分を取り除く手間暇がかかっている分
値段は高めになっている事が多いです。
一番カロリーが低い醤油は何?
健康志向が強くなっている現在では
塩分だけでなく「カロリー」を気にしている人も
多い事でしょう。
では醤油のカロリーは?というと
種類による差はそれほど無いようです。
【大さじ1杯当たりの醤油のカロリー】
薄口醤油 | 10キロカロリー |
濃い口醤油 | 13キロカロリー |
醤油の賞味期限は?
多くの人が普段、消費期限を気に留める事なく
使用しているであろう醤油。
あなたは醤油が劣化する原因が何か知ってますか?
醤油は空気に触れる事で酸化という形で劣化します。
醤油の消費期限は、開封後と未開封では大きな違いが
あります。購入時に表示されている日時は
未開封の状態での表記です。
未開封の場合
一般的に販売されている醤油はペットボトルや
ガラス瓶に入っています。
種類によって差はありますが、未開封の状態だと
賞味期限は1~2年位に表記されています。
【未開封の場合】
濃い口・たまり醤油 再仕込み醤油 |
薄口醤油 (淡口醤油) |
白醤油 | 保存容器 | 保存場所 |
18ヶ月 | 12ヶ月 | ーーー | プラスチックの 容器 |
直射日光を避ける |
24ヶ月 | 18ヶ月 | 8ヶ月 | 缶・ガラス | 直射日光を避ける |
【開封後の場合】
濃い口醤油 | 薄口醤油 | 白醤油 | 容器 |
直射日光を避ける | 直射日光を避ける | 直射日光を避ける | プラスチック・ガラス・缶 |
意外かもしれませんが、醤油は開封したら
冷蔵庫での保存が推奨されています。
醤油って腐るの?
結果からお伝えすると、醤油が腐りません。
なぜなら、塩分の濃度がとても高いのでカビや細菌が
繁殖しにくいからです。
賞味期限が切れたり、開封してから時間が経っている場合は
酸化するため、風味が損なわれていきます。
又、醤油の表面にカビを思わせる様な白い物が
発生する場合があります。
しかしこれは、カビでは無く、産膜酵母という醤油の成分である
酵母菌の一種です。
人間の体に入っても心配はありません。白い部分を
取り除けば、使用する上で問題は有りません。
気付いてしる人もいる事と思いますが、
醤油に表記されているのは賞味期限です。
- 賞味期限は美味しく食べる事が出来る期間の事
- 消費期限は安全に食べられる期間の事
醤油に表記されている賞味期限を過ぎても
よっぽど劣悪な環境で保存していない限り
腐る事はなく、使用出来なくなる事もありません。
醤油の場合は未開封で室温(20℃)で保存した時の
状態から官能評価士が決定しています。
※官能評価士:食品・香料等の品質や特性を測定する技術者
醤油の正しい保存方法
繰り返しになりますが
醤油は基本的には腐りません。
しかし、空気に触れる事で酸化します。
酸化した醤油は色が黒ずみ、風味が損なわれて
いきます。しかし、食べたからといって、
人体に特別な影響はありません。
醤油を保存する上で避けるべき環境条件は3つです。
- 直射日光
- 高温
- 多湿
前述しましたが、醤油は冷蔵庫で保存するのがベストです。
醤油の発祥地|まとめ
醤油の発祥地は和歌山県にある有田群湯浅町です。
湯浅町は、醤油醸造の地として日本遺産となっています。
醤油の元になった「醤」(ひしお)は平安時代には既に
使用されており、始めは味噌の様な調味料でした。
その後、日本各地に製法が伝わり、各々で改良・開発が
行なわれていきました。
その過程で現在親しまれている
5種類の醤油が生まれていったのです。
- 塩分濃度は色が薄い方が濃い
- 「濃い」「薄い」は味ではなく色の事
- 各醤油について向いている料理がある。
- 醤油には賞味期限はあるが消費期限はない
- 賞味期限を過ぎても基本的には腐らない
- 空気に触れると酸化して変色するが人体への影響はない
- 最適な保存方法は冷蔵庫
- 避けるべき保存状態は高温・多湿・直射日光
普段何気なく当たり前に使っている醤油ですが
古くて深い歴史があるのです。
正しい保存の方法をしり、風味豊かで美味しい醤油を
食卓で楽しみましょう。