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カラスが嫌いな匂いはある⁉生態を知ればわかるカラス対策とは!

昔、友人が背後からカラスに頭を蹴られたことがあります。

私は蹴られたことはありませんが、「なぜにそんな低空飛行してくるわけっ!?」っていう経験ならあります。

みなさんも、ゴミを荒らされたり鳴き声がうるさかったりと、カラスにはさんざん悩まされているのではないでしょうか。

まずは手っ取り早く、カラスが嫌いな匂いをまけばいいのでは?と思いますが、先にお伝えすると、残念ながらカラスには嫌いな匂いがありません…

ただ、嫌いな匂いはないとしても、対策方法はまだまだあります。

カラスの生態を知ると、これまでやってきた撃退方法ももっと効果が出るかもしれませんよ!

 

 

カラスが嫌いな匂いはない!その理由とは

先にお話しした通り、カラスには嫌いな匂いがありません。その理由は、カラスは鼻が悪いからです。

これは、嗅覚を司っている脳の一部、「嗅球(きゅうきゅう)」がキズ痕程度の大きさしかないためです。

そのため、どんなに酸っぱくても辛い匂いでも、カラスはまったく気にしないそうです。

 

 

カラスは目でエサを探している!

カラスがどうやってエサを見つけているのかというと、ずばり「」です。

なんと、カラスの視力は人間の【5倍】といわれています。

また、カラスは紫外線まで認識できるようで、人間には7色にしか見えない虹が、カラスからすると14色で見えているという話もあります。

そんな優れた目を持っているカラスは、半透明のゴミ袋に入っている中身がごちそうかどうかを判断しているわけです。

また、カラスは学習能力が高いことで有名ですよね。

さすがに「今日は燃えるゴミの日だ!」とまでは認識できないと思いますが、エサがあった場所を記憶して、そこを巡回しているようです。

 

 

カラスには嫌いなものってあるの?

頭がよくて視力もいいカラスですが、苦手なものって何かあるのでしょうか。詳しく調べてみました。

 

カラスが嫌いな音は?

鳥獣害対策で「超音波」が使われることがありますが、残念ながらカラスに「超音波」の効果はありません。

なぜなら、カラスが聞こえる音の範囲は人間よりも狭いからです。つまり人間に聞こえない音はカラスにも聞こえないのです。

ただし、音を聞き分ける能力は優れているため、仲間の「カァー」なのか、知らないカラスの「カァー」なのかは、ちゃんと識別しているそうです。

 

カラスが嫌いな色は?

カラスには嫌いな色はないといわれています。

「カラスは黄色が嫌い」という噂を聞いたことがあるかもしれませんが、これは大きな誤解です。

このような噂が広まった原因はというと…

ある自治体で、紫外線をカットする特殊な顔料が塗られたゴミ袋を使用したところ、カラスにはゴミ袋の中身が見えず、カラス対策として効果がありました。

これは、紫外線が当たる環境でないとエサを見つけられないというカラスの特性を利用した結果です。

このときに使った特殊な顔料が人間には黄色く見えるため、「カラスは黄色が嫌い」という情報だけが出回ってしまったようです。

カラスは黄色が嫌いなのではなく、紫外線がカットされていることで「エサが認識できない=寄ってこない」ということなのです。

私が住んでいるマンションも黄色いネットがかけられていますが、カラスに荒らされている現場を何度か見ています。

これは、きっとただの黄色いネットなんでしょうね(笑)。

ただの黄色いゴミ袋やネットは、カラスにはしっかり見えているので覚えておきましょう。

 

カラスの嫌いな味は?

カラスは味覚音痴です。

塚原直樹さんの著書「カラスをだます」によると、ふやかしたドッグフードをタッパーに入れ、【塩味や【酸味】、【苦味】などいろんな味のスプレーを吹きかけたエサをカラスに与えたところ、全部平気で食べたそうです。

さらに、カプサイシン(辛味)が入った水を吹きかけても、おかまいなしで食べ続けるカラス。

最終的に辛味の濃度をどんどん上げまくっていたら、実験室内にカプサイシンが充満し、人間だけがダメージを受けて実験が終わったそうです。

参考:塚原直樹「カラスをだます」NHK出版新書(P.66-67)

 

 

カラスが人間を襲うのには理由がある

本来、カラスにとって人間は【体が大きくてとても怖い存在】です。むやみに人を襲うことはありません。

では、なぜカラスに襲われる人が多いのでしょう。

カラスが人間を攻撃する理由は【2つ】ありました。

 

