追伸は手紙の本文で書き忘れた内容を補足するときに使われます。
皆さんも一度は使ったことがあるのではないでしょうか。
その追伸ですが、どの位置に入れるのが正しいがご存じですか?
自分の名前の前?それとも後?
今回は意外と知らない追伸の位置について解説してきます。
Contents
追伸の位置はどこが正しい?手紙・メール・はがきと場面別にご紹介
追伸を書く位置は基本的には手紙やメールの最後です。
しかし、手紙やメールの最後には、自分の名前や会社名などの差出人を書きますよね。
そのため、追伸を書くのが差出人の前になるのか、後になるのか、迷う方が多いそうです。
そこで、手紙・メール・はがきなど場面別に追伸をどの位置に書くのが正しいのか、ご紹介していきます。
追伸の位置はどこが正しい?手紙の場合
縦書きの手紙の場合
引用 ビズ式
縦書きの手紙の場合、追伸の位置は日付・差出人名・宛名の後になります。
追伸は手紙の構成では副文にあたります。
副文とは、手紙の本文で書き洩らした用件の付け足しや、念を押して伝えたいことを書くときに、手紙の最後に追記として書き足すものです。
追伸の書き方は、手紙を書き終えた後に本文より少し下げて、やや小さめの文字で書きます。
文章の量は2、3行程度にして、あまり多くなりすぎないようにしましょう。
縦書きの手紙で追伸を使う場合、注意しなければならないことがあります。
追伸を使う場合の注意
目上の人に手紙を送る場合や、あらたまった内容の場合、追伸を使うのはマナー違反です。
追伸は「書き足す」という意味があります。
そのため、追伸を使うと「書き足す手間を省いた」ということになり、失礼にあたります。
目上の人に手紙を送る場合やあらたまった内容の場合は、面倒かもしれませんが書き直しましょう。
縦書きの手紙で追伸を使うのは、親しい人に宛てた手紙のみにしましょう。
横書きの手紙の場合
引用 ビズ式
横書きの手紙の場合も、縦書きと同様、追伸の位置は日付・差出人名・日付の後になります。
横書きの手紙は、縦書きの手紙と違って、目上の人やあらたまった内容にはふさわしくありません。
よって、横書きの手紙は親しい人に対して送ることになるので、追伸を使うのも一般的となります。
追伸の位置はどこが正しい?メールの場合
メールの場合、追伸の位置は本文が終わって差出人の名前を書いた後になります。
メールはビジネスで一番使われるツールなので、追伸の位置を悩む方も多いでしょう。
しかし、ビジネスメールの場合の追伸の使い方には注意が必要です。
最初にお伝えしたとおり、追伸は手紙で書き忘れたことを付け足すために使われます。
それは、手紙を最初から書き直すのが大変だからです。
ですが、メールの場合は、最初から書き直さなくても書き忘れたことを付け足せますよね。
そこで追伸を使うと、相手の人から「この人は書き直すのが面倒なんだな。」と思われてしまいます。
なので、メールの場合は本文とは関係のない心遣いを書くときに追伸を使います。
たとえば、以下のような場合です。
メールでの追伸を使う場面
- お礼を伝えたいとき
「追伸 先週のお打ち合わせでは、弊社の●●がお世話になったようで、ありがとうございました。」
- 近況を伝えるとき
「追伸 先日お借りしたご本。大変興味深く拝読させていただいております。もうすぐ読み終えますので、あらためてご連絡させていただきます。」
- 先日、聞いていた情報について述べるとき
「追伸 お子様の運動会は、いかがでしたか。またお話聞かせてください。楽しみにしています。」
- 予告事項があるとき
「追伸 恒例になってきた「ランチ会」について、あらためて、ご相談させていただけますと幸いに存じます。」
- 気配りを伝えたいとき
「PS 来週からのご出張。どうぞお気をつけて行ってらっしゃいませ。」
引用 マイナビウーマン
特に書くことがない場合は、無理に追伸を使わない方がいいでしょう。
追伸の位置はどこが正しい?はがきの場合
引用 お礼状ネット
はがきの場合も、手紙と同じく、本文の後になります。
しかし、目上の人やあらたまった内容のときは、追伸を使うのはマナー違反になりますので、避けましょう。
また、はがきを横書きで書くのも目上の人やあらたまった内容のときはふさわしくありません。
なので、追伸を使うのは、親しい人に横書きではがきを書く場合のみ、ということになります。
拝啓・敬具・追伸の位置はどうなる?使い方を正しく知ろう!
