シャインマスカットは高級品として知られているぶどうです。
香りが良く、種がないので皮ごと食べられることからぶどうの女王と呼ばれています。
みなさんご存知ですか?原産地は日本なんです。
一体どのようなルーツで誕生したのか?徹底調査していきます!
Contents
シャインマスカットの原産地は日本!誕生のルーツとは
シャインマスカットは、知らない人はいないのではないか?というくらい有名なぶどうですよね。
テレビでも特集がされていたり、今では高級品として広く知られるようになりました。いったい原産地はどこなのか…?
実は、シャインマスカットの原産地は日本の広島県なんです。
農林水産省が管理下においている、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下農研機構)によって開発されました。
その研究はぶどうの交配から品種登録されるまで18年かかったといいます。
実際には2006年に品種登録されました。
そうなんです。
日本ではぶどうの消費量を増やすためにいろんな品種改良が行われてきたんです。
このシャインマスカットが開発、栽培されるようになるまでどんな歴史があったのか気になりませんか?
はい!その誕生のルーツをぶどうの歴史から紐解いていきますね。
日本にぶどうがやってきたのはいつ?
日本にぶどうが入ってきたのはいつなのか、定かではありません。
諸説ありますが、奈良時代にシルクロードから大陸を経て日本にやってきて、山梨県甲州市から栽培が始まったと言われています。
ぶどうの種類は大きく分けて2つ
世界で食べられている生食用のぶどうは大きく分けて欧州ぶどうと米国ぶどうに分類されます。
欧州ぶどうの特徴
- 糖度が高いためとても甘くて酸味が少ない
- 果実もやわらかくて皮が薄いタイプが多いので皮ごと食べられるものが多い
- 芳醇なマスカットの香り
- 日持ちがする
- 日本での気候で栽培は難しい
欧州、つまりヨーロッパではワインになることが多いそうですが、日本では生食用として好まれています。
ヨーロッパは雨の少ない地域です。その気候で育ったぶどうのため、雨に当たってしまうと病気になってしまうので予防に農薬を散布したりと栽培に手間のかかる品種ですが、果実の品質がとても優れています。
主な品種
マスカット・ オブ・アレキサンドリア、トムソンシードレスなど
米国ぶどうの特徴
- 粒は小ぶりだがその分味が濃く糖度が高い
- 果実は少しかたい質感で、皮もかたいので皮ごと食べられないタイプが多い
- 欧州ではあまり好まれないと言われるフォクシーの香り
- 欧州ぶどうと比べると日持ち期間が短い
- 病気になりにくく栽培がしやすい
米国ぶどうはアメリカ原産のぶどうで、雨の多い地域で育ちました。病気になりにくく、栽培がしやすい品種です。
味が濃い分ジュースなどの加工品にされることも多いです。
主な品種
デラウエア、キャンベルアーリーなど
日本で本格的にぶどう栽培が始まったのはいつ?
日本で本格的にぶどうの栽培が始まったのは、明治時代。欧米から多くの品種が輸入されました。
始めは主に日本でワインを製造するためだったようです。
当初、日本の気候では比較的栽培がしやすい米国ぶどうが多く普及していきました。
ですが果実の品質は米国ぶどうよりも欧州ぶどうの方が優れているとされています。
そこで欧州ぶどうと米国ぶどうを交配することで日本の気候に合った栽培が可能で、果実の品質が優れたぶどうの研究がはじまったのです。
ココがポイント
シャインマスカットもこの欧州ぶどうと米国ぶどうを掛け合わせた交配種です。
シャインマスカットが日本で開発・栽培されるようになった理由とは?
