毎年春先になると飛来してくる黄砂。
休日に洗車して綺麗になったと思っても、翌朝にはもう黄砂が積もっている……! イヤになりますよね。
黄砂はとても軽くて小さな粒子ですが、適当にタオルで拭いたりしていると、車がキレイになるどころか無数の消えない傷を愛車に残してしまうことも!
「洗車はガソリンスタンドでしている」という方、洗車メニューは機械洗車ですか、手洗い洗車ですか?
「自宅で手洗いをしている」という方、洗車アイテムはブラシですか、スポンジですか? 洗剤は何を使っていますか?
そもそもガソリンスタンドで洗った方が良いの? という点に関しては私はどちらでもいいと思います。
高圧洗浄機ともこもこの泡が立つ洗剤、あとは柔らかな洗車道具と吸水性の良いタオルがあれば完璧です!
正しい洗車方法を知ることで愛車を黄砂から守りましょう!
Contents
黄砂は普通の洗車で落ちない? ガソリンスタンドのおすすめ洗車コース
黄砂とは
そもそも黄砂とは何なのでしょうか。
黄砂は中国やモンゴルなど東アジア内陸の砂漠地帯で発生した竜巻によって巻き上げられた砂塵が偏西風に乗って日本まで飛来して来たものです。
大半の砂粒は日本へ渡ってくる前に重みで落ちてしまうのですが、日本まで飛来して来るものは約4㎛ととても小さく、気付くと車以外にも洗濯物や自分自身に付着しています。
特に飛散量の多いシーズンは3~5月と言われ、花粉同様にアレルギー症状も引き起こす厄介な現象です。
黄砂は石英や長石などの鉱物で構成されており、小さくてもとても硬い成分を含んでいるので、黄砂の積もった車を適当にタオルで拭いてしまうと塗装やガラスに深刻な傷を付けてしまうことになります。
かといって黄砂が積もったまま車を放置し続けていると、雨で粘土のように結びついてますます取り除くのが難しくなってしまうので、黄砂時期はこまめな洗車を心掛けましょう。
ガソリンスタンドのおすすめ洗車コース
ガソリンスタンドで洗車をするメリットはやっぱりその手軽さですよね。
毎回自宅で車を洗おうと思うと、暑い時期や寒い時期はつらいし、そうでなくても休日にひと仕事しなきゃいけない感じが面倒です。
お金を払って待っているだけで車がキレイになるので助かりますが、洗車のコースって何を選択すればいいの? という方のために、一般的なガソリンスタンドの洗車コースをご紹介します。
洗車コース
- 水洗い洗車(機械 / 手洗い)
- シャンプー洗車(機械 / 手洗い)
- ワックス洗車(機械 / 手洗い)
- 撥水洗車(機械 / 手洗い)
機械洗車のメリット・デメリット
機械洗車は所用時間が短く、金額が安いことが特徴です。
フルサービスのガソリンスタンドによっては拭き上げや簡単なホイール磨き、タイヤワックスまでかけてもらえる所もあります。
洗車前にある程度の汚れは高圧ガンで落としてもらえますが、手洗い洗車に比べると摩擦によって傷が付きやすくなる傾向があります。
またセルフでは拭き上げなどは自分でしなければいけませんが、忙しい時などはサッと洗車機を通してそのまま出ていける手軽さが魅力です。
車に乗ったまま洗車ができるため、小さなお子さんにはちょっとしたアトラクション感覚の楽しさもあると思います。
ただし機械洗車ではアンダーミラーやリアタイヤ、スポイラーなどのパーツを避けてブラシを動かさなければならないため、フロントガラスやリアガラスなどの目につく場所に汚れが残る場合があります。
そういった附属パーツの無い車でも、ミラーは畳んでブラシを回すため、ミラーの内側に隠れる部分などに洗い残しが残ります。
黄砂はそういった細かな部分にも付着しているため、自分で拭き上げをする場合はボディーに傷を付けるリスクが高まりますね。
手洗い洗車のメリット・デメリット
手洗い洗車は人間の手で車を洗うため、機械洗車では洗えない細かい部分までキレイに出来ることが特徴です。
機械洗車ではプラスチックやゴムのブラシを回転させて洗車しますが、手洗い洗車では柔らかいスポンジやムートンブラシを使用します。
車へのダメージを抑えて優しく車を洗えるため、車に極力傷を付けたくない方や洗車機では洗いきれない附属パーツのある車に乗っている方におすすめです。
最初に高圧ガンで汚れを落としてから人の手で洗うため、黄砂をある程度吹き飛ばしておくことが出来ます。
また、雨の後の泥道や凍結防止剤の蒔かれた雪道などを走って足回りやリアガラスにガンコな跳ね返り汚れが付いている場合にも、手洗い洗車ならしっかりと汚れを落としてもらうことができます。
洗車コースの特徴
水洗い洗車は車にワックスをかけている場合など、コーティングを長持ちさせたい方へおすすめです。