①カラスの繁殖期に巣に近づいてしまっているから

カラスの繁殖期は4月ぐらいから始まり、ヒナが育つ7月頃まで続きます。

そして、この時期のカラスは警戒心が強くなります。

そんな状況とは知らず、人間が巣やヒナに近づいてしまうと、子どもを守るために威嚇行動をとったり攻撃してくることがあります。

「でも、突然襲われたらわかんないじゃん!」

違います。人間が気づいていないだけで、カラスはちゃんと段階を踏んで警告しているんです。

その警告を無視した結果、背後から蹴るという行動を起こします。

カラスが起こす行動がこちらです。

レベル
カラスの行動

レベル①警戒

「カウ、カウ、カウ」と比較的ピッチの早い声で鳴きながら頭上を飛び回る
レベル②威嚇
「ガーッ、ガーッ、ガーッ」と少し濁った声で鳴きながら、とまっている電線や木の枝をつつく
木の小枝を折ったり、葉っぱをむしって落とす
※この段階で立ち去れば襲われることはありません
レベル③攻撃
背後から近づき、頭上を低空飛行する
※このとき、脚で頭を蹴ることがありますが、口ばしで攻撃することはありません

参考:大阪府豊中市HP環境省自然環境局「自治体担当者のためのカラス対策マニュアル」

 

また、こんな状況もカラスに襲われる可能性があるので注意です。

注意ポイント

  • マンションの樹木に巣があり、 屋上に人が立っている
  • ベランダと同じ高さに巣がある
  • 街路樹に巣があり、人がその近くの歩道橋を歩く
  • 巣を見つけて見つめる
  • 巣に対して棒を突き上げたりする(これは攻撃されるの当たり前です)

参考:環境省自然環境局「自治体担当者のためのカラス対策マニュアル」

 

冒頭でお話しした私の友人は、きっと知らずに巣に近づいて威嚇に気づかなかったんでしょう。

また、カラスは立派な野鳥です。

法律で守られているため、カラスの巣を撤去したり、カラスを捕獲するには許可が必要です。

もし捕獲できたとしても、すべてのカラスを追い払うことはできないですから、この時期はカラスの行動を注意深く観察するようにしましょう。

その意識だけでも、カラスとの関わり方がだいぶ違ってくると思います。

 

②おいしそうな食べ物を持っているから

人を襲うというより、エサをめがけて寄ってきているだけです。

ただ、襲われた方は「からすに攻撃された!」と思ってしまいますよね。

この場合も、カラスに食べ物を狙われていないか注意深く観察するしかないでしょう。

ハトにも狙われているかもしれませんが…

 

もしカラスに襲われそうになったら

万が一、カラスに襲われそうになったら、次の行動をとりましょう。

 

近距離の場合

カラスをいじめない限りあまりないと思いますが、くちばしが触れる距離まで近づいてきた場合、慌てて手で追い払おうとするのは【NG】です。

カラスは、動物の一番弱いところが「目」だと知っているので、そこを狙ってきます。目を隠して体を小さくしましょう。

参考:となりのカインズさん

 

数メートル距離が離れている場合

効果的な方法は

これをやろう

  • カラスを睨みつける
  • 手を広げて大きく見せる
  • 大声を出す
  • 傘を開いて距離をとる

 

目を合わせると逆に襲われそうな気がしてましたが、睨むとカラスは逃げていくそうです。

参考:となりのカインズさん

 

目力が強い友人が、「カラスを見つけると睨みつけてる」と言っていたことを思い出しました。

 

カラスの生態を知ろう

ではカラスについて詳しくみていきましょう。

 

日本でみかけるカラスの種類

主によく見かけるカラスは2種類です。

  • ハシブトガラス
  • ハシボソガラス

 

どちらとも雑食ですが、ゴミの集積所でゴミを食い散らかしたり、人間を襲ってくるのは「ハシブトガラス」です。

一方の「ハシボソカラス」は木の実や昆虫を好むので、田んぼや河川敷にいます。

この2種類のカラスの特徴をいくつかまとめてみました。

ハシブトカラス ハシボソカラス
全長 約56cm 約50cm
外見 くちばしが太く湾曲している くちばしが細目でまっすぐ
基本の鳴き声 カア、カアと澄んでいる ガア、ガアと濁っている
歩き方 跳ねることが多い 二足で歩くことが多い
繁殖期 繁殖期はずっと神経質 ヒナが巣立つときに神経質になる
好きな食べもの 肉類、脂、果実 農作物、コガネムシなどの昆虫

一部引用:環境省自然環境局「自治体担当者のためのカラス対策マニュアル」

 

ハシブトカラスの方が一回り大きいです。

余談ですが、ハシブトガラスはマヨネーズの容器を見つけると、カラス同士で奪い合いが始まるぐらいのマヨラーだそうです。

 

動物の中でも知能が高い

カラスの脳は、ニワトリの【約3倍】あります。
さらに、人間の脳の作りと似ていて、大脳がふっくらし発達しているんだそうです。

そんな頭のいいカラスにはこんな行動をとることがあります。

 

