誰でも使用した事がある「油性ペン」
プラスチックや撥水加工された物でも
書き進める事が可能です。
しかし、どこにでも書ける事が災いし
書き損じや、思わぬ場所にインクがついてしまうと
その性質がゆえに消す事が困難に…!
この記事では「消そうと思ったら油性ペンだった時」
について解説しています。
油性ペンの落とし方・紙の場合
結論からお話すると、紙についてしまった油性ペンを
完全に消す事は大変困難です。
紙は、その性質上、一度油性ペンのインクが付着すると
きれいに落とす事は難しいと考えた方がよいでしょう。
油性ペンのインクには以下の材料で出来ています。
- 揮発性有機溶剤
- 油溶性染料
- 定着材
定着材は油性ペンを使って書いた素材(紙など)
とインクをくっつける役目があります。
これが、一度書いてしまうと落ちなくなる理由です。
そもそも一度書いてた後から
それを落とす(消す)という事を前提に作られていません。
油性ペンの落とし方・主に特殊コーティングされた紙の場合
紙の表面がツルツルテカテカした素材であった場合、
以下の方法で、薄くする事や、消す事が可能です。
- 砂消しを使用する
- 柑橘系(かんきつけい)のくだ物の皮を使用する
- 除光液を使用する
- 化粧用のクレンジグを使用する
- 消毒剤(エタノール)を使用する
- 油性ペンを使用する
- 消しゴムを使用する
これらを使用して落とす事が可能な場合もあります。
共通するポイントは書いてから時間の経過が長ければ長い程
消えなくなるので、もし、間違って書いてしまった場合は
出来るだけ早く消す作業に取りかかりましょう。
①砂消しを使用する
普段使う事が無い家庭も多いはず。
常備されている物ではないので
購入が必要になるかもしれません。
砂消しはその名の通り、消しゴムに
細かい砂が入っていて、こする事で
削り落とす事ができます。
ただし、紙にも損傷を与えてしまう可能性が
高い事と、消した部分の変色も否めません。
消したい部分だけをどれだけ細かく
こする事ができるか?が重要になります。
②柑橘系(かんきつけい)のくだ物の皮を使用する
以外かもしれませんが、柑橘系:みかん等の果物には
油脂を溶解する成分があります。
このリモネンという成分は台所用の洗剤にも使われ
コンロ周りのお掃除にオレンジの皮を活用している人も
いるのです。
この成分を使って、油性ペンのインクを
消す事が出来ます。
ポイントは、果物の黄色いシミが出来てしまう事を
避ける為に、綿棒等で、必要最低限の部分にだけ
使用する事です。
綿棒に柑橘系の果物の果汁を染み込ませ
消したい部分をこすります。
インクが浮き上がってくるので、
ティッシュ等で拭き取りましょう。
③除光液を使用する
ネイルを落とす時に使用する除光液
は、油性のインクを落とす時にも使用出来ます。
100円ショップで購入する事が可能です。
除光液には、油性ペンのインクに有効な
アルコールが含まれています。
使用方法は爪に使用する時と差ほど変わりません。
少量をティッシュ等に含ませ、
消したい部分に当てて染み込ませます。
黒いインクがついてくるので
再度、新しいティッシュをに除光液を
付けて同じ事を繰り返します。
この過程をインクが取れるまで行います。
ポイントはこすらない事です。
インクが広がり、紙に黒い汚れが出来てしまう
可能性があります。
又、紙のコーティングが剥がれてしまう事が
考えられます。
紙の状態を確認しながら繰り返しましょう。
④化粧用のクレンジグを使用する
メイクオフに使用するクレンジングオイルには
油性ペンのインクに馴染む成分があります。
極少量のクレンジングを消したい部分の上に乗せます。
5分程度そのまま馴染ませ、上からティッシュ等で
優しく押さえ、インクを吸い取ります。
ポイントはこすらない事です。
インク汚れが広がってしまう可能性があります。
使用するクレンジングはオイルタイプです。
⑤消毒剤(エタノール)を使用する
この方法は意外と知っている方も多い様です。
手の消毒に使われるエタノールは油汚れや
