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ナスカの地上絵はなぜ消えないのか?理由は奇跡的な環境のおかげ!?

昨今、日本の首里城が火災にあったり、戦争で遺跡が破壊されたりと、世界遺産は「何もしなくても永遠に存在するわけではない」ことを実感する事件が頻繁に発生しています。

そういったニュースを見るたびに心が痛くなりますよね。

ナスカの地上絵は有名な世界遺産であり、古代の謎が詰まったロマンあふれる遺跡のひとつです。

そんなナスカの地上絵は地表に描かれた巨大な絵ですが、いつか消えてしまうのではないか心配になったことありませんか?

なぜ今まで消えなかったのか、そしてこれからも残り続けるのか知ることで、ナスカの地上絵を守る方法が見えてくると思います。

そこでナスカの地上絵が消えることなく長い年月残り続けていた理由について調べてみました。

ナスカの地上絵の考古学研究についても調べてみたので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。

 

 

ナスカの地上絵はなぜ消えないの?

ナスカの地上絵が消えない理由は簡単に言えば奇跡的に環境がかみ合ったからです!

地上絵には何か特殊な技術が使われているわけではありません。

ナスカの地上絵は白い地表が見えるよう周りの砂や岩をどけて作り上げた線で描かれた絵です。

地上から見ると人工物かの判断も難しい浅い溝にしかみえません。もし強い雨が降ったら一瞬で消えてしまいます。

そんなナスカの地上絵が長い年月残り続けている理由を説明します。

 

地上絵が消えない太陽と砂漠の環境

ナスカ台地は現地語で「つらく過酷な」 という意味の 「ナナスカ」 が語源であるとされているます。

ナスカの地上絵の環境

  1. 雨が降らない
  2. 風の影響を受けない
  3. 気候の影響で固く硬化している
  4. 踏み荒らす動物がいない

雨が降らない砂漠であるナスカ台地は年間雨量がわずか5ミリしかありません。

雨のほとんど降らない超乾燥状態が続いてきたために、ナスカの地上絵は雨に流されることなく存続してきました。

このように雨も降らない過酷な環境のため、地上絵を踏み荒らすような動物が生息していないんです。

また、砂漠では岩石が日中の太陽で熱をもち、その熱の放射で地表に暖かい空気層ができています。

その空気層が風による表面の浸食を防ぐことで、風や竜巻から地上絵を守っているんです。

加えて、ナスカの白い地表は礫層の下の粘土層であり、粘土は収縮限界近くまで乾燥すると灰白色になり固くなるので壊れにくくなります。

これらの環境のおかげでナスカの地上絵は消えずに残っているんです。

 

現在は保護されている

発見されてからは人々の手によって保護活動が行われてきました。

主な保護活動

  1. 砂や礫をどかす活動
  2. 地上絵の一帯の立ち入りの制限
  3. 保護の必要性を訴える活動
  4. 詳細な記録の作成

定期的に線の上にのっている岩や砂をどける維持に努める活動が行われています。

ナスカの地上絵一帯は立入禁止区域とされており、研究者が付近に立ち入る場合は絵を踏み荒らさないように専用の器具を付けることが定められているようです。

その他、展望台や遺跡公園を作ることでナスカの地上絵がある場所を明確にし、付近の住民や世界中にナスカの地上絵の保護を訴えています。

また、技術の発展によって保護活動もどんどん進歩してきました。

衛星写真をAIで解析することでナスカ台地に存在する地上絵を細かく解析することができ、崩壊が少しずつ進む現状を詳細に記録することができるようになっているんです。

保護活動によってナスカの地上絵が後世まで長く維持されることを願うばかりですね。

 

今後も消えないの?

