グルタミン酸ナトリウムを含む食品のパッケージには「調味料(アミノ酸等)」と表示されていることが多いです。昔の噂や思い込みのせいでグルタミン酸ナトリウムは体に悪いと誤解されています。
今回はグルタミン酸ナトリウムが体に悪いという誤解を解いていきます。
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グルタミン酸ナトリウムを含む食品はたくさんあります
グルタミン酸ナトリウムは食品添加物の一つでうま味調味料です。食品のパッケージには「調味料(アミノ酸等)」と表示されていることが多いです。
家の冷蔵庫周りを見ると、あります、あります、「調味料(アミノ酸等)」と書いてある食品や調味料たちが。
まずは味の素、コンソメ、中華だしのもとですね。
それから、白だし、めんつゆ、カレールー、シチューのもと、チンジャオロースーのもと、マーボー豆腐のもと、キムチのもと、お茶漬けのもとなどなどの○○のもと。
それから、おせんべい、ポテトチップスなどなどのお菓子。このあたりに調味料(アミノ酸等)の表示がありました。
箱に入っているような調味料系にはたいがい入っていると思ってもよいでしょう。調味料(アミノ酸等)とは書いてないけど、焼肉のたれには「アミノ酸液」と書いてありました。
グルタミン酸ナトリウムはうま味調味料
調味料にはしょっぱさを出す塩、甘さを出す砂糖、酸っぱさを出す酢、旨味を出すうま味調味料などがあります。うま味調味料は、うま味を調味料にしたものです。
うま味はグルタミン酸やイノシン酸という成分で、昆布やかつお節やトマトなどの野菜にも含まれています。
うま味調味料は添加物の一つです。食品添加物とは食品の風味や味ををよくするための香料や食品の日持ちをよくするための保存料などがあります。
食品添加物というと体に悪いと思われがちですが、そんなことはありません。普段の料理でもみなさん使っているんですよ。
リンゴが茶色くなるのを防ぐレモン汁や日持ちを良くするための酢など、普通の食品も使う人の目的によって食品添加物のくくりになります。だから食品添加物が体に悪いわけではありません。
うま味調味料は4種類に分けられる
添加物としての調味料は、アミノ酸、核酸、有機酸、無機塩の四つにわかれます。
アミノ酸にはこんぶなどのうまみ成分であるグルタミン酸があります。核酸にはかつおぶしのうま味成分であるイノシン酸があります。有機酸は貝のうま味成分でコハク酸があります。無機塩は塩化カリウムで最近の減塩と書いてある商品によく使われています。
塩は塩化ナトリウムですが、塩化カリウムを加えることでうま味成分が加わるので塩分を減らしてもおいしいと感じられるんです。
だから、減塩調味料をそろえたところ、カリウムを過剰摂取してしまうこともあるそうです。腎臓病などで血液中のカリウムが高くなりやすい方は、注意してくださいね。
これらの2種類以上のグループから調味料を使っているときは「等」を付けて表示できるようになっています。ですから、調味料(アミノ酸等)と表示されているんですね。
グルタミン酸ナトリウムの2大誤解を解きます
グルタミン酸ナトリウムが体に悪いと信じている方は今もいますね。そして「そんなの体に悪い!」と知り合いに教えたりして。
でもそれって事実なのでしょうか。
グルタミン酸ナトリウムの誤解①チャイニーズレストランシンドローム
1968年アメリカで中華料理を食べた人が頭痛や疲労感を訴えて、中華料理店症候群(チャイニーズレストランシンドローム)と言われたことがありました。
中華料理に使っているグルタミン酸ナトリウムのせいだと科学者が発表したので、一気に危険であるという認識が広がりました。
それから19年して様々な研究が進み、グルタミン酸ナトリウムはチャイニーズレストランシンドロームと因果関係はないと結論付けられました。
