あなたは象の知能について考えたことはありますか?
象といえば自由自在に動く長い鼻、大きな耳をパタパタと動かし、その優しいまなざしの象を知らない人はいないでしょう。
実は象の知能は高いと言われており、脳の大きさも6㎏ほどあります。そして人間と同じようにとても複雑な構造を持っているのです。
喜びや悲しみなどの喜怒哀楽もあり、仲間の死を理解し、悲しむ動物です。
そんな感情面だけでなく、群れで暮らす性質があるので、集団生活に必要な柔軟性も持ち合わせています。
その象の知能は人間で換算したら何歳ぐらいになるのかな?と気になりますよね。
では今から象の記憶力や賢さなどをわかりやすくお伝えしていきます。
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象の知能は人間でいうと何歳ぐらい?
結論からいいますと、象の知能は人間に換算すると何歳!というのは正直わかりません。
ただ冒頭でもお伝えしましたが、象の知能は高いといわれています。
どのぐらい高いかといいますと、まず記憶力が優れており個体識別能力が備わっています。そのため象は相手が敵か仲間かを見極めることができます。
そして怒りや悲しみ、ヤキモチを妬くという感情も持ち合わせているのです。
さらには象は死体に遭遇したとき、その死を悲しむような行動をとります。
その象が「どこの誰なのか」をしっかりと理解しているためともいわれています。
これだけの感情や理解力が備わっているだけで、かなり知能が高いことがわかりますね。
私が怒りや涙するような悲しみを感じ始めたのは、おそらく小学校ぐらいのときでしょうか。
2歳ぐらいでイヤイヤ期はあったと思いますが、それはまた違うでしょうし…。
本能や欲求のみで活動している動物がほとんどですが、象は喜怒哀楽を備え知能も高く、さらには集団行動もできる動物だということがわかります。
知能ではなく寿命の話しを
単純に人の寿命と比べにくいのですが、 人の寿命を80歳くらいとすれば、象の寿命は野生だと60~70歳(動物園の象は30歳ぐらい)です。
ということは、30歳の象は人間で換算すると40歳ぐらいになります。ぜひ参考程度にしてもらえたらと思います。
象は動物の中で何位くらいの頭脳を持つの?
動物の知能ランキングでは、象の知能の高さは5位ぐらいといわれています。
5位と簡単に言いましたが、私の想像していた順位よりかなり上のほうでした。
たしかに個体識別能力や感情面を持ち合わせているだけあって、賢いことも納得ですね。
1位はチンパンジー
1位は最も人間に近い動物といわれているチンパンジー。
チンパンジーのDNAは99%人間と類似しているといわれているので、知能が高いことも納得ですね。
チンパンジーの知能は人間の4歳ほど。じゃんけんやパズルなどのゲームを楽しむこともできます。また意思の疎通を図ったりすることもできます。
ただ凶暴性が高いので、人に懐くということはあまりないようです。
2位はカラス
人の顔を覚えるのでは?といわれるほど、頭が良い動物のカラスが2位です。
記憶力、認知力は共に非常に高く、攻撃してきた人間の顔は覚えています。
記憶力も高いので、5年経過してもその人の顔を覚えていて威嚇をしてくるそうです。
以前のニュースで水道の蛇口をひねり、水浴びをするカラスがテレビで紹介されていました。カラスは水道までも操ってしまうんですね…。
3位はイルカ
人懐っこくて、じゃれあうのが大好き!そんなかわいいイルカは3位です。
人間の子供の3~6歳ほどの知能といわれていますが、人間の感情を読み取り、寄り添って行動することはないといわれています。
キュッと口角の上がったかわいいイルカの口元に萌え萌えでしたが、私たち人間に寄り添ってくれていたわけではないのですね(笑)
それはさておきイルカの知能の高さは、なんといっても仲間同士のコミュニケーション能力。
海の中で超音波を使い、狩りのときには仲間同士で会話をすることができるそうです。
4位は豚
4位は最も知能が高いといわれている動物のチンパンジーと、同等レベルで頭が良いのでは?と言われている豚です。
実は豚もイルカと同じく遊びが大好き。
特に抜きんでているのが、長期記憶です。豚は過去の経験から学び、同じミスは2度としないそうです。
1位~4位の動物の知能の高さも素晴らしいですね。象もそうですが、特に記憶力に優れている点が共通していますね。
調べていくほどに、私のほうが記憶力(特に長期記憶)が劣っているのでは?としか思えない結果でした。
現生している3種類の象の特徴を比較!