ナスカの地上絵の崩壊が様々な原因で進んでいっていることは紛れもない事実です。

地上絵破壊の原因

  1. 市街化計画で破壊されてしまう
  2. 隣の住民への周知も追いつかず意図せず侵入してしまう
  3. 温暖化の影響で周辺の雨が増えている

どこに地上絵があるわからない人が意図せず踏み荒らしたり、農地を作ったりして破壊する事例も増えているようです。

2014 年には環境保護団体がハチドリの地上絵付近に侵入し周辺を踏み荒らす事件が起きました。

2018年にはペルー人のトラック運転手がナスカの地上絵をトレーラーで走行してしまう事件が起きています。

また、地球温暖化の影響によって、ナスカの地上絵を保全していた環境が変化して、急な雨が降るなどしたら一瞬で地上絵は姿を消すことになります。

事実、近年周辺地域に降った大雨の影響で雨水がナスカ台地に流入し、いくつかの地上絵が破損しています。

環境の奇跡で長年守られてきた多くの世界遺産が、地球環境の変化によってその姿を維持できなくなってきています。

地球を守ることが、人類の過去と未来を守ることなのだと痛感させられますね。

 

 

【世界遺産】ナスカの地上絵って何?

ナスカの地上絵は1994年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。

ナスカの地上絵について大地に描かれた巨大な絵ということしか知らない人の方が多いと思います。

私も正直どういった背景を持つ遺跡なのかよく知りませんでした。

理解できるとさらに興味がわくと思うので、ナスカの地上絵についてご紹介します。

 

どこにあるの?

南米ペルーの南部にあるナスカという町の北側に広がる高原に、ナスカの地上絵はあります。

ナスカ台地は全体で400平方キロメートルほどの広さの土地に描かれています。

東京ドームで換算すると約8500個分の広さです。

もっとわかりやすく言うと横浜市全域と同じくらいの広さがあります。

そう聞くとかなりの広さだと理解していただけるのではないでしょうか。

 

いつかかれたの?

周辺にある遺跡や出土する土器の年代から、約2000年前くらいに描かれたものだと考えられています。

この時期は古代アンデス文明のうち紀元前後から西暦700年頃まで繁栄したナスカ文化に当たります。

アンデス文明って何?

古代アンデス文明とは、南アメリカ大陸太平洋沿岸部およびアンデス山脈において、先史時代からインカ帝国が滅亡する16世紀までの間に盛衰した文化全体をさします。

周辺にあるパルパ地方ではナスカの地上絵よりも古いパルパの地上絵が発見されており、それらは約3000年ほど前に描かれたものであるとされています。

 

だれが描いたの?

古代ナスカ人が描いたと考えられています。

ナスカ人はトウモロコシやジャガイモなどの農耕や狩猟、漁業などを行っており、宗教的性格を強く持っていたとされています。

どういった役割の人が地上絵を描いたかは現在でも不明です。

 

どうやって描かれたの?

地表の黒ずんだ岩や砂をどかし、その下に隠れている白い地表を露出させるという単純な方法で描かれています。

あれだけ大きな絵を人力で描いた方法に関しては、現在二通りの主要な説があります。

 

拡大法

地上で全体を把握できる大きさの原画を描き上げたのち中心点を決め、そこを起点にして原画を拡大する方法です。

地上絵の端で発見された杭の存在や、地上絵の縮小図の発見などをによってこの方法が最も有力な説だと考えられています。

 

種まき式

ナスカ周辺では、計測用具は使用せず複数人が横1列に並び、同じ歩幅で一緒に前進する方法で一定の間隔に種まきをするという習慣があります。

こういった習慣を応用し、地上絵を描いたという説です。

現代でも二人の女性がこの方法を使って、右と左に分かれた状態で歩幅をそろえて協働しながら地上絵を描いていたりします。

しかし、この方法では全長数百メートルにも及ぶ地上絵を描くことは困難であるため、説としては根拠に乏しいといわれています。

 

いつ発見された?

1926年に最初の地上絵が発見されました。

その後、飛行技術の発展によって、ナスカ台地の上空を飛行機が飛ぶことができるようになり、多くの動物の地上絵などが発見されます。

マリア・ライへによって長年にわたる保護活動と研究が続けられた結果、1994年12月17日 UNESCO世界文化遺産に『ナスカとフマナ平原の地上絵』として登録されました。

マリア・ライへの尽力がなければ、市街化計画や道路建設などによってナスカの地上絵は当の昔に地球上から姿を消していたかもしれません。

 

地上絵にはどういった意味が?