それはやはり、日本でぶどうの消費量を増やしたいという考えがあったからです。
日本では米国ぶどうの特徴のフォクシーの香りのする交配種、巨峰やピオーネが広く栽培されて人気の品種になりました。
その一方で、欧州ぶどうをメイン【親】として交配した品種もつくられ、栽培されてきました。
日本で生まれたフォクシー香の交配種
巨峰
巨峰は、欧州ぶどうと米国ぶどうの交配種、石原早生(いしはらわせ)と欧州ぶどうのセンテニアルを交配させてつくられた、大粒のぶどうです。
ピオーネ
巨峰と欧州ぶどうのカノンホールマスカットを交配させてつくられたぶどうです。
引用:楽天
代表的なのがこの品種です。
どちらも果実は少し硬めで、フォクシー香という、米国ぶどうの香りを色濃く感じる品種です。
フォクシー香というのは、私たち日本人には馴染みある香りだと思います。
グレープジュースのあの香りです。ヨーロッパではあまり好まれない香りだとか。
まあ、ヨーロッパ人の感じ方と好みの問題なんでしょうね。
日本で生まれたマスカット香の交配種
甲斐路
ネオマスカットとフレームトーケーの交配種です。赤いマスカットと呼ばれるほど、マスカットの香りがします。酸味は少しありますが甘みが強くて、ジューシーです。
引用:山梨ふるーつ・ネット
ネオマスカット
マスカット・オブ・アレキサンドリアと甲州三尺の交配種です。
酸味が少なく甘みが強い品種で何よりそのマスカットの芳醇な香りが人気です。
甲斐路の親でもあります。
引用:苗木部
おまけ マスカット香はありませんが人気の交配種
ロザリオビアンコ
マスカット・オブ・アレキサンドリアとロザキの交配種。あまり香りがない品種です。
引用:石原果樹園
全て日本で交配された代表的な品種です。
このマスカット香のぶどう品種は日本の中でも雨の少ない地域で栽培されるも病気に弱かったりと生産において広くは普及しませんでした。
シャインマスカットの誕生ルーツ
日本では巨峰などの大粒の品種のぶどうが広く普及し、改良も行われてきましたが、欧州ぶどうと米国ぶどうの中間のようなものばかりで、柔らかくてジューシーな果肉までにはなりませんでした。
さらに日本のぶどう消費量を増やしていくにはもっと高品質で栽培がしやすくて、病気になりにくい品種を開発し普及していくことが必要だと考えられました。
農研機構では欧州ぶどうの果実の特徴を持ち、日本の気候でも栽培がしやすくて病気になりにくい品種改良を重ねてきたのです。
そうですね。でも、今まで改良され普及しているぶどうの中から、シャインマスカットの親となる品種に繋がるんです。まさにシャインマスカットのルーツといえるでしょう。
シャインマスカットまでの品種改良の歴史
農研機構は日本の広島市で品種改良を重ね、シャインマスカットは誕生しました。
シャインマスカットは「安芸津21号」と「白南(はくなん)」というぶどうの交配種です。
聞いたことが無い品種の名前ですよね。
安芸津21号は農研機構で育成された品種で、市場には出ていません。
白南(はくなん)は民間の植原葡萄研究所で育成された品種で、こちらも市場には出ていないので、私たちが知らないのは当たり前なんですよね。
安芸津21号
米国ぶどうのスチューベンと欧州ぶどうのマスカット・オブ・アレキサンドリアの交配種。
農研機構で1973年に交配が行われました。
病気に強いスチューベンより大粒で、欧州ぶどうの柔らかくジューシーな品種でしたが欠点があり新品種にはされなかったぶどうです。
白南(はくなん)
欧州ぶどうのカッタクルガンと甲斐路の交配種。植原葡萄研究所で交配し育成された品種です。
マスカット香があり、食味は優れていたものの、果皮に茶色いシミが出来るかすり症という病気が発生し、普及しなかった品種です。
こちらはシャインマスカットの育成図です。
引用:毎日新聞
紐解いていくと、シャインマスカットが誕生するまでにいろんなぶどうの品種が掛け合わされ、それぞれのいい所を引き継いできたぶどうがたくさんあったというとがわかりますね。
これまでのルーツを経て、求めていた欧州ぶどうのマスカット香と大粒でジューシーな果肉でありながら、米国ぶどうの栽培しやすい日本の気候にあったぶどう、シャインマスカットが誕生したんですね。
シャインマスカットの原産地は日本!誕生のルーツを調査しました!まとめ
- シャインマスカットの原産地は日本の広島県
- 日本にぶどうがやってきたのはいつ?
- ぶどうの種類は大きく分けて2つある
- 日本で本格的にぶどうの栽培が始まったのは明治時代
- シャインマスカットが日本で開発・栽培させるようになった理由
- 日本で交配されたぶどう
- シャインマスカットの誕生のルーツ
- シャインマスカットまでもぶどうの品種改良の歴史
いかがでしたでしょうか?
シャインマスカットが日本の広島県が原産地だったとは驚きでした。
開発にたくさんのぶどうの品種改良が行われてきたということは、その中に埋もれた品種もあったり、そこから違う品種の掛け合わせになったり…
気が遠くなるほどの数の改良が行われてきたんだろうなあと思いました。
私が子供の頃は、ぶどうといえばデラウエア、物心つく頃には巨峰、甲斐路でした。マスカットは高級だからか、あんまり食べた記憶がなかったなあ…
今まで食べてきたぶどうも、品種改良を重ねて、美味しいぶどうがつくられてきたんですね。
シャインマスカットの後にも、新品種のぶどうも開発されてきています。今後どんなぶどうが出てくるのか??楽しみですね!