現生してる象はサバンナゾウ、アジアゾウ、マルミミゾウの3種類です。象は現生最大の陸上哺乳類になります。絶滅したマンモスなどもそこに含みます。
以前まではアフリカゾウは1種とされていましたが、科学的な知見やそれまでの研究の集積により、マルミミゾウとサバンナゾウの2種として扱うことが一般的になりました。
ちなみにアジアゾウはアフリカの象より小型で、南アジアと東南アジアに生息しています。
これは象全体でいえますが、草食動物である象は多くの植物を食べます。
生息環境や個体サイズにもよりますが、大人の象では1日に100~200kgの草や木の枝、そして木の実を食べるといわれています。
そのために象が訪れた地域の環境への影響がとても大きいです。その地域に象が再び訪れるには、相当の回復期間が必要になります。
象の特徴について
アジアゾウ | サバンナゾウ | マルミミゾウ | |
体長 | 5.5~6.4m | 6~7.5m | 4~6m |
体重 | 4~5トン | 2.8~6トン | 2.7~6トン |
牙 | オスでも2m以下と短い。メスは更に短く外部から見えない | 長い牙をもっている。オスとメスにある | まっすぐ伸びる細い牙 |
耳 | 小さく四角形 | 大きく四角形 | 耳の下のほうが丸っこい |
性格や気性 | 温厚。人間によく慣れるといわれている | 気性は荒い | ある程度、人間に慣れるといわれている |
生息地 | インド亜大陸、インドシナ半島、スマトラ島など広く分布 | サハラ砂漠以南のアフリカの乾燥ところに広く分布 | アンゴラ、ガーナ、カメルーン、ナイジェリア、赤道ギニアなど |
現在の頭数 | 20世紀初頭に10万頭以上生息していたが現在は5万頭前後にまで減少 | 1995年の生息数は約28万頭が確認できた。現在は58万頭と推定 | 10万頭生息していたが今は7万頭程まで減少 |
レッドリスト(IUCN) ※1 |
EN(危機) | EN(危機) | CR(深刻な危機) |
特徴を比べてみると、個体差はもちろん、象の性格もそれぞれ違うのですね。
象って気性が荒いイメージでしたが、アジアゾウに関しては比較的、温厚な性格。
確かにテレビでも人間と戯れているシーンを見たことがあるような気がしますが、あれはアジアゾウだったのですね。
マルミミゾウ / Forest Elephant
【生態】アフリカ西部から中部にかけての熱帯雨林に生息。森林を住処にするためか、外耳はやや小さく丸みを帯び、体格もサバンナゾウに比べて小さい。
引用元:広島市安佐(あさ)動物公園公式サイト
サバンナゾウ / Savanna Elephant
【生態】サハラ砂漠以南のアフリカに広く分布する。地上最大の動物で、大きな耳はよく聞こえるだけでなく、血液を冷やして体温を下げる役目もする。当園では「マルミミゾウ」でないアフリカゾウを独立種「サバンナゾウ」として扱っている。
アジアゾウ/ Asian Elephant
【生態】
鼻も含めた体長は5.5~6.5m、体高2.2~3.2m、体重2~5トンの地上性の動物で最大です。
牙は上顎の切歯が発達したもので、オスだけに目立ち、メスでは口の外に出ることはあまりありません。
メスと幼獣からなる群れを作り、成熟したオスは1頭で過ごします。
引用元:札幌市円山動物園公式サイト
象の耳の秘密
象の外見を見比べると、住んでいる環境によって体格が違い、耳の大きさや牙の長さも違います。
特に象の耳の大きさは、住んでいるところによって違います。たとえば、日がカンカンに照り付ける草原にいる象は大きな耳をもっています。
反対に、日陰が多い森林に住んでいるマルミミゾウは、少し小さい耳をしています。
あと耳をバタバタさせているのを見ることがありますが、それは体が熱いときに、耳を動かして体の熱を逃がすためでもあります。耳で体温調節をしているのです。