ナスカの地上絵が描かれた意味は研究者によって解釈が異なります。

提唱されている説の一部をご紹介します。

紹介するもの以外にも様々な説がありますが、いまだ解明には至っていません。

私個人の意見としては一つの理由で描かれたというより様々な理由で描かれたと思っているので、すべて当てはまっているのではないかなと思っています。

 

雨ごいの儀式の道説

現在もナスカ周辺の村で続いている行事で、雨乞いのために楽隊や人々が一列になって同じ道を練り歩くというものがあります。

ペルーの国宝の壺にもこの楽隊が描かれたものがあり、古くからおこなわれていた習慣だと考えられています。

ナスカの地上絵は一筆書きで描かれたものが多いことから、雨乞いの道筋としてナスカの地上絵が作られたという説です。

 

儀礼場と巡礼の道説

これは山形大学の坂井教授が提唱している説です。

教授は、ナスカ台地の北の端にあるインへニオの谷から、南のナスカの谷にある祭祀の中心であったカワチの神殿まで、巡礼のためのルートがあったと考えています。

このルート上には直線の地上絵があり、その周辺に巨大な動物の地上絵が分布しています。

直線の地上絵はカワチ神殿まで行く巡礼の道であり、巨大な動物の地上絵は、その巡礼の道の中にある訪問すべき儀礼場であるという説です。

 

暦を表している説

マリア・ライヘが提唱していた説です。

彼女の研究によれば地上絵の線のいくつかは夏至と冬至に太陽が日没する方向に一致したそうです。

乾燥した南海岸地域において夏至と冬至は、雨季と乾季の始まりであり祭儀などに深く関連する日だったことが想像できます。

そのため一年の重要な日を太陽の運行によって把握するために用いられていたとする説です。

 

 

ナスカの地上絵に関する新発見

現在においてもナスカの地上絵は研究が続けられており、様々な発見がされています。

日本はナスカの地上絵の研究において大きく貢献していることをご存じでしょうか。

 

新しい地上絵の発見

ナスカの地上絵は現代でも続々と発見されています。

皆さんのイメージでは数10メートルにも及ぶ巨大なもので、上空からしか見えないものかもしれません。

かく言う私もそういったイメージを持っていました。

実際には10メートル以下の小さな地上絵が多く発見されています。

小さな地上絵は石をどけた線で描かれているのではなく、絵を塗りつぶすように全体的に石が取り除かれているものが多いようです。

2022年にも168点に及ぶ新たな地上絵が日本のチームによって発見されています。

 

日本とナスカの地上絵のつながり

山形大学にはナスカ台地での学術調査を、ペルー文化省から正式に許可された世界で唯一の研究チームがあります。

先ほど紹介した儀礼場と巡礼の道説などを提唱している坂井教授が所属している研究チームです。

山形大学のナスカ研究チームは航空写真を人工知能を使って解析することで、肉眼見えづらくなってしまった地上絵を格段に速く見つけることが出来るようにしました。

この技術によって、新たな地上絵を多数発見しています。

その他、今後は地上絵の分布図作成を予定しており、市街化の拡大に伴って進む破壊に歯止めをかけるための保護活動への貢献が期待されているんです。

山形大学ナスカ研究

 

 

ナスカの地上絵はどうやって見に行くの?

ナスカの地上絵は高いところから見ないと全貌を把握することができない巨大な世界遺産です。

地上に描かれている巨大な絵と言われても、その規模感を想像するのは難しいので、その壮大な姿を一度は目にしてみたいですよね。

ナスカの地上絵を見る方法をご紹介します。

 

現地に行ってみる!

ナスカの地上絵を見に行く場合は大きく二つの方法があります。

ペルーの首都リマの空港からバスでナスカまで移動し、セスナ用の空港から小型飛行機で見に行く方法が一つです。

ナスカに宿泊することになるので、エル・ミラドールという展望台に足を運べばいくつかの地上絵を飛行機よりまじかに見ることも出来ます。

もう一つはリマ付近の空港からセスナ機でナスカに向かい上空から見学し、そのまま空港へ戻ってくるという日帰りの方法があるそうです。

詳しくは旅行会社のツアーなどを確認してみて下さい。

 

グーグルアースで見れちゃう!

