皆さんは蓮の花が開花するところを見たことがありますか?
なんと、蓮の花は開花するときに「ポンッ」と音が鳴るんだそうです。
でも、その音を聞いたことがある人より聞いたことがない人の方が多いんだとか。
じゃあ音が鳴るのはウソ?ホント?調べてみました。
Contents
蓮は開花するときに音が鳴るってホント?
蓮が開花するときの音は、「鳴らない」ことが科学的に証明されています。
しかし、「聞いたことがある」という人がいるなら、本当は鳴るのでは?と思いますよね。
実際、蓮の開花する時期になると、たくさんの人が蓮の開花する音を聞きに集まるそうです。
では、蓮が開花するときの様子を見てみましょう。
http://https://www.youtube.com/watch?v=FZpDDVMTb9o
勢いよく「ポンッ」という音を立てて咲くというよりは、静かに開花していますね。
こうして聞くと「音が鳴っている!」と思いますよね。
蓮の開花音については、大賀蓮という種類の蓮で開花音がするのかどうか実験されています。
その結果、「開花時の振動を500倍に増幅して測定したが、花弁の擦れあうわずかな振動があるだけで、開花音ではない。」
とのことでした。
つまり、花びらの擦れあう振動はするけど、音と呼べるものではないということです。
ただ、蓮の花の種類は100種類を超えるので、大賀蓮以外なら音を立てて開花する蓮もあるかもしれません。
蓮が開花する音をたくさんの人が聞きたいのはなぜ?
では、なぜ蓮の開花する音をたくさんの人が聞きに集まるのでしょうか。
蓮には「開花音を聞けば悟りが開ける、成仏できる」といった言い伝えがあるからだそうです。
また、蓮が開花するときに音が鳴るというのは、以下のように俳句や文学の世界でも表現されています。
正岡子規
「朝風に ぱくりぱくりと 蓮開く」
「蓮開く 音聞く人か 朝またぎ」
石川啄木
「静けき朝音立てて白き蓮花のさくきぬ」
川端康成
「朝ごとに上野の忍ばずの池では、蓮華の蕾が可憐な爆音を立てて花を開いた」
蓮は、泥水の中から成長し、清らかで美しい花を咲かせます。
その様子から、仏教では仏の智慧(真理を明らかにし悟りを開く働きのこと)や慈悲の象徴とされています。
蓮の花は仏さまやお釈迦様の台座になっていますよね。
そういった蓮の縁起のいいイメージから、蓮の開花音を聞けば成仏できるといった言い伝えができたと言われています。
そこから「蓮が開花するときに音が鳴る」といった話が出てきたのです。
このような話を聞くと、たとえ科学的に「花弁が擦れあう振動」と言われても、なんだか縁起がいい音のように思いますね。
蓮が開花する時間はいつ?
ここまで読まれて「蓮の開花を見てみたい!」と思った方に、蓮が開花する時間をご説明します。
蓮が開花する瞬間を見たい方は、その時間に注意が必要です。
蓮が開花する時間は早朝!
蓮は日の出とともにゆっくり開花していきます。
つまり早朝です。
蓮が見ごろになるのは7月中旬~8月中旬ですので、その頃の日の出の時間は大体午前4時30分です。
蓮の開花を見ようと思ったら、かなり早起きしなければなりませんね…
しかし、朝の静寂のなかで蓮の開花する様子を見るのは、かなり幻想的です。
神仏の世界に行ったような、そんな不思議な気持ちになれるかもしれません。
蓮が満開になる時間は午前7時から10時ころ
「朝の4時30分になんて起きられない!」という方は、蓮の満開の状態はいかがでしょう。
日の出とともに開花を始めた蓮は、午前8時から午前9時ころに満開を迎え、午前9時から午前10時ころに蕾に戻ります。
そのため、午前7時から午前10時ころに見に行くと、蓮の満開から蕾に戻るまでを見ることができます。
この時間なら、なんとか見に行けそうな気がしませんか。
たくさんの蓮が満開になっている状態は、まさに「極楽浄土」です。
早朝に起きられない方は、蓮の満開もおすすめです。
蓮が開花する時期はいつ?蓮の名所ごとにご紹介
蓮が開花する時間をご紹介しましたので、開花時期についてもご紹介していきます。
蓮が開花し始めるのは、大体7月から8月ころです。
ちょうど夏休みの時期ですね。
蓮の名所ごとに微妙にタイムラグがあるので、行きたいところの蓮が咲いているのかをぜひチェックしてください。
近年は新型コロナウイルスの影響で、様々なイベントが中止になっていますが、
蓮の名所については、屋外ということもあって蓮が見れないということはないようです。
ですが、これからどうなるのかは誰にも分かりませんので、行く前に確認してくださいね。
埼玉県行田市 古代蓮の里
1つ目の蓮の名所は埼玉県行田市にある「古代蓮の里」です。
こちらの蓮の開花時期は、6月下旬から8月上旬です。
ここでは、【42種類】というたくさんの種類の蓮を見ることができます。
特に「行田蓮」と呼ばれる古代蓮の一種は一見の価値ありです。
行田蓮は、古代種の里に近い場所で行われていた公共施設の建設工事中に、偶然出土した行田蓮のタネが一斉に自然発芽し、池に開花していたのを発見されました。
そのタネがあった場所の地層を調べたところ、約1400年~3000年前のものでした。
なんと、行田蓮は地中深くで約1400年~3000年もの間眠り続け、建設工事で出土したことをきっかけに発芽したのです。
まさに時空を超えた蓮といえますね。
その他にも、古代蓮の里では、毎年SNSで話題になる「田んぼアート」を見ることができます。
古代蓮の里にある展望台で上から見ることができるので、おすすめです。
住所 | 埼玉県行田市大字小針2375番地1 |