正直、あらためて象を見比べることってないんですが、よくよく見ると目の形や体格など違いがあるんですよね。
小さい象は威厳もありつつ可愛らしさを感じますし、大きい象は悠然としたたくましさがあります。
見ているのもかわいいですが、実物は大きくてびっくりしそうです。
絶滅の危機にある象のために我々にできること
今まで象に直面している絶滅の危機を、あまり重要視していませんでした
しかし、象牙の売買、生息地の減少や生態系の変化に加え、象の生態が以前より深く理解されるようになり、いかに大変な問題なのかがはっきりしてきました。
国際自然保護連合の発表によると、特にマルミミゾウは絶滅寸前の危機に瀕しています。
象の個体数は減ってきています
レッドリスト※1の詳細です
「絶滅のおそれ」は絶滅リスクに応じたカテゴリーに分かれています。
このように見てみると、象のレッドリストに入っておりEN(危機)か CR(深刻な危機)のどちらかにあてはまることがわかります。
個体数がこの何十年の間で急激に減った原因は、象牙を狙った密猟が行われてきたからです。
密猟で命を落としている象は年間で2万頭にもなります。
保護活動により一時は密猟は減りました。ですが2000年以降には大規模な密猟が再発し、自然増を上回っています。
ワシントン条約を知っていますか?
ワシントン条約とは、絶滅の危機に瀕する野生の動植物が、過度に国際取引にされないようにするためにできた条約です。
私もワシントン条約の名前は聞いたことはあるし、なんとなく内容も知っていますが、生きている動物だけだと思っていましたが、実は象牙もその対象として含まれています。
特にワシントン条約の適用以降に取得した象牙製品は、輸出も輸入も禁止です。
個人でたくさんの象牙を扱うことはほとんどないとは思いますが「こういう決まりがあるんだ~」ぐらいで知っておくのは良いと思います。
我々にできることは…?
まずは環境保全です。
象を守るには、まず生息環境の森などの自然をしっかり保全すると同時に、密猟や密輸をなくしていく取り組みを行なう必要があります。
そのためには、生息地を保護区にして守ったり、地域の人々が自然の豊かさを大きく損なわないように努めたり、密猟などのパトロールや密輸(違法取引)の取り締まりといった取り組みを行なう必要があります。
今、確実に言えることは、象牙を必要とする人がいる限り、象の密猟がなくなることはありません。
象牙を利用している国々は多数あります。日本も利用している国のひとつです。
我々は象を殺して得られた違法な象牙を利用することが無いように、気を付けないといけません。
象の知能は何歳ぐらい?あまり知られていない頭脳の高さを徹底解剖!まとめ
- 象は非常に賢く、記憶力に優れている動物である
- 喜怒哀楽を持ち合わせており、仲間の死を理解し悲しむことも
- 寿命は長く野生の象は70歳ぐらいまで生きる
- 現世している象は3種類。しかし3種類とも絶滅危機カテゴリーに入っている
- 保護活動により一時減っていた密猟も2000年以降になると密猟が再開されてきた
- 我々にできることは違法な象牙を利用しないことと、環境保全への関心です
今回は象についてのお話しをしました。
象はとても愛らしくて、それを目当てに動物園に行く人もいるぐらいです。そして知能も高く、喜怒哀楽を持っている象。
人間の子供と変わらないぐらいの賢さでは?と思うようなエピソードもあります。
ただ自然界では絶滅の危機にあります。その原因は密猟と生息地の減少による環境破壊です。
象は大きくて可愛いな~♪ぐらいにしか思っていませんでした。でも象の行く末は?具体的にはどのように保護をするの?このまま減る一方なの?
今回はいろんなことをじっくり考えさせられました。