またコーティングによっては、車につるつるとした膜を張っている状態になっていて、「普段の洗車は水洗いだけでOK」というのを謳い文句にしている場合もあります。
シャンプー洗車は洗剤を使うため、水洗いだけでは落としきれない油脂系の汚れを落とすことが出来ます。
洗剤の泡がブラシの摩擦を軽減するので、水洗いに比べ車体に傷が付きにくい特徴があります。
ワックス洗車は通常のシャンプー洗車で車の汚れを取り除いた後にワックス剤を噴霧して、油の膜で車をコーティングします。
効果は2週間ほどですが、ボディーにツヤが出て、新たな汚れを落としやすくなる特徴がある反面、主成分が油なので汚れが付きやすいのも特徴です。
撥水洗車はワックス洗車よりも撥水性・防汚性に優れたシリコン樹脂系のコーティング剤を使用します。
効果は2~4週間ほどで、水弾きがとてもよくなるため、少々の埃であれば雨に流され、水洗いのみでもキレイな状態を保ちやすくなります。
黄砂時期でも自宅できる洗車方法
洗車のタイミング
私も普段は自宅で洗車をしていますが、黄砂の時期には拭き上げをしている段階で既にぽつぽつと黄色い粉が付いていることがあります。
黄砂は小さく軽くても、とても硬い成分で出来ているため注意が必要です。
普段の洗車も晴れていて暑すぎず寒すぎなければ良いのですが、黄砂や花粉が舞っている時期には特に天気予報や黄砂情報を見て、風の弱い日に洗車をするのがおすすめです。
また曇りの日であれば、湿気で空気中の埃や汚れが重くなっており、黄砂の飛散も少ないでしょう。
車に付着した鳥の糞や虫などの汚れも、湿気で柔らかくなっているため落としやすく、洗い流すための水やコーティング剤も乾きにくいため、洗車をするなら曇りの日がおすすめです。
洗車アイテムの選び方
洗車で使うアイテムには色々ありますが、冒頭でも書いた通り「高圧洗浄機ともこもこの泡が立つ洗剤、あとは柔らかな洗車道具と吸水性の良いタオルがあれば完璧」です。
個人的には小さな脚立なんかも準備しておくと、天井までしっかりと洗えるので便利です。
ホイールを掃除したい方は、カラカラに乾いた雑巾を用意しておけば、洗車後にさっと拭くだけでもキレイになります。
あまり汚れを溜め込むと当然落ちにくくなりますので、普段から気にしておくと良いでしょう。
ホイールの内側を拭く際には手を切る危険性がありますので、グローブを準備しておくと良いですよ。
ここでは具体的な洗車アイテムの選び方をご紹介します。
洗剤の選び方
車用洗剤にも酸性・中性・アルカリ性がありますが、ショップで販売されているものの多くは中性洗剤です。
それぞれ車の汚れによって適した洗剤が異なります。
例えば黄砂やウロコ状の水垢などアルカリ性の成分を含む汚れにはカルシウムや鉄を分解する弱酸性の洗剤がおすすめです。
逆に虫や鳥の糞などタンパク質や脂肪を含む酸性の汚れには弱アルカリ性の洗剤がおすすめです。
どちらもガンコな汚れを落とす高い洗浄力がある代わりに、塗装を傷める危険性もありますので、通常の洗車であれば中性洗剤で十分です。
泡立ちの良い洗剤を選ぶことで、汚れとの摩擦を軽減し、より塗装に優しく車を洗う事が出来ますよ。
道具の選び方
汚れを洗い流すのにケルヒャーなどの高圧洗浄機があれば理想的ですが、無い場合は散水ノズルをジェットに切り替えて水圧を強くすることで、ブラシなどでボディーを洗う前に黄砂を流しておきましょう。
ボディを洗う時に使う道具には、大きく分けてブラシとスポンジの2種類があります。
ブラシは洗車用の毛の柔らかいものを選びましょう。特に細かな部分の洗車に適しており、あまり手を濡らさずにすばやく洗えるのが特徴です。
スポンジは吸水性が高く泡立ちも良いです。接地面積が広いため平らな面を均等に洗うのに適しています。劣化は早いですが安くまとめ買いできるのも特徴です。
私が洗車で愛用しているのはラ・モップと言うムートンブラシです。柔らかい羊毛でボディを傷つける心配がなく、ガソリンスタンドでも使用されています。
手をすっぽりと入れることが出来るため、洗車中に滑り落ちる心配がなく、ボディーの形にに添って細かな部分も隈なく洗う事が出来ます。
こびりついた虫などは裏のメッシュ部分で擦り落とすことが出来るため、とても便利です。
拭き上げ用のタオルを選ぶ際には柔らかなマイクロファイバークロスを使いましょう。新品は一度洗濯しておくことでより吸水性が良くなります。
乾拭き用と水拭き用に2枚用意しておくと水滴を残さずキレイに拭きとれます。
自宅でできる洗車方法
それではここまででご紹介したポイントをまとめて黄砂の時期の自宅での洗車方法をご説明します。
黄砂の洗車ポイント