URL | https://www.ikiiki-zaidan.or.jp/kodaihasu/index.html |
地図 | [googlemaps https://www.google.com/maps/embed?pb=!1m18!1m12!1m3!1d2670.8666015216622!2d139.49882286502515!3d36.1321639972708!2m3!1f0!2f0!3f0!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!3m3!1m2!1s0x601f2da6f30dbb9b%3A0xf17e316d62811d03!2z5Y-k5Luj6JOu44Gu6YeM!5e0!3m2!1sja!2sjp!4v1621142498363!5m2!1sja!2sjp&w=600&h=450] |
東京都台東区上野 不忍池
2つ目の蓮の名所は、上野公園にある不忍池です。
こちらの蓮の開花時期は7月下旬から8月上旬です。
不忍池には蓮観察ゾーンが設置してあり、近くから蓮を観察することができます。
ここでは、古代蓮の一種として知られる大賀蓮を含め【5種類】の蓮を見ることができます。
大賀蓮は先ほどご紹介した「蓮が開花するときに音は鳴らない」ことを科学的に証明していた蓮です。
本当に音が鳴らないのか、確認しに見に行くのも面白いかもしれません。
大賀蓮以外の蓮の種類は以下のものです。
- 明鏡連(めいきょうれん)
- 蜀紅連(しょくこうれん)
- 浄台連(じょうだいれん)
- 不忍池斑蓮(しのばずのいけまだらはす)
この4種類はもともと不忍池に自生していた蓮です。
蓮というと、お寺など自然の中にひっそりと咲いているイメージがありますが、
不忍池の蓮の向こうは東京の大都市が広がっています。
極楽浄土のような満開の蓮の向こうに高いビルが並んでいる様子は、ちょっと不思議な景色です。
住所 | 東京都台東区上野公園5-20 |
URL | https://t-navi.city.taito.lg.jp/spot/tabid90.html?pdid1=115 |
地図 | [googlemaps https://www.google.com/maps/embed?pb=!1m18!1m12!1m3!1d3239.624522025553!2d139.7689250507557!3d35.71085643585695!2m3!1f0!2f0!3f0!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!3m3!1m2!1s0x60188c20944ac5a3%3A0x58638bc622e5b86a!2z5LiN5b-N5rGg!5e0!3m2!1sja!2sjp!4v1621144056844!5m2!1sja!2sjp&w=600&h=450] |
奈良県奈良市 薬師寺
3つ目の蓮の名所は、奈良県にある薬師寺です。
こちらの蓮の開花時期は、6月下旬から8月中旬です。
ご紹介した3つの蓮の名所の中で一番長く蓮を見ることができます。
薬師寺の蓮は、池ではなく水を張った鉢に植えられています。
薬師寺の鐘楼の周辺には約250鉢の蓮が置かれ、鮮やかなピンク色や白色の大輪を咲かせています。
蓮の色と薬師寺の朱塗りの建造物とのコントラストはとても荘厳で、心が落ち着きます。
薬師寺は世界遺産にも登録されているので、建物だけでも見て損はないです。
その他、同じ奈良県にある唐招提寺、藤原宮跡、喜光寺、法華寺にもたくさんの蓮が咲いていますので、
蓮めぐりをしてみても楽しいですね。
住所 | 奈良県奈良市西ノ京町457 |
URL | https://yakushiji.or.jp/ |
地図 | [googlemaps https://www.google.com/maps/embed?pb=!1m18!1m12!1m3!1d3281.4475966637697!2d135.78237265073116!3d34.66865119234599!2m3!1f0!2f0!3f0!3m2!1i1024!2i768!4f13.1!3m3!1m2!1s0x60013afc39dd7a9f%3A0x870f22fa71820527!2z6Jas5bir5a-6!5e0!3m2!1sja!2sjp!4v1621145481421!5m2!1sja!2sjp&w=600&h=450] |
蓮は開花するときに音が鳴る!?ウソかホントか調べてみました!のまとめ
- 蓮は開花するときに音は鳴らないことが科学的に証明されている。
- 蓮の開花音は「聞くと悟りを開ける、成仏できる」という言い伝えがある。
- 蓮が開花するのは日の出の時間で大体朝の4時30分ころ。
- 蓮が満開になる見ごろは、午前7時から10時ころ。
- 蓮の開花時期は蓮の名所によって微妙に違う
- 埼玉県行田市の古代蓮の里では6月下旬から8月上旬
- 東京都台東区の不忍池では7月下旬から8月上旬
- 奈良県奈良市の薬師寺では6月下旬から8月中旬
蓮が開花する午前4時30分ころには、夜から朝に変わることを察知した虫や鳥たちが一斉に鳴くのをやめる時間があるそうです。
そんな無音の世界で、蓮が開花するのを見ていると、静寂を打ち破るように音が聞こえる気がします。
蓮は開花するときに音は鳴らない、と科学的に証明はされていますが、
もしかすると、耳で聞く音ではなく、「身体で感じる音」なのかもしれません。