頭脳派カラスの行動

  • 走行している車にくるみの殻を割ってもらう
  • 公園にある水飲み場の栓をひねって水を出す
  • 針金ハンガーを盗んで巣を作る
  • エサを隠して貯めておく
  • 人間の顔を覚えている

 

翼が敏感

カラスの翼は敏感で、羽が傷ついたり何かが触れるのをとても嫌がります。

また、尾羽の付け根に「尾腺(びせん)」という器官があり、そこから脂を出してくちばしで羽をコーティングするそうです。

羽が濡れたままだと弱っていきますが、防水コーティングをすることによって生き延びているんですね。

 

 

日々のカラス対策でもっとも大事なこと

まず、カラス対策は【長期戦】になることを覚えておいてください。なぜなら、カラスは頭がいいからです。

効果があったカラス対策グッズも、しばらくすると「なーんだ、安全じゃん」と慣れてしまい、また戻ってきます。

効果がなくなってきたらすぐ撤去して次の一手、また効果がなくなったら次の一手が必要です。

大変ですが、このことを前提に対策方法をご紹介します。

 

ゴミ対策はこれ

ゴミ対策のポイントは、

ゴミ出しポイント

  • 脅しの効果を狙った防除器具は、カラスが慣れてしまうので、効果は短期的と考える
  • カラスからごみを物理的に遮断する方法と時間的な接点をなくす方法がある
  • 物理的な遮断には蓋付き容器、小屋型の集積所、シートやネットをかける方法がある
  • 時間的な遮断には、カラスが活動しない夜間や早朝に収集してしまう夜間収集がある

参考:環境省自然環境局「自治体担当者のためのカラス対策マニュアル」

 

カラスに見えないようにゴミを隠すのはもちろんですが、もしくちばしでつつかれてもゴミが飛び出ないような工夫も大事ですね。

また、ゴミを隠す以外に色を変える方法も効果的です。

カラスに嫌いな色はないことはお伝えしましたが、いつも使っている黄色のゴミネットを青くしたところ、カラスが来なくなったという話があります。

カラスの目の良さを生かした方法ですね。
いつもの黄色から見慣れない青色に変わったことで警戒したからと考えられています。

ただし、こちらも一時的な対策なので、カラスが飽きる前に違う色に変えたりしないと、またカラスは集まってきます。
(案の定、数日後には戻ってきたそうです。)

 

ベランダ対策はこれ

引用:株式会社Qujolia(クジョリア)

ベランダのカラス対策は、物理的に侵入経路をふさぐことがもっとも効果的です。

カラスに限らず、鳥は自分の羽に何かが触れるのを嫌がります。

ワイヤーなどのひも状のものを設置したり、カラス除けネットを隙間なく張ることで、その場所に止まることができず、侵入を防げます。

また、ベランダなどの高所作業になる場合は、専門業者に依頼するのが安全です。

 

お金をかけないでも対策はできます

絶えず変化をつけながらカラスを刺激することが大事とお伝えしてきました。

〇万円もかかる対策グッズもあるので、買っても効果が一時的なんて悲しいですよね。

そこで、比較的お金をかけなくてもできる対策グッズを、いくつかご紹介します。

 

かかし

意外と言ったら「かかし」に失礼かもしれませんが、効果あるんです。

顔をへのへのもへじにするかどうかはお任せします。カラスは「なんだ?この変な顔」とは思いません。

数日経ったら、服装や顔を変えたり、かかしの位置を変えることで、カラスに新たな刺激を与えることができます。

 

使い古しのCD

使うのは、反射する【裏面】です。

これをぶら下げたり、ぶら下げる位置を変えることも大事です。

ちなみに、反射するものであれば、飾り付けで使うモールでもOKです。

 

風船

風船も数日おきに色を変えるとよいです。

もちろん場所も定期的に変えましょう。

 

 

カラスが嫌いな匂いはある⁉︎生態を知ればわかるカラス対策とは!のまとめ

まとめ

  • カラスに嫌いな匂いはない
  • カラスは人間の5倍の視力でエサを探している
  • 警戒心が強くなる繁殖期(4~7月)はカラスの行動に注意
  • カラス対策は長期戦
  • カラスが警戒するような刺激を与え続けることが大事

 

いかがでしたでしょうか。

カラス対策は、個人レベルで解決できない被害状況もありますので、そのときは自治体や専門家に相談することも必要です。

今回参考にさせていただいた「CrowLab」は、20年間カラスの研究をしているプロです。
科学的根拠に基づいたカラスの対策方法はもちろん、グッズも開発しているようです

カラスの生態や対策のヒントになる情報もたくさんつまっているので、気になる方はぜひチェックしてみてください!
※カラスを研究しているだけあって、カラスの画像がたくさん掲載されています。苦手は方はご注意を。

 

 

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