大地に描かれる巨大な絵であるナスカの地上絵は、グーグルアースを使うと簡単に見ることが出来ます。

実際に見てみると、ナスカの地がどれだけ広大なのか、直線型の地上絵がどれだけたくさんあるかなどを実感することが出来るとおもいます。

調べ方はナスカの地上絵と調べるとあまりに広大な地が表示され、地上絵を見つけるのが困難なので、サルの地上絵など絵の名前で指定すると見つけやすかったです。

お金のかからないお手軽旅行を楽しむことが出来るので、是非見てみてください。

 

 

ナスカの地上絵の種類はどれくらいあるの?

地上絵には見ればすぐにわかる有名なものから、パッとみ何かよくわからないものまで様々な種類のものがあります。

 

幾何学模様&直線の地上絵

実は、渦巻模様などの幾何学模様や直線がナスカの地上絵の大部分を占めています。

航空写真や衛星写真でしか確認ができないような、長大な直線の地上絵も存在します。

直線の数は数百にも及び、古い線の上に重なって幾本も描かれているため、上空から見ても判別が難しいものが多数あるようです。

 

動物の地上絵

ナスカの地上絵といえば思い浮かべるのは動物の絵だと思います。

絵にはそれぞれ名前がついていますが、それらは後世の考古学者が発見時に名付けたもので、その動物がモデルである確たる証拠はないものが多いです。

私のお気に入りの絵をいくつかご紹介します。

 

ハチドリ

ナスカの地上絵を代表する有名な地上絵です。

大きさは全長96メートルほどあり、非常に保存状態がよく、遠くからでもはっきりと確認することができます。

 

サル

細い体と手足、渦巻に巻いた尾をもつサルの地上絵はマリア・ライへによって発見されました。

大きさは全長110メートルほどありますが、尾の部分が風雨によって消えかかっています。

現在ではハチドリやコンドルと並んで、ナスカの地上絵を代表するもののひとつです。

 

この奇妙な形をした地上絵は「手」の地上絵と言われています。

片方の指が4本しか書かれていない異様な姿をしていますが、サルの地上絵も同様に片方の手の指が4本しか書かれていないため、何らかの理由があったのではと考えられています。

こちらは展望台から見ることができますので、現地に赴いたときはじっくりと観察してみて下さい。

 

 

【番外編】ナスカの地上絵には宇宙人がかかわっている!?

描かれた意味も、用途も書いた方法も不明な部分が多いため、ナスカの地上絵をオーパーツであるという人もいます。

ちょっとワクワクしてしまいますよね。

オーパーツって何?

考古学上その成立や製造法などが不明とされたり、当時の文明の加工技術や知見では製造が困難あるいは不可能に見えるものを指します。

大まかには理由は二つあるようです。

ひとつは空からしか全貌を把握することのできない巨大な絵であることから、空からくるものに対してのメッセージやそういったものの来訪地点なのではという説です。

もう一つは、あまりの巨大な絵なので当時の人々にはこれを作る技術はないため、別の高度文明の技術提供があったのではないかという説です。

どちらも根拠には乏しく、一部のオカルト好きの間で提唱されています。

周辺の地域から長頭の骸骨や三本指のミイラなどミステリアスな発見が多くあるため、こういった説が有名になったとも言えますね。

 

 

ナスカの地上絵はなぜ消えないのか?理由は奇跡的な環境のおかげ!?まとめ

地上絵が消えない理由

  • 超乾燥地帯のため雨が降らない
  • 空気の層ができるため風の影響を受けない
  • 気候の影響で固く硬化している
  • 過酷の環境のため踏み荒らす動物がいない

今回は世界遺産ナスカの地上絵について説明しました。

世界遺産は一度崩れてしまえば、取り戻すことのできない人類の宝ものです。

その中でもナスカの地上絵は絶妙なバランスで成り立っています。

少しでも環境が変わってしまうと、はかなく消えてしまう可能性あることを理解していただけたと思います。

地球環境を保護し大切な世界の歴史を守っていく義務が私たちにはあるといっていいでしょう。

 

今後もナスカの地上絵の研究は続いていきます。新たな発見に期待したいですね。

 

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