ヤモリはトカゲの仲間(爬虫類)の一種です。
漢字では「家守」や「守宮」と書くことからわかるように、家の守り神として知られています。
日本で部屋に入ってくるヤモリは「ニホンヤモリ」が一般的です。
ヤモリは家のハエやガなどの不快害虫を食べてくれて、人間には害のない生き物です。
外見が嫌いな方にはとんでもない事かもしれませんが「いい生き物」なのです。
意外と可愛いので、家に入ってくるニホンヤモリに愛着がわいて飼ってみることにしたという方もいらっしゃるかもしれません。
また、お子さんが捕まえてきたので、仕方なく飼うこともあるかもしれません。
でも、そういう時は餌をどうすればいいのでしょうか。
餌が、家にある果物や野菜ですめばいいですが、その点はどうなのでしょうか。
まずは一番身近なニホンヤモリを取り上げてみましょう。
Contents
ニホンヤモリの餌としてバナナはNG!
日本で野生でみる一般的なヤモリはニホンヤモリです。
家に住みついていることもあるので見たことがあるかもしれません。
このヤモリは肉食性なので、残念ながら果物や野菜は食べません。
バナナやモモや昆虫ゼリーなどを少し舐める程度の個体もいますが、それだけを与えるのはやめましょう。
果物などが主食になることはありません。
ただし、果物や昆虫ゼリーは主食となる虫をおびき寄せることがあるので、利用するのはいいかもしれませんよ。
ニホンヤモリの餌はバナナではなく虫が1番!
ニホンヤモリは前述したとおり肉食なので、基本的に虫(生き餌)が主食です。
それでは、代表的な生き餌をいくつか見ていきましょう。
そして、餌のあげ方や虫で飼育する際の注意事項に関しても見てみましょう
コオロギ
ペットショップや熱帯魚専門店や爬虫類専門店で販売していて入手しやすいし、栄養バランスも良好なので、一番おすすめの餌です。
ヨーロッパイエコオロギとフタホシコオロギの2種類が代表的です。
ヨーロッパイエコオロギはその名のとおりヨーロッパに生息し、体調2センチほどの大きさになります。
フタホシコオロギはヨーロッパイエコオロギより一回り大きくなり、2.5〜3センチほどになります。
イモリの大きさにあわせてコオロギを使いわけるといいでしょう。
ミールワーム
ゴミムシダマシという虫の幼虫です。
イモムシみたいな風貌をしています。
ミールワームはどこのペットショップでも簡単に見つけられます。
ヤモリだけでなく、多くのペットの生き餌として知られているので、聞いたことがあるかもしれません。
保存が楽で、冷蔵庫での保存が可能です(ただ、冷蔵庫で保存はとんでもない!と思われる方は多いかもしれませんが…)。
脂肪分が多いので栄養価は高いものの、ミネラルなどの栄養バランスは必ずしもよいとはいえません。
なので、おやつ程度に止めておいた方がいいかもしれません。
皮が固いと消化に悪いので、脱皮直後の外皮が白いものが柔らかい個体を選んで使うといいでしょう。
色々なサイズのミールワームがいるので、飼育している生き物に合わせて選んでください。
デュビア
餌用に知られているゴキブリです。
よく増殖し、飛ばない、体が丈夫、無臭、鳴かないなど、生き餌としては、むしろコオロギよりも人気者です。
見かけは日本にいるゴキブリとは違うので、それほど気持ち悪くないですが、どうしてもゴキブリが嫌!という方には無理ですね…。
抵抗がない方におすすめです。
捕まえた虫
もちろん捕まえてきた虫も餌になります。
柔らかい昆虫であれば、ヤモリは食べてくれるはずです。
一度、試しにあげるなら、クモ、ガ、バッタの子供など小型の虫がおすすめです。
反対に、カナブンやダンゴムシなどの殻が固い虫は食べないでしょう。
生き餌のあげ方
餌の大きさは頭部の【1/4】以下が目安になります。
だいたい【5ミリ】前後です。
なので、生き餌となる虫の1番小さいサイズのものを入手しましょう。
丸呑みをするので、喉につまらせないように注意してあげて下さい。
基本ヤモリは夜行性なので、虫をケージに入れて夜間に捕食するのを待つ必要があります。
そして、慣れてきたら、ピンセットを使って給餌してみましょう。
ピンセットで口元までもっていって、食べるか試してみて下さい。
また成長によって餌を与える量が変わっていきます。
ヤモリの子供時代は、成長期なので、食べられるだけあげるのが基本です。
餌を常に入れておいてください。
大人になると、肥満になりやすいため、餌やりは【2〜3日】に【1回】で大丈夫です。
ただ、痩せてしまってないかは、お腹の状態を見てチェックしてください。
くる病に注意!