でも19年経っていますから、それまでの間にグルタミン酸ナトリウム不使用という表示を使って宣伝している商品もあり、誤解がすっきりとけないまま現在に至っています。まさに風評被害ですね。
ニュースも「危険です!」は好んで報道しますが、「安全が確認されました」は報道されることがめったにありません。誤解を与えるのは一瞬ですが、そのあとちゃんとわかってもらうには途方もない労力がいるんです。
グルタミン酸ナトリウムの誤解②塩分が高い
グルタミン酸ナトリウムにも塩分は含まれています。
食塩とうま味調味料を比較すると、うま味調味料の塩分は食塩の3分の1くらいです。実際の使用量ですが、食塩とうま味調味料を比較すると、うま味調味料の使用量は食塩の10分の1から20分の1です。
具体的にしてみましょう。塩を1g使う時うま味調味料は0.1gです。塩分は塩から摂取する割合を1とすると、うま味調味料から摂取するのは0.03gということになります。
含まれているけど、塩分気にするなら塩を気にしましょうね、というところでしょうか。
パッケージのデザイン表示で誤解は上書きされています
グルタミン酸ナトリウムにまつわる表示①化学調味料
この化学調味料という言葉はテレビ番組からはじまったのに、まるで正式名称のように普及しちゃってましたね。もともとはNHKの料理番組でした。
NHKは公共放送なので味の素という商品名を放送で流すことができなかったのですね。固有の商品をえこひいきする、宣伝する、なんてみんなに公平な公共放送であってはならない!というわけですね。
そこで味の素を化学調味料と言い換えたのがことの発端というわけです。NHKの影響力恐るべしです。
グルタミン酸ナトリウムの中でも代表的な味の素の製法を紹介します。
味の素はサトウキビから砂糖などの原料となる糖蜜を絞ります。その糖蜜を発酵させてグルタミン酸を作ります。
グルタミン酸を料理に使いやすくするためナトリウムと合わせて、グルタミン酸ナトリウムにします。確かに化学のちからを使って作っていますが、天然の原料を発酵させて作るのが味の素なのです。
グルタミン酸ナトリウムにまつわる表示②無添加
添加物を使っていないということを示して無添加と書いてあることが多いですが、無添加にはっきりした定義はありません。化学調味料無添加とか不使用とか結構あります。
化学調味料という表現は公的機関でも報道などでも使われなくなって久しいのに、いまだに化学調味料が消えないのはパッケージデザインに利用されているからでしょう。
化学調味料不使用って現代語訳するとうま味調味料不使用、となります。急に「だから?」っていう印象になりません?
化学という文字のインパクトが強くて、化学は体に悪く無添加は体にいいって見た人に思いこませてるように働きかけます。
ちなみに化学調味料無添加というと添加物全般入ってないのか?と思いがちですが、ちゃんと香料や保存料など食品添加物が入っていたりすることがあるので、注意してください。
グルタミン酸ナトリウムを含む食品はいっぱい!体に悪いは誤解だ!のまとめ
- グルタミン酸ナトリウムは調味料(アミノ酸等)という表示で様々な食品に使われている
- グルタミン酸ナトリウムはうま味調味料の一つ
- グルタミン酸ナトリウムが体に悪いというのは誤解
- パッケージデザインで現在も誤解が上書きされている
いかがでしたか?
グルタミン酸ナトリウムは優れものの調味料です。
匂いがないので和洋中どの料理にも使えて、うま味だけをほんのり残してくれるものです。
かつおもこんぶもいいですが、私にとって忙しい毎日の助けになるのはやっぱりパンダの味の素ですよ。
化学とか無添加とかをパッケージに書くことでその商品をよく見せようとして、風評被害を広めるようなやり方はどんな商品にもしてほしくないですね。
買う側も、無添加とか体に優しいというパッケージデザインだけで判断しないで、成分表示も確かめて買い物するようにしたいですね。
この記事がみなさんの何かの役に立つことができたらとてもうれしいです。