社会人になるとメールだけでなく手紙を書く機会も増えますよね。
手紙を送る相手が取引先のお客様だったりすると、マナー違反の手紙を書いてしまうと自分の会社の信用を落としかねません。
ここでは、拝啓・敬具・追伸の正しい位置を解説します。
拝啓の正しい位置は手紙の一番最初!あいさつも忘れずに
あらたまった内容の手紙を書く場合、必ず手紙の最初は「拝啓」としましょう。これを頭語といいます。
そして、拝啓の後には時候の挨拶と安否の挨拶を入れることが必須です。
たとえば、
「初春の候、貴社いよいよご清栄のこととお喜び申し上げます。」
「師走の折、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。」
といった挨拶です。
「拝啓」より丁寧な表現の頭語として「謹啓」というものもあります。
敬具の正しい位置は手紙の最後!拝啓と敬具はセットです
敬具は手紙の最後に用いられる言葉で、ビジネス文書やビジネスレターではおなじみです。
敬具のように手紙の最後に使う言葉を結語といいます。
そして、敬具は基本的に拝啓とセットになっています。
なので、頭語に「拝啓」を使うと、結語は「敬具」となります。
また、頭語には「拝啓」の他に「謹啓」というものもあります。
頭語が「謹啓」になる場合は、結語は「敬白」になります。
敬具も敬白も「以上、謹んで申し上げます。」という意味を持っています。
女性だけが使える結語「かしこ」について
敬具や敬白の代わりとして、女性だけが使える結語に「かしこ」があります。
「かしこ」は頭語が拝啓でも謹啓でも使うことができる言葉です。
しかし、一般的な組み合わせは「一筆申し上げます。」が頭語になります。
「一筆申し上げます。」と「かしこ」の組み合わせは、全体的に女性らしいやわらかい文面になります。
女性でも拝啓や敬具を使うことができますが、こういう書き方もあることを知っているといいかもしれませんね。
拝啓や敬具を使う場合の追伸の正しい位置は?
追伸は手紙の最後に書くと言いました。
でも、敬具も手紙の最後に書きますよね。
敬具と追伸、どちらが先になるのでしょうか。
結論からいうと、敬具が先で追伸が後になります。
追伸は手紙の本文が終わったあとに付け足して書くものです。
そして、敬具は結語といって本文を終わらせる意味があります。
敬具がない限り、本文は終わらないので、追伸が使えないですよね。
なので、敬具が先で追伸が後というようになるのです。
しかし、前提としてビジネス文書で追伸を使うのはあまり良くないので、なるべく使わないように気を付けましょう。
英文メールの追伸の位置は?使い方は日本と同じでいいの?
会社で働いていると、業務内容によっては英語でメールを送っている方もいると思います。
英語での追伸は「P.S」と書きます。こちらは知っている方も多いですよね。
では、「P.S」の使い方はどうでしょう。
基本的には日本でのビジネスメールとマナーは同じです。
本文の後に「P.S」といれて使います。
しかし、英語でも日本語でも、メールはいくらでも書き直しができるので、追伸はなるべく使いません。
例外的に、同僚とのメールで、本文には関係のない身の回りに起きた大きな出来事を書くときに使われることがあります。
たとえば、以下のようなメールです。
「P.S」の使い方
I will start my new job on Monday. Really looking forward to it.
(私は月曜日から新しい仕事を始めます。そして、それをすごく楽しみにしています。)
I'm going to be working as an engineer.
(エンジニアとして働く予定です。)
P.S. I am moving to California next month.
(追伸 来月カリフォルニアに引っ越します。)
引用 WURK
じゃあ、「P.S」はいつ使うのかというと、親しい友人に向けて使うことが多いようです。
なぜなら、英語の「P.S」には「追加で書きたいくらいあなたと仲良くなりたい」という意味もあるからです。
外国の方と仲良くなってメールでやり取りするときには、是非使ってみてください。
追伸の書き方位置はどこが正しい?手紙での追伸の正しい書き方について解説のまとめ
- 追伸の位置は基本的には日付、差出人名、宛名の後になる。
- 追伸は、目上の人やあらたまった内容の場合はなるべく使わない。
- メールの場合は、書き直しができるので、追伸は使わない方が良い。
- 拝啓、敬具、追伸の位置は、拝啓が最初で敬具が本文の後、敬具の後に追伸がくる。
- 英文メールの場合も基本的には日本と使い方は同じ。
追伸にはただ書き忘れたことを付け足すだけではなく、心遣いに使ったり、親しい人にだけ使ったり、といろいろな使い方があります。
今まで追伸の意味をなんとなく理解していて、なんとなく使っていた方もいるのではないでしょうか。
ですが、そこまで追伸の位置や使い方を厳しく見ている人は少ないと思いますので、メールで追伸を使ってしまったからといって、すぐに「失礼な人だ」と思われることもないでしょう。
あくまで「こういうマナーがあるんだな」というくらいに覚えておいてくださいね。