ヤモリを飼育するのに虫だけをあたえていればいいのかというと、否です。
飼育しているヤモリは餌のバランスが偏っているため、「くる病」になってしまうことが多いのです。
くる病とは、カルシウム、ビタミンB、ビタミンDが不足することによって体の骨がうまく形成できなくなる病気です。
それによって、脚や背骨が曲がったり、簡単に骨折したりするのです。
怖いですね。
虫を餌として与える場合には、餌3匹に1回ぐらいの割合でカルシウムパウダーをまぶすようにするとくる病予防になるでしょう。
ちなみに次の項目に出てくる人工餌の場合には、餌に必要な栄養素が含まれているので、人工餌だけで大丈夫です。
カルシウムパウダーをまぶすのは、虫を餌として与えている場合の話です。
ヤモリを飼いたいけど虫が苦手な方!人工餌で飼育できるヤモリをご紹介!
ヤモリを飼いたいのに虫が苦手という方に朗報です。
外国産のヤモリだと人工餌で飼育できる種類がいます。
ここでは2種類紹介したいと思います。
クレステッドゲッコー(オウカンミカドヤモリ)
クレステッドゲッコーは飼育が簡単なヤモリなので、初心者にもおすすめです。
木の上に住むヤモリで、外見も大きな頭と目短い手足のアンバランスさが可愛いともいわれています。
このヤモリは肉食傾向の強い雑食なので虫から果実まで食べます。
また、専用の人工餌があって、食いつきがとてもいいです。
人工餌に慣れさせればそれのみで飼育できるヤモリなので、餌として昆虫を使わなくてもいいのです。
虫が苦手な人には嬉しいポイントですね!
お気づきかもしれませんが、このヤモリは雑食性なので、ニホンヤモリに比べるとバナナの食いつきはいいでしょう。
ただ、あくまでもバナナはおやつとしてがいいでしょう。
バナナを餌として与える時は栄養バランス的に昆虫を食べさせなければいけなくなります。
レオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)
レオパードゲッコーにも専用の人工餌があります。
この人工餌にはミールワームなどの成分が多く配合されています。
レオパードゲッコーは肉食ですが、人工餌の食いつきがいいので、個体によっては昆虫を与えなくても飼育できます。
例えば「レオパゲル」というヒョウモントカゲモドキ専用に開発された半練りタイプの人工餌や、「レオパブレンドフード」というペレット状の餌があります。
ただ、人工餌だけでは突然食べなくなることがあるので、昆虫食も準備できる環境を用意するといいでしょう。
ニホンヤモリにも人工餌!?
ニホンヤモリでも人工餌を食べることがあります。
人工餌なら、レオパードゲッコー専用の人工餌であるレオパゲルやレオパブレンドフードがおすすめです。
この飼料にはミールワームなどの成分が多く配合されており、昆虫を主食とするヤモリが食いつきやすいようになっています。
ただ、人工餌はピンセットを使って与えなければならないので、ヤモリのストレスになってしまうでしょう。そこは注意が必要です。
初めから、人工餌を食べる野生のニホンイモリはいないでしょう。
本当にヤモリ次第です。
ニホンヤモリを捕まえてきた場合、まずは、コオロギ等を一緒に飼育ケージにいれて飼育環境に慣れさせることが大切です。
それから人工餌に徐々に慣れさせていくといいでしょう。
ヤモリの餌としてバナナなどの果物はありorなし?他の餌も紹介!のまとめ
野生にいるニホンヤモリを飼育しようとした時、
・肉食なのでバナナはほとんど食べない
・主食は虫
であることがわかりました。
そして、
・外国産のヤモリには人工餌だけで飼育できるものもいる
・ニホンヤモリでも慣れれば人工餌を食べるようになるかもしれない
以上のこともわかりました。
ただし、やはりニホンヤモリは、基本は主食が虫ですので、虫を餌として用意した方がいいです。
そういった意味で「飼うのは無理!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
「虫は嫌いだけどヤモリという生き物をペットとして飼いたい!」言う場合は、外国産イモリを選ぶという選択肢もありますね。
人工餌もありますし、とても飼いやすいですよ。
ただし、その際は責任を持って飼うことが大切です。
特に外国産のものは、手に負えなくなったから、飽きたからといって、間違っても野に放たないようにしましょう。
外国産のヤモリは本来日本の野生にはいないものなので、日本の生態系のバランスを壊しかねないのです。
イモリだけでなく、何にせよ、ペットを飼う場合は責任をもって飼い続けるのが大切なことなのですね!