- 洗車をするタイミングは曇りか風の弱い日を選ぶ
- タオルやブラシは柔らかいものを選ぶ
- 洗う前に水圧で黄砂や汚れを流しておく
- 黄砂の洗車には泡立ちの良い弱酸性の洗剤を選ぶ
黄砂の時期は天候に注意して、黄砂の飛散の少ない風の弱い日や曇りの日を選びましょう。
まずは高圧洗浄機などで黄砂や汚れを落とし、よく泡立てたブラシやスポンジで上(天井)から下(ボディ)の順で洗っていきます。
ボディを洗った後に天井を洗うとせっかく洗ったボディへ汚れが流れ落ちるほか、ボディを洗ったあとでは天井の水気が乾いてしまいます。
水垢の原因になったり、再度水をかけなければいけないなど手間も増えます。
高圧洗浄機が無い場合は常にホースで上から水を流しながら洗う洗車方法もあります。
ブラシに洗剤が残りにくいですが、これも摩擦による小傷を防ぐのに有効です。
よく泡を洗い流してから、エアーガンなどがあれば、窓やドアノブの隙間、ワイパーなどの水気を吹き飛ばしましょう。
拭き上げには濡らして絞ったタオルと乾いたタオルを2枚用意し、一度目は水拭き、二度目は乾拭きで水の線が残らないようしっかり拭き上げます。
あまり時間をかけると拭き上げ前に車が乾いて水が跡になるため、一気にサッと終わらせるのがポイントです。
また拭き上げの際にも上から下の順で拭き上げましょう。天井を拭く際には、使わないタオルでボディーを押さえると指紋を付けずに安定した体勢が取れます。
最後にドアの内側のステップもしっかりと拭いて水気を取ります。
水気が残っているとカルキが跡になって取りづらくなるため、ドアを閉めた後にもう一度給油口やミラーの下などに水が垂れていないか確認しましょう。
以上が黄砂の時期でも自宅でできる簡単な洗車方法でした。
黄砂は事前に対策できる! 洗車頻度を減らせるコーティングメニュー
車のコーティングにはワックスやポリマー、ガラス系など色々あります。
「ガソリンスタンドのおすすめ洗車コース」でもご紹介したように、車にコーティングをかけることで、車の塗装面に薄い膜を張り、塗装が直接汚れたり傷つくことを防ぎます。
ワックス系は主成分が油脂なので、汚れが付きにくくなる効果は期待できませんが、ポリマーや樹脂、ガラス系のコーティングであれば車表面をつるつるにすることで、ほこりなどが滑り落ち、ボディに付着しにくくすることが出来ます。
洗車機のコースで手軽にできるコーティングでは効果は2週間~4週間と短いですが、ガソリンスタンドや専門店でできるコーティングであれば、長いもので3~5年ももつものがあります。
中でも私のおすすめは、ほとんどのガソリンスタンドで手軽にできるキーパーコーティングです。
施工時間は1時間ほどで、金額は約6,000円。3ヶ月に1度の頻度で施工すれば、あとは水洗いでも十分車をキレイに保つことが出来ます。
普段自宅で洗車をされているという方も、キーパーをかけることで洗車頻度を減らせて、洗車もぐっと楽になりますよ。
ガソリンスタンドのスタッフは研修や検定を受けており、施工には少し技術が必要なのですが、キーパー用のコーティング剤の「ファイナル1」はamazonなどでも購入できます。
こちらも曇りの日などに素早く作業を終えないとコーティング剤が白い跡になって残ってしまうなど、難しい点はありますが、小傷に塗り込むと傷を塞いで艶を取り戻すことが出来ます。
もちろん撥水効果もありますよ。
完全に傷が消えるというわけではないのですが、細かな洗車傷やドアノブ周りの爪痕など、色々な場面で重宝します。
3ヶ月に1度約6,000円は結構金額も頻度も高い……と思われる方、多少の失敗に抵抗が無ければご自分での施工も試してみたくないですか?
興味のある方は施工動画も色々とありますので調べてみてください。
黄砂時期の洗車はガソリンスタンドに任せるべき? おすすめの洗車方法まとめ
ここでは黄砂の時期の洗車について、ガソリンスタンドの洗車コースと自宅での洗車方法を併せてご紹介してきました。
自宅でも十分に気を付ければ、黄砂の付いた車を洗車できないことはありません。
そしてコーティングなどによって対策をしっかりしておけば、直接塗装が汚れたり傷つくリスクを下げ、愛車のお手入れを楽にしてくれます。
黄砂時期の洗車で注意するポイントは以下の通りでしたね。
ポイント
- 汚れがたまったままにせず、こまめに洗車する
- 直接タオルで拭いたりしない
- 洗い残しを防げ、優しく洗える手洗いがおすすめ
- 洗車をするなら風の弱い日を選ぶ
- 樹脂やポリマー系コーティングで黄砂が付着しにくくできる
愛車に長く大切に乗るために、正しい洗車方法で愛車を黄砂から守りましょう。