油性ペンのインクを溶かす性質を持っています。
エタノールには「消毒用」と「無水」の2種類が
ありますが、「無水エタノール」の方が濃度が高く
インクや油汚れを落としやすいです。
ティッシュや要らない布などに染み込ませ
消したいインクの部分をトントン軽く叩きます。
黒いインクがついたら、新しい物に変えて
繰り返します。
注意点はエタノールは火気厳禁である為、
引火しやすい環境がないか確認の上、行なう事です。
紙のコーティングが落ちてしまう可能性が考えられ、
作業工程で紙の状態を確認する事が必要です。
⑥油性ペンを使用する
意外かもしれませんが、消したい部分を
油性マジックペンでなぞると、揮発有機溶剤が再び馴染み
乾燥する前の状態に戻るので、このタイミングで
ティッシュや要らない布を上に乗せて押さえます。
⑦消しゴムを使用する
プラスチック消しゴムで、消したい部分をこすり
その摩擦で消していきます。
インクが完全に乾いた状態で始める事がポイントです。
又、消しゴムでこすっているうちに
紙が破損する事や、紙がグシャグシャになってしまう事が
良くあるので力加減に要注意が必要です。
又、思いがけず、時間がかかる事と
消しゴムを大量に消費してします。
油性ペンの消し方は紙の素材と状態を把握する事が大切
上記でもお話しましたが、
基本的に紙についた油性ペンを綺麗に消すのは
とても難しいと考えた方がいいです。
ただ、その紙が何で出来ているのか?
素材を見極め、消す作業をしても破損しないか?
を確認する事で、対処法は変わってきます。
- 紙にコーティングがされているか
- テカテカした素材か
- インクが染み込んでから長時間経過していないか
- 今にも破れそうorこする事が出来ない状態ではないか
比較的にコーティングされた物や
切手の様にテカテカした素材は
インクが染み込み過ぎていなければ
消す事や薄くする事が可能な場合もあります。
そもそも紙の状態が破損しそうな場合は
インクを消す作業をする事によって
穴を開けてしまう事などが考えられる為
作業する事はオススメ出来ません。
紙の状態が万全であれば
上記①~⑦の方法を組み合わせて
トライするのも有りです。
私は消しゴムでこすった後に
エタノールで拭き取りを行う事で
誤って本についてしまった油性の
インクが綺麗に消えた事があります。
紙についた油性ペンは消せる?落とし方|まとめ
基本的には紙についた油性インクを
綺麗に落とす事はできません。
ただし、コーティングされている紙であった場合は
消す事が出来る場合もあります。
- 砂消しを使用する場合は、紙の破損に気をつけましょう。
- 柑橘系(かんきつけい)のくだ物の皮を使用する場合は、
果汁色のシミが出来ない様に最小限の量でトライしましょう。 - 除光液を使用する場合、化粧用のクレンジグは、
インク汚れを広げない様に気をつけましょう。 - 消毒剤(エタノール)を使用する場合は引火しやすい為
火気厳禁である事を意識して取り扱いましょう。 - 消しゴムを使用する場合は、擦りすぎて紙が破損しない様に
注意が必要です。
これらの方法を組み合わせて行なう事も一つの方法です。
挑戦する際には、まず紙の性状や状態を確認しましょう。
繰り返しになりますが、基本的には
紙に一度書いてしまった油性ペンのインクは
綺麗に落とす事は困難です。
コーティングされていない紙に関しては
ほぼ無理だと言えるでしょう。
どうしても、書き直しや、修正テープの使用が
認められない場合などは、修正テープの使用に
一度コピーしてしまえば
修正テープを使用した痕跡は殆ど見つからなくなります。
何とか消そうとして色んな方法を試し、
結果、その「消そうとした痕跡」だけが残り
使いものにならなくなる事も考えられます。
そうなると、消そうとした時間は無駄になりますし
こんな事なら十分に書き直しができたのに!
何て後悔をしてしまうかもしれません。
消す為の作業工程に時間を費やすか否かは
あなた次第です。
素材の性状と状態を見極めて考えてみましょう。